呉市は、広島県の西南部に位置する中核都市です。
瀬戸内海に面した気候温暖で自然豊かな街であり、安芸灘諸島などの多島美を楽しめますね。また、古くは村上水軍の一派が根城にしており、明治維新以降は、帝国海軍の重要拠点となりました。
戦後、海上自衛隊の拠点となり、世界最大のタンカーを数多く建造できる臨海工業都市として発展を遂げています。そんな呉市の陸上の玄関口といえるJR呉駅を中心には、数多くの観光スポットがある。
本記事では、定番から穴場まで呉市の観光スポットを6選に限定して紹介します。
尚、選定基準は、レンタサイクルに乗ってスムーズに見て回れる、JR呉駅から半径3km以内に厳選しました。
それぞれについて紹介します。
世界でも珍しい潜水艦が見える公園、アレイからすこじま
潜水艦を間近で眺めたいと思うならば「アイレからすこじま」へ向かいましょう。
呉湾には、海上自衛隊の潜水艦と護衛艦が錨を降ろして停泊しています。
「アイレからすこじま」から呉湾に浮かぶ潜水艦などを眺めていると、かつて呉市が日本海軍の一大拠点だったことを偲ばせますね。
潜水艦は、国家最高機密の一つです。こんなに間近で見られるのは世界でも珍しい。
護衛艦も停泊しています。
大きい船ですね。これは音響測定艦です。潜水艦を探知するための船ですね。
カメラをズームして見てみると、カッコよさが伝わってきます。(笑)
「アイレからすこじま」の名前の由来は、昔呉浦にあった「烏小島」の名前と英語で小路を表すアレイ(Alley)から来たもの。
烏小島は当時周囲40mほどの小島でしたが、大正時代に埋め立てられ、魚雷発射の訓練場として活用されていました。
当時使用していた魚雷などの揚げ下し用の旧魚雷積載用クレーンは、園内でモニュメントとして見学できます。
また、園内には大砲のモニュメントもありました。当時使っていた物でしょうか。
空はすっかりと暮れてきました。
夕暮れをバックに潜水艦を眺めていると感動しますね。
日の出、日没では、各船艇の国旗、自衛隊旗の掲揚・降納が見られるという。
この公園から道を挟んで向こう側には、赤レンガの建物が建ち並んでいる。
かつては海軍工廠でしたが、今では倉庫として活用されています。
それにしても、この赤レンガのレトロな雰囲気が溜まりません。哀愁を感じます。
「アレイからすこじま」は2016年4月25日に「日本近代文化の躍動を体感できるまち」として、日本遺産に認定されました。
アレイからすこじま
- 住所 広島県呉市昭和町8
- 電話番号 0823-25-3309(呉市観光振興課)
呉市の氏神様、亀山神社
亀山神社は、かつて軍港都市として発展してきた呉市の「氏神様」として心から敬われており、呉湾を一望できる高台に鎮座しています。
亀山神社の主祭神は、応神天皇(おうじんてんのう)を含む三柱をお祀りしており、 「八幡宮」といわれる種類に属している。
神社の種類は、お祀りされる神様によって変わるのを知っていますか。たとえば、菅原道真をお祀りしていれば「天満宮」、徳川家康をお祀りしてあれば「東照宮」です。
比較的新しい鳥居の奥には、拝殿が見えるので、早速向かいましょう。
立派な狛犬。
厳かな雰囲気の参道を歩き、茅の輪くぐりを行なった後で、拝殿前に立ち止まり参拝を行います。
創建は703年と古い亀山神社ですが、現在の亀山神社は移設したもの。
そのためか、拝殿・本殿の外観はそれほど古くは感じませんでした。
八幡宮は、勝運向上・安産・学問が三大御神徳といわれている。
この亀山神社では、受験生の合格祈願やスポーツ選手の必勝祈願、厄除け、家内安全、交通安全などを求めて、多くの参拝者が訪れています。
こちらは社務所。「勝守り」というお守りが大人気。
亀山神社は、元々は入船山に鎮座していましたが、1886年(明治19年)に海軍の呉鎮守府開庁を行なうため、入船山は海軍用地として接収された歴史があります。
そして、1890年(明治23年)に現在の場所へ移設されたました。
亀山神社
- 住所 広島県呉市清水1-9-36
- 電話番号 0823-21-2508
- 御祈祷受付時間 9:00~16:00
- 駐車場 約50台(境内にある駐車場)
【神社詣りに役立つ話】
神社詣りに役立つ話を、下記記事で紹介します。
彫刻の並木道、美術館通り
呉市にある美術館通りは、ユニークな赤レンガ敷きの並木道です。
この並木道は約210mほど続いており、著名な作家が作成した彫刻が所々に点在しています。
1987年(昭和62年)4月に市民から公募により「美術館通り」という名称が決定した後で、「手作り郷土賞(ふれあいの並木道)」に選出すると、8月10日には「日本の道100選」に選出されました。
こちらは「春うらら」という作品。
個人的には、若いお嬢さんが春を迎え、良く晴れた穏やかな日差しの中、ゆったりと散歩しているように感じますね。
お次は「切り株に座って」と言う作品です。
裸族の男がサックスを吹いています。なぜ、裸なのかはつっこまないように。(笑)
こちらは「うでをくむ男」と呼ばれる作品ですよ。
何となくガチャピン?に似ていませんか。(笑)
次の作品は、初めて見た時に「おっ、子供が走っている作品かな」と思いました。
この作品の先頭を見てみると、なんと壁にめり込んでいます。思わず「何、これ?」とビックリしましたね。
壁にめり込んだ子供の半身は、一番後ろにある壁から抜け出したように表現されていました。(すいません、写真を撮り忘れました)
窓に人影が・・・・音楽祭を開催しているようです。
船の舵輪をイメージした方位マーク。お洒落ですね。
戦艦大和のマンホールは一見の価値ありです。大和ファンならば必ず見ておきたい。
大和のマンホールは全部で10枚あり、美術館通りに8枚、長迫公園に残り2枚あります。
実は、大和のマンホールをカード化して一人一枚で無料配布しているので、興味がある方は「入船山記念館券売所」と「街かど市民ギャラリー90(くれ)」へ足を運んでみて下さい。
この美術館通りには、18点の彫刻が点在しており、一つ一つ眺めながらゆっくり見てまわりましょう。
美術館通り
- 住所 広島県呉市幸町4
- 電話番号 0823-25-3309(呉市観光振興課)
【オブジェやアート作品の紹介】
旅を続けていると、道端のオブジェやアート作品を楽しめますね。下記記事では、そんなオブジェを紹介します。
造船船渠記念碑が立つ、歴史の見える丘
「歴史の見える丘」は観光スポットという訳ではないのですが、戦艦大和を建造したドックの屋根を眺めることができる貴重な場所です。(厳密に言えば、この丘付近を走っている国道427号線沿いからでも見れますね)
ちなみに、戦艦大和を建造したドックは、既に埋め立てられているのでありません。
この丘は、国道487号線から少し離れた小高い場所にあります。
丘の上には、船の艦橋に似た塔が建てられていますが、国道からはあまり目立たないかな。
この塔は、1969年(昭和44年)の第30回大和推進日(8/8)を記念して、呉大和会によって作られ、戦艦大和の艦橋をイメージしたもの。「噫(ああ)戦艦大和塔」と呼ばれている。
また、この塔の前には、戦艦長門と戦艦大和の主砲徹甲弾が並んでいました。
こちらは、呉市の発展に力を注いだ澤原為綱翁の記念碑です。(台座のみ)
残念ながら銅像は、戦時に供出されたためありません。
この丘から歩道橋を渡り、海側へ向かってみましょう。
すると、眼下には戦艦大和を建造したドッグの跡地が見えてくる。
当時のドッグの大きさは、長さ270m、幅35m、深さ11mもあり、東洋一の規模を誇っていました。
このドッグから戦艦大和や戦艦長門などの多くの艦船が建造されたことを考えると、自然に胸が熱くなる。
ここで建造された艦船技術が戦後の復興に役立ち、現代に受け継がれています。
歴史の見える丘
- 住所 広島県呉市宮原5-1-1
- 電話番号 0823-23-7845(くれ観光情報プラザ)
【カメラに関する話】
遠くの見える景色を、より鮮明に記録や記憶に残すならば、性能のよいカメラで写真を撮ってみませんか。下記記事では、カメラに関する話を紹介します。
呉の歴史と戦艦大和を学べる大和ミュージアム
大和ミュージアムでは、呉の歴史や造船・製鋼などの科学技術を紹介しています。
館内には、戦艦大和の10分の1のサイズで再現した巨大な模型を展示しており、その迫力に驚きを禁じえません。
また、本物の零戦が展示されている。これも見逃せませんね。
大和ミュージアムについては、下記関連記事でくわしく紹介します。
大和ミュージアム
- 住所 広島県呉市宝町5番20号
- 電話番号 0823-25-3017
- 営業時間 9:00~18:00(入館は17:30まで)
- 休館日 火曜日(火曜日が祝日の場合は翌日休業)
- 4/29〜5/5、7/21〜8/31、12/29〜1/3は無休
- 料金
- 【個人料金】一般(大学生以上)500円、高校生300円、小中学生200円
- 【団体料金】一般(大学生以上)400円、高校生200円、小中学生100円
- 未就学の幼児は無料で、団体料金は20名以上からです。
本物の潜水艦を使った資料館、てつのくじら館
大和ミュージアムの周辺には「海上自衛隊呉資料館」があります。
この資料館の愛称は「てつのくじら館」と呼ばれていて、本物の潜水艦「あきしお」を展示していました。
実は、この潜水艦の中へ入ることができる。本物の潜水艦に乗艦できる機会なんて滅多にないですよ。
この資料館には、潜水艦の発展と掃海艇の活躍に関する資料や潜水艦の器材などが展示されています。無料とは思えないほど充実した内容なので、ぜひ足を運んでみて下さい。
くわしくは、下記関連記事で紹介します。
てつのくじら館
- 住所 広島県呉市宝町5-32
- 電話番号 0823-21-6111
- 営業時間 10:00~18:00(展示室入館は5:30まで)
- 休館日 火曜日(火曜日が祝日の場合は翌日休館)、12/29~1/3
- 料金 無料
まとめ
JR呉駅の周辺に点在する近場の観光スポットを紹介しました。
呉市やその周辺には、多くの絶景・観光スポットが点在していますので、2週間以上も旅行するならば、ホテルのサブスクを利用するのが便利です。
また、とびしま海道やかきしま海道など多くのサイクリングロードが整備されていますので、サイクリングしながら見て回るのは楽しいですよ。
広島県呉市へ訪れる機会があれば、本記事で紹介した観光スポットを巡ってみてはいかがでしょうか。