
「瀬戸内の海道巡り」の2日目は昨日に引き続き、しまなみ海道で駆け巡ります。
1日目は尾道・向島・因島・生口島を駆け巡りながら、尾道の浄土寺山や因島の白滝山を登山しました。(1日目はこちらの記事で紹介)
本日は久しぶりに伯方島をほぼ一周する予定ですよ。ただ一周するだけでなく、前から気になっていた「伯方ふるさと歴史公園(木浦城跡)」へ足を運びたいと思います。
また、去年に続いて亀老山をヒルクライムするぞ。頂上で待ってろよ、玉藻アイス!
というのは、去年は頂上に辿り着くと、玉藻アイスが売り切れでガックリきました。さて、無事にリベンジを果たせるでしょうかね。
本記事では、しまなみ海道を旅しながら大三島・伯方島・大島を巡り、今治市街へ向かう自転車旅の様子をお届けします。
瀬戸田サンセットビーチから旅立つ

本日の旅のスタートは、昨日のゴールであった「瀬戸田サンセットビーチ」から始まります。
空は雲一つない快晴。開放感たっぷりな場所で佇みながら、あびる潮風は気持ちが良いですね。そのためか朝からテンションが上がりぱっなしですよ。

朝が早いためかビーチには誰もいないので、この景色を独り占め。奥の方には、双眼鏡の様な大きなアート作品がそびえ立っているのが面白いですね。
生口島には、野外展示されているアート作品がたんさん点在しているので、それを目的に巡るのも楽しいと思います。
せっかくなので、少し散歩しながら過ごしました。

ビーチを離れる前に立ち寄ったのが、こちらのベンチです。ビールジョッキを持ったおじさんが座っているぞ。
このおじさんを見ると、なぜかいつもポパイを連想してしまうのは、私だけでしょうかね。ということで、おじさんに対して右手を上げて簡単な挨拶をすませると、ついに旅立ちました。
大三島を渡り、伯方島へ向けてレッツゴー♪

海岸沿いの国道317号を南下して、多々羅大橋を目指します。本日も昨日と同じく風が強いかな。
それも向かい風なのだから、ちっとも前へ進まないのがもどかしい。テンションが上がっているので、気にせずグイグイと前へ突き進みましたが、テンションが低い時ならば、絶対に愚痴っているぞ。
しばらくして、多々羅大橋の歩行者・自転車道へ入り、緩やかな坂道をあっという間に駆け上ると、多々羅大橋を渡ります。

前方には、サイクリストの集団が立ち止まり何かを見ているではないですか。気になったので近づいてみると、「あ~これか!」と納得しました。
彼らが見ていたのは、広島県と愛媛県の県境。実際、この場所で記念撮影する人は多いです。


多々羅大橋へやってくると、毎回楽しみにしているのが「鳴き龍」ですね。
鳴き龍とは、お寺などで見かけたりしますが、天井と床の間を音波が反射して、まるで龍が鳴いているように聞こえる現象のこと。
この多々羅大橋でも同じことができる場所があり、ご丁寧にバチまで用意されているので楽しまないと損というものだ。なので、毎回この橋を通る度に、鳴き龍にチャレンジしています。
バチを叩くと「バン・バン・バン!」と大きな音が鳴り響く。もちろん声を出したり、手拍子や足踏みでも音が響くので、小さなお子さんならば絶対に喜ぶだろうな。

多々羅大橋を渡り、歩行者・自転車道の坂道を下っていると、眼下に「道の駅 多々羅しまなみ公園」が見えてきました。
ここには、サイクリストの聖地の記念碑があり、毎回ここで愛車と記念撮影するのがマイルールになっています。いや、ルールというより儀式に近いかも。
儀式といってもいかがわしいものではなく、旅の安全を祈るものですよ。

大三島へ入ると、あっという間に道の駅へ到着。早速記念碑のもとへ足を運び儀式を行ないました。
まだ朝が早いので、お店は開いていなかったのは残念です。まぁ~、予想はしていましたケド・・・
お店が開いていれば、ここで「じゃこ天」を食べたかったですね。

ふと、この場所に鐘があるのを思い出したので、足を運んでみると、実にSNS映えしそうな鐘を発見。カップルで鳴らすのが似合いそうです。
そういえば、今まで一度も鳴らしていなかったので、ためしに鐘を鳴らしてみると、思った以上の大きな音にビックリ!
しあわせの鐘と呼ばれているので、この大きな音が天に届き、きっと幸せが訪れると信じています。
道の駅を後にすると、国道317号線を南下して大三島橋を渡ると伯方島へ入りました。
【自転車旅に役立つアイテムの紹介】
自転車旅で役立つ様々なアイテムを、下記記事で紹介します。
伯方島最古の神社「喜多浦八幡大神神社」へ参拝

伯方島へ入ると、いつもは南下して伯方・大島大橋方面へ向かうのですが、本日は北上して外周一周コースを回ります。
確か以前にも走ったことはありますが、あの時は開山公園で桜を見たのを覚えているぞ。
まだ桜シーズンには少し早いので開山公園をスルーして、以前から気になっていた喜多浦八幡大神神社(きたうらはちまんおおかみじんじゃ)へ向けて、伯方島環状線(県道50号)を突き進みました。

その道中には前浜休憩所があり、遠くに多々羅大橋が一望できるビュースポットがあります。海の藍さも申し分なし。
空の蒼と海の藍、そして白い長い橋や緑の島々が織りなす色彩豊かな風景には、拍手喝采を贈りたい。
毎回思うのですが、しまなみ海道ではこのような美しい風景に出会う機会が多いので、何度訪れても飽きません。

前浜休憩所から約1kmほど進み伯方町北浦地区へ入ると、喜多浦八幡大神神社へ到着。早速参拝にまいりましょう。
喜多浦八幡大神神社は、673年に創建された伯方島最古と言われる神社です。九州の博多地方から勧請されたそうで、「伯方島」の名前もここから名付けられたといいます。


長い階段を上った先で小山の上に建つ社殿というのは、それほど珍しくありませんが、境内が広く開放的なのでとても明るく感じました。
この神社には、瀬戸内一帯の水軍文化を伝える史料である和船模型「八幡船」が奉納されているという。また、4月に行われる春市では、芝居小屋にて芝居が上演されるというのだから面白いですね。

また、鳥居のそばには、自然石の「亀石」を発見。長寿や縁結びのご利益があるので、願い事を語りかけてみよう。
この地では亀のことを方言で「どんす」というそうで、この亀石は「愛染どんす」と呼ばれており親しまれています。
【神社仏閣の紹介】
しまなみ海道をサイクリング中に足を運びたい神社仏閣を、下記記事で紹介します。
伯方島で運試し、大角豆島へ渡れるか!?

喜多浦八幡大神神社の参拝を終えると、再び伯方島環状線へ合流し、そのまま道なりに南下する。すると、北浦休憩所へ到着しました。
伯方島は約20km程度で一周できるので、ロードバイクであれば、一切休憩を取らなくても回れなくはないのですが、それだけだともったいないですね。
島内には、北浦休憩所のような休憩に適した場所が点在しているので、休憩がてらにじっくりと瀬戸内の景色を楽しみたい。


北浦休憩所には、サイクルスタンドや屋根のあるベンチがある。高望みをいえば、自販機とトイレがあればパーフェクトでしたね。
休憩がてらに手を伸ばしたり、腰を回すなどといったストレッチをしてみよう。特にサドルに長時間座りっぱなしで、腰が重かったのならば効果的ですよ。
5分ほど休憩を入れると、その後は道なりに伯方島環状線を進みました。



しばらくすると、目の前にスーパー「アイ・マート」を目撃。このスーパーがある場所から南下すると島の南側へ出ますが、その前に行きたいところがあるので、伯方島環状線を離れて東へ向かいます。
実はこの先には、伯方島のエンジェルロードがあるという。その話を知ったのは、最近のことで機会があれば行ってみたいと思っていました。
エンジェルロードといえば小豆島で有名な観光スポットなので知っている人も多いだろう。ここでは、干潮時になると、海面に伯方島と大角豆島(ささげしま)を結ぶ砂浜の道が浮かび上がります。
ということで、小豆島と同じように、ふらっと訪れて砂浜の道ができているのか運試しといこうではないか。

祈るような気持ちで向かいましたが、現実は厳しいかな。大角豆島へ向かう砂浜の道は、残念ながら出来ていませんでした。
思わず「くぅ~~~」とつぶやくほど、悔しい思いがしたのは何故だろうか。きっと小豆島では、勝率が高かったのが原因なのかも知れません。
海面をよく見ると、薄っすらと道があるのが分かったので、あと3~4時間ほど早ければ渡れたみたい。
なので、今度来るときは事前に干潮時間を調べて訪れようと心に誓いました。(晴天の日にドンピシャのタイミングを狙うのは、かなり難しいですが・・・)
伯方ふるさと歴史公園から眺める風景

大角豆島へ渡れなかったのは残念でしたが、気持ちを切り替えて次に向かうのは、伯方ふるさと歴史公園です。
この公園は、伯方港の北側にある標高96mの小高い山頂にあるということで、距離は短いですが劇坂の模様。大島の亀老山へヒルクライムするに当たり、前哨戦といきましょうか。
水路沿いの道を走りながら南下していると、次第に緩やかな坂が続き、目の前には「ふるさと歴史公園」を書かれた案内板が見えてきました。
「よし!」と気合を入れて、案内板が指し示す方向へ向かうと、予想通り劇坂が私に襲い掛かってくる。昨日からギアの不調で歯飛びするので、インナーローは使えませんが、そこは根性でカバーします。
体感的に勾配は、10%前後ぐらいかな。距離は約700mほどですが、中々歯ごたえがありました。

ゆっくりと劇坂を上っていると、前方にお城のような建物を発見。ついに山頂へ到着した次第です。
かつてこの場所には、木浦城があったそうな。今はその跡地に公園が整備され、天守を模した展望回廊と資料館が造られました。

残念ながらこの資料館は、現在閉館されているので中へ入れません。けれど、外観のみでもそれなりに楽しめますね。
それに海に近い場所にあるので、ここからの眺めは素晴らしい。これだけでも来たかいがあったといえます。

個人的には、伯方造船で造られている船を真上から見学できるのには驚いたな。このような場所があるなんて、嬉しいではないですか。
こういうのを真上からじっくりと見られる機会なんて、そうそうないでしょう。このような現場を見るのを好きであれば、何時間もここで見ていられると思います。
しばらくの間、園内でくつろいだ後で、坂道を下り伯方島環状線へ合流すると、伯方町木浦甲地区の町中へ入りました。
伯方・大島大橋から見近島へ寄り道

丁度昼時だったので、「伯方の塩ラーメン 三和」訪れた次第です。
伯方の塩を使用した塩ラーメンを食せるお店として、評判のお店ですよ。しまなみ海道を訪れるサイクリストの皆さんであれば、知っている人も多いのではないでしょうか。

伯方の塩で引き出したあっさりスープが、空腹を優しく満たしてくれる。さらにそのスープが細麺と絡み合い、箸がとまりません。あっという間に完食し、予は満足だ!!!
ちょっと昼寝したいと誘惑にかられましたが、首を振って眠気を振り払い先へ進みます。

お腹も満たしことだし、何気に力がわいてくる。潮風を感じながら、伯方島環状線を駆け抜ける。
本日は天気に恵まれ、本当に気持ちいい。アップダウンが続く道ですが、そんなのは全然気にならないぞ。
そうこうしている内に伯方・大島大橋が見えてきました。


橋を渡っている最中に、眼下には見近島が見えますね。この島は「旅人の聖地」と呼ばれており、知る人ぞ知る無人キャンプ場があります。
キャンプ場へ目を向けると、テントがポツンと一つだけが見えている。いつもこの橋を通るたびに、たくさんのテントが並んでおり、多くのキャンパーを見かけるので珍しいですね。
まだ、日暮れまでに時間に余裕があるので、見近島へ上陸してみることにしました。

坂道を下りキャンプ場へ辿り着くと、そこにはたくさんのテントが張られています。なるほど~、どうやら橋の上からでは、木に遮られていて見えなかったみたい。
見近島は自然以外何もなく、ただゆっくりと時間が流れるだけですが、それがかえって良い雰囲気を醸し出しています。
こういう場所にいると、忙しい日常から解放されて、自分にとって何が一番大切なのか見つめなおすキッカケになるだろうな。芝生広場から、瀬戸内海を眺めながら、そんなことを考えていました。
見近島については、下記関連記事でくわしく紹介します。
亀老山ヒルクライムにチャレンジ

伯方・大島大橋を渡り、本日最後の島となる大島へ上陸。これから亀老山の山頂に整備された亀老山公園へ向かいます。
さて、少し急いで亀老山へ向かうぞ。というのは、去年(2024年)も亀老山へヒルクライムしたのですが、山頂にある売店で販売している玉藻アイスが売り切れて食べれなかったのが心残りでしたね。
昨年よりも早い時間に亀老山の山頂へ到着する予定ですが、大島へ上陸した途端、なぜか気持ちがはやります。これはひっとして、虫の知らせではないだろうか。

ということで、緩やかな坂道が続く宮窪峠を突き進む。心の中で「翔ぶが如く!」と唱えながら、自転車のペダルをクルクル回す。
前方を走る自転車を何台も追い抜きながら走ります。
そうこうしている内に、亀老山展望公園へ向かう交差点へ到着しました。


最初は緩やかな坂道なのですが、途中から本格的な劇坂が続く。
距離は約3.7kmほど。平均勾配は8%ですよ。山頂へ近づくほど勾配が大きくなり、最大勾配は15%もあるので、上級者でも厳しい難所ですね。
前回訪れた時と違って、たまたまなのか坂を上っている最中に他のサイクリストに出会いませんでした。これがいつもの光景なのか分かりませんが、個人的には珍しいかも。

道中には、こちらの「玉藻アイス」をアピールする看板を何度も目撃。
こういうのを見ると、絶対に最後まで諦めないと思ってしまいます。

サイクリストを見かけない一方で、車の往来が多かったですね。なので、前方や後方に気を付けながら劇坂を上っていると、左手側には瀬戸内海の風景が見えてきた。その景色に癒されます。
よく見ると、海上に霞がかかっているようだ。まぁ、春先には良くあることなので、仕方がないでしょう。この分だと山頂からの景色も同じだろうな。

そして、ついに山頂へ辿きました。駐車場は満車であり、車だけでなくバイカーも多い。サイクリストの皆さんは、少なからずいましたね。
さて、さっそく玉藻アイスを食べに行くぞ。急いで売店へ向かうと、行列ができているではないですか。それでも無事に玉藻アイスをゲット。やっとリベンジを果たせたぜ。

ジャーン!こちらが玉藻アイスですよ。
玉藻の海藻をあわせて炊きあげた、海藻のヨード分がたっぷり含まれたアイスです。全国でもここだけしか売っていないという。
甘さ控えめで私にとっては食べやすい。口の中の甘さが消えると、ほのかな塩味が残るのがいいですね。うん、やはり劇坂の後に食べるアイスは最高だな。

玉藻アイスを食べ終えると、展望台へ向かいましたが、一番景色が良い場所は残念ながら立入禁止でした。修繕中なのかしら。
デッキの近くから見下ろせるので特に問題はありませんね。しかし、風が強すぎてずっと立っているのがツラかったです。

眼下を眺めると、瀬戸内海の多島美と来島海峡大橋が織りなす絶景が広がっていました。
ヒルクライム中に感じ通り霞がかかっていましたが、これはこれでいい感じ。劇坂の疲れも吹き飛ぶというものです。
亀老山展望公園については、下記関連記事でくわしく紹介します。
来島海峡大橋を渡り、来島海峡展望館へ向かう

亀老山展望公園を後にして、来島海峡大橋へ辿り着くころには、すでに夕方に近づき周囲はオレンジ色に包まれていました。
亀老山ヒルクライムの影響で、すでに私の脚は売り切れており、ノロノロスピードだったかな。といっても、ママチャリよりは断然速いので、良しとしよう。
それに、あとは今治市街へ入り本日のお宿へ向かうだけの簡単なお仕事です。スピードが遅くても慌てる必要は全くありません。

来島海峡大橋を渡り終えると、いつも私が訪れる来島海峡展望館へ向かいます。
うん、いつ見てもここから見る景色は素晴らしいな。私のお気に入りの一つですよ。しばらくの間、展望台からの風景を楽しむと、今治市へ向けて自転車を走らせた次第です。
こうして、本日の旅は終わりを告げました。
まとめ

1日を通して良く晴れた日だったので、しまなみ海道を走るのが気持ちよかったですね。
ただし、昨日と同じく風が強かったのがいただけない。たまにはいいのだけど、2日続けて向かい風は少しツライですよ。まぁ、結果的に楽しかったからいいですけど。
今回の旅では、初めて伯方島にある伯方ふるさと歴史公園へ訪れましたが、天守の形をした資料館はインパクトがあったかな。それに眼下には、伯方造船のドッグを一望できたのが面白かったですね。
また、亀老山をヒルクライムして頂上で玉藻アイスをゲット。頂上からは霞がかかる眺めでしたが、来島海峡大橋の勇姿が見られました。
さて、明日はよいよ最終日。今治港から船に乗って岩城島へ向かい、ゆめしま海道を走り本州へ戻る予定です。どのような旅になるのか乞うご期待!(下記関連記事で紹介します。)