日本各地には、多くの城跡が残されています。
その中でも「日本のマチュピチュ」「天空の城」と呼ばれ、人気が高い竹田城跡。
雲海に浮かぶ神秘的な景色が、話題になって久しいですね。
実際に訪れたことがない方でも、1度はテレビのCMや映画、雑誌などで見かけたことがあるのではないでしょうか。
そんな竹田城跡を歩きながら、かつてこの城で暮らしていた人たちを偲んでみましょう。
徒歩でも竹田城跡へ行けますが、JR竹田駅や山城の郷から天空バスに乗って訪れるのがお勧めです。
本記事では、竹田城跡を巡り、足を運んでみたい見どころを紹介します。
天空の城「竹田城跡」とは
竹田城跡は、兵庫県朝来(あさご)市に位置し、標高353.7mの古城山山頂で戦国時代以前に築かれた山城です。
その姿が、虎が臥せているように見えることから別名「虎臥城(とらふすじょう・こがじょう)」とも呼ばれています。
天守は残っていませんが、石垣や縄張(お城の敷地)がほぼそのままの形で残っているのは嬉しい限り。
本丸を中心に東西約100m、南北約400mの規模を誇り、全国でも指折りの平面構成の美しさは見ものです。
お城の麓には、一級河川・円山川が流れており、秋の良く晴れた日には、朝霧を作ります。
その朝霧が、竹田城跡を取り囲むことで、竹田城跡がまるで雲海に浮かぶように見えますね。
いつの頃からその景色を見た人たちから「天空の城」と呼ばれるようになりました。
2006年(平成18年)には、日本100名城に選定され今に至ります。
【お城の紹介】
旅を続けていると、魅力的なお城へ訪れる機会は多いですね。下記記事では、旅先で訪れてお城を紹介します。
竹田城跡の閉山情報
竹田城跡は、観光客が増えたことにより、2014年から閉山期間が設けられるようになりました。
竹田城跡へ訪れることが出来る期間を以下に紹介します。
- 3/1~ 5/31 8:00~18:00(最終登城 17:30)
- 6/1~ 8/31 6:00~18:00(最終登城 17:30)
- 9/1~11/30 4:00~17:00(最終登城 16:30)
- 12/1~翌年1/3 10:00~14:00(最終登城 13:00)
1/4~2月末までは、閉山期間のため入城できません。
また、観覧時間や閉山期間は、状況に応じて変更されます。
【周辺の見どころ】
竹田城跡周辺の見どころを、下記記事で紹介します。
山城の郷から天空バスに乗って竹田城跡へ移動しよう
山城の郷は、竹田城跡から1番近い休憩所であり、天空バスに乗って竹田城跡へ移動できます。
この休憩所を拠点にして、竹田城跡を巡りましょう。
山城の郷では、ご当地の食材を使ったメニューを出すレストランを始め、観光案内所やお土産屋もある。
尚、天空バスに乗らなくても歩いて竹田城跡へ移動できます。
移動時間は、歩いて約40分。急な坂道を歩くので結構大変。そこで、お勧めなのが往路は天空バスを使い、復路は徒歩で山城の郷へ帰る。帰りは、下り坂になるためサクサク歩けるね。
山頂近くの天空バスが止まるバス停から、約15分もあれば辿り着けます。
こちらが天空バス。
天空バスの発車時刻はこちら。
天空バスは、JR竹田駅→山城の郷→竹田城跡→まちなか駐車場→JR竹田駅へ循環しています。
そのため、JR竹田駅から竹田城跡へ向かうのも有りですね。
尚、繁忙期では天空バスの本数が多くなるみたい。
山城の郷から竹田城跡までの料金は、片道160円です。
私が訪れた日は、平日にも関わらず多くの観光バスがチャーターされ、沢山の観光客が訪れていました。
そのため、天空バスと間違えることも。
天空バスの停留所は、お土産屋の前にあるので、私のように間違えないように。(笑)
山城の郷
- 住所 兵庫県朝来市和田山町殿13-1
- 電話番号 079-670-6518
- 営業時間 9:00~17:00、12月~翌3月までは~16:00
- 定休日 無休
最寄りのバス停から竹田城跡までの道中
天空バスが停車する竹田城跡のバス停から、徒歩で城跡までは約900m(徒歩約20分)ほどあります。
バス停から、歩いて間もない所に休憩所がありました。
ここでは、飲料の自動販売機やトイレがあり、これ以降飲み物を買える場所がありません。
特に夏場では、熱中症にならないためにも水分補給は大事ですよ。
しっかり準備を整えましょう。
また、立派な門があるので記念撮影するのも良いかも。
竹田城跡へ目指す道中には、「落ちない岩」がありました。
地元住民の間では、落ちそうで落ちない岩ということで不思議な岩と話題になっています。
近年、受験生の間で評判になり、合格祈願に訪れる人が増えているとか。
約20分ほど歩くと竹田城跡の入口へ到着。
入口前にある竹田城跡観覧料受付処で、観覧券を購入して入城しましょう。
【珍しい岩の紹介】
落ちない岩のように、珍しい場所にあったり、巨大な岩や奇形の岩を見かけると、「何これ?」と驚きますね。下記記事では、そんな岩を紹介します。
竹田城跡を巡る、足を運びたい見所を紹介
竹田城跡の観覧ルートは一本道です。そのため、道に迷うことはありません。
所要時間は、30分~1時間程度は見ておきましょう。(竹田城跡まで移動する時間は含めていません。)
雲海のない時間帯ならば、お弁当を持って城内で食べるのも良いかも。眼下の雄大な自然と和田山町の町並みを眺めながらの飲食は、より美味しく感じるでしょう。
こちらが竹田城跡の全体図。
それぞれについて、竹田城跡の見所を紹介します。
大手口
城跡へ入って最初に通過する所が大手口です。その見事に積み上げられた石垣は注目ですね。
この石垣は、算木積み(さんぎづみ)と呼ばれる技法を使っているとか。
算木積みとは、石垣の出角部分において、石の長辺と短辺を交互に組み合わせた積んでいく技法。
これにより、石垣の強度が増し、崩れにくくなるという。
良く考えられた技法に感心するばかりです。
尚、竹田城跡では、北千畳や本丸など多くの場所で、算木積みによる石垣が見られます。
北千畳
北千畳は、絶景が楽しめるビュースポット。
竹田城跡では、保護用に不織布を敷いているエリアが多いですが、この北千畳では不織布が敷いていなく景観が素晴らしい。
その美しい展望には、思わず「うぉ!」と声が出てしまいました。(笑)
眼下のパノラマ絶景を楽しみましょう。
三の丸・二の丸
本丸へ向けて歩いて行くと、三の丸・二の丸を通過します。
三の丸や二の丸には、人気の「天空ベンチ」がありますよ。
雲海が出ている時に座ると、まるで空中に浮いているような感覚を味わえるという。
三の丸のベンチからは、眼下に和田山町竹田の町並みが一望できます。
こちらは町並みの拡大写真。
住宅街では、多くの人たちが日々の生活を送っていることでしょう。
時代は違えど、かつて竹田城に住んでていた人たちも同じような景色を見ていたはず。
きっと、山城から住民たちの生活を見守り続けていたのではないでしょうか。
本丸・天守台
本丸は、竹田城跡で最も有名な場所です。
最も高い位置に天守台が設けられており、360度のパノラマ絶景が素晴らしい。
それに加え、遺構が良く見えるので「日本のマチュピチュここにあり!」と思える景色が広がります。
特に南に張り出した南千畳の方向のアングルは、実にフォトジェニック。
様々な角度で眼下を眺め、自分だけのベストスポットを見つけてみて下さい。
花屋敷
花屋敷は、現在立入できません。最初そのことを知らなくて、花屋敷のルートを探してしまいました。そのため、花屋敷は平殿から覗きましょう。
昔ここで、薬草を栽培しており花畑があったそうです。それが、花屋敷の名前の元になっています。
また、鉄砲を撃つための「石狭間(いしざま)」の構造跡が見られました。
これは、全国的にも珍しく貴重な遺構ですね。
平殿・南二の丸
南千畳へ向かう道中には、平殿と南二の丸を通ります。
その道中には、実に見応えのある石垣が度々登場しました。
変化に富む石垣は見事の一言。
個人的には、竹田城跡で一番好きな場所ですね。
竹田城は、1577年に姫路城から出撃した羽柴秀吉(後の豊臣秀吉)の弟、秀長の軍勢により落城しました。
南の方角から攻め込んできたと思われますが、その際この石垣が並ぶ通路を通過して本丸を目指したのでしょう。
高低差のある石垣が、巧みに配置されているので、攻めるのが難しく、守るのは楽だったのではないでしょうか。
しかし、こんな山上では、援軍が来なければいつまでも持ちこたえることは不可能ですね。
こちらは、南二の丸の風景。北千畳同様、開放的な場所です。
尚、平殿があった所にはAEDが用意されていました。
AEDは、今では空港や駅など至るどころにありますので珍しくありませんが、いざと言う時に備えて使い方を覚えておくと良いかも。
そんな事をいうと「こーさんは使えるのか」そんな声が聞こる気がしますが、実はAEDは何度か使ったことがありますよ。(体験だけで実際に人に対しては使ったことはありませんが・・・)
南千畳
南千畳は、竹田城跡で最も広い場所でしょう。
本丸のある方角へ向くと、連なり合う石垣が見て取れますね。
その景観は、実に素晴らしい。
この石垣の中には、「鏡石(かがみいし)」と呼ばれる1番大きな石が埋まっています。>
その石の力強い見た目に、力がもらえるパワースポットとして人気を集めているとか。
是非、探してみて下さい。
尚、南千畳まで辿り着けば、竹田城跡を降りる階段があります。
階段を下りて元来た道を歩き、バス又は徒歩で山城の郷へ戻りましょう。
立雲峡から雲海に浮かぶ竹田城跡を撮影しよう
雲海に浮かぶ天空の城に相応しい姿を撮影するには、立雲峡がベストスポットです。
立雲峡は、竹田城跡の南東に位置する朝来山の中腹に位置しています。
立雲峡の駐車場から山道を登って行くと、4つの展望台が整備されており、第1展望台や立雲峡テラスでは、竹田城跡より高い位置で写真が撮れるよ。
林を切り開いた広場には、大きな階段のような「ひな壇」になっているので、多くの人が数列に並んでも撮影しやすいです。
また、第1展望台より少し高台にある立雲峡テラスからの眺めが特に幻想的でした。
135~200mm程度の望遠レンズがなければ、竹田城跡をしっかり撮影できないので、撮影の準備をしっかり整えましょう。
尚、立雲峡について詳しくは、下記関連記事で紹介します。
竹田城跡はなぜこれほど有名になったのか
竹田城跡は、昔は今のように有名ではありませんでしたが、なぜこれほど有名になったのでしょうか。
気になったので調べてみました。
すると、2006年に公益財団法人「日本城郭協会」が発表した「日本100名城」による影響が大きかったことが分かりました。
当時は、一般の知名度が低かかったため、一般の投票は少なかったそうですが、建築史の専門家などによる選定委員の推薦があったという。
また、翌年には、地元の写真家・吉田利栄さんが撮影した「雲海に浮かぶ天空の城」が注目を集めたそうです。
その年に発行された100名城の公式ガイドブックでは、吉田さんが撮影した写真を巻頭見開きで紹介。
その結果、多くの人たちに竹田城の名前は、「天空の城」として瞬く間に知られるようになります。
その後、様々な新聞やテレビなどのメディアを始め、雑誌などが竹田城跡を取り上げるようになりました。
2009年頃になると、旅行会社のツアーが登場し益々人気に拍車がかかります。
そして、2012年には、高倉健さんの最後の主演映画「あなたへ」のロケ地として「天空の城」の情景が映し出され、その人気が更に沸騰した次第です。
インターネットなどでも竹田城跡の写真や評判は広がり、日本だけでなく外国人観光客の間でも人気があるとか。
専門家による権威やメディアの影響の大きさが、凄まじい事が良くわかりますね。
しかし、いくら専門家が声を上げても、竹田城跡自体に魅力がなければ、今に至る人気が続く訳がありません。
今後も多くの人たちが足を運び、竹田城跡の魅力を感じて欲しいですね。
竹田城跡について学べる情報館「天空の城」
竹田城跡へ訪れる前に立ち寄りたい場所が、情報館「天空の城」です。
この情報館では、竹田城の歴史や石積み、屋根瓦の詳しい説明などを興味深く学べます。
また、竹田城跡全景のジオラマなど各種資料を展示。
更に竹田城跡のボランティアガイドによる案内サービスも受けれるよ。
ガイド料は2,000~3,000円で、1週間前までに申し込みが必要なので気になる方は連絡してみよう。
情報館「天空の城」
- 住所 兵庫県朝来市和田山町竹田363
- 電話番号 079-674-2120
- 営業時間 9:00~17:00(1月・2月は16:00まで)
- 定休日 年末年始(12/29~1/3)
- 料金 無料
竹田城跡の基本情報とアクセス
住所 | 兵庫県朝来市和田山町竹田古城山169 |
電話番号 | 079-674-2120(情報館「天空の城」) |
料金 | 大人(高校生以上)500円 小人(中学生以下)無料 20名以上で団体割引有り(大人450円) |
【アクセス】
- 山城の郷から天空バスに乗って、竹田城跡のバス停で下車後、徒歩約20分(バスの乗車時間約10分)
- 山城の郷から徒歩約40分
- JR竹田駅から天空バスに乗って、竹田城跡のバス停で下車後、徒歩約20分(バスの乗車時間約20分)
竹田城跡の駐車場
竹田城跡に1番近い駐車場は、山城の郷にある無料駐車場です。
普通車は120台、大型観光バスは10台駐車できます。
尚、大型観光バスを駐車する場合は、事前に予約が必要ですね。
JR竹田駅から竹田城跡へ向かう循環バス(天空バス)が運行していますので、竹田まちなか観光駐車場を利用するのもお勧め。
竹田城跡のみでなく、城下の街中散策にも最適ですよ。
無料駐車場であり、50台ほど駐車できます。
土日祝日に竹田まちなか観光駐車場が満車の場合、案内される駐車場が竹田区駐車場です。
ここも無料駐車場で、50台ほど駐車できますね。
まとめ
竹田城跡は、「日本のマチュピチュ」や「天空の城」の呼び名に相応しい観光スポットです。
雲海の中に佇む姿も魅力的ですが、城跡に足を運び、かつて実際にあった山城の様子を確かめてみて下さい。
色んな角度から城跡を眺め、お気に入りの1枚を撮りましょう。
夕日に照らされた重厚な石垣は、非常に美しいですよ。
きっと、「強者たちの夢の跡」の言葉の意味を感じとれるでしょう。