京都府舞鶴市には、レトロな赤レンガ倉庫が建ち並ぶ一角があります。その場所が「舞鶴赤れんがパーク」ですね。
ノスタルジーあふれる赤れんが倉庫群を巡りながら、舞鶴観光を満喫しよう。かつて舞鶴鎮守府の武器保管庫として使われていた歴史ある倉庫群ですが、今や市の観光拠点として多くの観光客が訪れている。
明治・大正時代から残る倉庫の内、5棟ではそれぞれ違った魅力があり、展示室やカフェ、お土産ショップなどが充実しています。
特に1号棟の「赤れんが博物館」では、日本を含む世界のレンガについて、楽しく学べるのでおすすめ。
本記事では、レトロな舞鶴赤れんがパークを巡りながら、赤れんが博物館を中心に魅力的なスポットを紹介します。
舞鶴赤れんがパークとは
舞鶴赤れんがパークでは、明治・大正時代を通じて旧日本海軍によって建てられた赤レンガ造りの倉庫が残り、近代化へと歩む続けていた明治の息吹が残るレトロな雰囲気が漂っています。
2008年(平成20年)には、赤れんが倉庫群12棟のうち8棟が国の重要文化財に指定されました。その中でも5棟は、以下の施設として利用されており、多くの観光客が訪れます。
- 1号棟:赤れんが博物館(有料)
- 2号棟:舞鶴市政記念館
- 3号棟:まいづる智恵蔵(お土産ショップなど)
- 4号棟:赤れんが工房
- 5号棟:赤れんがイベントホール(カフェあり)
また、映画やドラマのロケ地として選ばれた実績が多数あり。作品には「海賊とよばれた男」や「アルキメデスの大戦」などがある。
赤れんがロードを歩きながら倉庫群を眺めたり、遊覧船に乗って舞鶴湾に停泊中の海上自衛隊の護衛艦などを見物してみよう。
遊び疲れたら芝生広場で休憩しながら、キッチンカーで美味しいものを食べるのもいいですね。舞鶴赤れんがパークは、1日中楽しめる観光スポットが目白押しです。
【海の京都エリアの紹介】
赤れんがパークのある舞鶴市は、海の京都と呼ばれるエリアですね。下記記事では、海の京都エリアの魅力的な観光スポットを紹介します。
赤れんが博物館で楽しくレンガの歴史を学ぶ
赤れんが博物館は、世界唯一のレンガの博物館として、日本だけでなく世界中のレンガについて楽しく学べる施設です。
鉄骨とレンガの組み合わせた建築物としては、日本では最古級のものですよ。そのため、建物自体にも価値がある。外観をぐるりと見て回り中へ入ろう。
1階では、世界各国から寄贈された、貴重なレンガを展示しており、一つ一つ丁寧な解説がされています。
そもそもレンガの歴史は、約1万年前までさかのぼり、古くはエジプト文明・インダス文明・メソポタミア文明・中国文明の古代文明発祥地において使われていました。
インダス川上流のはラッパー遺跡から出土されたレンガも寄贈されており、表面にはレンガを日干しした際に付いた、動物の足跡を見られたのは面白かったですね。
また、エジプトの象形文字・神聖文字(ヒエログリフ)が刻まれたレンガなどがあり、「このようなレンガもあるんだ」と驚きました。
こちらは、中国の前漢時代の空胴塼です。中国ではレンガのことを「塼(せん)」と呼び、こちらのレンガは、黄河流域で地方の王侯貴族の墳墓にあった地下廊下や壁面に使用されたものだ。
画像や文様が浮き彫りなので、実に凝っているではないですか。題材には、労働の情景や建造物、風景などが描かれており、当時の社会生活を知る上で貴重な資料となっています。
また、動物や植物などが浮き出たレンガは、普通のレンガと比べて見栄が良く、見ていて楽しいですよ。
レンガに関する様々な疑問には、こちらのニャン吉博士が解説しているぞ。
「赤くない中国のれんが」など知的好奇心がそそられるじゃないですか。ニャン吉博士は至るどころにいるので探し出して下さいね。
ちなみに、こちらは万里の長城で使われたレンガです。うん、確かに赤くないぞ。
私もそうですが、おそらく多くの人は著名な建築物・建造物を通して「レンガ」を見ている人が多いと思う。
つまり、レンガの歴史や使われ方を追えば、その時代について学べることが多いでしょう。
2階には「日本のれんがのあゆみ」「舞鶴市とれんが」やレンガを使った体験コーナーなどがあります。
日本では、中国大陸・朝鮮半島から仏教建築の材料としてレンガが伝わりました。明治維新以降、文明開化により多くの建築物に使われた次第です。
こちらの模型では、赤れんが倉庫が昔どのように使われていたのかを表している。実際にこのような形で見せられると、イメージがしやすい。
また、現代のレンガも紹介されています。現代では、レーザー光線で表面を部分的に溶かして文字や絵を描くという。うん、科学技術の進歩は凄いですね。
所要時間は、ゆっくり見て回れば30~60分ほど。レンガで造られた建築物を通して、その歴史を楽しく学べるのが赤れんが博物館の魅力です。
【博物館の紹介】
博物館では色々と学ぶ機会が多いですね。そこで、旅先で訪れた博物館を下記記事で紹介します。
レンガ造りの建築物にはお洒落なものが多い
レンガを使った建築物には、様々な魅力があり、今も多くの人たちを虜にしています。
レンガ自体の耐久年数は100年以上と長持ちし、耐熱性が高く、外気温に影響されない特徴がある。また、耐火性・遮音性にも優れ、定期的なメンテナンスはほぼ必要としないなど良いこと尽くめだ。
それに何といっても外観がお洒落。主な建築物には、カトリック教会の総本山イタリアのサン・ピエトロ大聖堂、フォロ・ロマーノ遺跡など枚挙にいとまがありません。
日本国内に目を向けると、有名な建築物には、東京駅や富岡製糸場、迎賓館赤坂離宮などがあります。
館内には東京駅を始め、大阪市中央公会堂、北海道庁旧本庁舎などの模型が展示されており、建築物の全体像を把握できる。そのため、レンガ造りの建築物の素晴らしに改めて気付かされるでしょう。
それにレンガの特性から、火災に強い街づくりを目指した明治の都市計画があることから、レンガの可能性は凄いですね。
旅を続けていると、偶然レンガ造りの建築物にバッタリ出会ったりします。そのたびに足を停めて、その外観をじっくり見物してしまうのは、きっと私だけではないはず。
それほどレンガ造りの建築物には、魅力を感じてやまないですね。
レンガを造る「ホフマン窯」は必見
かつてレンガ製造の主流を占めていたのが「ホフマン窯」です。
館内では、レンガを作る設備「ホフマン式輪窯(りんよう)」の内部を再現したコーナーを設けています。
ホフマン窯は、楕円形の形をしており、焼成室が複数環状に並んでいる構造。一室ずつ順番に焼成室へ火を入れて、その余熱で隣室は乾燥させる仕組みです。
そうすることで、連続的な生産が可能となる。この仕組みを考えた人は天才ではないだろうか。
また、資料映像が上映されていますので、ぜひ視聴してみて下さいね。
レンガを使って楽しく遊べる体験コーナー
館内には、実際にレンガを使って遊べる「れんが積み体験」「れんがパズル」「シルエットパズル」などができます。
れんが積み体験では、レンガを少しずつずらしながら積んでみて、横長の出入り口を作ってみよう。無理に幅広い出入り口を作ろうとすると、高くレンガを積み上げなければならないぞ。
また、シルエットパズルでは、一つ一つのレンガを並べながら動物を作るのは面白い。子供だけでなく大人でも夢中になるだろう。
あらかじめ答えとなる動物のシルエットが提示されているので、じっくり考えて落ち着いてチャレンジすれば、きっと解けるはずだ。
また、赤レンガに関するクイズコーナーがあります。こういう体験できる博物館というのは、自分で色々考えて試せるので楽しいですね。
赤れんが博物館以外の棟を巡る
舞鶴赤れんがパークの倉庫群は、棟によって様々な施設があります。
1号棟の赤れんが博物館以外には、2号から5号棟まであり、それぞれ違った魅力があるので、全てに足を運んでみよう。
2号棟は舞鶴市政記念館です。総合観光受付になっているので、舞鶴赤れんがパークの案内はこちらで確認して下さいね。
また、館内は展示室になっており、縄文時代から現代に至るまでの舞鶴のあゆみを見学できる。
個人的には、近現代の軍港・国際貿易港に発展していった舞鶴の歴史に興味深々。
舞鶴に舞鶴鎮守府が開庁された時に、初代司令長官に任命されたのが、日露戦争で活躍した東郷平八郎提督です。のちに連合艦隊司令長官として、日本海海戦でパーフェクト勝利を成し遂げ、世界中にその名を轟かせました。
東郷提督が乗艦していた連合艦隊旗艦・戦艦「三笠」の模型が飾られています。戦艦といえば「大和」が有名ですが、時代が異なるとはゆえ、三笠が果たした実績は大きすぎる。
その他には、旧日本海軍がまとめた料理本「海軍割烹術参考書」を元に再現した「海軍メニュー」を提供するカフェがあります。
3号棟では、舞鶴を始めとする海の京都エリアの土産物が並んでいます。舞鶴観光のレトロな雰囲気を楽しみながらショッピングとしゃれ込みましょう。
おっ、これは東郷ビールですって~。もともとはフィンランドの輸入品だったそうですが、今は国内で生産されています。それに海軍といえば、海軍カレーを忘れてはいけない。
4号棟の赤れんが工房では、音楽の練習場所や結婚式、披露宴会場としても利用されているという。さらに市民のものづくりの拠点となっています。
5号棟の中は凄く広いですよ。赤れんが倉庫群の中で最も規模が大きい。終戦までは水雷庫として使用されていましたが、今はカフェとして食事や喫茶を楽しめる。
特に海自カレー「ふゆづき」のレシピが人気が高いということで、いざ実食することに。
肉と野菜のうま味が詰まったフォンドボーに、柔らかく煮込んだ牛肉のスライスがGood。濃厚なカレーに仕上がっており、美味しく頂けました。
こちらの棟では、様々な護衛艦の海自カレーが販売されているので、3号棟の海軍カレーと海自カレーどちらを購入しようか迷うならば、両方選ぶ選択肢は「アリ」ですね。
【戦争遺跡の紹介】
赤レンガ倉庫は、かつて海軍で使われていた倉庫を活用しています。国内には、かつて戦争で活用されていた遺跡が多く残されており、一般公開されている。旅先で訪れたそのような遺跡を下記記事で紹介します。
レトロな赤レンガ倉庫が並ぶ「赤れんがロード」を歩く
駐車場から1~5号棟へ向かう通りは、レンガが敷き詰められており、周囲は赤れんが倉庫が連なっています。
そのような道を歩きながら、赤れんが倉庫をじっくり見物してみよう。
見るからに重厚感があり、海外風の雰囲気をまとう外観は、お洒落であり人気が高いのもうなずける。
レンガの積み方には色々ありますが、日本でよく見られる積み方は、イギリス積みとフランス積みの2種類ですね。
こちらに並ぶ倉庫群は、フランス積みであり、美しい意匠は見ていて惚れ惚れします。
フランス積みは、イギリス積みと比べて強度は劣りますが、美しい外観が魅力的。これほど状態が良いものが残っているのは貴重ですよ。
ちなみに明治後期以降では、耐震性を考慮してイギリス積みが多く採用されました。
赤れんが倉庫群に囲まれたメインストリートは、特にフォトジェニックですね。カメラのシャッターを切る指が止まりません。
おっ、こちらのポストは、赤レンガによく映えているではないですか。実はこのポストは現役なので、実際に手紙を投函できるという。
また、赤れんが倉庫をバックして、こちらの文字モニュメント前で記念撮影するのもおすすめ。
3号棟・4号棟を抜けた先には芝生広場があり、テーブルと椅子が並んでいますので、キッチンカーで美味しいものを買って、楽しんでみてはいかがですか。
【カメラに関する話】
赤れんが倉庫をバックにしてカメラ撮影を楽しもう。記憶に残る1枚を撮れた時は嬉しいものですね。下記記事では、カメラに関する話を紹介します。
赤れんが博物館前の広場から舞鶴湾を眺めよう
舞鶴赤れんがパークは、舞鶴湾に隣接してるため、湾内に停泊中の海上自衛隊の様々な艦船を見物できます。
特に赤れんが博物館前の広場に隣接して遊覧船のりばがあり、遊覧船に乗れば湾内グルーズを楽しめる。ガイドさんの説明に耳を傾けながら、護衛艦や舞鶴湾の風景を楽しもう。
間近で迫力ある護衛艦を見られる機会なんてそうそうないので、ぜひ舞鶴湾のクルージングを楽しんで下さいね。
くわしくは、下記関連記事で紹介します。
舞鶴赤れんがパークの基本情報とアクセス
住所 | 京都府舞鶴市北吸1039-2 |
電話番号 | 0773-66-1096 |
営業時間 | 9:00~17:00 |
休館日 | 年末年始(12/29~1/1) |
入館料 | 【赤れんが博物館のみ有料】 一般 400円(300円) 小学生~大学生 150円(100円) 20名以上で団体割引あり、( )内の金額は割引き後の料金 |
【アクセス】
- JR東舞鶴駅から徒歩約10分
- 舞鶴若狭自動車道「舞鶴東IC」から車で約15分
舞鶴赤れんがパークの駐車場
赤れんがパークには、無料駐車場があります。(普通車 500台、大型バス 7台)
また、赤れんが博物館の直ぐ近くには、舞鶴東体育館の駐車場があります。ここは体育館利用者用の駐車場ですので、間違えないように気をつけて下さいね。
まとめ
舞鶴赤れんがパークは、各棟ごとにそれぞれ違った魅力がある観光スポットです。
もちろん建物内だけでなく、重厚なレンガ造りが織りなす景観は、レトロ感が満載。フォトジェニックな撮影スポットとしても魅力的ですね。
特に赤れんが博物館では、唯一無二のレンガの博物館として、楽しく世界中のレンガの歴史を学べます。そのため「へぇ~、そうだったのか」と長年の疑問が解消されるかも。
また、隣接する舞鶴湾では、遊覧船にのって湾内を一周しながら、海上自衛隊の護衛艦などを見物できる。舞鶴赤れんがパークともども舞鶴観光の際には、ぜひ足を運んでみてはいかがですか。