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旅の体験談

石見銀山と一緒に観光したい、山陰の美しい大森地区の町並みを歩く

大森地区の町並み

山陰地方の世界遺産として知られている石見銀山(いわみぎんざん)。

その銀山のふもとには、銀山の発展と共に栄えた大森町(大森地区)があります。

山陰の美しい石州瓦の景観と共に、昔ながらの伝統的な町並みが保存されており、雰囲気は満点。

いも代官ミュージアムや熊谷家住宅など様々な見どころがあり、石見銀山と一緒に観光したい場所ですね。

ゆっくり町歩きしながら、情緒あふれる景色を堪能してみませんか。

本記事では、世界遺産の町「大森町(大森地区)」を歩きながら、見どころを紹介します。

本記事は、以下に該当する人向けです。

  • 石見銀山と共に栄えた大森町の見どころを知りたい
  • 古い町並みに興味がある
  • 美しい石州瓦の景観を見てみたい

銀山の町「大森町(大森地区)」の歴史

大森町の町並み
大森の町並み

大森町は、島根県大田市に属しており、南西約15kmの山間部に横たわる細長い谷に形成された石見銀山と共に栄えた町です。

石見銀山は、16世紀に世界有数の大銀山として知られ、ヨーロッパの古地図にも「石見」、「銀鉱山王国」と記されていたとか。

当時の日本では、採掘された銀を世界へ輸出して利益を得るシルバーラッシュを引き起こしました。

江戸時代には、町全体が幕府の直轄領となり、代官所も置かれ、今はその代官所は資料館として一般公開されています。

銀山川沿いに築かれた町は、下流側を政治の中心地(大森町)として、上流側には、約20万人とも言われる坑夫たちの住まう町があったそうです。

大森町のマップ
大森町のマップ

1800年(寛政12年)には、町の過半数を大火により消失しており、今残るのは下流側の大森町のみ。

大火に襲われた以後、火が燃え移らないようにするため、代官所から茅葺(かやぶき)屋根を板葺(いたぶき)か瓦葺(かわらぶき)にするよう命じられました。

今見られる大森町の町並みは、大火以後に葺き替えられたものです。

1987年(昭和62年)には、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されました。

【周辺の見どころ】

大森町周辺には、世界一大きな砂時計がある仁摩サンドミュージアムなど見どころが沢山ありますので、下記記事で紹介します。

石州瓦の美しい景観、大森町の町歩き

大森の町並みの風景

大森の町並みは、江戸時代に形づくられた陣屋町なので、とてもレトロです。

また、武家屋敷や商家が混在している特徴がありました。

大森の町並みの眺め

その落ち着いた雰囲気は、散策するのにGoodですね。

町中を散策していると、階段で上れる高台に観世音寺がありますので、そこから町を一望できます。

大森地区の町並み

山陰地方で良く見られる石州瓦の美しい景観がとても素晴らしい。

また、町歩きをしていれば、自然に色々な物に目が留まります。

例えば、こちらの人形。小さなお地蔵様かな。

小さな何人形たち

格好いい鬼瓦を発見。強そうです。

鬼瓦
鬼瓦

木造フレームの自動販売機。こんなの初めて見ました。(笑)

木造フレームの自動販売機
木造フレームの自動販売機

大森の町並みは、様々なドラマや映画のロケが行われているという。

2003年には、映画「アイ・ラブ・ピース」のロケが行われたそうです。

また、郵便局や銀行、駐在所も町の景観に配慮して木造で建てられていました。

木造の銀行
木造の銀行
木造の駐在所
木造の駐在所

ここまでこだわっている町並みを歩いていると、江戸時代にタイムスリップしたかのような感覚を味わいますね。

熊谷住宅を始め、金森家や青山家、阿部家、高橋家など天領の町であった風格を偲ばせる住宅が沢山あるのも嬉しいところ。

金森家
金森家
青山家
青山家

町中には、観光協会もありますので、ここで大森地区や石見銀山の情報を仕入れると良いでしょう。

石見銀山の観光協会
お土産処兼観光協会

尚、町歩きの所用時間は、町中を歩くだけならば30~60分程度です。

【古い町並みの紹介】

日本全国には、沢山の古い町並みが保存されていますね。下記記事では、旅先で訪れた古い町並みを紹介します。

世界遺産となった大森町の見どころを紹介

石見銀山資料館(いも代官ミュージアム)

石見銀山資料館の入口
石見銀山資料館の入口

石見銀山資料館は、地元有志により、1976年(昭和51年)に開館しました。

建屋は、1902年(明治35年)に建てられた旧邇摩(にま)郡役所を当時の姿のまま活用したもの。

石見銀山資料館(いも代官ミュージアム)
石見銀山資料館(いも代官ミュージアム)

江戸時代には、石見銀山領の代官所がありました。

館内には、石見銀山に関する古文書や鉱山道具、鉱石、絵巻、奉行や代官の遺品などが展示されています。

いも代官ミュージアムの館内

実物資料や鉱石が展示されているのは、大変貴重。

当時の石見銀山の様子に触れてみては如何でしょうか。

井戸平左衛門
井戸平左衛門

「いも代官」のいわれについて気になる方も多いと思いますが、これは領民から慕われていた大森代官「井戸平左衛門(いどへいざえもん)」のこと。

享保の飢饉の際、サツマイモ栽培を導入して飢えをしのぎ、井戸代官の支配地からは、ひとりの餓死者も出さなかったという。

更に領民を救うため幕府の許可を待たずに年貢米を人々に分け与えたり、被害の大きな村では、年貢を免除したそうです。

まさしく代官の鏡ですね。

  • 住所 島根県大田市大森町ハ51-1
  • 電話番号 0854-89-0846
  • 営業時間 9:30~17:00
  • 休館日 火・水曜日、年末年始(12/29~1/4)
  • 料金
    • 大人(高校生以上)550円
    • 小人(小中学生)250円
  • 20名以上で団体割引き有り、障害者割引有り

【博物館の紹介】

いも代官ミュージアムのような博物館を訪れると、知らないこと学べ楽しめますね。下記記事では、そんな博物館を紹介します。

熊谷家住宅

熊谷家住宅
熊谷家住宅

熊谷家住宅は、国の重要文化財に指定されており、石見銀山で最も栄えたとされる商家です。

熊谷家は、代々の年寄役を務めた由緒ある旧家。

現在の建物は、大森大火の以後に建てられたものですが、それでも築200年以上というのは、全く凄いですね。

金融業や酒造業を始め、町役人や代官所の御用商人を務めました。

お酒

建屋の中へ入って、隅々まで見て回りましょう。

奥の間や地下蔵、台所など見所は盛り沢山。

熊谷家住宅内の様子

入母屋瓦葺き2階建ての建屋は、間口9間、奥行き8間の母屋です。

また、屋敷の部屋は30室と多く、母屋以外に5棟の蔵があるので、その当時の財力の凄まじさが伺い知れます。

更に熊谷家の歴史や生活に関わる様々な展示品が公開されていました。

熊谷家住宅内の眺め

2階へ上がれば、窓越しから石州瓦の美しい景観が見て取れますよ。

熊谷家住宅の2階の廊下
熊谷家住宅のかまど

そして、忘れてならないのは、月に一度の「かまどの日」。

この日には台所を使用して、かまどに薪をくべて火を入れ、ゆで卵を作っているという。(かまどの日は、毎月第2日曜日 10:00~16:00)

1個50円でゆで卵を作れますので、タイミングが合えば、是非チャレンジしてみて下さい。

美味しく作れたら嬉しいですね。

  • 住所 島根県大田市大森町ハ63番地
  • 電話番号 0854-89-9003
  • 営業時間 9:30~17:00
  • 休館日 火曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始(12/29~1/3)
  • 料金
    • 大人(高校生以上)520円
    • 小人(小中学生)100円
  • 20名以上で団体割引き有り、障害者割引有り

観世音寺

観世音寺(本堂)
観世音寺(本堂)

大森町を貫く通りにあった、岩盤を刻んだ石段を上っていくと、大森代官所の祈願寺である「観世音寺」があります。

創建は不詳ですが、今の本堂は、大森大火以後に再建されたもの。

江戸時代には、石見銀山の大盛を祈願する寺だったそうです。

尚、本堂以外にも山門と鐘楼が残されていました。

本堂へ向かう階段を上っていけば、特徴的な赤い山門が見られます。

観世音寺へ向かう階段

この山門へと続く階段の下には、薬師如来が奉納された屋根の付いた石板がありました。

観世音寺へ続く階段下の景色

この石には、目の病気を平癒させる力があると信じられているそうです。

それに何と言っても、高台から見渡せる美しい石州瓦の景観は見事の一言。

石州瓦の美しい景観

200年以上に渡って、守り続けている大森の町並みが一望できました。

ビュースポットとして人気が高い町並みの景色を、心ゆくまで堪能しましょう。

  • 住所 島根県大田市大森町イ1383
  • 電話番号 0854-89-0067(町並み交流センター)

町並み交流センター(旧大森区裁判所)

町並み交流センター(旧大森区裁判所)
町並み交流センター(旧大森区裁判所)

町並み交流センターは、明治時代の洋風建築の面影を残す建築物です。

1890年(明治23年)に開所し、1945年(昭和20年)の初めまで使われていた裁判所でした。

今は銀山や大森の町の歴史について資料が展示されており、無料で見学できます。

町並み交流センターの様子

また、短時間で見られるビデオコーナーもありますよ。

100人を収容できるホールでは、町のお祭りや卓球大会など様々な催しが開催されているそうです。

特にお勧めなのは、昔の法廷の様子を復元したジオラマ。

昔の法廷の様子を復元したジオラマ
昔の法廷の様子を復元したジオラマ

栄えていた当時の大森町の片鱗が、良く分かるのではないでしょうか。

  • 住所 島根県大田市大森町イ490
  • 電話番号 0854-89-0330
  • 営業時間 9:00~16:30
  • 定休日 火曜日、年末年始(12/29~1/3)
  • 料金 無料

旧河島家(武家屋敷)

旧河島家
旧河島家

旧河島家は、代々銀山奉行附きのお役人を務めた旧家です。

母屋は大森大火以後に再建されており、その後1825年(文政8年)まで増築されたという。

現在唯一公開されている武家屋敷であり、その配置や間取りは、大森における一般的な上層の武家屋敷と言われています。

旧河島家の座敷
旧河島家の中の様子

大森の町では、武家と町家が混在しているところが特徴的ですね。

上層の武家屋敷は、通りに面して門や塀があり、母屋との間には庭を設けているとか。

一方、町家では、通りに面して母屋を建ている。

これらが見るべきポイントですね。

また、聞くところによると、隠し部屋があるそうなので、探してみるのも面白そうです。

  • 住所 島根県大田市大森町ハ118-1
  • 電話番号 0854-89-0932
  • 営業時間 9:30~16:30
  • 定休日 火曜日、年末年始(12/29~1/3)
  • 料金
    • 大人(高校生以上)200円
    • 小人(小中学生)100円
  • ※20名以上で団体割引有り、障害者本人は無料

羅漢寺の五百羅漢

羅漢寺
羅漢寺

羅漢寺は、銀山で亡くなった人々の霊と祖先を供養するお寺です。

宝暦年間(1751年~1763年)に、住職の月海浄印が建立しました。

岩を削って建てられていて、その佇まいに歴史を感じますね。

中は撮影不可であり、色鮮やかな色彩が施された500体の羅漢像が安置されています。

笑っている顔や泣いている顔など一つ一つ違った表情を見せてくれるので、思わず手を合わせたくなるのではないでしょうか。

  • 住所 島根県大田市大森町イ804
  • 電話番号 0854-89-0005
  • 拝観時間 9:00~17:00
  • 定休日 不定休
  • 拝観料
    • 大人500円
    • 小人300円
  • ※20名以上で団体割引有り

理容館アラタ

理容館アラタ
理容館アラタ

理容館アラタは、大正末期創業で今は営業していませんが、昭和時代にはとても流行っていたそうです。

ノスタルジックな雰囲気がGoodですね。

中への出入りは自由ですが、店内は狭いので他の方が既に入っていた場合は、外で待っていた方が無難ですよ。

2012年(平成24年)には、全国理容連合会から理容遺産第1号店に認定されました。

当時のアールヌーボーのデザインを施した理容椅子などを見ることができます。

  • 住所 島根県大田市大森町ハ79
  • 電話番号 0854-89-9150(和田珍味石見銀山本店)
  • 開館時間 11:00~16:00
  • 定休日 水・木曜日、12月から2月は休業

大森の町並みの基本情報とアクセス

住所島根県大田市大森町
電話番号0854-88-9950(大田市観光協会)

【アクセス】

  • JR仁万駅からタクシーで約10分
  • JR大田市駅から路線バスで約25分
  • 湯里ICから車で約12分

大森の町並みの駐車場

大森の町並みの周辺には、3つの無料駐車場があります。

駐車場名住所駐車台数備考
石見銀山公園駐車場島根県大田市大森町ハ199普通車40台大森の町並みまで約100m
大森代官所前駐車場島根県大田市大森町ハ47-1普通車20台直ぐ近くには、いも代官ミュージアムがある
石見銀山駐車場(世界遺産センター)島根県大田市大森町イ1597-3普通車400台
大型バス11台
大森の町並みから少し離れている(徒歩約30分)

まとめ

石見銀山と共に栄えた大森町は、レトロな町並みが続き、当時の歴史と文化が色濃く残っていました。

いも代官ミュージアムや熊谷家住宅など多くの見どころがありますので、是非足を運んで見学してみて下さい。

特に高台から眺める石州瓦の美しい景色は、素晴らしいのでお見逃しなく。

石見銀山と共に観光して、当時の生活を垣間見てみましょう。



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この記事を書いた人

年齢:40代。
職業:旅人兼ブロガー。

私にとって自転車旅が一番の楽しみであり、知らない土地、景色、一期一会の出会いなど様々な体験をしました。当ブログでは、自転車旅などを通じて体験した事や訪れた絶景・観光スポットについて紹介します。また、自転車全般に役立つ情報を発信しています。

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