「〇〇半島」と聞くと、ぜひ走ってみたいと思うサイクリストは意外に多いのではないでしょうか。
そういう私もその中の一人です。本日は、岡山県玉野市の児島半島を1周します。私がよくサイクリングするコースなので、地図を見なくても迷いなく走れる。もはや庭レベルですよ。
いつも走らないルートを織り交ぜながらライドしていると、まさか「海へ続く線路」を発見してしまうとは。これには驚きましたね。
道中では、飽浦稲荷宮・素盞嗚神社を参拝したり、岡山唯一の稼働橋「桜橋」と宇野港のアート作品の見物を楽しみました。
本記事では、玉野市の児島半島をサイクリングした様子をお届けします。
児島湾締切堤防から出発
本日のサイクリングは、児島湾締切堤防にある広場から始まります。
この堤防から約500mほど南下すれば、児島半島へ辿り着きますので、そこから時計回りに1周し、再びこの広場へ戻ってくる計画です。
基本的には、岡山玉野線(県道45号)と倉敷飽浦線(県道74号)を走るコースなので、初めて走る方にも分かりやすいですね。また、多少のアップダウンがあったりしますが、平坦路が続くコースですよ。
内陸へ向かえば、貝殻山や金甲山などのヒルクライムを楽しめる。児島半島は、サイクリストにとって、非常に魅力的な場所といえます。
こちらが児島湾締切堤防です。どうですか、立派な堤防でしょう。
堤防前の道路は、車の交通量がかなり多いので、自転車は歩道を走った方が安全かな。
実は児島湾締切堤防が造られたことで、児島湖が誕生しました。出発する前に児島湖の景色を眺めて、くつろいでいた次第です。
空には雲がかかっていますが、所々で青空が見て取れます。問題は気温でしょう。夏ライドは、気温が高くなると熱中症リスクが高くなる。
朝の9時ごろには、28℃を超えていることなんて、普通にありえるので結構しんどいですね。残念ながら児島半島では、全体を通して休憩スポットが少ないのが欠点といえる。なので、夏ライドでは、事前準備がとても大事になります。
自転車のペダルを軽く回しながら遊歩道を走る。しばらくすると、最初の分岐点へ到着しました。
左右どちらに曲がっても児島半島を1周できますが、本日は時計回りするため、左側へ曲がり小串地区を目指します。
その後、岡山玉野線と倉敷飽浦線の分岐となる飽浦交差点へ到着すると、コースを少し離れ飽浦稲荷宮・素盞嗚神社へ訪れました。
【自転車のアイテム紹介】
自転車に役立つ様々なアイテムを、下記記事で紹介します。
飽浦稲荷宮・素盞嗚神社へ参拝
今自転車を走らせている飽浦の地は、源平合戦で活躍した佐々木三郎盛綱が居城を構えた土地です。日本最古の歌集である万葉集には「網引きする海女とか見らむ飽の浦の清き荒磯を見に来しわれを」と詠まれています。
佐々木三郎盛綱の一族は、地名にちなんで飽浦三郎と名乗っていたという。そして、その一族の守護神「素盞嗚尊(すさのおのみこと)」を祀っている神社が、素盞嗚神社ですね。
また、鎌倉時代末期になると、飽浦三郎の子孫の飽浦三郎右衛門信胤が山城国伏見(現在の京都市伏見区の伏見稲荷大社)から御霊を勧請して、この地に建立したのが飽浦稲荷宮ですよ。そのため、素盞嗚神社と飽浦稲荷宮が並列した形で鎮座しています。
まだ朝が早いためか、境内は静まり返っており、それが厳かな雰囲気を醸し出している。
拝殿へ近づくと、あの雅な神楽が流れてきて身が引き締まりますね。双殿造の拝殿は、右が素盞嗚神社の向拝、左が飽浦稲荷宮の向拝です。なので、それぞれに参拝しました。
狛犬ならぬ狛狐もいい感じ。長い年月をかけて守護してきたのでしょう。貫禄を感じます。
境内を見て回っていると、素盞嗚尊がヤマタノオロチを成敗している絵と、刀をくわえたお稲荷さんが描かれた大きな看板を発見。
絵の周りには、逆三角形のオブジェがかけられている。不思議に思い近づいてみると、このオブジェの正体は絵馬でした。手作り感満載の絵馬にほっこり。こういうのは、暖かみを感じますね。
拝殿がある場所は、高台になっているので振り返ってみると、3つの鳥居がまとめて見られて、何だかいい感じの景色が広がります。その後、飽浦稲荷宮・素盞嗚神社を後にしました。
さて、よいよ本格的な児島半島のサイクリングの始まりです。
【神社の参拝に役立つ話】
神社参拝に役立つ話を、下記記事で紹介します。
児島半島の風景を楽しもう
自転車のギアを重くし、加速させて倉敷飽浦線を走っていると、左手側は児島湾が広がります。この児島湾には、全長931mもある児島湾大橋が架けられている。この大橋を渡れば、岡山市中区の新築港地区へ向かえますね。
新築港地区には新岡山港があるので、フェリーに乗って小豆島へ渡れます。サイクリストの間でマメイチと呼ばれる絶景ルートが楽しめるおすすめスポットですよ。
児島湾大橋の雄姿を写真におさめ、先に進むとのどかな景色が見えてきた。こういう場所を走るのは実に気分がよいものですね。
しばらくすると、小串地区へ到着。いつもはこのまま倉敷飽浦線を走り、小串地区を素通りするのですが、本日は気の向くまま寄り道する予定。
小串スポーツ広場や岡山ピア73マリーナの前を通り過ぎたり、普段は走らない路地を通過したりして、散歩感覚で走っていた次第です。
そうこうしている内に、貝殻山へ向かう坂道前へ辿り着く。貝殻山の平均勾配は、約6%前後ぐらいでしょうか。10%越えの急勾配もあるルートなので、ヒルクライムの練習にも使える。なので、私もたまにヒルクライムを楽しんでいる場所ですよ。
本日は児島半島1周が目的なので貝殻山はパス。そのまま1周ルートを走っていると、何と赤い池を見つけてしまい「何だこれは!」と驚きの声を上げてしまいました。
赤くなっている原因は分かりませんが、おそらく日本各地で問題になっている外来種の「アイオオアカウキクサ」によるものではないかと推測。
池の表面を覆ってしまうと、人の力では一掃するのが難しいそうですよ。生態系を脅かす危険な存在なんだとか。う~む、アイオオアカウキクサを含め外来種が引き起こす問題は、抜本的に手を打たないとまずいですね。といっても今更鎖国は無理でしょうし・・・。これは難しいかも。
そんな感じで環境問題について考えていると、ひまわり街道へ到着。ひまわりの姿を見ると元気になるのは、なぜだろうか。まったく不思議な花ですね。
おっと再び分岐点だ。青看板が示す「飽浦」の方向へ向かえば、ちょっとしたヒルクライムが楽しめるコースなんだけど、こちらもパス。素直に倉敷飽浦線(県道74号)を走りますよ。
しばらくすると、倉敷飽浦線から分岐した細道が見えてきました。サイクルコンピュータで確認すると、どうやら海岸へ向かうみたい。
今まで一度も走ったことがない道でしたので、少し寄り道してみた次第です。それがまさかの発見につながるとは、この時は思いもよりませんでした。
【カメラに関する話】
サイクリング中に絶景や気になる場所を見つけたら、カメラで撮影しておこう。下記記事では、カメラに関する話を紹介します。
海へ続く線路の発見
細い道の先には、瀬戸内海が広がっていました。後から調べて分かったのですが、この場所は「胸上浜」といいます。
瀬戸内海では、よく見かけるひなびた感じが実によい。周囲には企業のコンビナートが見えて、人が入りづらい雰囲気なので、海水浴場としては向いていないかな。白い砂浜がきれいで、海辺の散策が楽しめる隠れたスポットなのでしょう。
個人的には、コンビナートのようなメカの外観が大好きなので、1枚写真に撮りました。
道なりに走り、再び倉敷飽浦線の合流を目指します。そうしていると、浜辺に見えてきたのが線路です。
その景色に愛媛県の「せとかぜ海道」をサイクリング中に、下灘駅の近くで見かけた「海へ続く線路」を思い出し、テンションが急上昇!!
思わぬ発見に驚くとともに、しばらくの間、海へ続く線路を見物しました。
海へ続く線路といえば、ジブリ映画「千と千尋の神隠し」に登場し、一躍有名になったので知っている人も多いはず。まさかこんなところで見かけるとは、これは嬉しいですね。
この場所に、なぜ海へ続く線路がある理由は分かりませんが、私の普段のサイクリングコースに今後は組み込みますよ。
その後、瀬戸内海を眺めながら疾走。個人的には児島半島の南側のコースは、より海を身近に感じられるので好きですね。
いつしか倉敷飽浦線へ合流しており、港町の風景を楽しんでいました。
玉野市東野崎地区へ入ったところの橋の上から海側を眺めた景色がこちら。
私が勝手に「玉野のベニス」と命名しているお気に入りの場所の1つ。左右に並べられた小船の先に、瀬戸内海につながる海の通路がGood。
うん、絵になるな。さて、次の目的地は岡山唯一の稼働橋となる「桜橋」。久々に訪れますが、今回は橋が上がっている光景が見られるのか、ちょっとした運試しです。
【自転車旅の様子】
本記事のような自転車旅の様子を、下記記事で紹介します。
岡山唯一の稼働橋「桜橋」と宇野港のアート作品の見物
倉敷飽浦線(県道74号)を進むと、再び岡山玉野線(県道45号)へ合流するので、道なりに走れば児島半島を1周できますね。
けれど、桜橋へ向かうためには、途中から倉敷飽浦線を離れて、宇野港の方角へ向かう必要があります。そこで、田井みなと公園や玉野競輪場の前に整備されている県道466号を走り抜けた次第です。
ちなみに田井みなと公園では、あまりの暑さのため、15分ぐらい木陰で涼んでいました。夏ライドは、春や秋ライドと比べてこまめな休憩がより大事。熱中症リスクが付きまとうので、定期的なクールダウンは必須ですよ。
休憩するとだいぶ体が楽になり、桜橋まであっという間に到着しました。
今まで一度も橋が上がっているところを見かけたことがない桜橋ですが、今回もダメでしたね。
そもそも決まった時間に橋が上がるのではなく、船が通行する際に、先に料金を支払って上げて貰うシステムなのだから、偶然に頼るしかないのはもどかしい。
「えっ、自分で料金を支払えばよいのでは」とそんな声が聞こえてきますが、船で通過するわけでもないのに、それは邪道です。そもそもそんな邪道が可能なのかも怪しいところ。なので、今後も運まかせでチャレンジします。
日本全国でも可動橋の存在は、現役で動いていない物も含めて、わずか約30箇所しかない貴重なもの。旅の道中では、積極的に見て回りたいですね。
桜橋の見物を終えると、宇野港へ向かいました。
宇野港には、過去の瀬戸内国際芸術祭(略:瀬戸芸)で出展された現代アートが展示さています。これは、宇野港へ訪れたら見逃せません。
瀬戸芸の期間中でなくても見られるのは嬉しい限り。代表的なものといえば、やはり「宇野のチヌ」でしょう。
長さ5m、高さ3.5mの巨大なチヌ(クロダイ)の形を形成しており、素材は宇野港などに漂流してきた廃棄物を利用しています。
カラフルなグラデーションで美しい。少し離れた位置から見るのがポイント。あまりにも近付きすぎると、漂流物たちの自己主張が激しいかな。(笑)
また、宇野港周辺では、多くのアート作品を見学できるので面白いですね。
児島湾大橋を渡り児島半島を後にする
宇野港を北上し、岡山玉野線(県道45号)へ合流しました。後は道なりに走れば、児島半島を1周できて本日のサイクリングは終了ですね。
けれど、少しだけ延長戦を楽しみますよ。横目で児島湾を眺めながら、自転車のギアを上げスピードアップ。
スタート地点であった児島湾締切堤防から最初に曲がった分岐点が見えてきましたが、左折せずそのまま直進します。そして、岡山玉野線と倉敷飽浦線の分岐となる飽浦交差点を曲がらずそのまま直進すれば、児島湾大橋へ進入。そのまま橋を渡りますよ。
ちなみに児島湾大橋の車道は、自転車が走れないので、歩道を徐行するように。なので、橋へ進入する前にトンネルがあるので、トンネルへ入る前から歩道を徐行して進んでいた次第です。
こちらが、児島湾大橋から眺めた児島湾の景色。うん、いつ見てもいい眺め。
そのまま橋を渡り、新築港地区へ到着。そして、本日のサイクリングのハイライトとして、児島湾大橋のビュースポットへ移動しましょう。
そこで愛車と記念撮影。こうして、本日のサイクリングは終わりを告げました。
まとめ
児島半島1周は、平坦メインの約35kmの距離しかない初心者にも優しいコースです。
半日あれば余裕をもって走れて、色々寄り道をしたりして楽しめる。宇野駅周辺まで行けば、食事処やホテルなど様々な施設がありますね。
本日のサイクリングで見つけた「海へ続く線路」を交え、今以上に児島半島のサイクリングコースのバリエーションを、増やしていく予定です。