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旅の体験談

近江八幡の観光、近江商人ゆかりの町並みや日牟禮八幡宮を巡る

近江八幡の町並み

滋賀県の中部に位置する近江八幡市は、かつて織田信長が築城した安土城の城下町として栄えた歴史がありました。

また、江戸時代になると、近江商人の豪商たちが巨額の富を築いた町として発展を遂げます。今も豪商たちの屋敷や白壁の土倉群などが色濃く残り、レトロな町並みは見物ですね。

実際に豪商の本家「旧伴家住宅」の見学ができるので、是非足を運んでみて下さい。更に近江商人の信仰が篤かった「日牟禮八幡宮(ひむれはちまんぐう)」、江戸情緒たっぷりの「八幡堀」など見どころも盛り沢山。

本記事では、近江商人が暮らした歴史ロマン漂う近江八幡の町並みを散策しながら、見どころを紹介します。

本記事は、以下に該当する人向けです。

  • 近江商人が築いた古い町並みの見どころを知りたい
  • 古い町並みに興味がある

流通革命を起こした近江商人ゆかりの町並みを歩く

近江八幡の町並み

滋賀県近江八幡市の玄関口となるJR近江八幡駅から、北へ約2kmほど歩いたところには、商業の町として発展した古い町並みが色濃く残っています。

城下町として、いくつの通りがありますが、その中でも「新町通り」が素晴らしい。昔ながらの日本の文化が息づく町並みに、江戸時代にタイムスリップした感覚に陥いることも。

地域住民の皆さんが、時代を越えて大切に守り続けてこられた様子が伺い知れますね。

新町通りの景色
新町通りの風景

そもそも豊臣の時代から発展を遂げてきた近江八幡では、次第に商人が力を付けてきました。あの有名な近江商人のことです。知っている方も多いでしょう。

実は、近江商人は、日本三大商人の1つに数えられており、現代でも滋賀県出身の起業家を近江商人と呼ぶそうですよ。

近江商人は、日本国内だけにはとどまらず、海外まで手を広げていました。そんな商人たちの本家が立ち並ぶのが「新町通り」です。尚、この通りの建物群は、伝統的建造物群保存地区に選定されてるので、見逃せません。

ギャラリー淡海座
ギャラリー淡海座
ギャラリー淡海座(拡大)

新町通りをゆっくり歩いていると、当時の繁栄ぶりよく分かりますね。この通りにある建物の中には、3階建ての一際大きな屋敷があります。

それが、こちらの「旧伴家住宅」です。

旧伴家住宅
旧伴家住宅 近くの駐車場から見ると3階建てなのが分かる

江戸時代初期の豪商「伴庄右衛門」が本家として建てた商家ですね。この旧伴家住宅は、今は博物館として見学できますよ。くわしくは、後で話します。

それにしても、江戸時代では、町家の建築に制限があり、基本的に2階建ては禁じられていました。そんな時代に3階建ての屋敷を築くとは、どれだけ近江商人の力が強かったのか。

尚、この旧伴家住宅の隣りには、有料の市営小幡観光駐車場があります。車で訪れた場合、市街地中心部にあるこの駐車場が便利。休日や観光シーズンでは、満車になっている可能性があるので気を付けましょう。

直ぐに近くには、文化伝承館や近江八幡市立資料館などがある。足を運んでみては如何でしょうか。

文化伝承館
文化伝承館
近江八幡市立資料館
近江八幡市立資料館

旧伴家住宅の他にも、重要文化財の旧西川家住宅や西川庄六邸、森五郎兵衛邸などが立ち並ぶ。旧西川家住宅は一般公開されているので見学できます。

旧西川家住宅の入口
旧西川家住宅の入口
西川庄六邸
西川庄六邸
西川庄六邸の松
西川庄六邸内に見える松の木の景観がよい

旧西川家住宅は、店の部分と居宅部分が分離されていて、突き出した座敷玄関があるのが特徴です。個人的には、商人が使う大き目のソロバンや寝間にあった大きな蚊帳が印象に残ったかな。

尚、屋敷内の写真撮影は、許可を取ればできますが、ブログなどへの公開はNG。なので、是非自分の目で確かめてみて下さいね。

新町通りを北へ向けて抜けると、近江八幡の名所「八幡掘」へ辿り着きます。

八幡掘の景色
八幡掘

新町通り以外にも、偽心町通りや仲屋町通り、永原町通り、魚屋町通りなどの散策が楽しいですね。偶然ですが、猫が散歩しているところを目撃。うん、これは何か良いことがあるかも。(嬉)

猫の散歩
猫の散歩

魚屋町通りには、メンタームで有名な近江兄弟社の本社・工場がありますよ。この会社のハンドクリームを愛用している方も多いのではないでしょうか。

近江兄弟社の本社・工場
近江兄弟社の本社・工場

また、道を挟んだ小さな広場には、ヴォーリズと少女の像が見て取れます。

ヴォーリズと少女の像
ヴォーリズと少女の像

ヴォーリズ氏は、近江兄弟社学園の教育事業やヴォーリズ建築で知られる建築家ですね。実は、メンタームもヴォーリス氏が、母国アメリカから輸入して、国内販売を行なっていたという。

彼が、異国の地で多種多様な活動取り組み、数々の功績をたてたので、像が立てられたのも分かります。聞くところによると、この少女の像には、いつも綺麗な花が飾られているとか。近江八幡の人々に愛されたヴォーリズ氏は、地域住民にいつまでも忘れられることなく、彼の功績を讃えています。

近江八幡の町並み

町歩きを楽しんだ後は、八幡堀で和舟に乗りながら、情緒あふれる景色を楽しんで下さい。そして、近江商人の信仰を集めた「日牟禮八幡宮(ひむれはちまんぐう)」へお詣りへ伺いましょう。

また、日牟禮八幡宮の隣りには、八幡山ロープウェーがある。このロープウェイに乗って八幡山の山頂へ向かえば、そこは八幡山城跡ですよ。

この場所から眺める琵琶湖の眺望が素晴らしい。それに近江八幡の城下町を一望できる絶景スポットです。足を運ばれるのをお勧めします。

尚、近江八幡市を含む琵琶湖周辺には、多くの絶景・観光スポットがありますので、2週間以上の長期的な旅をするならば、宿泊先にはホテルのサブスクを利用すると便利です。

豪商が暮らしていた商家「旧伴家住宅」を見学

旧伴家住宅
旧伴家住宅

先ほども触れましたが、旧伴家住宅は、1827年(文政10年)から1840年(天保11年)にかけて豪商「伴庄右衛門」が、本家として建てた商家です。江戸時代の八幡町の中で、一等地であった京街道と新町通りの角地に建てられています。

明治時代になると、当時の八幡町へ譲渡を行ない、小学校・女学校になりました。戦後には、近江兄弟社図書館として使用された後で、近江八幡市立図書館となり、今は旧伴家住宅として一般公開されています。

「左義長まつり」で作られるダシ
「左義長まつり」で作られるダシ

屋敷内へ入ってみると、目の前に飛び込んでくるとのが、大きなダシですね。これは、毎年3月に開催される「左義長まつり」で作られるダシを展示しているそうです。

左義長まつりのルーツは、織田信長が安土城下で毎年正月に盛大に繰り広げた祭りにあるみたい。「信長公記」にも記された天下の奇祭ですよ。そういうことを知ると興味が湧いてきますね。今では、商売繁盛を祈願するまつりとしての意味合いが強いそうです。

2階へ上がる階段
2階へ上がる階段

受付の直ぐ横には、2階に上がれる階段があり、その横には小学校時代を思わせる表札が飾っています。

1階から3階にかけて吹き抜けており、45畳の大広間や広大の土間がある。間取りが贅沢であることから分かるように、どれだけ商売に成功したのか見て取れますね。

大広間
大広間
大広間の様子
旧伴家住宅の様子
甲冑

特に40㎝と太い立派な大黒柱が3階まで伸びていたり、梁が継ぎ目のない7間半の1本の松で作られていたりして、見所が多いですよ。

大黒柱
大黒柱

ちなみには、伴家は畳表や蚊帳、扇子、麻織物などで成功したそうです。

普段は2階までしか一般公開されていませんが、私は館長さんの計らいで特別に3階を見せて頂けました。(嬉)

こちらは、3階の構成図。3階は、物置と地震の間で構成されています。

旧伴家住宅の3階
旧伴家住宅の3階
物置
物置

地震の間は、見渡す限りに梁と束が占領しているため、迫力が凄い。

地震の間
地震の間

この地震の間は、何のために作られたのか不明なんだとか。一説によれば、火災や不審者を見張る部屋であったと言われています。けれど、部屋の中を見ればよく分かりますが、その説の説得力は薄いかも。

また、使っている柱の一部には、表面が削られた柱が混じっている。この柱は、旧伴家住宅の建築時に、商売繁盛した商家の柱を移築したという。中々面白い趣向に驚きました。

一般公開された場合には、お見逃しなく。

旧伴家住宅

  • 住所 滋賀県近江八幡市新町3丁目15番地
  • 電話番号 0748-32-1877
  • 開館時間 9:00~17:00(入館は16:30まで)
  • 休館日 月曜日、祝祭日の翌日、年末年始(3~5月と10・11月は無休)
  • 料金 一般400円、小・中学生250円(10名以上で団体割引きあり)

【古い町並みの紹介】

古い町並みが残る場所には、旧伴家住宅のような商家、または武家などの屋敷が残っており、見学できることも。下記記事では、旅先で訪れた古い町並みを紹介します。

近江商人の信仰を集めた「日牟禮八幡宮」へお詣り

日牟禮八幡宮
日牟禮八幡宮

日牟禮八幡宮(ひむれはちまんぐう)は、創建は131年と古く、昔から地元の人たちの守り神として信仰されてきました。

特に中世以降になると、近江商人によって手厚く信仰されており、今でも「八幡さま」の愛称で親しみを込めてお詣りされています。「近江八幡市」という市名の由来にもなっており、近江八幡観光には、欠かせない存在ですね。

楼門(随神門)
楼門(随神門)

立派な楼門(随神門)は、近江の守護職であった佐々木六角氏が1359年(延文4年)に造営したそうです。1970年(昭和45年)の八幡まつりで上部が焼失されました。翌年には修繕も完了し、地元住民に守られ今日まで現存しています。

通常、随神門なので、両脇には神様が鎮座しておりますが、この楼門には狛犬がいる。

狛犬
狛犬

うん、珍しいかも。楼門をくぐり抜けば、そこは神域。空気感が変わり、思わず身が引き締まります。

境内
境内

特に装飾に彩られた艶やかな本殿は、目を引きますね。お詣りをした後は、境内を散策してみましょう。

日牟禮八幡宮(本殿)
日牟禮八幡宮(本殿)
日牟禮八幡宮 本殿の天上
本殿の天上

こちらは、本殿の鬼瓦。2018年(平成30年)9月の台風の影響で落下したと推測される。

鬼瓦
鬼瓦

金色のハトの像を発見。何かいわれがあるのかな。

金色のハト

その他にも能舞台や境内社が見て取れます。

能舞台
能舞台

この能舞台は、明治時代に「日触詣(ひむれもうで)」という演目ができたことをお祝いして作られたという。境内は、それほど広くはないので、約20~30分程度あれば一通り見て回れますね。

狛犬
狛犬

日牟禮八幡宮は、平安時代の中頃に九州の宇佐八幡宮から分社化された八幡宮であり、ご祭神は宇佐八幡宮と同じく以下の3柱をお祀りしています。

日牟禮八幡宮のご祭神
  • 誉田別尊(ほんたわけのみこと)
  • 息長足姫尊(おきながたらしひめのみこと)
  • 比賣神(ひめがみ)

ご利益には、商売繁盛や出世といった商売人にはうれしいものばかり。その他にも厄除開運、学問成就などがあります。

尚、日牟禮八幡宮で行われる二大火祭の「左義長まつり」と「八幡まつり」は、全国的にも知られている。国の選択無形民俗文化財に認定されていますので、機会があれば是非参加されてみては如何でしょうか。

日牟禮八幡宮

  • 住所 滋賀県近江八幡市宮内町257
  • 電話番号 0748-32-3151
  • 開館時間 8:00~17:00

近江八幡の町並みを散策中に合わせて訪れたい場所

先ほど少し触れましたが、「八幡掘」と「八幡山ロープウェー(八幡山城跡)」は、近江八幡の町並みを散策している最中に辿り着きますね。それぞれについて説明します。

八幡掘

八幡堀の景色

映画のロケや結婚式にもよく使われる八幡堀では、季節折々の美しい自然とともに、石垣や白壁の蔵が並ぶ風情を楽しめます。

掘り沿いを散策するだけも楽しいですが、手漕ぎ和舟に揺られながら八幡掘りを巡るのは、実に面白い。近江八幡を代表する観光スポットの1つです。くわしくは、下記関連記事で紹介します。

八幡山ロープウェー・八幡山城跡

八幡山ロープウェー乗り場

八幡山ロープウェーに乗って約4分で、標高283mの鶴翼山(通称:八幡山)山頂へ到着します。

山頂には、豊臣秀吉の甥である豊臣秀次が築城した八幡山城跡があり、近江八幡の景色が一望できる。琵琶湖や比良山系の山々、西の湖、近江八幡の城下町の景色は、一見の価値がありますね。

また、恋人の聖地に選ばれていますよ。くわしくは下記関連記事で紹介します。

近江八幡の町並みの基本情報とアクセス

住所近江八幡市新町ほか
電話番号0748-33-6061(近江八幡駅北口観光案内所)

【アクセス】

  • JR近江八幡駅から近江鉄道バス長命寺行きへ乗って「小幡町資料館前」で下車後すぐ(バスの乗車時間は約6分)
  • 名神高速道路「竜王IC」より車で約25分

近江八幡の町並みの駐車場

近江八幡の町並み観光には、有料の市営小幡観光駐車場をご利用するのが便利です。

駐車場名住所駐車台数営業時間料金
市営小幡観光駐車場滋賀県近江八幡市小幡町中7-194台9:00〜17:00
定休日:年末
普通車 510円/日
大型車 2,090円/日

まとめ

近江八幡の町並み

近江商人たちが、巨額の富を築き発展を遂げた近江八幡。今も色濃く残る古い町並みは、散策しているだけでも楽しめます。当時の豪商の住宅であった旧伴家住宅や旧西川家住宅は、一般公開されているので是非、見学してみましょう。

また、町並み散策とともに、足を運びたいのは、近江商人の信仰が篤かった「日牟禮八幡宮」、江戸情緒たっぷりの「八幡堀」、絶景スポットで恋人の聖地になっている「八幡山ロープウェー・八幡山城跡」ですね。

更に近江八幡市には、水郷巡りや安土城跡、ラコリーナ近江八幡など数多くの観光スポットが点在していますので、足を運ばれてみては如何でしょうか。



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この記事を書いた人

年齢:40代。
職業:旅人兼ブロガー。

私にとって自転車旅が一番の楽しみであり、知らない土地、景色、一期一会の出会いなど様々な体験をしました。当ブログでは、自転車旅などを通じて体験した事や訪れた絶景・観光スポットについて紹介します。また、自転車全般に役立つ情報を発信しています。

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