
700島以上の島々が、連なるように点在している瀬戸内海。
その周辺には、鷲羽山(岡山県)や紫雲出山(香川県)など多島美を一望できる山がたくさんあります。広島県三原市にある筆影山(ふでかげやま)と竜王山(りゅうおうざん)もその内の一つ。美しい景色を求めて、多くの観光客が絶えません。
また、激坂が続く上級者向けのヒルクライムスポットとしても有名です。本日は、これらの山をヒルクライムするために三原市へ訪れました。
また、せっかく三原市へ訪れたので、ヒルクライムを開始する前に少し観光することに。三原駅から直接足を運べる三原城や、映えスポットとして話題の大島神社へ向かいます。さて、どのような出会いや発見があるのか楽しみですね。
本記事では、三原駅から旅立ち最終的に尾道市へ向かう、備後地域を巡る自転車旅の様子をお届けします。
目次
ヒルクライム前に三原城と大島神社へ赴く

私は今、三原城の天守台の上にいます。
実はこのお城、本丸跡と新幹線の駅が一体化している全国で唯一の場所ですよ。古い石垣と現代の電車が交差する珍しい景観が見られる場所になっています。
岡山駅から出発し三原駅へ到着すると、まずは駅構内を歩いてそのまま天守台へ向かいました。三原城は、1567年(永禄10年)に戦国武将の小早川隆景(こばやかわ たかかげ)が築いたお城です。
隆景公といえば、毛利家の中国地方の覇権に貢献した「知将」として有名。また、豊臣政権では、五大老の一人を務めました。

眼下に映るのは、ビルや住宅が建ち並ぶ近代的な都市部の風景。周囲のマンションと比べて、天守台の高さは若干低いのですが、中々見応えのある景観でしょ。
遠くに見える野畑山の中腹には、連なる朱塗りの鳥居が見えました。上の写真では分かりずらいですが、肉眼ですとよく分かります。それが大島神社の連立鳥居ですね。事前に調べたところ、鳥居の入口付近は、幅狭い急坂の路地となっていて、駐輪できる良い場所が見当たりません。
なので、まずこの神社の境内へ向かい、駐車場に駐輪した後で麓まで歩き、鳥居をくぐりながら社殿へ向かうことにした次第です。

三原駅前で輪行袋から自転車(ロードバイク)を取り出し、テキパキと組み立て。その後、駅周辺に残された三原城の遺構を巡ります。
武家屋敷の長屋門と思われる列石や西国街道の石列、復元された後藤門の石垣、当時の石垣がそのまま残されている本丸中門跡など見どころを見て回る。残念ながら時間の都合上、全てを見てはないのですが、だいたいは見て回れたかな。
たとえば、和久原川の河岸にも石垣の一部が残されてますが、そちらへは行っていません。また三原へ来た時に訪れたいですね。

大島神社へ向かっていると石でできたダルマを発見。三原といえばダルマとタコが有名です。ここで気が付いたのは、三原駅の南側にはタコをモチーフにしたオブジェが多いこと。一方北側ではダルマが多いみたい。
意図してるのか、たまたまなのかは分かりませんが、その気付きにちょっとした衝撃を受けましたね。(笑)

しばらくして、妙正坂へ続く長い参道の坂道へ到着。奥に見える勾配から察するに、どう見ても激坂でしょ。筆影山ヒルクライムの前哨戦に丁度良い。


ということで、勾配10%前後の激坂を黙々と上り続けます。これだけの勾配ともなると、歩くだけでも息が上がりますね。そこを自転車で上るとなると、本当にいい運動になる。
距離は約250mと短いので、普通のママチャリでもギアが軽ければ、何とか立ち漕ぎでいけると思います。


その後、当初の計画通り麓へ戻ると、連立鳥居をくぐり抜け、拝殿でお詣りしました。
三原城と大島神社については、下記関連記事でくわしく紹介します。
筆影山のヒルクライムに挑戦

大島神社を後にすると、阿房坂を下り宗光寺小径を経由して、国道185号線へ合流しました。このまま道なりに進んでも良かったのですが、宮沖1丁目6番交差点で左折して南下すると約2kmほどショートカットができますね。
なので、利用しているサイクリストは多いのでは。私は、さざなみ海道をサイクリングする時に良く活用しています。

しばらくして、沼田川に架かる沼田大橋を渡ると和田地区へ入りました。筆影山への入口は、この和田地区の住宅街にあります。特に黄幡稲荷神社を目印にすると分かりやすいですね。

住宅街の中を進んでいると、筆影山の案内板を発見。この先を真っ直ぐ進むようですが、工事中のようで先へ進めません。作業中の人がいたので、迂回路を教えてもらいました。ありがとうございます。
サイコンで路地を確認する方法もありますが、人がいるのであれば、地元の人に聞くのが一番。確実性がありますね。

住宅街の奥へ向かうと、黄幡稲荷神社へ辿り着きました。さて、ここからが本番ですが、その前にこの神社で「頂上に着くころには、青空が広がって下さい。」とお願いした次第です。
それでは、山頂目指してレッツゴー♪


初めから勾配が10%を越えてくるので、まさに挑戦の道だ。時々チラッとサイコンを確認すると、12%だったことも。しばらくの間、激坂を黙々と上り続けます。
勾配のキツさ以上に、厄介だなと思ったのはイノムシの存在です。晩春から初夏へ移行期ということもあり、イノムシが多すぎ。
木からぶら下がるイモムシを避けながら進んでいたのですが、いつの間にか体にくっついていたぞ。そういうことが度々起こると、さすがにゲンナリしましたね。
ふと思ったのですが、道幅が一車線分しかないので、車で来ると対向車に出会うと大変だろうな。


筆影山は、弘法大師(空海)が入山修行した信仰の山です。そういう経緯があるので、四国八十八ヶ所のミニ霊場があります。せっかくなので参道へ入り、奥へ向かうと弘法大師像を発見。しっかりとお参りしました。


当初は10%前後の劇坂が続きましたが、しだいに勾配が収まり7%前後に。また、山頂へ近づくにつれ10%を越えます。黄幡稲荷神社から山頂まで、平均勾配は約11%ほど。それに加え、九十九折れがたびたびあるので、とても走りごたえがありますね。
ヒルクライムに苦手意識があれば、心折られるのではないだろうか。さすが上級者向けのヒルクライムコースです。
そんな山なので、ギアは常にインナーロー。フロント側は34tでリア側は32tの組み合わせだ。一昔前は、ロー側の歯数が大きい乙女ギアは、脚力のない貧弱の象徴みたいなものでしたが、今では主流です。それだけ山の洗礼を浴びた人が多いということだろうな。
もしスピード重視の「漢ギア」で上れる人がいたら、「勇者」と称えたいと思います。

中腹へ着くころには、視界が開けてきました。眼下に広がる三原市街の景観がいい感じ。
疲れがスーと軽減されるというものです。この頃になると、天気もそれなりに回復しており、方角によっては青空が広がってきたので、テンションが上がる、上がる。
お願いだから山頂に着いた時は、より晴れていて!!!

そして、ついに山頂まで残り500mまで迫ると、ラストスパートをかけてダンシングへ移行。といっても、この後に竜王山の山頂にも向かうので、全力は出しませんよ。

駐車場に自転車を停めると、歩いて展望台へ向かいます。展望台前には2台の自転車があり、私以外にも自転車で来ている人がいました。
よく見ると、電動アシスト自転車ですね。うん、やはりヒルクライムには電動アシストが最強です。私も一台所有していますが、本当に10%を越えるような激坂も鼻歌交じりに走れるので、重宝している人が多いと思います。

展望台から瀬戸内海の絶景を堪能。残念ながら、願いは届かず、頂上からの方角は雲に覆われていました。それでも良い景色。今度は晴れている時に見たいです。
麓から山頂の駐車場までの距離は約3.5kmほどで、苦労して山頂へ辿り着いた分、達成感と充実感を感じました。
筆影山から竜王山の山頂を目指す

しばらくの間、筆影山展望台や展望広場でくつろぐと、今度は竜王山の山頂へ向かいます。天気もだいぶ回復しており、これは竜王山の山頂からの景観は、より期待ができるだろうな。
竜王山は、麓にある竜王みはらしラインの入口から上ると、距離は約4.5km、平均勾配は約9%の激坂コース。筆影山と比べても遜色がありません。過去には、竜王山ヒルクライムレースが開催されていたほどですよ。
筆影山山頂から筆影山山頂までは2~3kmほどで、10%前後の勾配が続きますが、先ほど展望台で十分に休憩を取り体力回復に努めたので、意外とすんなりと進みました。



しばらくして、広い駐車場へ到着すると、トイレの建物の隣に自動販売機を発見。まさに「命の水」といった感じです。
ちなみに、持参したボトルの水はびちびと飲んでいたため、それなりに残っていたかな。ヒルクライム中では、一気に飲みたい誘惑に駆られることがありましたが、そこはさすがに我慢していましたね。
ということで、缶ジュースを2本買って、一気に飲み干しました。これだけでも、どれだけ水分を求めていたかというのが分かると思います。筆影山山頂には、自販機はなかったので、本当にありがたかったですね。


駐車場に自転車をとめて山頂へ向けて5分ほど歩くと、広場に辿り着きました。まず目についたのが、大きなテレビの電波塔。その奥にひっそりと展望台があります。

こちらが展望台からの景観です。少し雲がかかってはいましたが、青空が広がる中、瀬戸内海に浮かぶ向島や因島、生口島などの多島美は見事なり。
筆影山展望台と同じような景観ですが、筆影山の南西に位置していることから、より多くの島が見渡せます。
しばらくの間、瀬戸内海の景観を楽しん後は、待ちに待ったダウンヒルの始まりです。

筆影山と違って、2車線のある舗装路なので道幅が広い。大型バスも通行可能ですよ。さらにひび割れや段差などがあまり見当たらなかったかな。走り心地がとても良いので、ヒルクライムだけでなくダウンヒルにも向いています。
少し調べてみると、竜王みはらしラインは2017年に開通した比較的新しい道だということが分かりました。

しばらく下っていると、途中で落書き帳を発見。私は記入しませんでしたが、竜王山へ来た記念に一筆したためるのも良いですね。

また、麓までには道路沿いの外側へ向かってせり出した場所があり、複数の展望場が整備されています。どの展望場も基本的に眺める方角が同じなので、似たような景色になりがち。
しかし、高度差による違いを見つけるのが面白いです。もちろん展望場をスルーして、麓まで一気に下るのも爽快感が長続きするので、それはそれで楽しいので、その当たりはお好みでしょう。
ちなみに私は各展望場へ立ち寄りながら、ダウンヒルを楽しみました。

激坂を一気に駆け下りる際に得られる爽快感は格別です。研ぎ澄まされた集中力の中、その圧倒的なスピード感を味わうことができる。このスリルに虜になる人も多いだろうな。
もちろん自分で制御できないスピードは、恐怖でしかないので、ブレーキを使ってスピードコントロールをしながら下りました。

感覚的には、あっという間に麓へ到着した感じでしたね。さて、あとは帰路に付くだけ。急ぐ必要もないので、のんびりと帰ります。それでは、尾道駅へ向けてレッツゴー♪
筆影山と竜王山の見どころについては、下記関連記事でくわしく紹介します。
尾道へ向けて疾走

竜王みはらしラインの入口から約130mほど南下すると、海岸線へ出ました。
この海岸線に整備された国道185号線は、広島県呉市の本通から三原市糸崎まで約70km続き、瀬戸内の島々が織りなす風光明媚な景観を楽しめます。そして、そこから国道2号線が尾道方面へ続く屈指の絶景ロードですよ。
「さざなみ海道」という愛称で呼ばれていて、多くのサイクリストに親しまれている瀬戸内7海道の1つ。私は過去に何度も走ったことがあるし、今後も走る機会が多いと思います。

空を見上げると、午前中とは打って変わって凄く良い天気。これなら午後から筆影山をヒルクライムした方が良かったかしら。結果論なので、言っても仕方がないですが、少しだけ悔やまれました。
真っ直ぐ尾道駅へ向かう予定だったのですが、時間に余裕があるので少しだけ寄り道します。


立ち寄った場所がこちら。すなみ海浜公園ですね。この公園に来たら、文字モニュメント前で記念撮影するのがお約束。どこを訪れたのかが一目でわかるので、記念に丁度いいですね。
こういうの見かけると、サイクリストであれば愛車と一緒に記念撮影する人が多いでしょう。しばらく園内で休憩を取ると、再び尾道駅へ向けて走り出します。



潮風を感じながら、飛ぶような勢いで前へ前へと突き進むと、いつの間にか尾道へ辿り着いていました。竜王みはらしラインの入口から約20kmほど疾走しましたね。

尾道駅前には尾道水道に面したウッドデッキが東西に延びているので、西端から自転車を押しながら歩いて尾道駅へ向かいます。
長いウッドデッキを歩いていると、木の温もりや優しさを感じていいですね。また、歩きながら見える尾道水道の景観もGood。

特に巨大な船が造られていく造船所は、ダイナミックな景観と共に物づくりの息吹を感じてやみません。
そうそう尾道水道を望む絶景スポットといえば、千光寺公園内の展望台や千光寺境内、浄土寺山展望台などでしょう。まだ見たことがない人は、一度は絶対に訪れた方が良いですよ。息を飲むような景観が待っています。
約500mほど歩くと、尾道駅へ到着。そこから電車輪行で帰路に付きました。こうして本日の旅は終わりを告げたのです。
まとめ

筆影山と竜王山のヒルクライムを終えた感想ですが、激坂がずっと続いた分、山頂へ到達した時の達成感は半端なかったです。
それに加え、山頂から美しい瀬戸内海の多島美の景観に大満足。まさにご褒美ですよ。ヒルクライムという努力の果てに、大きな喜びが待っていました。また機会を作り、チャレンジしたいですね。
瀬戸内海周辺には、多島美を望むまだ見ぬ絶景スポットが多いので、色々と調べて足を運びたいと思います。

