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旅の体験談

とびしま海道と大崎上島のサイクリングコースの魅力と観光スポットを紹介

中ノ鼻灯台とロードバイク

安芸灘諸島の7つの島々を橋で結ぶ「とびしま海道」。

裏しまなみとも呼ばれる風光明媚なサイクリングコースです。さらに大崎上島をコースに付け加えて、つかの間のクルージングを楽しもう。

海沿いの開放的な風景や旅情ある町並みの数々を眺めながら、自転車を走らすだけでも気持ちがよい。ゆったりとした島時間を感じながら、瀬戸内らしい光景を体感してみませんか。

本記事では、とびしま海道と大崎上島のサイクリングコースの魅力と観光スポットを紹介します。

本記事は、以下に該当する人向けです。

  • とびしま海道や大崎上島をサイクリングしてみたい
  • 島旅に興味がある
  • 風光明媚なサイクリングコースを知りたい

とびしま海道と大崎上島のサイクリングのすすめ

とびしま海道の風景
とびしま海道の風景

とびしま海道は、広島の市街地から離れ、のどかな海辺の原風景が広がり、サイクリングにおすすめのコースの1つです。

とびしま海道と大崎上島を合わせて約45kmていどの距離なので、時速15~20kmで走るならば、2.5~3時間もあれば走破できる。実際はフェリーの運行時間があるので、もう少し時間がかかります。

安芸灘諸島の島々を巡りながら、それぞれの島固有の文化に触れてみよう。大崎上島は、造船業が盛んな島なので、道中で造船の様子を見物できるのも面白い。

造船所

基本的に平坦基調の道が続くのは、初心者にとって優しいといえるでしょう。ただし島をつなぐ橋へ向かう際には、短めの急坂になることも。ギアを軽くしてペダルをクルクルゆっくり回せば、いつの間にか坂道をクリアできているものです。

道中の風光明媚な景色を眺め、様々な観光スポットへ足を運びながら、とびしま海道と大崎上島のサイクリングを満喫しよう。

サイクリング時の注意事項

とびしま海道は、よく中級者・上級者向けといわれますが、初心者でも以下について十分準備していれば、問題なく走破できるので安心して下さいね。

  • コンビニなど補給できる場所が少ないので、できる限り補給食は持参する
  • フェリーの出航時間を考慮し、時間に余裕を持つ
  • 自転車屋がないため、パンク修理道具一式は持参し、最低でも自分でパンク修理ができること

「とびしま海道+大崎上島」のサイクリングコースの魅力

とびしま海道奨励コース
とびしま海道奨励コース

こちらは、とびしま海道の奨励コースです。初心者にも優しく万人向けのコースですよ。

とびしま海道では、基本的に海沿いの道を走り、所々に点在する港町のカフェなどで休憩を取りながら走ろう。時間と体力に余裕があるならば、ほぼ全ての島にある眺望のよい展望台へ足を運んでみるのも良いですね。

こちらは私が実走した「とびしま海道+大崎上島」コースなので参考にして下さい。

一部奨励コースとは違っていますが、こちらのコースでは、海を望む「日高神社の鳥居」前を通過し、フォトスポットとしても素晴らしい。また、初心者でも無理なく走れるのでおすすめです。

それでは、「とびしま海道+大崎上島」のサイクリングコースの魅力ついて紹介します。

海を間近に感じるシーサイドライド

とびしま海道をサイクリング

海岸線のルートは、交通量が少なく信号が無い道が続き、自転車で走りやすコースとして人気が高いです。

島々の海岸線は山がそのまま海に落ち込んだようにみえる。そのため、ほぼ全ての道路では、海岸線はぎりぎりだ。だからこそ、とても海を間近に感じてしまう。

また、防波堤も低く造られており、その美観は素晴らしい。潮風を肌で感じ、波音を聞きながらのサイクリングは最高の気分ですよ。

シーサイドライド
シーサイドライド
海沿いの道
海をバックにロードバイクを撮影

よく晴れている日には、四国の山々まで見渡せる。山の「緑」をバックに空の「蒼」と海の「藍」が港町と混ざり合い、素晴らしいグラデーションを見せてくれる。そして、どこまでも続く海の絶景には、拍手喝采を贈りたい。

とびしま海道の奨励コースでは、島の北側を走る機会が多いですが、南側も負けじと絶景コースが続きます。特に上蒲刈島・下蒲刈島・大崎下島の南側ルートは明るく開けているので、コースを考える際、採用してみよう。

野坂地区海岸
野坂地区海岸

また、コース上には、美しい白浜があるので、足を運び浜辺でくつろぐのは至福の時間だ。

穏やかな雰囲気に包まれた安芸灘諸島の島々は、急いで走るのは実にもったいない。たとえロードバイクでもスピードを緩め、周囲の景色を味わおう。

【自転車のアイテム紹介】

サイクリングを快適に行うためにも、便利なアイテムは積極的に活用したいですね。下記記事では、そんなアイテムを紹介します。

個性的な美しいデザインの橋が織りなす風景

蒲刈大橋
蒲刈大橋

とびしま海道を構成する安芸灘諸島の島々は、大小様々な7つの橋が架けられています。お隣のしまなみ海道とはまた違ったデザインは、見ているだけでも面白い。

上蒲刈島と下蒲刈島を結ぶ蒲刈大橋は、三角形に組まれたトラス橋であり、水色の橋が周囲に見事にマッチしている。それは、同じトラス橋である大崎下島と豊島を結ぶ豊浜大橋にもいえることだ。

平羅橋
平羅橋

大崎下島と岡村島の間には、小さな島(平羅島、中ノ島)を2つはさみ、各島々を橋でつなげています。その中の1つの平羅橋は、規模が一番小さく低い場所にかかる斜張橋。個人的には気に入っているかな。渋めのデザインが良い味を出していると思いませんか。

また、中ノ島と岡村島に架かる岡村大橋の中間は、愛媛県と広島県の県境になっている。日本で唯一、海上で県境を跨ぐ農道橋なんだとか。ちなみに、しまなみ海道の多々羅大橋にも愛媛県と広島県の県境がありますが、あちらは斜陽橋ですね。

安芸灘大橋の全景
安芸灘大橋の全景
安芸灘大橋を走る
安芸灘大橋を走る
安芸灘大橋の入口
安芸灘大橋の入口

特に本州と下蒲刈島を結ぶ安芸灘大橋は、とびしま海道のランドマーク的な存在だ。車やバイクは有料ですが、自転車や歩行者は無料で渡れます。

それに、しまなみ海道の大橋にも劣らぬ威風堂々とした姿は、見応えたっぷり。どこからでも絵になる美観はすごくないですか。

尚、とびしま海道に架かるそれぞれの橋については、こちらの記事でくわしく紹介します。

旅情ある町並みの数々

港町

安芸灘諸島の港町で、島で暮らし人々の生活に触れてみよう。

採れたてのみかんを食べたり、釣りをしたり、海に沈む夕日を眺めるなど、そんなありふれた日常は旅人にとって、その場所でしか体験できない特別感のあるものですね。

三之瀬地区
三之瀬地区

下蒲刈島の三之瀬地区へ踏み入ると、石畳で整備された道が続く。かつて海上交通の要所として、朝鮮通信使や参勤交代の大名が立ち寄った場所ですよ。自転車から降りて、徒歩でゆっくり見て回るのも面白い。

蘭島閣美術館
蘭島閣美術館
松濤園
松濤園

そんな石畳の沿岸には、木造建築の蘭島閣美術館や歴史的建造物を移築した松濤園が目を引きます。時間があるならば、立ち寄ってみませんか。

御手洗地区
御手洗地区

また、大崎下島の御手洗(みたらい)地区では、江戸時代の香りが色濃く残る町並みを楽しめる。乙女座という古い劇場や日本家屋、神社、時計屋、赤い丸ポストなど何もかもが懐かしく感じる要素が満載だ。

歴史と情緒あふれる建物や、海岸沿いの石の高燈籠などの見物をおすすめします。また、カフェスポットなどもあるので休憩していこう。

その他にも大崎上島にあるレトロな木江(きのえ)の町並みでは、細い路地に足を運び、その景観を楽しみたいですね。

展望スポットからの絶景

歴史の見える丘公園の展望台から見る景色
歴史の見える丘公園の展望台から見る景色

時間と体力に余裕かあるならば、ヒルクライムにチャレンジしてみてはいかがですか。

とびしま海道の島々や大崎上島では、ほぼ全てに展望スポットがあります。下蒲刈島の大平山公園、豊島の十文字展望台、大崎上島の神峰山など劇坂を上った後に見る絶景は、一段と輝いて見えるだろう。

個人的には、大崎下島にある「歴史の見える丘公園」の展望台がおすすめ。御手洗地区にあるため、町並み観光とともに訪れたいですね。

この展望台では、御手洗の町並みが一望できる。また、瀬戸内海の多島美を楽しめます。さらに遠くには、四国の山々が連なり、しまなみ海道で最も長い来栖海峡大橋が見れるので、お見逃しなく。

つかの間の瀬戸内海クルージングを満喫しよう

フェリー
フェリー(大崎下島の小長港にて)

大崎下島の小長港と大崎上島の明石港を結ぶフェリーでは、約15分と短めのクルージングを楽しめます。

平羅島と中ノ島の間を通過する定期航路のため、船上から両島の様子を見て取れる。特に両島に架かる「中の瀬戸大橋」に注目したい。この大橋は、橋長251mのニールセンローゼ橋。

船上から「中の瀬戸大橋」を見上げる
船上から「中の瀬戸大橋」を見上げる

フェリーは、この大橋の真下を通過するため、船の上から橋を見上げる体験ができます。このような体験ができるなんて珍しいといえるかも。

通過後に振り返り、中の瀬戸大橋を見てみると、通過前と後では違った感想を抱くかも知れないですよ。実際、私がそうでしたので、ぜひ体験してみて下さいね。

中の瀬戸大橋
遠くに見えるのが「中の瀬戸大橋」

もし出発港に戻るクルージングを楽しみたいだけならば、「のっとこクルーズ」というチケットがお得。実はこのチケットにより、片道運賃で往復できます。ただし、出発港以外での下船はできないので注意するように。

その他にも「せとうちサイクルーズPASS」というチケットを使えば、通常旅客運賃のみで自転車料金が無料になる。なので、フェリー乗り場の窓口で積極的に入手したい。チケットは、もちろん無慮ですよ。

このPASSは、しまなみエリアやとびしまエリアなど様々な瀬戸内海航路で使えるため、瀬戸内海を舞台にするサイクリング中にフェリーを利用する時には、ぜひとも活用しよう。

フェリーによる移動区間①(大崎下島~大崎上島間)

小長港
小長港

大崎下島の小長港と大崎上島の明石港を結ぶフェリーは、1日10便、片道約15分の定期運航をしています。

1~2時間間隔で朝は6時台、夜は19時台まで運航しているので、出航時刻に気を付けたい。

くわしくは、土生商船グループの公式ホームページで確認しよう。運賃は大人で370円、小人で190円、自転車は170円かかります。

ちなみに、南に約750mほど離れたところには、大長港があり大崎上島や竹原市までの定期航路がありますが、高速艇なので自転車を載せれないですね。

フェリーによる移動区間②(大崎上島~竹原市間)

白水港待合所
白水港待合所

大崎上島と本土の竹原市を結ぶフェリーは、白水港~竹原港間と垂水港~竹原港間の2つの定期航路があります。

白水港と垂水港は、約2kmほどしか離れていないのが、ありがたい。自転車であれば、港間の移動はあっという間だ。なので、フェリーの運航スケジュールを確認して、利用する港を決めよう。

両方合わせて1日32便と多く、片道約20~30分かけて運航する。30分~1時間間隔で朝は6時台、夜は21時台まで運航しているので、ナイトライド中心でなければ、最終便に乗り遅れる可能性は低いでしょう。

フェリーの運航時刻は、山陽商船の公式ホームページで確認して下さいね。運賃は以下の通りです。

  • 白水港~竹原港の片道運賃:大人360円、小人180円
  • 垂水港~竹原港の片道運賃:大人350円、小人180円
  • 自転車は130円

サイクリング中に立ち寄りたい観光スポット

安芸灘諸島の島々には、蘭島閣美術館や松濤園、木江ふれあい郷土資料館などじっくり見学したい観光スポットがあります。

時間があれば全て立ち寄りたいところですが、初心者では観光に時間をかけている余裕がないかも知れないですね。そこで、本記事ではサイクリング中に、あまり時間をかけずに見物できる観光スポットを紹介します。

白崎園(下蒲刈島)

白崎園
白崎園

白崎園は、安芸灘大橋を渡り、下蒲刈島へ入ると直ぐの場所にある景観の良い公園です。4月下旬から5月上旬には、約40種類のツツジが咲き誇ります。

特に園内にそびえ立つ、多くの陶板を張り巡らせた2柱のモニュメントはインパクト抜群。そして、瀬戸内海の絶景と安芸灘大橋の組み合わせも実に素晴らしい。

瀬戸内海の「藍」、安芸灘大橋の「水色」、島の「緑」とカラフルなモニュメントの組み合わせは、絶好のフォトスポットですよ。思わずカメラのシャッターを切ってしまうほどです。

白崎園の風景
モニュメント

日高神社の鳥居(上蒲刈島)

日高神社の鳥居
日高神社の鳥居

上蒲刈島の北側ルートの海沿いを自転車で駆け抜けていると、突然ポツンと現れるのが、海を望む鳥居です。

この鳥居は、少し離れたところにある日高神社の鳥居。鳥居の向こう側には、瀬戸内の島々が絵画のような景観で見えてしまう。フォトスポットに最適なので足を運びたい。

ちなみに、私がこの鳥居の存在を知らなかった当時は、サイクリング中にいきなり鳥居が現れた瞬間、「うぉぉ!」と声が漏れ、テンションが急上昇したのは良い思い出かな。

鳥居前の道路を挟んで向こうが側には、春日神社がありますので、せっかくなので参拝していこう。

春日神社
春日神社
日高神社の鳥居

日本一のジャングルジム(大崎下島)

日本一のジャングルジム
日本一のジャングルジム

豊島から豊浜大橋を渡り、大崎下島へ入ると、約1分もしない内に右手側に見えてくるのが、日本一の大きさを誇るジャングルジムです。

豊浜大橋の架橋記念公園の一角にある、このジャングルジムは、高さ13.2m、幅15.5mも有り、子供が普通に遊ぶには巨大すぎるかな。

実はジャングルジムの内部は、通路が整備されていて、階段もあるため歩いて登って行ける構造ですよ。残念ながら、令和2年12月4日より遊具としての安全基準を満たしていないため、当分の間、利用禁止になっています。

ちなみに、豊浜大橋を渡った直後は気持ちの良い下り坂なので、自転車で颯爽と駆け抜けてしまうと、ジャングルジムをスルーしてしまうので、お気をつけて。(私がそうでした。)

御手洗の町並み(大崎下島)

御手洗の町並み
御手洗の町並み

江戸時代の香りが色濃く残る御手洗地区は、とびしま海道でも注目度の高い観光スポットです。かつて潮待ちの港として栄えた港町であり、路地裏には、歴史を感じる情緒ある建物が建ち並ぶ。

町並みを見物するだけならば、約10~15分もあれば十分ですが、絶景スポットの歴史の見える丘公園を始め、ハイカラな乙女座や駄菓子屋玩具ミュージアムなど見どころが多い。また、食事処やカフェなど休憩できるところも充実しています。

サイクリングは一旦中断して、徒歩による観光がおすすめですね。くわしくは、こちらの記事で紹介します。

御手洗地区の風景
御手洗地区の建屋

中ノ鼻灯台(大崎上島)

中ノ鼻灯台
中ノ鼻灯台

中ノ鼻灯台は、1894年(明治27年)に大崎上島の南側に位置する中ノ鼻に設置された白亜の灯台です。

今でも瀬戸内海の航海の安全を見守り続けている現役の灯台ですよ。また、ドラマや映画の撮影にも使われた観光スポットとして知られています。

石造りの外観は、当時の姿のまま。灯台の周りには、約1.5mほどの白い壁で囲まれている。眼下に広がる瀬戸内海と青空の下、真っ白な灯台のコントラストには、拍手喝采を送りたい。

まさにフォトジェニックな存在といえる中ノ鼻灯台からは、瀬戸内海を航行している大小様々な船が行きかう様子を見物できます。

中ノ鼻灯台のレンズ
灯台のレンズ
灯台からの眺望
灯台の周囲からの眺望

木江の古い町並み(大崎上島)

木江の古い町並み
木江の古い町並み

大崎上島の東部にある木江(きのえ)地区は、明治・大正時代にかけて、潮待ち・風待ちの港町として賑わいました。

海岸に沿って造られた道の一本山側の細い路地道に沿って、町並みが展開しています。

そこでは、港町時代の繁華街・旅館街として栄えていた名残が見て取れる。中でも2階・3階の建物には、手すりが付けられており、これほど遊郭跡が色濃く残っているのは珍しいのではないだろうか。往時の歓楽が偲ばれますね。

まとめ

とびしま海道の風景

とびしま海道は、知名度という点においては、お隣のしまなみ海道に一歩譲るかもしれませんが、瀬戸内らしい穏やかで情緒ある景色を満喫できます。

さらに大崎上島をサイクリングコースに組み込むことで、サイクリングとクルージングの両方を楽しめる。1日で走破できますが、宿泊を兼ねた島旅も魅力的ですよ。

ゆったり流れる島時間を感じながら、歴史的な名所など見どころへ足を運び、サイクリングを満喫しよう。



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この記事を書いた人

年齢:40代。
職業:旅人兼ブロガー。

私にとって自転車旅が一番の楽しみであり、知らない土地、景色、一期一会の出会いなど様々な体験をしました。当ブログでは、自転車旅などを通じて体験した事や訪れた絶景・観光スポットについて紹介します。また、自転車全般に役立つ情報を発信しています。

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