高知徳島旅の4日目は、徳島県の海陽町から始まります。本日も昨日同様、朝から晴天で旅日和の1日になりそう。
昨日は高知県の室戸岬を観光した後、高知と徳島の県境を越えて、海陽町へやってきたところで終了となりました。(3日目の旅の様子は、こちらの記事で紹介。)
本日は、風光明媚な太平洋を望むドライブコースとして知られる「南阿波サンライン」を駆け上り、美波町へ向かう予定ですね。
美波町といえば、ウミガメの産卵地として有名な大浜海岸と、厄払いのポワースポットとして全国に知られる薬王寺がある。両方とも立ち寄る予定ですよ。
まずは、昨日、甲浦駅で見物したバスから電車へ変形する近未来の乗り物「DMV(デュアル・モード・ビークル)」について学べる阿波海南文化村へ向かうぞ。
本記事では、自転車に乗って海陽町から美波町まで歩んだ旅の様子をお届けします。
宍喰川バルーン堰より旅立つ
海陽町に流れる二級河川・宍喰川。そこには、小さな堰があるので朝から見物へ向かいました。
その名は「宍喰川バルーン堰」という。中々面白そうなネーミングでしょ。その名前に興味を持ったので訪れてみましたが、これは私の知っている堰じゃないぞ。
よく見てみると、ゴム製の堰ではないですか。だからバルーンなのかと納得です。それにしても、このような堰があるとは、初めて知りました。
破けないのか心配ですが、堰にするぐらいなのだから、かなり丈夫なのでしょうね。
さて、それでは出発しますか。自転車のペダルを軽やかに回し、海陽町の久保・宍喰地区を通過する。土佐東街道(国道55号)へ合流すると、道なりに進みます。
本日のコースは、前半は国道55号線を走り、その後県道147号線こと「南阿波サンライン」を経由して再び国道55号線へ合流する。そしてそのまま道なりに走り美波町市街へ向かう予定です。
「それなら国道55号線のみでよくない?」とそのような声が聞こえてきそうですが、南阿波サンラインは前々から走ってみたかったコースなんですよ。
アクセスが悪い場所にあるので、この機会を失うと次に行けるのがいつになるのか分からないかな。
おっ、青看板を発見。徳島市まで約88kmとは思ったより近いぞ。それに美波町まで35kmと近いので本日は、いつも以上にのんびり過ごします。
もともと3日4泊の計画を急遽、旅の最中に4泊5日に変更したため、昨日と本日は走る距離は短めになるのは分かっていたので驚きません。
青看板を見ながらのほほんとそんな分に考えていましたが、結果的になぜか倍近く走ることになるとは、この時は想像もしていませんでした。
しばらく道なりに進んでいると、大きな一枚岩を発見。う~む、いい面構えだ。思わずカメラを構えパシリと1枚撮りました。私にとっては、こういうのは平常運転ですね。
海陽町の四方原地区へ到着すると、阿波海南文化村まであと少し。沿岸の看板には「世界発に乗ろう」のキャチコピーでDMVをアピールしているぞ。
阿波海南文化村では、バスモードのDMVしか見られませんが、昨日変形しているところを既に見物したのでかまいませんね。
【自転車旅に役立つアイテムの紹介】
自転車旅で役立つ様々なアイテムを、下記記事で紹介します。
阿波海南文化村を見て回る
阿波海南文化村へ到着すると、DMVが到着するまでまだ少し時間があるので、様々な施設を見て回りました。
阿波海南文化村は、海陽町の歴史・文化を学べる施設でありDMVの発着場所ですね。
敷地内はそれなりに広く、海南文化館(イベントホール)や博物館、工芸館、三幸館、関船展示館などの施設があります。
まずは三幸館へ足を運び、DMVについて色々学ぶぞ。陽気なDMVをアピールするミュージックが流れる中、DMVについて紹介しているパネルを見て歩く。
DMVの導入の経緯や、路線図、DMVの構造、モードチェンジの仕組みなどを説明している。バスから電車に変わるモードチェンジの時間は、わずか10~15秒と短いので、見物する際には気を付けよう。
様々な資料のおかげで、DMVとはどのような乗り物なのか、よく分かりました。
また、館内にはDMVの模型やぬいぐるみが置かれているのも面白い。そうこうしている内にDMVが到着する時間になったので見に行くぞ。
DMVは全部で3台運行しており、車体のカラーが青・緑・赤と違っています。
やってきたのが緑色の車体の「すだちの風」と呼ばれるDMV。昨日見物したのは、青色の「未来の波乗り」でしたね。
ちなみに残りの一台は赤色の「阿佐海岸維新」ですよ。
こちらが、電車モードにチェンジした時に飛び出す車輪。阿波海南駅と甲浦駅でモードチェンジの様子を見物できる。
その様子は、トランスフォーマーといえるかな。(笑)
おっ、これはDMVのトリックアートだ。好きなポーズを決めて記念撮影してみよう。
DMV関連以外にも様々な施設があるので、見て回りました。
こちらは関船展示館に展示していた「関船」です。徳島県南部の海部郡あたりで祭礼に使われる舟形のだんじりを「関船」と呼んでいます。
朱塗りの船形それ自体が派手なので、目を引きますね。
博物館(有料)へ入ると、面白い影絵でお出迎え。こういうのは、個人的に大好き。
館内では、海陽の郷土の歴史や文化を学べます。美術刀剣として知られる海部刀、大里古墳のジオラマ、大里出土銭や民具などが展示されていました。
おっ、これは刀づくりの様子を模型で説明しているぞ。この辺りでは、強い武士団を養成する意図から切れ味抜群の海部刀が作られたそうです。
また、実際に刀を持ってその重さがどれほどなのか体験できる。
確かめてみると、持てなくはないけど、振り回し続けるのはかなりつらいかも。
これを自由自在に操るには、そうとうな訓練が必要ですね。ちなみに、一般的な刀の重さは1kg前後あり、金属バットより少し重いくらいです。
こうして、一通り施設を見て回ると阿波海南文化村を後にしました。
再び国道55号線へ合流すると、牟岐町を目指して北上した次第です。
【博物館の紹介】
阿波海南文化村のような郷土の学びの多い博物館を、下記記事で紹介します。
牟岐町へ向かい貝殻の博物館「モラスコむぎ」へ立ち寄る
四方原地区を抜けてアップダウンの山道を駆け上る。すると、前方には伊勢田川の河口が見えてきました。
すでに浅川地区へ入っており、牟岐町の市街地までは残り約6kmほどですね。
しばらくして鯖瀬トンネルを抜けると、大砂海水浴場の案内標識を目撃。少し興味を持ったので寄り道することにしました。
国道55号線を離れ、海岸へ向けて下り坂を下る。すると、あっという間に大砂海水浴場へ到着。
白浜が美しい開放感抜群の海水浴場にテンションアップ。それに潮風が気持ちいい♪
まだ海開きには早い時期だったため、ほとんど人がいませんでした。まるでこの景色を独り占めした気分になったかな。
この海水浴場について調べてみると、環境省が選定する日本の快水浴場百選の「特選」に選ばれるほど、良質な海水を誇るそうですよ。遠浅の海なので、水遊びが楽しめます。
しばらくの間、浜辺で過ごすと、来た道を引き返し国道55号線へ合流しました。
その後、福良トンネルなど複数のトンネルが続きましたが、そんなトンネルも何のその。交通量が少ないこともあり、トンネル内ではトラックに遭遇することもなく難なくとクリア。
トンネルにもよりますが、個人的にトンネル内でトラックが近づいてくると警戒心がMAXになる。避けるスペースがほとんどないため、危なすぎますね。
そのような坂道を上り続けていくと、内妻峠のバス停に到着。さ~て、ここからは下り天国が始まるぞ。
ということで、八坂トンネルを通過していっきに坂道を下る。何人たりとも俺の前は走らせないぜ!
そんなテンションだったのですが、5分もかからない内に牟岐町の市街地へ辿り着きました。
ちょっと短すぎませんかね。(笑)
特に用事はないけれど牟岐駅へやってきた。個人的に町の玄関口となる駅へ訪れるのは、よくあることです。
駅舎の外観は、これといって目立った特徴はないですが、木造駅舎というだけで味わいを感じます。
これから向かう先は、珍しい貝殻を集めた博物館「モラスコむぎ」。さて、どんな博物館なのか楽しみですね。
駅前の交差点から県道147号線へ入り、牟岐川に架かる橋を渡る。
そして、馬地海岸を走り抜けて東へ向かうと、遠くには古牟岐港が見えきた。
そこから約200mほど進むと「モラスコむぎ」へ到着しました。
モラスコむぎは、世界中から集めた貝殻や化石の標本が約2,000種、6,000点を所蔵・展示している博物館ですね。
建物の入口前には、1000年サンゴの模型がお出迎えしてくれるぞ。牟岐大島内湾には、1,000年以上生き続けているといわれるコブハマサンゴは実在するそうですよ。
その大きすぎる模型を見て、期待が高まるではないですか。
展示棟に並べられた貝殻は、食卓で良く見かける馴染み深いものを含め、世界一長い貝や世界一高価な貝、危険な貝など珍しいものが目白押し。これは来たかいがありました。
「モラスコむぎ」については、下記関連記事で紹介します。
南阿波サンラインを駆け抜けろ!
牟岐町から美波町へ向かうコースは2つあります、1つは国道55号線であり、もう1つは県道147号・日和佐牟岐線こと「南阿波サンライン」ですね。
もともと南阿波サンラインを走りたいと思っていたので、こちらのコースを選択。起伏に富んだワインディングコースですが、風光明媚な上、車の交通量が少ないため自転車は走りやすい。
美しい新緑や雄大な太平洋を望みながら自分のペースを保ち、前へ前へと突き進む。
途中で美波町へ入りますが、市街地まではまだまだ遠いですね。
コース上には4つの展望台があるぞ。その中でも第1・第4展望台が開放感が抜群でGood!
こちらは、第4展望台からの景色。どうですか、ずっと見ていたい景色でしょ。これはテンションが上がらない訳がない。
さらに道中には、シュロの木などを植生している区間が複数あるので、まるで南国の観光道路のような雰囲気を味わえる。
最大で勾配が10%の劇坂がありますが、それほど長い距離ではないので、自転車のギアを軽くしてクルクルペダルを回せば難なくクリアしました。
こうして約17kmも続く南阿波サンラインを攻略。余は満足だ~。
国道55号線へ再び合流すると、美波町の市街地へ向けて加速した次第です。
南阿波サンラインのコースの魅力や特徴、展望台、周辺の見どころなどについては、下記関連記事で紹介します。
薬王寺や大浜海岸など美波町を巡る
美波町(旧日和佐町)には、全国的に知られる厄払いスポットの「薬王寺」や、ウミガメの産卵地として有名な大浜海岸があります。
ということで、まずは薬王寺へ向けてレッツゴー。
国道55号線を疾走し、美波町市街へ入る。前方の山の中腹には、朱塗りの大きな塔が見えてきました。
それが薬王寺の瑜祇塔(ゆぎとう)ですね。遠くからでも目立つので良い目印となるかな。
こうして、あっという間に薬王寺の仁王門前へ到着。近くにある駐車場へ自転車を停めて、早速お参りに向かいました。
薬王寺には、色々な厄払いスポットがありますが、特に有名なのは厄坂(女厄坂・男厄坂・還暦厄坂)と呼ばれる石段でしょうね。
この石段の下には、薬師本願経の経文が書かれた小石が埋められており、一段づづお賽銭(1円玉)を置いて厄を落としながら歩くのがお作法です。
お賽銭を置くのは厄年でなくてもOKなので、「最近ついてないな」と思う方は、ぜひチャレンジしてみよう。
また、境内からは四国八十八景の19番「一望する日和佐の町並み」として選ばれた風景を満喫できる。
日和佐湾と緑豊かな山々が連なる中で、人々が生活を営む町並みのバランスが素晴らしく、拍手喝采を贈りたい。
厄払いだけでなく、このような眺望を楽しめて満足して薬王寺を後にしました。
その後、美波町の市街地を巡りながら大浜海岸へ到着。
なるほど、ここにウミガメが産卵のためにやってくるのか。その姿を想像してご満悦。
また、太平洋と白浜、白い灯台が織りなす美しい景色に潮騒の調べが心地よいですね。
近くには、全国でも珍しいウミガメ専門の「日和佐うみがめ博物館」がありましたが、リニューアルのため工事中でした。
事前に知ってはいたのですが、やはり残念でしたね。
この博物館前には、ウミガメを模した公衆電話がある。うん、面白いな~。
日和佐うみがめ博物館から西へ約100m進むと八幡神社へ到着。神社前の道路には、存在感抜群の大きな楠が凄いですよ。気付いた時には、カメラで撮影していました。
さて、日も暮れてきましたのでお宿へ向かいます。その前に本日の旅のハイライトとして恋人岬へ向かうぞ。
恋人岬は大浜海岸から少し北へ登ったところにあり、約5分ほどで到着。
かつて海上交通で栄えた日和佐では、この岬から別れを惜しみながら旅の安全と再会を願う恋人たちの姿が見られたという。
そんな岬から大浜海岸を眺めながら、日が沈んでいきます。こうして本日の旅は、終わりを告げました。
尚、薬王寺については、下記関連記事でくわしく紹介します。
まとめ
1日中天候に恵まれたため、気持ちの良い旅路を過ごせました。
本日を振り返ると、阿波海南文化村でDMVについて学んだり、貝の博物館「モラスコむぎ」で珍しい貝殻を見学できたのは面白かったですね。
その後、風光明媚な南阿波サンラインを駆け上りましたが、アップダウンの連続で結構走りごたえがあったかな。
美波町市街へ到着すると薬王寺へ参拝した後で、町中を巡りました。本日も充実した1日を過ごせたため大満足です。
明日はよいよ高知徳島旅の最終日。山越えして徳島市の市街地を目指すぞ。