日本全国には、数多くの稲荷神社がありますね。
誰もが1度は、お詣りに赴いた経験があるのではないでしょうか。
広島県福山市には、広島県内で2番目に初詣客が多いことで知られる「草戸稲荷神社(くさどいなりじんじゃ)」があります。
この神社、実は日本三大稲荷の1つに数えられていますよ。尚、日本三大稲荷については、諸説が色々あり、様々な神社が名乗りを上げているのが現状ですね。
初めて訪れた方は、本殿の外観を見て、その迫力に驚くでしょう。まさに「朱色の要塞」と呼ぶに相応しい。(個人的な見解です。)
本記事では、草戸稲荷神社の見どころを紹介します。
日本三大稲荷の呼び声がある「草戸稲荷神社」とは
草戸稲荷神社(くさどいなりじんじゃ)は、広島県福山市草戸町に鎮座している古い歴史ある神社です。
創建は平安時代初期までさかのぼり、807年(大同2年)に弘法大師(空海)が隣接する明王院の鎮守としたことが始まりと言われています。
また、前の前には芦田川が流れていて、かつては港町として草戸千軒(くさどせんげん)と呼ばれた町が栄えていたという。
当初、草戸稲荷神社は草戸千軒の町中にありました。草戸千軒が瀬戸内海交易で発展し、繁栄すると共に草戸稲荷神社も隆盛しますが、洪水により社殿が破損して流失したそうです。
時は流れ、1633年(寛永10年)に初代福山藩主・水野勝成(みずのかつなり)により再建されました。その後、3代藩主・水野勝貞(みずのかつさだ)により、現在地に社殿が移され今に至ります。
先ほども少し触れましたが、初詣の参拝者数は広島県内で2番目に多く、40万人以上が訪れるそうですよ。
パワースポットとしても知られており、県内外問わず多くの参拝客が訪れます。
草戸稲荷神社のご祭神は、以下の三柱です。
- 宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)
- 保食神(うけもちのかみ)
- 大己貴神(おおなむちのかみ)
宇迦之御魂神は、食物の神様であり、稲荷神社の主祭神。保食神は、食物の神様であり、日本書紀に登場しています。大己貴神は、大国主神の別名ですね。知っている方も多いのでは。国造りと農業の神様ですよ。
ご利益は「五穀豊穣、商売繁盛、安産祈願、交通安全、良縁祈願、起業成就、病気平癒、無病息災、家運降昌」など沢山あり、様々な恩恵を期待できます。
福山藩士によって編纂された「備陽六郡志(びようろくぐんし)」によると、草戸千軒は1673年の大洪水で川の底に沈んだと記述されています。様々な商人や職人が集まる商業の町だったという。
しかし、本当に洪水で滅びたのかハッキリしておりません。一説によれば政治的・社会的な要因で滅んだとか。「日本のポンペイ」とも言われている幻の町・草戸千軒に歴史ロマンをかきたてられますね。
【周辺の見所】
草戸稲荷神社の周辺の見所を、下記記事で紹介します。
【見所①】まるで要塞、福山市街を一望できる巨大な本殿
草戸稲荷神社の1番の見所は、何と言っても巨大な本殿ですね。
その高さは実に23m。遠くからでもその存在感を感じられるし、近くによれば、その圧巻の迫力に驚くだろう。
山を背景にそびえ立つコンクリート建築の社殿は、まるで要塞だ。
どうせなら、最上階まで上って参拝することをお勧めします。尚、本殿に上がれる時間は8:00から16:00までですよ。
下側には拝殿があるので、上るのが大変だったりする場合は、こちらで参拝を済ませましょう。(拝殿はいつでも参拝可能です。)
昔の本殿は、拝殿の裏にひっそりあり、特に目立ってはいなかったそうですが、コンクリート建築になって楼閣の最上階に移設されました。
こちらは、本殿を見上げた写真。凄くないですか。(笑)
うん、階段を上るのは少し大変だけど、個人的には良かった思っています。
階段は、楼閣正面から左手側から上り、最上階へ到達後、右手側から降りる一方通行ですよ。
また、階段を上っている途中には、休憩室がありますね。
個人的に良かったと思う理由は、まずは社殿がカッコよすぎるから。歴史云々はさておき、朱色の要塞の存在は、純粋にワクワクしかしないです。(笑)
また、最上階から福山市街を一望できるのも素晴らしい!
神社の近くには高層ビルがなく、空が広々としており、目の前に流れる芦田川の景観も合わせて抜群の眺望が広がっています。
この眺望は、草戸稲荷神社の人気の1つになっているに違いありません。望遠鏡も設置されているので、是非活用してみて下さい。(望遠鏡は有料)
本殿へ参拝した後で、境内を散策しましょう。
草戸稲荷神社のように、崖や山にくっつくようにして建てられた木造建築物を「懸造り(かけづくり)」といいます。日本古来の伝統工法であり、有名な神社仏閣には、京都府の清水寺や滋賀県の石山寺本堂などがありますね。
【見所②】全国でも珍しい「大大吉」の出るおみくじ
神社と言えば「おみくじ」を楽しみにしてる方も多いでしょう。
「大吉がでますように!」と願いながらおみくじを引く方もいるのではないでしょうか。
草戸稲荷神社では、大吉を越える「大大吉」が引けるという。これは全国的にも珍しいですね。
何でも草戸稲荷神社では100年以上前から「大大吉」のおみくじがあるとか。歴史を感じます。
日本全国にある神社の数は、約8万社以上と言われており、調べてみたところ「大大吉」がある神社はわずか20社ほど。
8万社の内、わずか20社。つまり、その遭遇率は0.0025%に過ぎません。う~ん、そう考えると本当に貴重な体験なので、是非チャレンジしてみて下さい。
この「大大吉」が出る確率は8%とのこと。これを高い確率と捉えるか低いと捉えるかは、あなた次第。
私は意外と高確率なことに驚きました。尚、私のおみくじの結果については黙秘します。(笑)
【神社の紹介(その1)】
旅先で訪れた神社仏閣について、下記記事で紹介します。
【見所③】河手川に架かる朱色の「稲荷橋」
草戸稲荷神社と芦田川の間には、芦田川の支流である河手川(かわてがわ)が流れており、その川には、草戸稲荷神社に向かう橋が架けられています。
この橋は、朱色の欄干が特徴的な太鼓橋であり、稲荷橋という名前がありますよ。
実に良い雰囲気なので、草戸稲荷神社へ向かう際には、稲荷橋を是非渡ってみて下さい。
ただし、橋の東詰は意外と車通りが多いです。また、歩道もないので事故にあわないよう十分注意しましょう。
聞いたところ、昔は土手も低くて欄干のない小さな橋だったそう。今では本殿と同じように立派な成長?を遂げたと言えばよいのかな。
こちらが、河手川の眺め。のどかな風景に落ち着きます。
尚、車で訪れた場合は、駐車場から少し離れており、土手を上ると稲荷橋が見えてきますね。
【神社仏閣の紹介(その2)】
旅先で訪れた神社仏閣について、下記記事で紹介します。
高所恐怖症の人は注意!無理してまで本殿に上らない
先ほどもお伝えしましたが、草戸稲荷神社の本殿の高さは23mもあります。
ビルでイメージすると、階高3mならば、7~8階の高さですよ。
そう考えると、高所恐怖所の人にとってはかなりの恐怖を感じます。
最上階まで上り、眼下を覗いてみると思わず「クラッ!」としてしまうかも。
無理をしてまで本殿に上る必要はないので、その場合は本殿の足元にある拝殿で参拝を済ませよう。
合わせて訪れたい、隣接する「明王院」
草戸稲荷神社へ訪れた際、隣接する「明王院(みょうおういん)」へ足を運ばれることをお勧めします。
この明王院の本堂と五重塔は、どちらも国内最古級の建築物。
本堂は、鎌倉時代末期の1321年(元応3年)に建てられたもの。全国的に最も古い部類に入る建築様式ですよ。
また、五重塔は民衆が建てた塔では日本最古という。南北朝時代の1348年(貞和4年)に住民が少しずつお金を出しあって建てられたそうです。
尚、この塔は心柱が一層の天井で止まっている「心柱制振」という方法を取ることで地震対策もバッチリ。この地震対策は、東京のスカイツリーにも採用されています。
また、明王院の境内は広々としており、気持ちが良いですよ。ゆっくり歩きながら見学に努めましょう。
恐らくですが、本堂・五重塔が建立された時期は、草戸千軒が大きく拡大する時期に当たるので、草戸千軒の経済力が大きく反映したのであろうと推測できますね。
草戸稲荷神社の基本情報とアクセス
住所 | 広島県福山市草戸町1467 |
電話番号 | 084-951-2030 |
拝観時間 | 本殿開門 8:00~16:00 受付所 9:00~16:00 参拝は随時 |
【アクセス】
- JR福山駅からタクシーで約10分
- 山陽自動車道「福山SAスマートIC」から車で約15分
草戸稲荷神社の駐車場
草戸稲荷神社には、無料駐車場があります。(普通車:100台)
尚、初詣時には、河川敷に臨時駐車場を開設します。
まとめ
草戸稲荷神社は、要塞のような迫力ある本殿が特徴的です。
あまりの大きさに、遠くからでもその存在感を感じますね。神社仏閣マニアならば、一度は訪れたいと思うでしょう。
また、全国的に珍しい「大大吉」の出るおみくじがありますので、是非チャレンジしてみて下さい。
福山でも有数の参拝者数と古い歴史・伝統行事のある草戸稲荷神社。
福山市へ訪れる機会があれば、是非参拝してみては如何でしょうか。