
自転車は「健康に良い」と思っている人は多いと思います。その一方で、健康に悪いという主張があるのを知っていますか。
まったく正反対の内容なので、気になる人も多いだろう。彼らの意見に耳を傾けると「なるほどな」と思える一面も確かにあるのだから、頭ごなしに否定しないように。健康に影響があるという注意喚起としては役立つし、対処の仕方は色々あるのでご安心して下さい。
そもそも自転車は、運動不足の解消になるし、生活習慣病の改善などの効果が期待できるので、結論をいえば「健康に良い」と考えて間違いないですね。
本記事では、自転車は健康に悪いという主張について紹介します。
自転車が健康に悪いと思う理由

自転車は、ランニングやウォーキングなどと同じ「有酸素運動」です。
そもそも有酸素運動とは、一体何でしょうか。簡単にいえば、酸素を取り入れながら、比較的長い時間かけて行う運動の総称のこと。体内にある糖や脂肪をエネルギー源として活用して、酸素を使って筋肉を動かしています。
そのため、体脂肪が燃焼されるので、冒頭でも触れた通り、動脈硬化や高血圧症などの生活習慣病の予防や改善に効果を発揮。また、心肺機能や筋持久力の向上といった健康に対する影響も大きい。これで、健康に悪いと主張するのは無理があるでしょう。
しかし、サイクリングを行なう環境次第では、見方が180度変わってくる。それが自転車は「健康に悪い」という主張につながっています。
そこで、どのような主張があるのか以下にまとめました。
- 排気ガスを吸い込みやすい
- 過度に紫外線を浴びる
- 食べ過ぎてしまう
- 思った以上に体への負担が大きい
- 性的能力が低下する
これらの主張を一つ一つみていくと、「本当に自転車は大丈夫なの?」と心配してしまいますが、きちんと対処すればいいだけの話ですね。
それでは、それぞれの主張を紹介します。
排気ガスを吸い込みやすい

都市部をサイクリングすると良く分かるのですが、車で移動している人が多いです。田舎と比べると、その違いが段違いですね。
自転車通勤や通学している人と歩行者を比べてみると、自転車乗りの方が車の排気ガスを吸い込む可能性は高いでしょう。
自転車は基本的に車道を走る乗りものなので、歩行者より明らかに排気ガスを浴びやすい環境といえます。とある調査報告では、歩行者より排気ガスに含まれる煤の微粒子(炭素)を、約2倍ほど吸い込んでいるという。
炭素を吸い込んでしまうと、肺機能を低下させていきます。そして、ぜんそくや心臓病の原因になりかねません。そう考えると、健康に悪いという主張も意外に的外れでないかも。
交通量が多い道路を走ると顕著になっていきますが、反対にいえば、交通量が少ない道を走れば解決する問題なので対処はそれほど難しくないです。
また、息苦しくはなりますがマスクを装着するのも効果的。車が通らない場所というのは、サイクリングロードなどの専用道路ぐらいしかないと思うので、排気ガスを浴び続けないように工夫して下さいね。
過度に紫外線を浴びる

通勤や通学などに自転車を使っている人の中には、帽子をかぶらずに半そでシャツのままで走っている人を見かけます。
そういう人たちは、おそらく太陽の紫外線が当たるリスクについて、それほど深く考えていないと思いませんか。
一方、ロードバイクなどで長時間自転車趣味を楽しんでいる人は、きっちりと紫外線対策をしている人が多いです。
この紫外線の影響ですが、多くの人は「日焼けする」といった認識程度なのではないだろうか。日焼けが人体に及ぼす影響を理解していないと、大変な目に陥る危険があるので侮らないように。
そもそも日焼けとは、紫外線によって皮膚が炎症を起こしている状態のこと。つまり、一種の火傷の状態ですよ。これが普通の状態でないのは、誰だって分かると思います。
適度な日光浴であれば、骨の成長を助けるビタミンDの生成や、気持ちを落ち着かせるセロトニンの分泌を促してくれますが、浴び続けると途端に牙を向いてくるのが怖いところ。
過度な紫外線を浴び続けていれば、皮膚に損傷が蓄積されるので、突然変異を起こすことも。その結果、皮膚がんや日光アレルギー(慢性光線過敏症)、白内障を引き起こします。
サイクリング中に紫外線から肌を守る方法は、シンプルに肌の露出を極力抑えた服装を着ること。特にUVカット効果の高い服装が効果的ですよ。そして露出した肌には、きちんと日焼け止めクリームを塗れば対処できます。
食べ過ぎてしまう

運動をした後は、食事がとにかく美味しいですね。体がエネルギーを補給しようとして食欲が増しているため、つい食べ過ぎてしまいがちになる。
また、長距離を走っていると、カロリーメイトなどの補給食が美味しいこと。そんな経験をした人も多いのではないだろうか。
走る距離が長くなるほど消費カロリーが大きくなりますが、食事による摂取カロリーが消費カロリーを上回ってしまうと意味がありません。
自転車は、ランニングやウォーキングと比べて少ない力で移動できるし運動量も少ない。なので、食べ過ぎで栄養を取りすぎてしまうと肥満になりやすいです。
肥満になると、糖尿病や高血圧、脂質異常症、心臓病など様々な生活習慣病のリスクが高まり、健康に与える影響が大きすぎます。
「1日の消費カロリー > 1日の摂取カロリー」この考えを基にして、正しい食事を心掛けるようにしましょう。
思った以上に体への負担が大きい

自転車は、意外に思われるかも知れませんが全身運動です。ペダリングによる下半身の運動以外にも、バランスを保つための体幹や、ハンドルを操作するために腕の筋肉が使われます。
そのため、サイクリングをした翌日に「昨日の疲労が抜けていない」「体がだるい」といったような症状がでることも。思ってた以上に体に対するダメージが大きいことに気が付くでしょう。
ハードな運動を続けていると、エネルギー源(糖質)が枯渇しやすいし、細胞が酸化しやすくなる。そうなると、疲労が蓄積されていきます。
また、坂道などを一気に上っていると、心拍数が上がるので、心臓に負担がかかっているのが分かるかも。ちょっとした坂道ならば大したことありませんが、慣れていない状態では、急坂や勾配が10%以上の劇坂ともなると骨身にこたえます。
健康に問題がない人であればいいですが、そうでなければ怖いかな。なので、無理なヒルクライムは頑張らずに、自分の体力に合わせてペース配分を考慮しながら走るのが最適です。
性的能力が低下する

嘘か本当か分かりませんが、一説によると自転車の乗り方次第では、性的能力が低下する原因になるといわれています。
自転車のサドルを見ると分かるのですが、先端部分が突き出す形状をしているでしょ。そのため、前方に体重が集中してしまうことで、陰部を圧迫してしまう。
その結果、血行が悪くなるので性的能力が低下するそうですよ。これは男性だけでなく、女性にも影響があるといわれています。もし本当であれば恐ろしすぎるぞ。
気になる人は股間の血行が悪くならないように、サドルに座るポジションを工夫しよう。また、圧迫を感じているのであれば、サドル自体を交換するのもいいのかも知れないですね。
健康よりも交通リスクが心配

自転車は、健康以上に交通リスクを心配する人が多いと思います。事故でケガをすれば、当然体にも悪い影響がでるのは当たり前ですね。
その他にも交通事故による被害の大きさにより、自分だけでなく周囲に与える影響も大きくなります。たとえば、衝突により相手に損害を与えれば、損害賠償をしなければいけませんし、状況次第では刑事罰に該当することも。事故によって発生する費用というのは、決して馬鹿になりません。
賠償額は、たとえ自転車でも車やバイクによる事故と変わらず、怪我の治療費だけでなく、仕事の休暇期間に対する給与の補填、慰謝料などを賠償します。もし、相手に後遺症が残ったり、死亡したりすると高額賠償になることも。過去の判例では、約1億円の高額賠償の判例が出されました。
自転車に乗る以上、落車など交通事故の危険性はいつもあります。なので、無理な運転をせず、周囲への配慮を怠らないことが大事。そして、交通ルールをしっかりと守りましょう。
まとめ

本記事では、自転車は健康に悪いという主張について紹介しました。
最期にもう一度、その主張を以下にまとめます。
- 排気ガスを吸い込みやすい
- 過度に紫外線を浴びる
- 食べ過ぎてしまう
- 思った以上に体への負担が大きい
- 性的能力が低下する
これらの主張については色々対策があるので、個人的にそれほど心配はしていません。
健康面の影響を理解して自転車を楽しむことが大事なので、自分に合うような形で取り入れていくのが良いのではないかと思います。