
最近、じっくりと「滝をみたい!」といった衝動に駆られています。理由は分からないのですが、おそらく身心が癒しを求めているのではないだろうか。
もともと滝を見物するのは好きな方ですね。岡山県内でまず始めに思い浮かぶ名瀑といえば「神庭の滝」ですが、自転車で日帰りで行くのには、個人的にかなりしんどい。(神庭の滝について、こちらの記事で紹介)
ということで、色々と考えた結果、岡山県美作市の山奥にある「琴弾の滝」に行き先を決定しました。知る人ぞ知る穴場の名瀑であり、天石門別神社(あめのいわとわけじんじゃ)の神域内にある珍しい滝ですよ。
本記事では、秘境感漂う山奥のパワースポットを巡るサイクリングの様子をお届けします。
目次
片鉄ロマン街道を征く

本日のサイクリングの始まりは、岡山県和気郡和気町にあるJR和気駅からです。
この駅前には、旧片上鉄道の跡地を整備して誕生したサイクリングロード「片鉄ロマン街道」があります。基本的に平坦基調の全長約34kmのコースであり、初心者にもおすすめ。個人的にお気に入りのサイクリングロードの一つなので、時間を作ってはよく訪れていますね。
本日はこの街道を進み、和気町の塩田地区へ入ると、進路を山奥へ向けて琴弾の滝のある美作市滝宮地区へ向かう予定です。それでは、塩田地区を目指してレッツゴー♪



和気駅から約800mほど進むと、金剛川に架かるオレンジ色の橋が見えてきました。
この橋は、片鉄ロマン街道の名物の一つといえるだろう。鉄橋の側面に大きく描かれた「片鉄ロマン街道」の文字や絵が良く目立ちます。周囲の景観と相まって、とても目を引きますね。
個人的にいつもこの橋前で記念撮影するのが、当たり前のようになっているかな。



橋を渡り、その先の住宅街を抜けると、より辺り一帯が開けてきました。遠くには、右手側に和気ドームが見てきます。
和気ドームは、全天候型の屋根付きスポーツ施設ですよ。そのため、地元の少年野球チームの練習やローカルアイドルのライブなど様々なイベントに使われていますね。

このドーム前には、旧益原駅の駅名標が残っているぞ。片鉄ロマン街道は、元鉄道跡ということで、いくつかの駅名標が残っているのも魅力的です。
なので、駅名標前で愛車と撮影するサイクリストは多いだろうな。自転車でその場所へ到着した思い出を残すのにピッタリ。鉄道ファンであれば、収集欲を醸し出しそうですね。
片鉄ロマン街道の魅力的な一番の見どころは、豊かな自然だろう。特に春の桜シーズンはおすすめ。至るどころで綺麗な桜に出会うので、終始テンションが上がっりぱなしですよ。
もちろん初夏の新緑、秋の紅葉なども素晴らしい。四季折々の景観を楽しめます。

しばらく道なりにサイクリンロードを進んでいると、道脇にポツンと佇むお地蔵様を発見。
そのお地蔵様の手には竿がある。う~む、何かいわれがあるのだろうか。周囲には特に案内板はありません。何度も訪れたことのある街道ですが、このような演出があったかな?
何にしても新しい発見をするのは、いつも新鮮で面白いです。

吉井川を望むお地蔵様の背中に哀愁を感じるのは、私だけでしょうか。その後、お地蔵様と分かれて、しばらくすると旧天瀬駅が見えてきました。

片鉄ロマン街道の道中では、このような駅舎がいくつか残っており、周囲の景観と相まってノスタルジーな雰囲気を醸し出しています。それにまるで絵画を思わせる景観が素晴らしい。
よくこの場所で、休憩している人を見かけます。(私も休憩してますね。)

駅舎内を覗くと伝言板があり、「今年23回目片鉄デス」の伝言にビックリ。どれだけこのサイクリンロードが好きなのだろうか。
今はSNS全盛期ですが、昭和のレトロ感がある伝言板は、電子では味わえない手描きの温かみを感じるものですね。
毎回訪れるたびに伝言板に書かれたメッセージを見てしまうのも仕方がないでしょう。旧天瀬駅からしばらく北上すると旧苦木駅があり、そこでも伝言板を楽しめます。
片鉄ロマン街道については、下記関連記事でくわしく紹介します。
琴弾の滝へ向かう道中にて

旧天瀬駅を分かれて道なりに北上していると、いつしか塩田地区へ入りました。
吉井川に沿うように延びる国道374号線から、奥塩田地区へ向かう赤穂佐伯線(県道90号)が東へ向けて分岐しているので進路を変更します。
この分岐点にて片鉄ロマン街道とはお別れ。さて、よいよ山中へ向けて走り出しますよ。



最初は緩やかな上り坂が続き里山の風景を楽しめますが、いつしか10%前後の勾配に。私の息遣いだけが聞こえるような閑静な山奥を、黙々と進みます。
赤穂佐伯線は、兵庫県と岡山県にまたがる主要な地方道なんだとか。たまたまなのか、主要道路とは思えないほど車通りが少なかったですね。路面自体は綺麗で道幅も広いので、走りやすいと言えるでしょう。
また、近くには美作市の上山地区があり、日本の原風景といえる「上山の棚田」の景観を楽しめます。本日は時間の都合上、足を運びませんが、機会を作って訪れたいですね。

しばらくして劇坂を上り終えると美作市へ入りました。さて、ここからは下りのターンです。やっぱり自転車で一気に坂道を下るのは気持ちが良い!
これまでの上り坂の辛さを思うと、天国のようですね。

そんな至福の時間がしばらく続き、河合川へ架かる中川大橋へ到着。どこにもありそうな普通の橋ですが、欄干へ目を向けるとカジカカエルのレリーフがありビックリ。
カジカカエルといえば、「フィー、フィー」とシカの鳴き声に似ているのが特徴です。水の綺麗な川の上流・中流を好み、一部の地域では天然記念物に指定さているとのこと。

「なぜ、カジカカエル?」と疑問に思いましたが、辺りの自然豊かな景観から納得。おそらく、この辺りにも住んでいるのではないだろうか。
日本の固有種に近い貴重なカエルであり、残念ながら今は生息数が減っているそうです。
しばらくして十丁トンネルを抜けると、今度は河合川へ架かる北南橋でユニークなカエルの像に出会いました。



北南橋の両端には2体のカエルの像があり、その姿は意味深です。まるで一方は愛の告白をしているようにみえるぞ。熱い視線と丁寧なポーズが印象的ですね。
そしてもう一方のカエルは、その愛の告白を受けて照れているのだろうか。色々と想像を掻き立てられるカエルたちの様子に、思わず笑みが浮かびました。
その後、東へ向けて道なりに進んでいると、満開アゼリア館を発見。実にナイスタイミングです。
天石門別神社へ参拝し、琴弾の滝に感嘆する

片鉄ロマン街道を分かれて以降、飲食店や商店、コンビニを見かけませんでしたので、本日はお昼抜きかなと思っていたところです。
そのような折に見つけた食事のできる施設なんだから、嬉しさもひとしおですよ。
満開アゼリア館は、道の駅のような存在で店内にはモダン焼きや焼きそばなどの軽食コーナーがあります。また、道を挟んだ向こう側には、ラジコンコースがあるみたい。ここで受付けをしているようですね。

私が頼んだのは、こちらの牛丼。牛丼は「旨い・安い・速い」を体現する庶民の食べ物として人気が高いぞ。
明治時代の「牛鍋」から派生した食べ物なんだそうで、その当時から「庶民の味方」として親しまれてきました。このメニューを考えた人には、本当に感謝。今後もずっと残るメニューだと思います。
あっという間に食べ終えると、少しの間休憩を取ることに。この昼食後のまったり感が堪りません。

満開アゼリア館前には、和気笹目作東線(県道46号)が整備されており、北上すると天石門別神社へ。南下すれば、岡山国際サーキットへ向かいます。
天石門別神社までの距離は約1kmほど。ここまでくれば目的地まであと少し。
さて、お腹も膨れたことですし、天石門別神社と琴弾の滝へ向けて出発。休憩も取ったので足取りも軽やかですね。


約600mほど北上すると、目の前に瀧の宮トンネルが現れました。このトンネルを抜けると、すぐ右手側に天石門別神社へ向かう脇道が続いています。
脇道を通り抜ける前に、せっかくなので鳥居前で愛車と記念撮影。自転車で神社巡りをしている人にとっては、こういうのは大事ですね。まっ、一種の自己満足ですよ。


天石門別神社は、約2000年という古い歴史を持つ由緒正しき美作国の三宮です。
境内周辺は木々に覆われていて、紅葉の美しい場所としても知られています。駐車場へ自転車を停めて、閑静な参道を歩き拝殿へ向かいました。

拝殿にてお詣りを終えると、本殿の奥にある階段を降りて、河会川沿いに整備された石畳の道を歩きます。
河合川のせせらぎしか聞こえないほど静かであり、辺り一面を覆う木々は深いので、より秘境感が増しますね。
本殿から約100mほど歩いたでしょうか、徐々にその静けさを破る水の轟音が聞こえてきました。そうです、ついに琴弾の滝へ到着したのです。

琴弾の滝は、総落差が13mしかないので規模自体は小さいですね。しかし、勢いよく水が流れ出している様は迫力満点。それに加え、秘境の中に存在感を放つ滝の魅力的なことよ。
そもそも琴弾の滝は、天石門別神社の御神体です。神社という神聖な場所で、マイナスイオンを感じると、より効果がありそう。
決して観光に向いている場所にある訳ではありませんが、苦労して訪れた分、知る人ぞ知る穴場の名瀑に感動しました。
天石門別神社と琴弾の滝については、下記関連記事でくわしく紹介します。
山中を進み和気町へ

天石門別神社を後にして、来た道を引き返すと、再び満開アゼリア館前に辿り着きました。今度は、岡山国際サーキットの方向へ向けて進みます。
和気笹目作東線を約3kmほど道なりに進むと、岡山国際サーキットのメインゲートへ向かう坂道前にて大きな看板を発見。
岡山国際サーキットといえば、その名の通り国際規格のレーシングコースです。観客席とコースの距離が近くて、スピード感や迫力あるレース観戦を楽しめるそうですね。
私はまだ一度も観戦したことはありませんが、毎年国内外から50~60万人が訪れるほど人気なんだそうな。

機会があれば一度は行ってみたいですね。遠方から観光に訪れるのであれば、近くに湯郷温泉や大芦高原温泉があるので、そちらで宿泊するのも良さそう。
自転車でも来ることはできますが、アップダウンのある山中を走ることになるので、車やバイクを使うのが無難です。

和気笹目作東線を道なりに南下していると、途中で八塔寺川ダムへ向かう道へ分かれます。興味を注がれますか、時間の関係上、本日はそちらへ向かいません。
たしか八塔寺川ダムには、石彫刻広場や展望台、お洒落なカフェがあったはず。それにダム湖に架かる赤い吊橋(あかね橋)が印象的でした。
紅葉も楽しめるので、その時期に行こうかしら。そんなことを考えながら、山中を進んでいると万能池(まんのういけ)へ辿り着きました。

周囲約1kmほどの溜め池の景観に癒されます。
池前に立つ石碑には、池の由来が記されているので読んでみると、どうやら江戸時代前期に工事が始まり、人手のみで48年という長い歳月をかけて造り上げたという。この事実に驚きましたね。
きっと築造には、様々な人間ドラマがあったに違いありません。

おっ、池前にポスターを発見。人の目だけのポスターというのは、何とも言えない恐怖を感じませんか。それに「監視しているぞ」といったメッセージがビンビンに伝わってくる。
誰が最初に考えたのかは知りませんが、人間の防犯心理を逆手に取った見事なデザインだと思います。
さて、万能池で少し休憩を取った後は、一気に和気町の市街地へ向けてダウンヒルとしゃれ込みますよ。



万能池から和気町市街までは約10kmほどですが、感覚的にあっという間に山中を抜けて、和気町の市街地へ辿り着きました。
天石門別神社から和気町の道中は、アップダウンの連続だったかな。時々サイコンで勾配を確認すると、10%前後が続く区間もあり結構大変でしたが面白かったです。
その後、和気駅へ辿り着くと帰路へつきました。
【周辺の見どころ】
本日のコース周辺にある見どころを、下記記事で紹介します。
まとめ

本日は、晴れ時々曇りといった安定したお天気であり、見事な名瀑も見物できたので、満足度の高い1日でした。
琴弾の滝へ向かうコースは、JR和気駅からのんびりと片鉄ロマン街道を進み、その途中から滝のある美作市滝宮地区へ向かった次第です。
天石門別神社は、鬱蒼に茂る森の中に佇んでおり、雰囲気が抜群に良し。それに加え、境内奥には御神体である琴弾の滝が見事なり。決して規模の大きな滝ではないですが、勢いよく流れ出る水は迫力があります。
決してアクセスの良い場所ではないので閑散としていますが、それがまた秘境感をより感じさせる要素ですね。
さて、今後も旅へ出かけた際には、できるだけ色々な滝を見て回りたいかな。どのような滝に出会えるのか楽しみです。


