3泊4日の京都兵庫旅の2日目は、昨日に引き続き丹後半島を自転車で巡ります。
1日目は山陰ジオパークが織りなす絶景ロードに感動したため、本日も期待値は高く、雲一つない青空の下、朝からテンションがマックス!(1日目の旅の様子は、こちらの記事で紹介)
絶好の旅日和となりましたが、どんな冒険ができるのか楽しみ。昨日お泊りしたお宿を後にすると、特徴的な岩礁が連なる景勝地へ向かい、本日の旅が始まります。
道中では、伊根の舟屋や天橋立など数多くの絶景・観光スポットへ足を運びながら、山陰海岸ジオパークの絶景を満喫した次第です。
また、予想外の出来事に一喜一憂する場面も多く、充実した旅になりました。
本記事では、自転車で丹後半島を巡り、その後は舞鶴市へ向かう旅の様子をお届けします。
いざ!経ヶ岬へ向けて出発
私が今いる場所は、京都府京丹後市丹後町の久僧地区にある海岸線です。
私の目の前には、海に浮かぶ大きな岩礁たち。その中でもまるでゴジラの形をした奇岩にビックリしました。
昨日の夕方にも見かけましたが、青空の下では、ゴツゴツしたゴジラの皮膚の質感がリアルに感じる。よく見てみると、腕の形をしたものもある。う~む、自然の芸術作品に度肝を抜かされた次第です。
そして、このゴジラ岩の東側には、大きな岩礁があり、見るからに浸食してできた洞窟が見て取れます。特に周囲には案内板などを見かけませんでしたが、これは立派な景勝地でしょう。
朝一から見事な奇岩が連なる風景に満足感を覚え、自転車のペダルを回す足取りが明らかに軽かったですね。
国道178号線へ合流すると、気持ちの良いシーサイドラインを突き進みながら道なりに北上します。
おっ、あれは自衛隊の基地ですかね。特徴的なレーダーに興味津々。
先ほどのゴジラ岩から約3.5kmほど進むと、右手側には、おおきく4段の段丘が見えてくる。
それが、本日の最初の目的地である「袖志の棚田(そでしのたなだ)」ですね。
袖志地区の町中から山へ向かって延びる細い坂道を上り、いざ棚田へ向かう。
標高は20~100mほどなので、自転車のギアを軽くして、リズミカルにヒルクライム。しばらくして、立ち止まり振り返ると、そこには感動的な景色が広がっていました。
眼下に広がる棚田の奥には日本海が広がり、そして集落とともに調和した美しい景観には、思わず「うぉ~♪♪」と声をあげてガッツポーズ。
また、丁度訪れた時期が良かったためか、水田には水が張っており、小さな苗が並んでいる姿が実に良い。電信柱の影が水面に映り、海に向けて下っている姿もいい感じ。予想以上の景観に嬉しさもひとしおです。
しばらくの間、高台から棚田の景色を楽しんだ後は、来た道を引き返し国道178号線へ合流。丹後半島最北端の経ヶ岬(きょうがみさき)へ向けて出発しました。
後から知った話ですが、経ヶ岬の周辺が丹後半島で一番キツイということ。
個人的には、そこまでキツイとは思いませんでしたが、これもゴジラ岩や棚田の景色のおかげで、テンションが最高潮に達していたからかも知れませんね。
【旅に役立つアイテムやサービスの紹介】
旅先で役立つ様々なアイテムやサービスを、下記記事で紹介します。
経ヶ岬灯台を目指しプチハイキング
昨日に引き続き透明度の高い日本海の景色を眺めながら、国道178号線を道なりに突き進む。
しばらくすると、左手側には経ヶ岬灯台へ向かう分岐点へ到着しました。右手側には、大きな建物があり、広い駐車場があります。どうやら経ヶ岬バス停駐車場のようだ。
左折して約1kmほどのアップダウンの大きい道を走ると、経ヶ岬の駐車場へ到着。
駐車場の海側に設けられた柵の前から、駐車場に隣接する山の奥を眺めると、白亜の灯台が見えました。なるほど、あそこまで歩くのか、結構時間がかかりそうだな。
たまたま駐車場内で出会ったサイクリストの方と談笑。その方は、灯台まで遊歩道を歩いて向かうのは時間がかかると考えてパスしましたが、私はチャレンジするぞ。
駐車場の奥にある建物で遊歩道のマップを入手。それによると、遊歩道は初級・中級・上級の3つのコースに分かれているみたいだ。ということで、私は往路は中級で復路は初級コースを歩きました。
中級コースは、山頂にある展望台を経由して灯台へ向かうコースです。片道約25分ほどなので、時間的に大丈夫。上級コースにも興味があったのですが、片道70分は厳しいですね。
遊歩道の入口から約5分ほど歩くと、初級コースと中級コースの分岐点へ到着。ここから急勾配の階段を上り山頂を目指した次第です。
最初の急勾配の階段を越えると、あとはそれほど大した山道ではありませんが、山道は登る自体だけでも大変なもの。比較的歩きやすい山道ですが、これはいい運動になる。
しばらくすると、展望台が見えてきました。
ふ~、展望台で少し休憩を入れて、眼下の景色を堪能。双眼鏡やズーム機能付きのカメラが必要ですが、遠くにはジオパークの景観がしっかり見えます。
展望台を後にしてから山道を下り、見張所跡を発見したりしながら、あっという間に灯台へ辿り着きました。
プチハイキングを楽しんだ後にお目当ての灯台を見ることができて、テンションが上がる、上がる。本日は、朝からずっとテンションが上がりぱなしです。(笑)
まだ9:00頃でしたが、私が訪れた後から何組かのご家族が、続々と灯台へやってきたのには少し驚きましたね。思った以上に人気があるみたい。
しばらく灯台前にて日本海の風景を楽しみながら過ごし、その後駐車場へ引き返しました。
尚、経ヶ岬灯台については、くわしくは下記関連記事で紹介します。
丹後半島の絶景ロードを堪能し、浦嶋神社へ立ち寄る
しばらくの間、経ヶ岬の駐車場で休憩した後、再び国道178号線まで戻り、そのまま道なりに突き進む。ここからは、南下して天橋立方面へ向かいます。
断崖絶壁の切り立った岩肌を縫うように走る海岸線というのは、見ていて全く飽きがこないですね。
経ヶ岬の駐車場から約5kmほど進んだころでしょうか、目の前には特徴的な展望台が見えてきました。
こちらの展望台は、甲崎展望台です。石柱が並ぶ姿はまるでギリシャ神殿の跡地のようだ。ここから望む景色が最高すぎる。
空・山・海のグラデーションが見事に調和しており、それぞれの美しい色合いが際立つ絶景スポットに大興奮♪
その後に甲崎展望台から約500mほど進むと、今度は蒲入展望所へ到着。階段を上り高台にある東屋から眼下の景色を楽しみました。
こちらの展望台からの景色もGood。高台へ上がらなくても眼下に見える景色だけでも十分に凄いので、スルーするのはもったいないですね。
昨日のそうでしたが、丹後半島は至るどころに展望台が多いので、サイクリングする際には、ぜひ立ち寄ってみるのをおすすめします。
すでに伊根の舟屋で有名な伊根町へ入っており、舟屋のある場所へ向かう前に立ち寄りたいところがあります。それが浦嶋神社ですよ。
浦嶋神社は、名前が示すように浦島太郎のゆかりある神社。そもそも浦島太郎の伝説は、日本各地に点在しており、先日訪れた香川県の荘内半島もその内の一つです。
国道178号線を疾走し続け、浦嶋交差点で左折して府道623号を進んでいると、浦嶋神社の駐車場へ到着しました。
ここから歩いて神社へ向かっていると、竜宮城に住む乙姫と太郎の姿を再現したモニュメントを発見。
石の輪を通して、お互いを見つめあう姿は何だか意味深ではないですかね。
浦嶋神社は宇良神社(うらじんじゃ)とも呼ばれ、創祀年代は平安時代であり、浦嶋子(浦島太郎)を筒川大明神として祀るのが始まりといいます。
また、日本最古の「丹後国風土記」に描かれている浦嶋子の物語の舞台なんだそうな。
歴史を感じる風格ある社殿は実に見事であり、謹んでお詣りした次第です。その後、境内を一通り見て回りました。
浦嶋神社を後にして、東へ約650mほど離れてところで見つけたのが、こちらの「龍穴」です。
小さな穴なので、案内板がなければ絶対にスルーしてしまいそう。
実は、この龍穴は浦嶋子が竜宮城から戻って来た際に通った穴という。これには意外感がありましたね。
竜宮城だから太郎は、海から帰還したものだと思いますが、まさか穴から帰還した伝承があるとは驚きました。
こういう発見があるのも旅の醍醐味の一つといえるので、旅はやめられないかな。
え、予期せぬ通行止めに焦る!
新たな発見に興奮が止まないまま、アップダウンのある海岸線を駆け抜ける。伊根町の野室地区や津母地区を通過し泊地区へ到着しました。浦嶋神社から約7kmほど進んだかな。
さらに海岸線を進めば、新井地区に入ります。ここにも海に向かって広がる棚田(新井の棚田)があるということで、足を運んでいる最中ですよ。
その道中では、まさかの通行止めに遭遇。「嘘でしょう!」と思いましたね。
突然、予期せぬ通行止めにあうのは旅人あるあるですが、今回は事前に復旧したと聞いていたのだけどな・・・。
このタイミングで通行止めは痛いですね。たまたま見つけた地元の人にお話しを聞いてみると、どうやら通行はできるみたいだけど、崖が崩れるかも知れないから注意が必要ということ。遠回りすれば新井地区へ行けるけど、自転車では結構大変という。
すでに棚田は、袖志の棚田を見て満足していたし、無理をする必要は全くないので、諦めた次第です。えっ、それっていい訳だろうですって?
そうではなく、あくまでも冷静な判断の結果ですよ。
それなりの距離を走って辿り着いていたので、また来た道を引き返すのかと思いドキドキしていましたが、直ぐ近くに国道178号線へ向かうルートがあるというので、教えてもらいました。ありがとうございます。
そして、あっけなくほど簡単に国道178号線へ合流を果たし、気持ちを切り替えて伊根の舟屋を目指した次第です。
【自転車旅に役立つアイテムの紹介】
自転車旅で役立つ様々なアイテムを、下記記事で紹介します。
伊根の舟屋の景色を堪能
快調に自転車を走らせていると、目の前に飛び込んできた青看板には「道の駅 舟屋の里伊根 2km」と書かれていました。
これは思った以上に伊根の舟屋へ早く到着できることに嬉しくなる。府道622号線へ進路を変更し、そのまま道なりへ進むと車が渋滞しだしたではないですか。
嫌な予感を覚え道の駅へ向かうと、そこには車・車・車と多すぎませんかね。交通誘導をしている人もいましたね。
GWの期間中だったので、多くの観光客が訪れたようです。2年前に訪れた時は、普段の平日で朝が早かったこともあり、全然すいていた記憶しかなかったので、ギャップの違いにビックリしました。
ちょうど、昼時だったこともあり、レストランは超満員。私もお腹が減っていたので、行列に並ぶこと20~30分ほどでレストランへ入れました。
やはりたくさんの人が並んでいると、私もそうですが、早く食べてくれる人が多いのだろうな。そのため、回転率が思った以上に素晴らしかったです。
この道の駅からは、舟屋が並ぶ伊根湾を一望できるフォトジェニックスポットです。肉眼では舟屋の見分けは付かないので、双眼鏡や高ズーム機能の付いたカメラが必要ですね。
しばらくの間、道の駅で過ごした後で、舟屋の町並みが見られる市街地へ向かいました。
遊覧船は大忙しみたいで、観光客が長蛇の列になっていましたね。さすがに2度も行列に並ぶ勇気は私にはないためパスします。町並みを見物しながら向かったのは、伊根浦公園です。
この公園からは、舟屋の風景をより身近に楽しめるのでおすすめ。海辺ぎりぎりに建ち並ぶ家屋は、実に見応えがある。
また、伊根湾の海面のきれいなこと。まるで小舟が浮かんで見えるではないですか。こういうのを見かけると、不思議な感覚に陥るのはなぜだろうか?
伊根湾めぐり遊覧船の乗り場へ向かえば、海面にはたくさんのカモメが浮かんでいました。可愛いですね。
個人的には、2年前に訪れた時に乗り場の入口前にあった、くじらのモニュメントがなくなっていたことが少し寂しかったかな。
その後、国道178号線へ合流して、天橋立を目指し海岸線を駆け抜けました。
尚、伊根の舟屋については、下記関連記事でくわしく紹介します。
天橋立を渡り智恩寺へ行こう
気持ちの良いシーサイドラインが続く国道178号線をひたすら南下する。少しだけ下りの平坦路であったため、快調に自転車が進みます。
アップダウンが続く道ばかり走ってきたので、この平坦区間は嬉しいぞ。ギアを上げて、スピードアップ!
少しだけ追い風だったこともあり自転車が加速的に進む、進む。これは楽しすぎて、ペダルを回すのにも力が入るというものだ。
海の景色だけでなく、田園風景に切り替わりながら、次々と景色が後ろに流れてゆきます。
40~50分ほど走っていたでしょうか、いつの間にか天橋立の入口前へ到着していました。
天橋立の中は、人の通行が多いので、ここからは徐行して進みます。
天橋立は言わずと知れた日本三景の一つです。約8,000本の大小様々な松が生い茂り、全長約3.6kmの砂嘴(さし)でできた砂浜が特徴的。そんな松並木の中を走るのは、気分が良いですね。
しばらくして廻旋橋へ到着。過去に何度か天橋立へ訪れていますが、初めて廻旋橋が回転している場面に遭遇しました。
廻旋橋は、天橋立と智恩寺のある陸地をつなぐ橋ですが、船が通るたびに90度旋回する珍しい橋です。
1日に数回稼働するので、タイミングさえあえばいつでも見物できる。けれど、たまたま通りかかったタイミングで、偶然目撃するのは嬉しいものだ。
なんというのか「運がついているんじゃない」と思えるからかな。
廻旋橋を渡り終えると、ホクホク顔で智恩寺に参拝へ向かいました。
智恩寺(ちおんじ)といえば、「三人寄れば文殊の知恵」で知られる知恵の神様・文殊菩薩を祀る由緒ある寺院です。
学業成就や合格祈願のために多くの参拝客が訪れるパワースポットですよ。
本堂の文殊堂へ参拝した後で、境内を一通り見て回りました。
境内には、迫力満点の「三門」を始め、多宝塔や暁雲閣、鐘楼など歴史ある建築物が多い。
また、松の木に鈴なりにぶら下がる扇子の景観が面白かったですね。知恩寺を後にして、よいよ舞鶴市へ向かいます。
尚、天橋立や智恩寺については、下記関連記事でくわしく紹介します。
舞鶴市へ向かう道中にて
国道178号線を東へ向けて走っていると、左手側に面白い外観の橋を見つけて思わず自転車を停車しました。この橋は、絶対にヨットをイメージしているでしょう。
個人的にこういうのは大好き。旅の道中では、こういうユニークなものに出会う機会が多いのが嬉しいですね。
奈具海岸や由良海岸を横目で眺めながら、前へ前へと突き進む。
しばらくすると、遠くに赤い橋が見えてきましたが、そのままスルーしようとした瞬間、頭の中にスパークがほとばしる。
「あっ、あの橋は、ひょっとして由良川橋梁かも知れない」ということで、自転車を停車。そして、左手側に見えていた河川敷へ向かった次第です。
由良川橋梁といえば、雑誌などでよく見かけるフォトジェニックスポットですね。線路が水面から5~6mしか離れていないので、まるで列車が水面を走るように見えます。
赤い橋の側面を見ると、そこには白い文字で大きく「由良川橋きょう」と書いている。うん、これは間違いなさそうだ。
それに周囲を見渡すと、カメラをスタンバイしている人がちらほらいるではないですか。
その一人に話しかけ、「あと何分ほどで列車がきますかね」と問うと、「あと5分ほど」と教えてもらえたので、私もそそくさと列車を待つためにスタンバイします。
そしてついにその瞬間が訪れたのです。カメラの連射機能を使って、橋梁の上を渡る列車を激写。うん、いい写真が取れて満足♪♪
いや~、実に良いものが見られて超ラッキー。本日は一喜一憂する場面が多いです。
しかし、本日の驚きはこれだけではありません。
というのは、由良川橋梁を後にして、途中で見つけたお店前の自販機へ立ち寄ったことから面白い発見に出くわした次第です。
この時なにげにお店の中を覗いて見ると、なんとラーメンやうどん、ハンバーガー、ジュースなどの自販機が並んでいるではないですか。ビックリして、お店の中へ入りました。
後から知ったのですが、このお店は昭和レトロで話題の「ドライブイン ダルマ」なんだそうな。ライダーを中心に全国から訪れるそうです。
ものは試しということで、300円のラーメンを購入。うん、量は少なめですが、300円なので文句はない。それに、チャーシュー・もやし・ネギのトッピングがあるあたりは、300円にすれば上出来だと思う。
どこか懐かしさを感じさせる美味しさでしたね。少し小腹がすいたときに食べるには、丁度よいかな。
思わぬところで面白いお店を見つけました。これも自転車の神様のたまものでしょうかね。(笑)
その後、由良川に架かる大川橋を渡り、国道175号線を疾走するころには、だいぶ日が落ちてきましたね。
舞鶴市街へ入ると、海岸通りには赤れんがの建物が立ち並んでいたり、自衛隊の護衛艦が停泊しているのが見えてきました。明日の午前中は、舞鶴観光でこれらを見学するので今から楽しみだな。
しばくすると、東舞鶴駅へ到着。その後、本日のお宿へ向かいました。
こうして本日の旅は終わりを告げました。
まとめ
本日の自転車旅を振り返ると、充実度が半端ないですね。
朝一から見応えのある岩礁地帯から始まり、袖志の棚田が織りなす素晴らしい景観に満足を覚え、経ヶ岬灯台ではプチハイキングを楽しみました。
これだけでも満足度が高いのですが、さらに浦島太郎の伝説が残る浦嶋神社へ参拝に訪れたり、伊根の舟屋や天橋立など人気の観光地でしばらくの間のんびり過ごすなど、有意義な時間の使い方に終始笑顔が絶えなかったですね。
さて、明日3日目は午前中は主に舞鶴観光に時間を割いて、午後からは福知山市へ向かう予定です。一体どんな旅になるのか乞うご期待。(3日目の旅の軌跡は、こちらの記事で紹介します。)