
広島県三原市の陸の玄関口・三原駅。この駅から少し離れた野畑山の山裾には、「大島神社(おおしまじんじゃ)」が鎮座しています。
三原駅といえば、三原城の本丸を貫く形で整備された極めて珍しい駅として超有名。駅構内から直接移動できる天守台から、大島神社の連立鳥居の景観をぜひ眺めてみよう。
色鮮やかな鳥居が並ぶ景観は、映えスポットとして話題です。また、時間帯によっては、不思議な景観を楽しめるとして、ナニコレ珍百景に紹介されました。
本記事では、三原駅から徒歩圏内にあり、境内からは三原市の町並みを一望できる話題の映えスポット「大島神社」を紹介します。
目次
大島神社のご祭神・ご利益・所要時間

大島神社の創建は不明ですが、古い歴史を持つのは確実です。その理由は、三原城との関りから推測できます。
三原駅周辺は、かつて海で大島と小島という島が浮かんでいました。この二つの島をつなげてできたのが三原城です。三原城が築かれる前から大島に祀られていた稲荷社が、大島神社の起源と言われています。
三原城は1567年(永禄10年)に築城されたことから、少なくとも450年以上も前にはすでにこの神社があったのは間違いないでしょう。今の場所には、江戸時代初期に移されました。
ご祭神は以下の通りです。
- 市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)
- 倉稲魂命(うかのみたまのみこと)
- 素戔嗚命(すさのおのみこと)
- 金山彦命(かなやまひこのみこと)

稲荷社のご祭神といえば、宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)が有名ですね。倉稲魂命は、宇迦之御魂神と表記方法が違うだけで同じ神様ですよ。ちなみに、古事記では宇迦之御魂大神と表記され、日本書紀にて倉稲魂命と表記されています。
ご利益には、海上交通安全や漁業の神様、学業成就などが期待できるとのこと。さらに頭痛・耳・目など首から上の病気や怪我が完全に治り、元の健康な状態に戻るご利益で知られています。
境内はそれほど広くなく、参道の階段をゆっくり歩き一通り見て回るとしても、30~40分もあれば十分です。
【周辺の見どころ】
大島神社周辺の見どころを、下記記事で紹介します。
ナニコレ珍百景に選ばれた美しい「連立鳥居」は印象的

三原駅の北西側は、西国街道沿いに建つ寺院と古い町家が立ち並ぶエリア。そのような場所で、縫うように入り組んだ坂道を歩いていると、朱色の鳥居が突然見えてきます。
その鳥居の奥には、次々と色鮮やかな鳥居が建ち並んでいるのが印象的ですね。なだらかな石段の参道を上った先に大島神社の社殿があります。
以前は石段にわずか3基しか鳥居がありませんでした。2020年11月に59基増えて62基となり、麓や境内にある鳥居をあわせると全部で67基となる。この連立鳥居が織りなす光景は、壮観の一言です。


あまりの景観に、思わずカメラのシャッターを切ってしまいました。特に陽光が朱塗りの鳥居に反射する様は、見ていて神々しさを感じます。
石段を上っている最中で、ふと立ち止まり後ろを振り返ってみよう。鳥居の隙間から三原の町並みを見渡せるので、テンションがより上がりますね。
例年早春に開催される「みはら彩るまち歩き おひなまつり」では、この石段に赤い毛氈(もうせん)を敷かれるという。そして、その上に石で手作りしたお雛様がズラリと並ぶというのだから、一層見応えがあるだろうな。

びっしりと立ち並ぶ鳥居の中を上り続けていると、朱塗りの光景の中にポツンと石肌の鳥居が見えてきました。その光景は、紅一点ならず黒一点といったところか。
この鳥居が見えきたら、社殿まであと少し。最後までペースを崩さず登り続けよう。


連立鳥居の入口から約50mほど歩くと、ついに拝殿前へ到着。短い時間でしたが、楽しくて歩きごたえがありました。
これだけでも満足度は高いのですが、実はこの連立鳥居には面白い現象が見られるとのこと。

連なる鳥居の影で、石段が鬼滅の刃のような市松仕様になるみたい。私は見ることができませんでしたが、もし見られた方はラッキーですね。調べてみると、朝夕の特定の時間帯で見られるそうです。

2021年3月に市松模様が浮かぶ石段として、ナニコレ珍百景で放送されました。その記念碑が、境内に建てられています。
この連立鳥居は、写真映えするスポットです。一気に駆け抜けるように歩くのはもったない。カメラを片手にして、朱塗りの鳥居と三原の町並みが織りなす景観を楽しみながら、ゆっくりと歩いて下さいね。
【神社仏閣の紹介(その1)】
旅先で訪れた連なる鳥居が美しい神社仏閣を、下記記事で紹介します。
拝殿や境内社へお詣りしよう

拝殿の扁額には「大島大明神」と「厳島大明神」の2つの名が記されています。
これは、戦国時代に小早川隆景(こばやかわ たかかげ)が、大島で祀られていた稲荷社とお城の守護神であった厳島神を合祀したからですね。当初は、三原城の天守台に祀られていました。
その後、関ヶ原の戦い後に福島正則(ふくしま まさのり)が広島城へ入城すると、養子の福島正之(まさゆき)が三原城の城主(城代)になり、今の場所へ移しました。
拝殿正面の向拝には、特徴的な千鳥破風があり、三方が引き違い戸になっているので、採光が十分にとれるそうです。いかにも開放的な感じがするかな。


優美な一間社流造の本殿にもご注目。立派な造りに目が行きがちですが、縁の下にも目を向けてみよう。よく見ると、お狐様がお隠れになっているぞ。尻尾を立てて警戒しているのだろうか?
しばらく見つめていると、何となく「見つけてくれて、ありがとう」と言っているように見えました。

個人的に気になったのは、こちらの建物。長屋形式なので、出雲大社の十九社のような感じがします。この建物の中には、平安貴族?を描いた古い絵が並んでいるので、色々と想像をかきたてるだろう。

別々の絵が向かい合っている様は、まるで会話をしているように見える。「御機嫌よろしう侍るや」「かたじけなし」といった会話が聞こえそうです。
これらの絵は、いつ描かれたのか詳細は不明だそうですよ。歴史的なロマンを感じ取れる場所なので、ぜひ足を運んでみて下さい。

また、拝殿の周囲には福島神社や福廣神社、小嶋神社などいくつかの小さな境内社が並びます。ちなみに、小嶋神社は小島に祀られていた稲荷神社なんだとか。
正則公の時代では、色々な稲荷神も習合勧請したそうで、それもこれも全て三原の繁栄を願ったものだと思います。
【神社仏閣の紹介(その2)】
旅先で訪れた様々な稲荷神社を、下記記事で紹介します。
境内から三原の町並みを望む

境内は小高い場所にあるので、三原の町並みを一望できます。
瀬戸内海や瀬戸内海国立公園の筆影山をバックにして、広がる町並みは素晴らしい。町並みの中には、三原駅や三原城の天守台、市役所、広島大学三原キャンパスなどが見て取れますね。
また、瀬戸内海には佐木島や小佐木島などが浮かんでいて、離れていても遠くから海風を運んでくれる感じがしてなりません。
私が訪れた日は晴れてはいましたが、特に南側の方角は薄い雲に覆われていました。それでも良い景色が見られたので満足満足。青空が広がっていれば、より素晴らしい景観になっていたでしょう。

眼下に広がる様々な家の屋根と水平線が重なると共に、朱塗りの鳥居が連なる様は、まるで一枚の美しい絵画のようです。
坂道に家が重なって建ち、路地が縫うようにつながる景観はいい感じ。朝日が昇る早朝や夕暮れ時では、日中とはまた違った雰囲気を期待できます。
【町並みの紹介】
旅先で訪れた様々な町並みを、下記記事で紹介します。
鳥居前の急坂「阿房坂」を歩く

連立鳥居の入口前には、趣ある住宅の間を縫うように「阿房坂(あぼうざか)」が続きます。
この坂は、中国・秦の始皇帝が計画した、1万人を収容する巨大な宮殿「阿房宮」にちなんで付けられたそうですね。(諸説あり)
ずっと続くように思われる狭い坂道を歩いていると、阿房宮の建設に携わった70万人の労働者たちが、遠く離れた山から巨大な石を運んでいる情景を思い浮かべました。
坂上には、坂標があるので確認してみよう。そこには「三原志稿(1819)に載る坂の名前 中世山陽道説あり 阿房宮」の文字と共に坂の由来について刻まれています。

この坂道の長さは約110mほど。正法寺西側の小路を大島神社参道下まで北西へ向けて上っており、坂上で向きを西へ変えて宗光寺小径まで下ります。
それほど長くはないので、端からは端まで歩いてみて下さいね。狭い急坂と路地裏が織りなす風情ある独特の雰囲気を感じるだろう。

また、坂標の直ぐ近くでは「峠の地蔵」を見つけました。かつて阿房坂は、西国街道に通っていた小さな峠だったそうです。今ではその面影はありませんが、当時は旅人たちが一休みする立派な峠だったみたい。
このお地蔵様は、徳川家光の乳母として知られる春日局(かすがのつぼね)が建立したとのこと。交通の要所である峠に建てて、お亡くなりになった父の霊をなぐさめ、自身の人生の平穏を祈ったと言われています。
大島神社の基本情報とアクセス
| 住所 | 広島県三原市本町3丁目6-12 |
| 電話番号 | 0848-67-5877(うきしろロビー観光案内所) |
【アクセス】
- JR三原駅から徒歩約15分
- 山陽自動車道「三原久井IC」から車で約15分
大島神社の駐車場

大島神社の境内には、専用駐車場があります。(普通車約10台、大型車は不向き)
境内までの道中は急坂で結構道幅が狭いですね。車の運転に自信がない方は、三原駅周辺にある有料駐車場を利用した方が無難でしょう。
ちなみに三原駅の南側には、駐車可能台数が多い「クラフトパーキング立体駐車場」があります。
まとめ

大島神社は古い歴史を持つ神社です。2020年11月に連立鳥居が完成すると、より魅力的な場所になりました。
色鮮やかな鳥居が並ぶ景観は美しく、とても写真映えします。ナニコレ珍百景にも紹介されたのも納得と言えるでしょう。また、三原駅から徒歩圏内なのも嬉しいポイント。周辺の古い町並みを歩きながら、ゆっくりとした時間を楽しんで下さいね。
三原市へ観光に訪れた際には、大島神社へ足を延ばしてみるのをおすすめします。


