
日本を代表する花といえば桜ですね。全国至るどころに咲いており、私たち日本人にとっては身近な存在です。
桜ほどではないけれど、全国には様々な形で「ゆるぎ岩」が点在しています。ゆるぎ岩といえば、絶妙なバランスで岩の上に置かれたような巨岩のこと。
旅をしていると、お目にかかる機会がそれなりに多いですね。岡山県赤磐市にある岩神神社では、落ちそうで落ちない見事な御神体のゆるぎ岩があり、受験生に人気のパワースポットですよ。
本日のサイクリングでは、この「ゆるぎ岩」を目指して、岩神山をプチ登山する予定だ。さらに岡山市瀬戸町へ赴き「宗堂桜(そうどうざくら)」の花見としゃれ込むぞ。
本記事では、赤磐市と岡山市を巡りながら、日常のサイクリングの様子をお届けします。
目次
百間川せせらぎ広場から赤磐市を目指す

本日は、少し雲が広がりますが良く晴れていて、まさにサイクリング日和です。
こういう日は、外出しなければもったいない。ということで、百間川と旭川が交差する「せせらぎ広場」へやってまいりました。
この場所は地元住民の憩いの場所として知られているスポットだ。よくデイキャンプやBBQをしているのを見かけます。それに桜の花見スポットとしても有名ですね。

周囲を見渡してみると、残念ながら桜シーズンのピークは既に過ぎ去り、葉桜の進行が進んでいました。
さて、本日はせせらぎ広場を起点にして、赤磐市にある岩神神社へ向かうのですが、その前に少し寄り道するぞ。というのは、以前から気になっていた巨大な両宮山古墳(りょうぐうざんこふん)へ立ち寄る予定です。
まずはパレードランということで、自転車のペダルをゆっくりと回して、旭川沿いに築かれた土手を進みます。



しばらくして中原橋を渡り、対岸へ向かう。その後、岡山吉井線(県道27号)を東へ道なりに進むと、私のお気に入りである大原橋が見えてきた。

大原橋を渡り終えると、いつものように大原橋をバックにして愛車(自転車)と撮影。これは、私のルーティンの一つですね。
大原橋は、鉄筋コンクリートのアーチ型の橋が9つ連なり、その先には鉄橋がつながる特異な外観がいい感じ。実は全部鉄橋にする予定でしたが、太平洋戦争の影響で鉄不足となり、一部がコンクリート製になりました。

この「ローゼ」と呼ばれる形をした橋が9つつながるのは、戦前の物としては日本一なんですって。毎回この橋を通るたびに、感慨深くなるな~~。
もし全てが鉄橋だったとしても、それはそれで見応えがあると思いますが、今の形に馴染んでいると、もうこれ以外は考えられません。
大原橋を渡り終えると、旧倉敷往来を道なりに北上。すると、再び岡山吉井線へ合流したので、このまま道なりに進み、あっという間に赤磐市へ入りました。
両宮山古墳へレッツゴー♪

しばらく岡山吉井線を東へ進んでいると、左手側に小高い丘が見えてきます。これだけならば、気にせずにそのままスルーする人が多いだろう。
しかし、道路わきには、両宮山古墳を表す標柱と案内板があるので、興味を引かれる人もいるのではないかと思います。どうやら、この丘は古墳の一部のようで、以前見つけた時に、次回訪れる機会があれば行ってみたいと思いました。

ご丁寧に、案内板には古墳までルートが記されているぞ。こういうのは、本当に助かります。
案内板通り、最初に見えた交差点を左折。とくに交差点には両宮山古墳の案内はありませんが、この道は足王神社へ続く道なので、以前から何度も通ったことがあるので知っています。
私の記憶だと、道なりに進むと「両宮山古墳」と刻まれた標柱が見えてくるはず。


すると、記憶通りに標柱を発見。ということで、標柱の奥へ歩いて行きましたが、行き止まりでした。これは一体、どういうこと?
結果からいうと、この標柱がある場所へ辿り着く前には、左折できる脇道があるので、そこから入れるようだ。う~む、これは初見殺しではないだろうか。脇道周辺には、特に案内板はないので分かりずらかったですね。

脇道の奥へ進んで行くと、行き止まりになるのですが、足元に小さな立札が立てられており、「両宮山古墳 見学通路」と書かれている。
なので、この通路を歩いて行くと、古墳の中へ入れます。


両宮山古墳は、5世紀後半に造られた前方後円墳です。岡山県内では、造山古墳と作山古墳についで3番目に大きな古墳なんだとか。
墳丘の周囲は、一部が埋没して水田化しているのは珍しいかも。実は、これ農業用のため池として改修・再利用されたそうです。このような形で残る古墳というのは、岡山県内では両宮山古墳以外にありません。
それに墳丘の堀は、築造当初は二重だったそうな。今は一重にしか見えませんが、二重の堀があったことを踏まえると、その大きさから大和政権の有力首長と強い結びつきがあったのだろうな。恐らくは、吉備の有力豪族のお墓なのではないでしょうかね。



鬱蒼とした樹林の中を歩いていくと、5分も歩かない内に両宮神社を発見。
両宮神社は、伊勢神宮を勧請した神社と考えられているそうで、ご祭神は天照大御神(あまてらすおおみかみ)と豊受大御神(とようけのおおみかみ)の二柱ですよ。

また、小さな祠ですが伊勢神社もあります。

それにしても古墳の中は鬱蒼としていて、周囲の雰囲気は中々怖いものがある。夜間では、絶対に足を踏み入れないだろうな。
それに、神社に付き物といえる狛犬の姿が見当たらない。小さな社であればいなくてもそれほど不思議ではないですが、これほどの規模の神社にいないのは、違和感を感じるのは私だけでしょうか。

ちなみに、両宮山古墳の全体写真がこちら。案内版に掲載されていましたが、どうですか大きいでしょ。
周囲の住宅を比べると、その巨大さが良く分かります。両宮神社にて参拝を済ませると、来た道を引き返して両宮山古墳をあとにしました。
岩神神社へ向かう道中にて

この頃になると、空は雲に覆われてきて少し天気が心配ですね。これから山奥へ向かうので、雨が降り出したら大変だ。そんなことを考えていると、前方に大きな池と団地が見えてきました。
この池の対面側には、手や足腰のケガや病にご利益があり、全国から参拝者が訪れる足王神社があります。なので、そちら付近には何度も行ったことがあるのですが、今進んでいる道は何気に初めてですね。

団地に近づくにつれ勾配が上がっていき、サイコンを確認すると勾配が13%もある。距離が短くて、劇坂の終点が見えているので一気に駆け上りました。
本日のコースは、急坂がったとしても勾配が4~6%ぐらいだろうと思っていたので、少し驚きましたね。まっ、こうして経験を積むことで、道を覚えていくのがサイクリストというものです。


しばらくすると、赤磐市のビュースポット「桃園」へ到着。赤磐市は、県下有数の桃の産地として有名ですね。特に山陽地域では、シーズンになると桃の花が辺り一面に咲き誇り、ピンク色の絨毯(じゅうたん)が広がります。
どうやら本日は、すでにピークを過ぎたみたいですが、それでも可愛らしい桃の花が、天に向けて咲く姿に拍手喝采を贈りたい。

何気にふと振り返ると、遠くの山の上には、大きな桃のガスタンクが見えているではないですか。もちろんこのガスタンクのことは昔から知ってはいましたが、桃園から見えるとは知らなかったな~。
なので、これは嬉しいサプライズでしたね。このガスタンクは直径が22mもあり、その外観からある意味赤磐市の名物かも。もちろんガスタンクなので、立入禁止の場所に立てられているぞ。近くまでは行けるので、記念撮影するのも楽しいですよ。

しばくらして、またまた岡山吉井線(県道27号)へ合流。空を見上げると、空一面は厚い雲に覆われている。これはもう晴れとはいえないだろう。
一瞬、本日のサイクリングは仕切りなおそうかと頭をよぎりましたが、そこは頭を振って打ち切り、この後に天気が回復することを祈ります。己の晴れ男適正を最後まで信じきってやる!!!
サイコンで今の時刻を確認すると11時頃。そういえば、少しお腹が減ったかも。山奥へ入ると飲食店は少なくなってくる。今はご飯ものが食べたいということで、それらしきお店をみつけることに全集中。
そんなことを考えていると、目の前にレストラン「西の屋 赤坂店」の大きな看板が見えてきました。

ということで、立ち寄るとそこには大きな桃太郎の像を発見。岡山県は桃太郎伝説の縁の地として知られています。そういうこともあり、岡山駅前や吉備津彦神社など至るどころで、様々なポーズを決めた桃太郎像を見かけるのが面白いですね。
今度、機会を作って桃太郎像を巡る旅を行なうのも楽しそう。
それで、レストランはどうしたかですって?残念ながらお休みでした。(トホホ・・・)
後から知ったのですが、どうやら休業中のようです。たまたま休みだった訳ではないので、よくある「旅人あるある」にはカウントしないですよ。


西の屋からさらに約300mほど北上すると、赤坂定食を発見。今度は営業していたので、ここで昼食を取ることに。
中へ入ると、大衆食堂の雰囲気でいい感じです。私が注文したのは「からあげ定食」。うん、ボリューム満点で美味しい。しばらくここで昼食を食べながら、天気の回復を待ちました。
【赤磐市の見どころを紹介】
赤磐市の見どころを、下記記事で紹介します。
岩神神社の御神体・ゆるぎ岩に驚く

さて、よいよ岩神神社までノンストップで行きますよ~~。私の願いが天に届いたのか、天気も幾分か回復しており、あと1~2時間もあればかなり良くなりそうな期待感があります。
北上する岡山吉井線は、緩い上り坂が続きますが、ロードバイクならば楽勝かな。赤坂定食にて、お腹も満たしたので、パワー及び気力も十分。今だったら、どんなヒルクライムコースでも挑戦して達成できそうです。(笑)
自転車のペダルを快調に回していると、ついに岩神神社が鎮座する赤磐市惣分(そうぶん)地区へ入りました。

そして、そこからが早かったですね。あっという間に岩神神社の駐車場に到着。結局、赤坂定食から約5kmほどの距離を疾風の如く走破した次第です。
駐車場に自転車を停めて、よいよ登山の開始。岩神神社は、標高240mの岩神山の中腹にあるので、距離はそれほど大したことないかな。

しかし、最初は緩い坂道なので楽勝ですが、次第にどんどん険しくなるぞ。鬱蒼とした樹林の中を歩き、夜は絶対に歩きたくない。
そんな山道を20~30分ほど歩いていると、陽光に照らされた平坦で明るく視野の開けた場所へ辿り着く。そうです、ついに岩神神社の境内へ到着しました。

拝殿の中へ入り、そのすぐ奥には「神岩」があります。その岩の前には祠があるので、ここで参拝。
そして、神岩のさらに奥には、一面に大きな自然岩が群がっているではないですか。

その最奥にて岩神神社の御神体「ゆるぎ岩」を発見。全長約5mの舟型の巨石は、その特異な形状だけでも目を引きますね。
それに2重に重ねられた上側の岩が、本当に落ちそうで落ちない状態だ。わずかな支点で支えているというのが、信じられない。
それには、上手く言葉にいえないですが、あえて言語化すると「神の岩」というのが相応しいかも。

ゆるぎ岩以外にも巨石がゴロゴロしていますが、中には「八畳岩」「畳岩」「烏帽子岩」など名前が付けられた巨石があるのも面白いです。
しばらくの間、境内を散策しながら境内に佇む巨石群を見て回りました。
岩神神社及び登山道、ゆるぎ岩などの巨石群については、下記関連記事でくわしく紹介します。
宗堂桜を見に行こう

岩神山から下山する頃には、すっかり青空が広がっており、ゆるぎ岩を参拝できたことも含め、テンションが上がりっぱなしです。
来た道を引き返し、ウキウキ気分で岡山吉井線を道なりに疾走。帰りは下り基調のため、たとえ緩い坂道でもスピードが上がること。この疾走感がたまりません。
豊かな自然を横目で眺めながら疾走していると、気になるものを発見。自転車を降りて近づきます。



小屋に描かれているのは、まぎれもなく「天使の羽」と呼ばれるアートです。写真映えするスポットとして知られており、若い女性を中心に人気があるという。
ハワイのハレイワタウンにある壁画や、糸島のビーチに描かれたものが有名ですが、片田舎の山奥にあるとは意外です。けれど、こういう場所にあるのは、新鮮で良いかも。
私が知らないだけで意外な場所に、たくさんの「天使の羽」が描かれているのかも知れないですね。
さて、面白いものが見れたし、次の目的地である「宗堂桜」を見にいくぞ。自転車を快調に走らせ南下します。



いつしか砂川沿いの西大寺山陽線(県道37号)を駆け抜けて、岡山市東区の瀬戸町へ入りました。
その後、瀬戸橋交差点を左折して、岡山赤穂線(県道96号)を東へ向けて疾走。約3.5kmほど道なりに進むと宗堂地区へ到着。
この宗堂地区は、宗堂桜というこの一帯でしか咲かない不思議な八重桜が有名ですね。特に妙泉寺跡に整備された「宗堂桜の里」が名所として、見頃になると多くの花見客でにぎわいます。




宗堂桜は八重桜の一種であり、ソメイヨシノより一週間ほど遅い遅咲きの桜ですよ。ふっくらと膨らんで見えるポンポンのような花びらが特徴的。花びらが60枚もあり、内側の20枚が反転していて、開ききらないまま咲いています。
他に類を見ない桜ということで、岡山県の天然記念物に指定されました。宗堂桜の里では、園内に約70本の宗堂桜が植えられており、その他にも染井吉野(ソメイヨシノ)や八重桜、しだれ桜、山桜などが楽しめる。
私以外にも多くの花見客が訪れており、桜を愛でながら、思い思いの時間を過ごされているのが印象的でした。しばらくの間、花見を楽しんで過ごした後で、帰路についた次第です。
妙泉寺跡・宗堂桜については、下記関連記事でくわしく紹介します。
まとめ

本日は、午前中が良く晴れていたり、曇ったりして不安定な天気でしたね。その後、天気は快晴に向かい、春の陽気と共にウキウキ気分でサイクリングを楽しめました。
また、本日のお目当てある「ゆるぎ岩」を見るために、石神山の急勾配な山道をひたすら歩くことに。20~30分程度で、中腹にある岩神神社へ到着しましたが、登山後の達成感はひとしおです。
その後、宗堂の里へ赴き宗堂桜を見物。そのポンポンのような愛らし姿を見に、多くの花見客が訪れるのも頷けます。
サイクリングをしながら変わりゆく景色や、興味を引く場所へ訪れるのは本当に楽しい。今後も続けていきたいですね。