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旅の体験談

名勝「衆楽園」の自然を満喫しよう、津山市にある大名庭園を歩く

衆楽園の風景

岡山県の大名庭園で直ぐに思い浮かぶのは、後楽園でしょう。日本三大名園の一つに数えられており、その名前は全国区ですね。

しかし、県内にはまだ大名庭園はいくつか存在しており、その中の一つが津山市にある「衆楽園(しゅうらくえん)」です。

衆楽園は、国の名勝に指定されているほどの自然景観に優れている。それに津山市街にあるため、アクセスは良く、津山市民の憩いの場となっています。

広々とした園内には、大きな池や4つの島、茅葺きの風月軒などがバランスよく配置されており、その調和の取れた景観は素晴らしい。特に美しい曲水の流れは、見ごたえ抜群ですよ。

本記事では、散策が楽しい癒しスポット「衆楽園」の魅力を紹介します。

本記事は、以下に該当する人向けです。

  • 日本庭園に興味がある
  • 衆楽園の魅力を知りたい

衆楽園(旧津山藩別邸庭園)とは

衆楽園の景色
衆楽園の景色

衆楽園は、津山藩2代藩主・森長継(もり ながつぐ)が、明暦年間(1655年~1658年)に京都から小堀遠州流の造園師を招いて造営した池泉回遊式の日本庭園です。京都の仙洞御所を模倣しました。

正式名は旧津山藩別邸庭園。衆楽園という名称は、1870年(明治3年)に命名され今に至ります。

現在は一般開放されており、津山市街にありながら、都市の喧騒を忘れさせてくれる地元住民の憩いの場所として親しまれている。

衆楽園の案内板
衆楽園の案内板

園内では、春の桜やツツジ、夏の睡蓮、秋の紅葉、冬の雪景色など季節ごとに調和の取れた美しい自然景観を満喫できる癒しスポットですよ。このレベルの日本庭園が無料公開されているのは、実にありがたい話ですね。

また園内には、かつてあった建物(余芳閣・迎賓館・風月軒など)を再現し、園内の風景によく溶け込んでいます。

2002年9月に「旧津山藩別邸庭園(衆楽園)」として国の名勝に指定されました。

衆楽園は癒しスポット、ゆっくり園内を散策しよう

衆楽園の入口(赤門)
衆楽園の入口(赤門)

衆楽園の敷地は南北に長く、出入り口に北側と南側に門があります。基本的にこの2つから園内へ入ることになりますが、駐車場に近い南側の赤門(正門)を利用した方が何かと便利ですね。

特に初めて衆楽園へ訪れるのでしたら、赤門(正門)は裏門に比べて見栄えが良く記念撮影におすすめ。ということで、早速赤門をくぐり抜けて園内へレッツゴー。

衆楽園の景色

園内の大半は、南北に長い池が占めており、4つの島が直線上に配置されている。

目線を少し上に向けると、中国山地を借景としていることが分かります。広々とした池は、雄大な海に見立てているのだろう。自然景観が素晴らしく、散策には打ってつけの環境ですね。

紅葉島へ渡る橋
紅葉島へ渡る橋

最南部に位置する島は、紅葉島と呼ばれており、その名が示す通りに紅葉シーズンでは、赤やオレンジに染まったモミジが楽しめる。秋空の下、日差しを浴びて輝きを放つモミジが庭園を彩る景観は素晴らしいものだ。

紅葉島
紅葉島
皇太子殿下御手植松
皇太子殿下御手植松
石塔
石塔

島の中央にそびえ立つ大きな松は「皇太子殿下御手植松」です。その隣には、石塔がありました。

今私が訪れた時期は、桜シーズンには少し早いが、春の足音がよく聞こえてくる昼下がり。

梅の花
梅の花

桜やモミジは見られませんでしたが、その代わり梅の花を鑑賞できた次第です。

隣接する高校

池の西側を歩いていると、何やら声が聞こえてくる。どうやらフェンス向こうに隣接する高校からのようだ。部活動が盛んなのだろうか。

静かに散策したい方は、早い時間帯に訪れた方が良いのかもしれない。

余芳閣と迎賓館
左:余芳閣 右:迎賓館

こちらは有料で利用できる余芳閣、迎賓館です。近くには、うどん・そばなどの軽食を食べられる「衆楽茶屋」が営業しています。

滝石組
滝石組

これらの施設の近くから池の方を眺めてみると、小さな滝石組を目撃できる。周辺の木々に覆われているので注意深く観察しよう。水が水落石の岩肌を伝って流れ落ちているのが見て取れる。

水辺の景色だけでも心が落ち着くものだけど、滝の流れによりアクセントが入るのは実によい。

中島に架かる橋
中島に架かる橋
風月軒
風月軒

また、中島へ向けて橋が架かっているので、渡ると茅葺きの風月軒が見えてきました。向こう岸には、最北部の霧島を望めます。

森林地帯

来た道を引き返し、時計回りに東側へ向かう。その道中では、木々が生い茂るちょっとした森林地帯を通過する。そのよう場所にひっそりと句碑が佇んでいました。

山口誓子の句
山口誓子の句「絲櫻(いとざくら)水にも地にも 枝を垂れ」と刻まれている

その句碑がこちら。山口誓子の句で、昭和54年に衆楽園へ訪れた際に詠まれたという。

また、滝にまつわる女神を祀る「七面祠」があるので足を運んでみよう。(くわしくは後で紹介します。)

苔に覆われた地面
苔に覆われた地面

苔の生えた地面が良い感じ。ついついじっくり観察してしまう。

裏門
裏門

おっ、裏門を発見。北東部にある衆楽園の見どころ「曲水」に近い場所にあるので、曲水目当てならば、裏門から入るのも良いかも知れない。(曲水については後で説明)

霧島に架かる橋
霧島に架かる橋

橋を渡り霧島へ上陸。この島は特に何もありませんが、起伏があるので少し登ることになる。そんな島を子供たちがワイワイしながら駆け抜ける姿が印象的でしたね。

浮島
浮島

園内には、紅葉島・中島・霧島・浮島がありますが、最後の浮島には橋が架かっていないので移動できません。

浮島の先端は伸びており、そこには長石が置かれていました。

長石とカメ
長石とカメ

カメラのズーム機能を使い撮影してみると、何と本物のカメがまるで長石にコミュニケーションを図っているように見えるではないですか。よくよく長石を見てみるとカメの形にも見える。「なるほどな♪」と思った次第です。

カモ
カモ

池の中にはカモが自由気ままに泳いでおり、気持ちよさそう。コイの姿も見かけたのだけど、私が見かけたのはたった1匹だけだったことから、それほど多くはなさそうですね。

衆楽園の風景(その3)
衆楽園の風景(その2)
衆楽園の風景(その1)

園内には、ソメイヨシノやしだれ桜などが植えられているので、満開になる時期へ訪れるのが実に楽しみ。

全体を通して、庭石や灯籠といった人工物は少なく、あくまで自然を全面に押し通すスタイルが衆楽園の特徴といえます。

必見!美しい「曲水」を見逃すな

曲水の流れ
曲水

園内の北東部からから西部に向かって造られた「曲水」が、衆楽園の見どころですね。

高低差を利用して上手に設計されており、人工的に曲がりくねって造られた小川の景観は、やや単調な園内の風景によいアクセントを与えています。

腰を低くして、小川のせせらぎを眺めてみよう。うん、心が落ち着きますね。それにその際張り巡らされた木の根が見えて、その細かさにビックリするだろう。

張り巡らされた木の根がスゴイ
張り巡らされた木の根がスゴイ
石橋と曲水
石橋と曲水

この曲水の流れは明治以降に付け加えたものだそうですが、実に素晴らしいアイデアに拍手喝采を贈りたい。

水の流れ自体は、敷地外の水路へ流されるということ。自然石を使った石橋と曲水のコラボもGood。衆楽園を訪れたら、この曲水は絶対に見逃せませんね。

フォトスポットにおすすめ、茅葺きの「風月軒」が織りなす風景

風月軒
右側に映る茅葺きの建物が「風月軒」

衆楽園の景観の中で、注目したいのが池の畔に建つ茅葺きの風月軒です。周囲の景観と見事に溶け込んでおり、フォトスポットとしておすすめ。

様々な角度から、この風月軒を織り交ぜて撮影を楽しもう。衆楽園は市街地にあるので仕方がありませんが、バックに現代の住宅が映り込むのがマイナスポイントかな。

風月軒は有料ですが、一般貸出を行なっています。興味がある方はお借りてお座敷にて、風情ある園内をゆっくり眺めながら過ごされてみてはいかがですか。

風月軒
風月軒が織りなす風景

滝にまつわる女神を祀る「七面祠」

七面祠
七面祠

園内北部には、龍の化身といわれる七面天女(しちめんてんにょ)が祀られた祠があります。

七面天女は、日蓮宗系の水や雨、滝にまつわる女神様。かつて廃藩置県までは、津山城内で祀られていました。

廃藩置県後のある日、家老・松平国忠の娘が重病にかかり、国忠はたいそう気にかけていると、夢枕に七面天女が現れ「私をどうか丁寧に祀ってほしい」とお告げをした逸話が残されています。

その後、放置されていた七面天女をお告げ通りに邸内(衆楽園)へ手厚く祀り祈りを捧げたことで、娘の病がなおったそうです。

現在は、園内にひっそりと池側に建てられた小さな祠で、この地の人々を見守り続けています。

兼六園のシンボルに似ている灯籠

灯籠

衆楽園を隈なく歩いていると、独特の景観をした2本脚の灯籠を発見しました。

この灯籠はどこかで見た覚えがあるなと思っていましたが、当日は思い出せませんでした。しかし、後日突然思い出し、その存在にビックリ!

まるで日本三大名園の一つに数えられる兼六園のシンボル「徽軫灯籠(ことじとうろう)」にそっくりじゃないですか。確かに似たような灯籠があっても別に不思議ではありませんが、なんとも不思議な縁ですね。

園内の休憩場所「衆楽茶屋」

衆楽茶屋
衆楽茶屋

衆楽茶屋では、美しい衆楽園の風景を眺めながら軽食を楽しめます。

メニューを見てみると、うどん・そば・そうめん・ぜんざい・いなり・かき氷などがそろっている。店内はそれほど広くないので、天気が良い日は、外のテーブルで食べるのが良いかな。店の外には飲み物を買える自動販売機が用意されています。

ちなみに私は天ぷらそばを注文し、美味しく頂きました。冬季は営業していないそうなので、気をつけよう。

尚、衆楽園の赤門(正門)前には、小西食堂がありますので、そちらでも食事ができます。残念ながら私が訪れ日は臨時休業でした。まさに旅人あるあるですよ。

  • 衆楽茶屋
    • 営業時間 10:00~15:00
    • 定休日 不定休
    • クレジットカードが使用不可

衆楽園の基本情報とアクセス

住所岡山県津山市山北628
電話番号0868-22-3310(津山市観光協会)
営業時間4月~10月 7:00~20:00
11月~3月 7:00~17:00
休園日無休
入園料無料

【アクセス】

  • JR津山駅から徒歩約20分
  • 中国自動道「津山IC」「院庄IC」から車で約15分

衆楽園の駐車場

衆楽園の赤門(正門)近くには、無料駐車場がありますが駐車スぺースが狭く、普通車が10台ほどしか駐車できません。

しかし、道路を挟んで向こう側に無料の津山市役所前駐車場があり、そちらは駐車スペースが広く、普通車120台・バス10台が駐車できるので、そちらを利用するとよいでしょう。

まとめ

衆楽園を歩く

衆楽園は、江戸初期に造られた大名庭園です。津山市街にあるためアクセスが良好であり、これほどの庭園が無料で一般公開されているのは、本当にありがたい。

水辺のある景色を眺めながらボーと過ごしたり、園内を散策して自然や野鳥の観察を楽しもう。また、ストレスを感じている時に園内で過ごせば、リフレッシュの効果が期待できそうですね。

園内をゆっくり歩きながら、季節ごとに調和の取れた美しい自然を満喫しましょう。

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