
岡山県の南部に広がる自然豊かな田園風景を自転車で駆け巡ってみませんか。
サイクリングロードとして整備されている「吉備路自転車道」は風景だけでなく歴史を感じることができる名コースになっています。
吉備路のシンボルである備中国分寺の五重塔は、周りの景観に溶け込み、まるで良くできた絵画のように見えますね。
ゆっくりと、吉備路のサイクリングを漫喫しましょう。
本記事では、吉備路サイクリングロードの見所について紹介し、吉備路の魅力をお伝えします。
吉備路サイクリングロードとは
吉備路サイクリングロードは、岡山県岡山市北区から総社市を結んだ自転車及び歩行者専用の一般県道であり、正式名称は「岡山県道700号岡山総社自転車道線」になります。
また「吉備路自転車道」とも呼ばれ、景観だけでなく歴史・文化的にも魅力満載な名コースです。

日本の道100選にも選ばれており、古代日本の地方国家であった吉備国の中心エリアが含まれているため、歴史ある寺社や古墳が点在しており、それらの史跡を巡る観光コースにもなっています。
平坦路中心のサイクリングロードであるため、初心者から上級者まで幅広い人々に人気を博していますね。
【サイクリングロードあれこれ】
サイクリングロードは、車の往来がなく非常に走りやすいです。そのため、旅の道中にサイクリングロードを走ることは良くありますね。私が走ったことのあるサイクリングロードを下記記事で紹介します。
吉備路サイクリングロードの起点・終点
吉備路サイクリングロードは、総社市から岡山市を結んだ約21kmの自転車道です。
吉備路サイクリングロードの起点・終点は以下になります。
岡山市方面:岡山県総合グラウンド
総社市方面:総社市スポーツセンター
個人的には、総社市スポーツセンターを起点にして、岡山市方面へ進むことをお勧めします。

総社市スポーツセンターの周辺には、JR総社駅がありアクセスも良く、駅前にある「吉備路サイクリング 」ではレンタサイクルをお借りすることもできますね。
また、サイクリング開始からそれほど時間が経たない内に、吉備路の歴史や文化、美しい田園風景に出会うことができます。
総社市スポーツセンター
住所 岡山県総社市三輪1300
電話番号 0866-93-2100
営業時間 9:00~21:00
定休日 年末年始
駐車場 普通車100台
吉備路サイクリングロードの標識やマークについて
吉備路サイクリングロードでは、道中に案内板や道に「吉備路」を示すマークが描かれていますので、道に迷うことは少ないでしょう。
案内板には色々なタイプの物がありますが、「吉備路」の文字が書かれているため分かりやすいです。
こちらはシンプルな案内板ですね。

目的地までの距離を明記している案内板もあります。

コースが分かりずらい所には、地図が描かれていますね。

また、道上には吉備路を表すマークが描かれていたりします。

もし、道に迷うことがあったら、これらの案内板やマークを探してみましょう。
吉備路サイクリングロードの見所を紹介
可愛いレンゲ畑にご満悦
吉備路サイクリングロードはいつ訪れても素晴らしいですが、特に若葉が芽吹く4月下旬から5月上旬にかけては、可愛いピンク色のレンゲの花が咲き乱れる田園風景を堪能できます。
総社市スポーツセンターから吉備路を約10分ほど道なりに進んで行くと、辺り一面に広がる綺麗なレンゲ畑に思わず言葉を失いました。

吉備路サイクリングロードには欠かせないレンゲ畑は、いつまでも見ていたい景色ですね。

レンゲの花は、総社市で制定されている花でもあり、地元住民から深く愛されています。

ピンク色の絨毯が敷き詰められた色鮮やかな光景は、見る人全てを魅了しますね。
こちらはレンゲ畑が広がっているエリアです。

道中には、「備中国分寺」や「サンロード吉備津」がありますので、是非立ち寄ってみましょう。
レンゲの花が咲き誇る時期に合わせて、吉備路サイクリングロードを走ってみませんか。
【花畑あれこれ】
旅先では綺麗な花畑へ立ち寄ったりしますので、下記記事で紹介します。
きびじつるの里で丹頂鶴に会おう
吉備路サイクリングロードの公式ルートから若干外れるのですが、是非立ち寄って欲しいスポットに「きびじつるの里」があります。
この里はサンロード吉備路に併設されていますので、サンロード吉備路を目指しましょう。

きびじつるの里は、丹頂鶴を見学することができる癒しスポットです。
サンロード吉備路の入口前には、丹頂鶴の美しいモニュメントがあり、見ていると気分が高まりますね。
丹頂鶴の親子で天に向かって何やら叫んでいるように見えます。

広々とした広場の芝生の上を歩き、奥の方へ向かいましょう。

すると、土で作られた小さな前方後円墳を発見。

近づいて見てみると、良くできている事がわかります。
惜しくは墳丘に小さな植物を植えると、更に見応えがバッチリですね。
この古墳のオブジェから少し奥へ進むと「きびじつるの里」へ辿り着きました。

きびじつるの里は、古くから日本で親しまれてきた丹頂鶴を保護・飼育する施設です。
丹頂鶴については「鶴の恩返し」の昔話で語られているためご存じの方も多いでしょう。
一般的に鶴といえば、この丹頂鶴(又はタンチョウ)のことを言いますね。
丹頂鶴は特別天然記念物に指定されています。
私が訪れ時は、大きな池に浮かぶ島の上で丹頂鶴が座っているのを目撃しました。

3ヘクタールの敷地内には、大きな人工池が設けられており、日中は丹頂鶴を放し飼いにしています。

そのため丹頂鶴や野鳥の観察を楽しめるのは嬉しい限りです。
また、大型飼育ゲージ内には多くの丹頂鶴が飼育されているのを目撃できます。

その他には、園内にある「学びの家」で丹頂鶴の生態などについて解説を行っていますね。
また、ここで飼育された丹頂鶴の育成状況なども知ることができて、丹頂鶴について学ぶ事にもってこいの場所だと思いました。

是非、丹頂鶴に会いに行って見て下さい。
きびじつるの里
住所 岡山県総社市三須1430-1
電話番号 0866-90-2431
営業時間 8:30~17:00
定休日 無休
料金 無料
駐車場 国民宿舎「サンロード吉備路」の駐車場 を利用のこと
【動物あれこれ】
旅先では様々な動物たちと触れ合ったりしますね。下記記事では、旅の道中に出会った動物たちを紹介します。
吉備路のシンボル備中国分寺の五重塔
吉備路のシンボルである備中国分寺の五重塔は、周りの景観に良く溶け込んでおり、とても絵になります。

備中国分寺の周辺は、四季折々の花畑が彩り、訪れる人々を楽しませてくれますね。
花畑には、春のレンゲを始め、菜の花やコスモス、ひまわりなどのその季節を代表する花たちが美しく咲き誇ります。
こちらの写真は、コスモス畑と撮った五重塔です。インスタ映えする光景ですね。

この塔の高さは約34mほどあり、1844年に完成したそうです。
この塔の構造は、屋根の上層と下層がほぼ同じ大きさの細長い造りであり、相輪も短く造っているため、このことから江戸時代後期の様式であることがわかります。

外から五重塔を眺めるだけでも見事な景色を堪能できますが、是非、備中国分寺を訪れ参拝して行きましょう。

もともと国分寺とは、奈良時代に聖武天皇の勅命により日本全国に建立されました。
この備中国分寺もその一つです。
現在残っている物は江戸時代に再興された日照山国分寺とされています。

毎年れんげの花が咲き誇る4月下旬から5月上旬にかけて、備中国分寺周辺では「吉備路れんげまつり」が開催されますね。
この祭りでは、地元特産品の展示即売があったり、郷土芸能が披露されたりします。
また、当日は備中国分寺で五重塔初層内部の特別公開などもありますので、この時期に訪れると特別感を感じますね。

2021年はコロナウイルスの影響で「吉備路れんげまつり」は開催されませんでした。来年以降には再び開催して欲しいですね。
備中国分寺
住所 岡山県総社市上林1046
電話番号 0866-94-3155(国分寺観光案内所)
駐車場 吉備路風土記の丘の県営南駐車場か県営北駐車場を利用(無料)
【神社仏閣あれこれ】
旅の目的として神社仏閣巡りは比較的ポピュラーではないでしょうか。私が旅の道中で訪れた神社や寺院について下記記事で紹介します。
墳丘へ登れる造山古墳
吉備路サイクリングロードを走っていると、造山古墳の案内板が目に留まりました。

案内板の奥には、小高い丘に見える造山古墳が良く見えます。

時間的に余裕があれば、是非造山古墳へ訪れてみて下さい。
実はこの造山古墳は、墳丘へ登ることができます。

先ほど見つけた造山古墳の案内板がある場所から少し進んだところに「造山古墳ビジターセンター」がありました。
このセンターの駐車場へ自転車を止めて、徒歩で造山古墳へ向かいましょう。

住宅街を歩いて行くと階段が見えてきたため、その階段を上り、造山古墳の墳丘へ辿り着きました。


造山古墳は約1,600年前に造られた前方後円墳です。
墳長約350m、高さ約30mと日本全国第4位の規模を誇っています。
1921年に国指定史跡となり、2018年には日本遺産に認定されました。
墳丘の前方部を歩いていると荒神社(こうじんじゃ)を発見。

きっと造山古墳に眠る大王を護っているのでしょうか。
神社で参拝した後は、来た道を引き返して、反対方向へ歩き墳丘の後方部へ向かいましょう。

墳丘は、良く整備されていて歩き易いですね。
程よく高く見晴らしも良いため歩いていて気持ちが良いです。

道なりに歩いていると最後尾へ到着しました。

そこからは、平野部の景色を眺めることができますね。

造山古墳の墳丘表面には葺石が敷かれ、様々な埴輪が見つかっています。
しかし、内部構造は未調査のため何が埋まっているのかわかりません。
いつの日か造山古墳の全貌が明らかになる日が来ることを願っています。
造山古墳
住所 岡山県岡山市北区新庄下
電話番号 086-803-1332(岡山市観光振興課)
造山古墳ビジターセンターの営業時間 10:00~15:00
造山古墳ビジターセンターの定休日 月曜日、年末年始
造山古墳ビジターセンターの駐車場 無料駐車場あり
桃太郎ゆかりの吉備津神社と吉備津彦神社
御伽噺「桃太郎」のモデルとなった人物は、吉備津彦命(きびつひこのみこと)と言われています。
この吉備津彦命を祀る神社が「吉備津神社」と「吉備津彦神社」です。
吉備路サイクリングロードの道中には、岡山県内でも名高いこの2つの神社の近くを通過しますので、お参りに立ち寄りましょう。
吉備津神社は、遠くから見ると木々の隙間から特徴的な本殿の屋根が見て取れます。

参道を経由して吉備津神社へ向かいましょう。


吉備津神社へお参りを済ませた後は、吉備津彦神社へ向かいます。
吉備津彦神社までの距離は、吉備津神社から約2kmと近いですね。
吉備津彦神社の入口前にある道路が、吉備路サイクリングロードになっています。

駐車場へ自転車を駐輪して、吉備津彦神社へ参拝に伺いましょう。
尚、吉備津神社と吉備津彦神社の詳しいことについては、下記記事で紹介します。
まとめ
吉備路サイクリングロードは、ほぼ平坦路しかないため初心者にも優しいコースになっています。
また、吉備路の歴史や文化に触れることができたり、田園風景を堪能できる名コースです。
レンゲの花が咲き誇る時期は特に素晴らしいので、是非訪れてみて下さい。
ゆっくりと自転車のペダルを漕いで、風を感じながらサイクリングを楽しみましょう。
【サイクリストの管理人からの一言】
ロードバイクでサイクリングを続けていると様々なことを体験しますね。下記記事では、良く体験する出来事について紹介します。