岡山県のサイクリングロードの1つに「吉備高原自転車道」があります。
吉備高原自転車道を自転車で走りながら、いつも通り様々な見所へ足を運びました。
道中立ち寄った所には、足守の町並みや近水園、懸幡神社ですね。
今回のゴールは、吉備高原自転車道の道中にある黒谷ダム。
吉備高原自転車道は、黒谷ダムの先にある吉備中央町まで続いていくのですが、真夏なこともあり無理のないコースにした次第です。
本記事では、スタートの津寺休憩施設から黒谷ダムまでのサイクリングの様子をお届けします。
吉備高原自転車道とは
吉備高原自転車道とは、岡山県岡山市から加賀郡吉備中央町まで約33kmの自転車道です。
道中前半は平地のため走りやすいですが、後半になるとヒルクライムコースになります。
足守川沿いを走りながら田園風景を楽しめる前半戦をのんびり走りながら、足守の町並み以降に現れるヒルクライムコースのために英気を養っておきましょう。
主に国道429号を中心にコースが設定されていますが、市街地から離れるとそれほど車の往来が多くはないので自転車で走りやすいですね。
自転車道の起点は、山陽自動車道岡山JCT内倉敷JCT側高架北側。
終点は、吉備中央町吉川の国道484号交差点です。
国道484号交差点の直ぐ近くには「きびプラザ」や「吉備中央公園」があるので、実質それらがゴールと考えて良いでしょう。
【岡山県のサイクリングロード】
岡山県内にあるサイクリンロードを下記記事で紹介します。
自転車で岡山のサイクリングロード「吉備高原自転車道」を走る
【スタート】津寺休憩施設から出発
吉備高原自転車道のスタート地点から南へ約1kmほど離れた所には、吉備路自転車道の休憩場所となる津寺休憩施設があります。
今回のサイクリングは、この休憩所からスタートとしました。
この休憩所の周辺は、桜シーズンでは桜並木が広がるスポットです。
綺麗な桜を眺めながらサイクリングを始めるのは、気持ちが良いですね。
残念ながらこの休憩所の近くには、トイレや飲料の自動販売機、商店などはありません。
しかし、木陰になっているので、足を休める場所としては便利ですよ。
そばに流れる足守川を眺めながら、自転車のペダルを回し北上しました。
道なみに真っ直ぐ進むとJCT側高架下へ到着。
ここが吉備高原自転車道の起点です。
特に起点を表すものは何もないため、知らない人は決してここが吉備高原自転車道の起点であるとは分かりません。
尚、近くにあった案内板には、吉備高原へ向けて最初の分岐点の説明があるのでお見逃しなく。
足守川沿いの道は、ごくありふれた景色が広がりますが、それがかえって良いかも。
そんな景色を眺めていると、心が落ち着きますね。
個人的には、川沿いの道は平地が多いので大好きです。(嬉)
吉備高原自転車道のコース上には、路面に「吉備高原」の進行方向を表すマークが描かれていたり、所々に案内板が設置されているので、道に迷う心配は少ないですよ。
ただし、足守の町並み保存地区を過ぎると、ほとんど案内板を見かけなくなります。
その頃には、国道429号と国道428号を走るコースになるため、特に案内板がなくても困りません。
田んぼが広がる風景
田舎では、田んぼが広がる風景を眺めながら走れるところが多いです。
個人的には好きな景色なため、好んで良く走りますね。
吉備高原自転車道の最初の方は、田んぼが広がるコースを走りますよ。
田んぼ沿いの道を何度も分岐することになるので、コースを間違えないように。
道をよく間違える方が多いためなのか、吉備高原自転車道を表す案内板も沢山設置されていました。
自治体の仕事に携わる人たちの仕事ぶりに感謝です。
田んぼの風景を見ていると、穏やかな気持ちになるのは何故でしょうか。
一面に広がる緑色のカラーが、自然に安心感を与えているのでしょう。
それに植物が多いと、酸素が多くて空気も美味しい。
新鮮な空気を吸い込む度に全身の細胞が目覚め、「生きているのは素晴らしい!」と思いますよ。
これは、都会では感じることができない田舎のメリットと言えますね。
【大自然の景色】
大自然は、悠久の時間をかけて造られていきます。そんな景色は感動を覚えるもの。下記記事では、そんな風景を紹介します。
高松城水攻め史跡公園にて
田んぼの景色を堪能しながら先へ進んでいると、高松城水攻め史跡公園へ辿り着きました。
この公園は、織田信長の命を受けた羽柴秀吉(後の豊臣秀吉)が、清水宗治の守備する備中高松城を水攻めで攻略した際の遺構ですよ。
秀吉の軍師である黒田官兵衛の献策でここに堤が築かれたという。
備中高松城の南側に2.6kmにわたる堤をわずか12日間で築いたそうです。
当時は、丁度梅雨の長雨の季節だったため、200ヘクタールの人工湖が出現したと記録に残っています。
そのため、備中高松城は湖の中の孤島となり、物資の供給が完全に絶たれました。
これが歴史に残る「備中高松城の戦い」ですね。
日本三大水攻めに数えられているため、戦国時代のファンならば知っている人は多いのではないでしょうか。
今では芝生広場が作られており、休憩場所になっています。
この公園を見ていると、かつて激しい戦いがあったなんて嘘のよう。
それだけ時間が流れたと言うことでしょう。
【公園の紹介】
旅の道中では、様々な公園へ立ち寄り休憩したり見学したりしますので、下記記事で紹介します。
日本最大級の大鳥居を目撃
高松城水攻め史跡公園から、最上稲荷の大鳥居が良く見える。
最上稲荷の正式名称は、最上稲荷山妙教寺。
吉備高原自転車道を走っていると、最上稲荷の近くを走ります。
尚、最上稲荷は日本三大稲荷に数えられている有名な寺院。
特に正月の初詣時期は、約60万人の参拝客で賑わいます。
その時期は、最上稲荷へ向かう国道180号は、常に渋滞になるのは冬の風物詩。
警察官の誘導の下、車がノロノロ進む姿を目撃して、いつも歩いた方が早そうと思っています。
最上稲荷は、神仏習合形態が許された貴重な霊地であり、神社で見かける鳥居も配置されていますよ。
この大鳥居は、 最上稲荷のシンボルの1つであり、1972年(昭和47年)に作られました。
高さ27.5m、柱の直径は4.6m、総重量2,800tを誇るそうです。
ベンガラ色の巨大な鳥居は、インパクト抜群。
遠くから目ても存在感を感じますし、初めて近くで見た時は思わず「うぉー!」と叫んでしまったのは今では良い思い出です。(笑)
これで日本国内で4番目に大きな鳥居という。
1番大きな鳥居は、和歌山県にある熊野本宮大社の大鳥居であり、高さが33.9mもあるそうです。
最上稲荷の大鳥居の1.2倍の大きさとは、是非見てみたいものですね。
この事実を知った時に「いずれ熊野本宮大社へ行くぞ!」と思いました。
歴史が残る足守の町並みと近水園の眺め
最上稲荷の大鳥居をくぐり抜けて、吉備高原自転車道を走ります。
すると、最上稲荷の駐車場付近に近づき、最上稲荷へ立ち寄ろうか悩みますが、今回は見送ることに。
サイクリストとして、出来るだけ長い時間を自転車で颯爽と走りたかったと言いたいですが、ごめんなさい。
真夏に最上稲荷の本殿へ続く長い坂道を歩くのが、キツイためスルーしたのが真相です。
このような経験をした人は、それなりに多いのではないでしょうか。
道中、綺麗な池を眺めたりしながら足を止めることも。
また、竹林が茂る坂道を駆け上ったりしました。
そうこうしていると、再び足守川沿いに合流。
足守川の流れを横目で眺めながら、足守の町並み地区を目指した次第です。
しばらく風景を楽しみながら走っていると、古い町並みが見えてきました。
足守歴史ふれあい通りには、豊臣秀吉の正室・ねねの実兄を藩祖とする木下家の陣屋町が保存されていますよ。
足守の町並みの特徴として、千本格子や切子格子など端正な格子が良好な状態で保存されていますね。
間口の広い平入りの民家が立ち並び、落ち着いた静かな町並みはGood。
尚、足守まちなみ休憩処の隣りには、観光用の駐車場が整備されているので、ここに自転車を止めて近水園(おみずえん)へ向かいました。
近水園は、岡山県で後楽園、衆楽園と並ぶ大名庭園ですよ。
旧足守藩主・木下家の庭園であり、小堀遠州流と伝えられる池泉回遊式庭園の好例として知られていますので、足守の町並みへ立ち寄る際は共に訪れることをお勧めします。
敷地内にある吟風閣(ぎんぷうかく)は、6代目旧足守藩主が、1708年(宝永5年)に幕府御用として京都御所の仙洞御所、中宮御所を普請した時に、その残財を持ち帰って建築したという。
今では、研修会や会合などで利用できますよ。(事前予約要)
また、近水園は秋の紅葉が美しいことでも知られています。
尚、足守の町並みや近水園については、下記関連記事で詳しく紹介しますので、是非ご覧ください。
足守ホタルの里の風景
足守りの町並み保存地区を後にして、足守川沿いを走っているとホタルの里へ到着。
緑と清流に囲まれた自然豊かな環境であるため、初夏になるとこの辺りには、ホタルが舞いますね。
地元住民によるホタルの保護活動も熱心に行っているとか。
ホタルが住める自然は、人にとっても重要ですよ。
そんな綺麗な自然は、見ているだけでも癒されます。
ホタルの里の先を進むと国道429号へ合流。
北上していると、足守川を挟んだ右手側に巨大なホタルを目撃しました。
よく見ていないと気付かずそのままスルーしてしまうかも。
このまま真っ直ぐ国道を走れば、黒谷ダムへ辿り着けるのですが、ここで少し寄り道。
懸幡神社(かけはたじんじゃ)へ向かいます。
懸幡神社へ寄り道
懸幡神社へ向かうために、国道429号を途中から離れて住宅地へ入りました。
住宅地の中を走り抜けると、鳥居を発見。
鳥居の奥には、福谷スポーツ広場がありました。
ここは芝生広場が広がっており、敷地内の奥には、懸幡神社へ続く階段が見て取れます。
階段をゆっくり上り、懸幡神社へ参拝。
懸幡神社には、神武天皇に関する言い伝えがありますよ。
それは、神武天皇が東征を行った際、富島の宮から吉備の奥津方面に荒振る神がいると聞いて、これを平定しようとこの里へ入られたという。
その時、山の峰に御旗が懸かっており、その旗には武甕槌命(たけみかづちのみこと)、経津主命(ふつぬしのみこと)の御名があったそうな。
そのことにより、この地を懸幡といい、2柱の神を奉祀したそうです。
境内をこじんまりしていましたが、手入れがよく行き届いており、凛とした空気が漂っていました。
この凛とした空気感が本当に良いですね。
きっと神社仏閣巡りを行なう人は、この空気感が好きな方が多いと思います。(私もそうです。)
ここまで炎天下の中をサイクリングしてきたため、体力の消耗が激しいこと。
少し休憩して、黒谷ダムを目指しました。
【神社仏閣の紹介】
旅の道中では、様々な神社仏閣へ立ち寄り参拝しますので、下記記事で紹介します。
【ゴール】日時計のある黒谷ダムへ到着
懸幡神社から黒谷ダムまでは、距離にして残り約2km。
ここまで来ればゴール目前です。
田舎道を通り抜け、再び国道429号へ合流後、ヒルクライムにチャレンジ。
勾配もそれほど大したことはなく、距離も短いのですが、暑さが応えますね。
しばらくすると、遠くに黒谷ダムが見えてきました。
自然に溶け込むようなダムの景観が素晴らしい。
そんな風に思いながらも自転車のペダルを回し続けます。
その結果、大汗をかいて黒谷ダムへ到着。
到着後は、少しフラフラしていたため、日陰でしばらく休憩したことは言うまでもありません。
体力をある程度回復した所で、黒谷ダムを見て回りました。
壁面に「黒谷ダム」の文字を発見。こういうのは嫌いではないです。
黒谷ダムは、元々堤高30mのアースダムだったものを嵩上げして、ロックフィルダムとして再開発したもの。
ダム湖は、黒谷池と呼ばれているという。
足守川流域では、度々日照りと洪水に悩まされており、その解決策として造られたのがこのダムです。
今でも洪水調節・灌漑用水を目的に利用されています。
ダムの上流側の景色がこちら。普通の景色ですが、これが良いのです。
下流側の景色がこちら。日時計が見て取れます。
この日時計には、ダムから直接歩いて行けますよ。
ダムの端にある階段を降りると辿り着けます。
まるでアート作品のような日時計なので、一見の価値がありますね。
周りの風景にマッチした黒谷ダムとアート作品を思わる日時計。
吉備高原自転車道をサイクリングする場合は、外せないスポットですね。
この先、きびプラザや吉備中央公園近くまで吉備高原自転車道は続くのですが、その道中には特に見所はなく、アップダウンが続く道だけです。
炎天下でなければ、吉備中央公園まで走るのも有りと思ったのですが、真夏のサイクリングは無理をしないのが鉄則。
そのため、今回のサイクリングはここまで。
この後、来た道を走り帰路につきましたが、下りコースが続いた後で平地になるため、すこぶる快調に走れました。(嬉)
まとめ
今回のサイクリングは、岡山県のサイクリングロードの一つ「吉備高原自転車道」を走りました。
始めからこの自転車道の終点まで走るつもりはありませんでしたが、またの機会に走る時は、終点まで走ろうと思います。
吉備高原自転車道は、自然豊かな道を走るコースです。
道中には、今回立ち寄った高松城水攻め史跡公園や足守の町並みなどがありますので、自然に触れ合いながら、史跡や観光スポットへ立ち寄り、ゆっくり走ることをお勧めします。