
日本全国には数多くの博物館が存在します。2023年4月時点で約4,400件あったというのだから凄くないですか。
毎年博物館には多くの来場者が訪れており、学びの場として人気が高いですね。
そもそも博物館では、歴史や芸術、科学技術、自然などに関する資料を収集して保管しています。それらの一部を一般公開することで、私たちはその恩恵にあずかっている訳だ。
博物館の中には、唯一無二の展示品をテーマにしていたり、あまり見かけない展示品を公開しているところもある。そのような珍しい博物館は、興味を持つ人が多いだろうな。なので、旅行へ出かけた際には、ぜひ立ち寄りたいですね。
本記事では、広島や岡山など中国地方へ旅行する際に訪れたい、珍しい博物館を紹介します。
博物館の楽しみ方

博物館に対して「堅苦しい」「敷居が高い」「知識がないと楽しめない」といったようなイメージを持つ人は一定数いるものです。
もしそのようなイメージにより、敬遠しているとしたらもったないですね。
博物館の楽しみ方が分かれば、敬遠している人も興味を持つだろうし、もともと興味がある人ならばより楽しめます。
そこで、博物館を楽しむポイントを以下にまとめました。
- 事前の情報収集は大事
- お目当ての展示品はじっくりと見学する
- 見るだけでなく触ったり体験する
- 特別展に注目する
- 解説員や音声ガイドを活用する
くわしくは、下記関連記事で説明します。
中国地方で一度は訪れておきたい珍しい博物館の紹介

北海道・関東・近畿地方など日本全国には、魅力的な博物館が多いのですね。
郷土資料館や自然史博物館など様々なタイプの博物館が存在する中で、ここでしか見ることができな展示品のある博物館というのは、より魅力的に感じるものです。
そこで、中国地方を旅行する際に訪れておきたい博物館を厳選して紹介します。
- 【広島県】てつのくじら館
- 【広島県】大和ミュージアム
- 【広島県】松永はきもの資料館
- 【岡山県】つやま自然のふしぎ館
- 【岡山県】カブトガニ博物館
- 【鳥取県】流しびなの館
- 【鳥取県】青山剛昌ふるさと館
- 【鳥取県】なしっこ館
- 【島根県】奥出雲多根自然博物館
- 【島根県】仁摩サンドミュージアム
どれもこれも名前からして興味を抱きませんか。名は体を表すという言葉があるように、これらの博物館は珍しい展示品を見学できるので期待して下さいね。
それでは、それぞれの博物館について紹介します。
【広島県】てつのくじら館

広島県呉市にて、実物の巨大潜水艦を陸上展示しているのが「てつのくじら館(海上自衛隊呉史料館)」です。
初めて目にした人は、そのあまりにの大きさに「潜水艦とは、なんて大きな乗り物なのか」と驚くに違いありません。
その大きさは全長76m、重さ2,200トンというビッグサイズ。実際に中へ入って当時のまま保存されている艦長室や士官室などの艦内設備の一部を見学できます。
すでに引退しているとはいえ、国家機密に類する潜水艦の内部を見学できるなんて、ここだけではないでしょうか。

てつのくじら館では、海上自衛隊の歴史を始め、掃海艇の活躍や潜水艦の種類や機能など歴史的な資料を通じて学ぶことができる。また、海上自衛隊の皆さんが、重要な任務をこなしているのを感じ取れるだろう。
大規模な展示施設に関わらず「無料」というのだから、行かない手はないですね。
てつのくじら館については、下記関連記事でくわしく紹介します。
【広島県】大和ミュージアム

今も昔も世界最強の戦艦といえば「大和」を思い浮かべる人が多いと思います。
そんな戦艦大和が誕生した地が、広島県呉市ですね。かつて呉市は軍港として栄えました。近代化の礎となった造船や製鋼を始め、当時の日本の持てる力を全て注いで建造したのが戦艦大和だったのです。
大和ミュージアムでは、10分の1サイズの戦艦大和の模型を展示しており、その他にも本物の零戦や人間魚雷「回天」、特殊潜航艇「海龍」などを展示しています。さらに明治時代以降、海軍の町として発展してきた呉市の当時の生活・文化に触れながら歴史を学べるぞ。

屋外には、戦艦陸奥の主砲などの実物も展示されており、隣接する大和波止場では、実物大の戦艦大和の左甲板の大きさを再現した公園が整備されています。
また、大和波止場から望む呉湾には、海上護衛隊の艦船が停泊しているので、園内でくつろぎながら見物としゃれ込みましょう。
大和ミュージアムについては、下記関連記事でくわしく紹介します。
【広島県】松永はきもの資料館

松永はきもの資料館(愛称:あしあとスクエア)は、日本で唯一の履き物関連の博物館です。日本と世界の履き物資料を約13,000点を収蔵・展示しています。
そもそも履き物というのは、日々の暮らしの中で道具として発展しました。館内には、労働・信仰・儀礼・芸能などテーマ別に様々な履き物が展示されているので、じっくりと見物しよう。
靴や下駄など私たちがよく知るものもありますが、下駄一つとっても大人の身長より高い下駄やローラースケート下駄など珍しい履き物を数多く取りそろえているのが面白いですね。
また、プロスポーツ選手のシューズコレクションまで展示されており、興味がある人にとっては大変魅力的だ。

それに履き物だけでなく、日本を含めた世界中の伝統的な玩具を約18,000点も収蔵・展示しています。
敷地内には、はきもの玩具館・宮澤喜一記念館・旧マルヤマ商店事務所(国登録有形文化財)・職人長屋・足あと広場・伝統産業館と多くの施設がありますので、じっくりと見て回りましょう。
松永はきもの資料館については、下記関連記事でくわしく紹介します。
【岡山県】つやま自然のふしぎ館

岡山県津山市のシンボル・津山城(鶴山公園)の入口付近にある「つやま自然のふしぎ館」という博物館。
この博物館では、世界中の絶滅の恐れのある動物や希少動物のはく製を始め、昆虫(蝶々、カブトムシなど)、貝類、化石、鉱石類を展示しています。
展示点数は、約20,000点とボリューム満点なので、実に見応えがありますね。また、館内には人体の脳や心臓、肺などの本物がホルマリン漬けで展示されているのが実に凄い。
初代館長の遺言により実現しました。世界広しとは言え、本物の臓器を展示している博物館なんてここだけでしょう。

展示室は全15フロアに分かれており、「人体の神秘と動物の骨格」「日本とアジアの動物」「爬虫類・両性類(ワニ、カメなど)」「世界の珍鳥」「日本の鉱石・岩」などそれぞれテーマに沿って展示されています。
つやま自然のふしぎ館については、下記関連記事でくわしく紹介します。
【岡山県】カブトガニ博物館

岡山県笠岡市はカブトガニの繁殖地であり、カブトガニの保護啓発運動が盛んに行われています。
そのような土地に相応しく、世界で唯一のカブトガニをテーマにした博物館が誕生しました。建物の外観は、カブトガニをイメージした形状をしているのがお面白いですね。
カブトガニは、2億年も前からその姿を変えず「生きた化石」と呼ばれている生き物だ。そんなカブトガニの生態について、「カブトガニの外部・内部のコーナー」「生きている化石コーナー」「進化のジオラマコーナー」などテーマに分けてくわしく紹介しています。

特にカブトガニは医学の分野で大活躍。カブトガニの血液を使って、人間にとって有害な内毒素を抑える研究が進められているというのだから驚きですね。
カブトガニの血液から製造した検出試験薬が展示されているので、興味がある方はじっくりと見学していこう。
カブトガニ博物館については、下記関連記事でくわしく紹介します。
【鳥取県】流しびなの館

流しびなとは、雛まつりの原点ともいわれる行事です。
紙などで人形(ひとがた)を作ると、この人形をなでて災いを写した後で、人形を川や海に流す伝統行事。源氏物語にも登場しているほどなので、その歴史はかなり古いといえるだろう。
鳥取市用瀬町では、現代に至るまでそのような伝統行事を脈々と受け継いでいます。
そんな用瀬町には、雛の文化を学べる「流しびなの館」があり、京都・金閣寺をモチーフにした外観が特徴的です。
館内には、全国から集められた珍しい雛人形や流しびなを始め、竹田人形、御所人形など約1,000体を展示しているので、じっくりと見学していこう。

用瀬町では、流しびなの館の前を流れる千代川(せんだいがわ)にて、毎年旧暦の3月3日に「流しびな行事」が行われており、無病息災を願います。
流しびなの館については、下記関連記事でくわしく紹介します。
【鳥取県】青山剛昌ふるさと館

「名探偵コナン」といえば、国民的アニメとして子供から大人まで大人気の作品ですね。
青山剛昌ふるさと館では、名探偵コナンの原作者である青山剛昌先生の仕事部屋を再現したスペースを始め、青山先生の作品である「名探偵コナン」「まじっく快斗」「YAIBA」など貴重な資料を展示しています。
また、「名探偵コナン」に登場する発明品やトリックを実際に体験できるのだから面白い。
最寄り駅となるコナン駅(JR由良駅)から青山剛昌ふるさと館までの道筋には、ブロンズ像やマンホール、オブジェなどたくさんのコナンワールドが展開されているぞ。

さらに工藤新一の家や米花商店街といったおなじみの建築物があり、カフェやグッズショップなどが連なっているので、ぜひ足を運んで下さいね。名探偵コナンの世界を存分に楽しみましょう。
青山剛昌ふるさと館については、下記関連記事でくわしく紹介します。
【鳥取県】なしっこ館

鳥取県倉吉市には、世界で唯一の梨の博物館となる「なしっこ館(鳥取二十世紀梨記念館)」があります。
中央ホールには高さが約42mもある二十世紀梨の巨木がお出迎えしてくれる。初めて訪れて人の度肝を抜くだろうな。
館内には、日本だけでなく世界中の様々な梨をたくさん展示。一言で梨といっても、その品種は豊富すぎる。

梨のキッチンギャラリーでは、実際に梨の食べ比べができるのでご賞味あれ。品種による味の違いをぜひ体験して下さいね。
また、梨に関する資料展示やシアター上映により、梨の歴史や魅力を学べます。それに館内のバーチャル梨園では、シミュレーションゲームを通じて楽しみながら梨の栽培方法を体験できるのが面白いですね。
さらに梨のお菓子やグッズを購入できるミュージアムショップがあるぞ。珍しい梨ソフトクリームを味わってみてはいかがですか。
なしっこ館については、下記関連記事でくわしく紹介します。
【島根県】奥出雲多根自然博物館

神話が根付く島根県の奥出雲には、日本で唯一宿泊ができる博物館があります。それが「奥出雲多根自然博物館」ですね。
1~2階が展示室、3~5階は全19部屋の客室フロアになっており、恐竜フィギュアやパネルが飾られた2段ベットの恐竜ルームが子供たちに大人気。
また、宇宙の進化と生命の歴史をテーマにしており、実物大のアロサウルスの骨格標本やアンモナイトの化石などが展示されている。そのため、約40億年におよぶ生命の歴史を体感できます。
展示物は3,000点、所蔵品は20,000点と多く、特に魚類化石の多さの充実度が素晴らしいですね。

宿泊者限定になりますが、当博物館の目玉といってもよいのが「ナイトミュージアム」だろう。昼間と違って館内の雰囲気が一変し、ドキドキしながら展示品を見学しよう。
奥出雲多根自然博物館については、下記関連記事でくわしく紹介します。
【島根県】仁摩サンドミュージアム

島根県大田市仁摩町には、全国でも珍しい砂の博物館こと「仁摩サンドミュージアム」があります。
「砂」「時」「環境」をテーマとしており、砂を使ったアート作品が面白い。特に館内上部に設置された、高さ5.2m、直径1mの巨大な砂時計「砂暦(すなごよみ)」が目を引きますね。
砂暦は、365日をかけてゆっくりと砂が流れ落ちる1年計なんだとか。ギネスに認定された世界最大の砂時計として知られています。
また、砂を使った体験コーナーもあるため、見て触れて楽しめるのがGood。それに毎月変わる砂絵のイラストが描かれた台紙1枚を入館者へプレゼントしているのは嬉しいです。

仁摩サンドミュージアムの外観は、6基の総ガラス張りのピラミッドとなっているのが特徴的。玄関前には、虹をイメージした7色の椅子が並んいるぞ。とても写真映えするスポットですよ。
仁摩サンドミュージアムについては、下記関連記事でくわしく紹介します。
まとめ

本記事で紹介した博物館以外にも、多くの学びを得られる博物館がたくさんあります。
雑誌やパンフレット、企業・個人ブログ、YouTubeを始めとする動画などで、興味のある対象や分野を展示している博物館を探してみよう。
そして気になる博物館を見つけたら、足を運んでみてはいかがですか。近所にないのであれば、旅行をする際にふらっと訪れるのも良し。
博物館の規模にもよりますが、大きいところになると一通り見て回るだけでも2時間以上かかるところもある。なので、できるだけ時間に余裕を持って見学して下さいね。