ロードバイクで1日かけて遠くへ走りたいならば、ある程度のスピードは必要になります。
しかし「短時間ならば高速で走れるけど、長時間は無理」「平地で一定のスピードを維持するのが苦手」と思っている人も多いはず。
1時間も30km/h以上のスピードを維持し高速巡行するためには、ちょっとしたコツがある。楽に速く走るためにも貪欲に必要な知識を学び、トレーニングに取り入れよう。
本記事では、ロードバイクで高速巡行を行なうために必要となるコツ(技術)を説明します。
ロードバイクで高速巡行を行う方法
ロードバイクの魅力の一つは「速さ」ですね。その速さに魅了され、自己鍛錬を欠かさないサイクリストは多い。
しかし、ただがむしゃらにペダルを回しているだけでは、一定の速さは手に入りますが、その内頭打ちとなり、「自分の限界はこんな物なのか」と納得するか又は落胆する羽目に陥るかも知れません。
楽に速く走るためには、正しい知識を学び、必要な技術を磨いて行くのが近道となる。そこで、ロードバイクで高速巡行を行うコツ(技術)を以下にまとめました。
- 股関節のペダリング
- 体幹でペダルを回す
- ペダルに体重を乗せる
- 空気抵抗を減らす
- 一定のケイデンスを保つ
- ギアチェンジは路面状態で判断
特にペダリングスキルは楽に走るための基本になりますので、初心者の内にマスターすれば、上達も早いでしょう。
また、経験者で高速巡行が苦手な人でも、1つ1つしっかりコツをつかめば、今まで以上のパフォーマンスを期待できます。千里の道も一歩から。できるからを確実にこなしていこう。
それでは、それぞれの高速巡行を行うコツ(技術)について説明します。
股関節のペダリング
高速巡行するには、パワーが必要と思われがちですが、実はそれほどパワーは必要としません。高速巡行が続かない理由は、股関節を使ったペダリングが正しくできていないからです。
具体的には、踏み足で股関節を伸ばして広げたり、引き足で股関節の折り曲げがスムーズにできているかですよ。
正しくペダリングが出来ていれば、それほど疲れたりせず、一定のスピードの維持も楽であり、良いこと尽くしなので、股関節を使ったペダリングをマスターしよう。
股関節周囲の筋肉には、疲れにくい性質がありますので、長時間走り続けるには、この筋肉を使うのがうってつけです。しかし、大きなパワーを出すのが苦手なので、スプリントには向いていないですね。
長時間走るのに必要なのは、疲れにくく一定のパワーを保つことなので、巡航する際には股関節を使ったペダリングが基本になります。
体幹でペダルを回す
先ほど股関節のペダリングについて触れましたが、股関節を大きく動かすためには、股関節だけでなく、更にその上の下腹部やお尻の筋肉を意識すると効果的です。
具体的には、お腹に意識をおいた状態で、ペダルが一番体に近づくタイミングで上死点を通過後に太腿(ふともも)の裏側とお尻の筋肉を使って大きく回すイメージと言えば分かりやすいでしょうかね。
この時に注意しておきたいのが、足首を固定すること。まだ体幹の筋肉を使いこなせていない人は、足首が動いてしまい、末梢の筋肉を使ってしまう。
この筋肉を使うクセが付いてしまうと、ペダリングスキルの上達が阻害されてしまいます。そのため、正しいペダリングを体に覚え込ませ、自然にできるようになるまでは、しっかり意識してペダルを回そう。
ペダルに体重を乗せる
ペダルを楽に回し続けられるためにも、足や上半身の重さを上手く活用したい。そうすれば、ペダルを踏む力を上乗せすることで、楽にペダルを回し続けられます。
ペダルに体重を乗せるコツは、ロードバイクの中心に乗ること。反対にサドルに腰を降ろして後ろの方へ荷重がかかっていると、ペダルに体重は乗せづらいですよ。
また、ハンドルに寄りかかる姿勢でも、ハンドルに荷重がかかり過ぎてしまい、これもペダルに体重が乗せにくいです。
ロードバイクの中心に乗れるようになれば、自然に体重をペダルに乗せられるようになれる。具体的には、クランクが水平の状態で、前側の足がペダルに体重がかかると思えるところに体を移動させた後で、まっすぐ自然に腰をサドルへ落とします。
慣れない内は、その状態で体重をペダルに上手く乗せられているのか、小まめに確認しながら走りましょう。
空気抵抗を減らす
少ないパワーで高速巡行を続けて行くには、ペダリングの他に重要になるのが空気抵抗を減らすことです。
「空気抵抗」と言う言葉を聞くと、「エアロフレームが至上」「リムハイトのホイールを履こう」と拘る人もいますが、一番効果があるのは下ハンドルを握って、深い前傾姿勢を取ることですね。
必ずしも常に下ハンドルを握って走る必要はありませんが、頭を低くしたり、脇を締めて走るだけでも空気抵抗を減らせる効果があるので、積極的に取り入れよう。
また、服装によっても空気抵抗が大夫変わってきますので、サイクルジャージのように肌に密着した衣類を着れば、空気抵抗の影響を少なくできます。
一定のケイデンスを保つ
一般的に平坦路のケイデンスは、90rpmといわれています。確かに90rpmを維持できるのならば、それに越したことはありませんが、人によって適正なケイデンスは違うといえる。
けれど、あまりにも遅いすぎるケイデンスでは、高速巡行はできません。個人的には、80~90rpmを目標にすれば良いと考えています。
ケイデンスは上がれば上がるほど、ペダリングが乱れがち。高回転でペダルを回すため、心肺へかかる負担も大きく、息切れしてしまう原因になる。なので、ケイデンスを落として、心肺にかかる負担を減らそう。
しかし、ケイデンスを落とせば、その分筋肉に負担をかけてしまうけど、股関節のペダリングをマスターしておけば、それほど大きなパワーは必要としません。
さらにスピードが乗って来ると慣性の力が効いてきますので、より少ないパワーでスピードを維持できます。
ギアチェンジは路面状態で判断
路面状態に合わせて、適切なギアを使うのは重要となる。特に発車時に重いギアのままだと足にかかる負担は大きく、ペダルを回すのが困難な場合があります。
また、走行中は前を向いて走り、事前に先の路面状態を確認し、坂道の前には予め軽いギアに変速するのがポイントですよ。
小まめなギアチェンジを行ない、適切なギアへ変速すれば、足にかかる負担を最小限にできる。特に信号が多い都市部を走る時は、予め軽いギアで走っていた方がストップ・アンド・ゴーがしやすいですね。
初心者の内にペダリングスキルをマスターしよう
ロードバイクの上級者と初心者の間には、比較できなほど技術や体力、知識に隔たりがありますね。特に大きな隔たりがあるとすれば「ペダリングスキル」と「心肺機能」ではないでしょうか。
上級者と初心者が一緒に走っていると、その違いが良く実感できます。たとえば、上級者は特にペースを上げていなくても、初心者は徐々に上級者に付いていけなくなりますね。なぜ、そのようになるのでしょうか。
それは、上級者は常に一定のスピードで、ペダルを回す技術をマスターしているからです。初心者は、時間の経過と共にペダリングフォームが崩れていき、スピードが遅くなってしまう。
そこで、初心者の内に正しいペダリングスキルをマスターし、トレーニングを積んで行けば、自分自身が上級者になれる日も近づくでしょう。
ペダリングスキルについては、下記関連記事でくわしく紹介します。
長時間走るならば、軽いギアを回し続ける
ロードバイクで長時間走るならば、ペダリングスキルは重要になってきます。
特に軽いギアでペダルをクルクル回して走ることで、足にかかる負担を減らせるし、一定のスピードを維持して走るのも簡単になる。
反対に重いギアでペダルを踏んでいく走り方は、満足感はありますが、体にかかる負担は大きく、長時間走るには向いてはいません。
明らかに、軽いギアで回した方が、筋肉や関節への負荷が少ないことが実感できます。そのため、長時間走るならば軽きギアを回し続ける方が効果的です。
一定のスピードを保つ走り方
- 軽いギアを高回転で回す・・・おすすめ!
- 重いギアをゆっくり回す
ペダリングは頑張り過ぎてはいけない
頑張って正しいペダリングを練習するのは、決して悪くありませんが、頑張り過ぎるのはかえって良くない。それは、疲れてライディングフォームやペダリングが崩れるからだ。
速く走りたいと気持ちが焦ってしまうのは分かりますが、自分の課題に対して一つ一つ確実にクリアしていくことこそ上達の近道です。
急いで結果を求める必要はありません。じっくり経験を積んで練習していけば、いずれ確実に速くなりますので、焦らないで自分のペースで練習を行ないましょう。
まとめ
本記事では、ロードバイクで高速巡行を行なうために必要となるコツ(技術)を説明しました。
最後にもう一度、説明した技術を以下にまとめます。
- 股関節のペダリング
- 体幹でペダルを回す
- ペダルに体重を乗せる
- 空気抵抗を減らす
- 一定のケイデンスを保つ
- ギアチェンジは路面状態で判断
ロードバイクで平地の巡航速度が30km/h以上を維持できれば、1日の行動範囲がかなり広がります。そのためにも、まずは基本となるペダリングスキルをマスターしよう。
長時間の高速巡行ができるようになるためには、コツを掴み練習することが上達の早道です。スピードが上ればそれだけ、見える景色も違ってきます。
また、視野狭窄に陥りやすくなりますので、過度なスピードは出さないよう心掛けましょう。