誰しもが、一度は渡ってみたいと思わせる見事な橋が、山口県岩国市にあることをご存じですか。
それが日本三名橋の1つに数えられている「錦帯橋」ですね。山口県有数の観光スポットとして、多くの観光客でにぎわう木造橋ですよ。
横から見ても、下から見ても、そして上から見てもその美観にうっとり。人を惹きつけてやまない魅力がたまりません。
特に複雑に組み合わさった組木の技法は見ごたえ抜群。ぜひじっくりと見物しましょう。
本記事では、錦帯橋の楽しみ方や何がすごいのかに焦点をあて、その魅力を紹介します。
日本の三名橋「錦帯橋」とは
錦帯橋は、山口県岩国市に位置し、全長約200mの美しい五連アーチが印象的な木造橋です。
所説はありますが、東京の日本橋、長崎の眼鏡橋とともに日本の三名橋に選ばれており、毎年多くの観光客が訪れます。
江戸時代初期の1673年に岩国3代藩主・吉川広嘉(きっかわ ひろよし)によって建造されました。
春には桜が舞い、夏には新緑が映え、秋は紅葉が美しく、冬は雪景色が色を添える、四季や時間帯により様々な表情を見せてくれます。
まさに何度でも足を運びたくなる風情を感じる人気スポットですよ。そういう場所ですから、とても写真映えがするので、カメラの準備を入念にしよう。
また、錦帯橋が架かる錦川では、夏の風物詩として花火大会や鵜飼を遊覧船から観賞できるので、日本の伝統文化を楽しんでみてはいかがですか。
錦帯橋から見える城山山頂には、岩国城が小さく見えており、このお城と城下町を結ぶのが錦帯橋ですね。その存在感は、今も昔も変わりません。これらのことから、錦帯橋は岩国のシンボル的な存在です。
1922年3月には、史蹟名勝天然紀念物保存法により、名勝に指定されました。
【周辺の見どころ】
錦帯橋周辺の見どころを、下記記事で紹介します。
錦帯橋の楽しみ方、渡る・見る・撮るを満喫しよう
錦帯橋が誕生してから既に350年以上が経過しており、様々な人たちがこの橋を一目見ようと訪れています。
聞くところによると、徳川将軍家に嫁いだ篤姫が、江戸へ向かう途中に、わざわざ遠回りしてまで足を運んだとか。それほど、昔から変わらない魅力を醸し出していますね。
そんな錦帯橋の主な楽しみ方は、主に以下の2つです。
- 錦帯橋を渡りながら風景を楽しむ
- 錦帯橋を様々な角度から見物や撮影を楽しむ
それぞれについて、説明します。
錦帯橋を渡りながら風景を楽しむ
錦帯橋の両端には、料金所がありますので、まずはここで渡橋料を支払いチケットを購入しよう。
もし、錦帯橋だけでなく、ロープウェイを利用して岩国城へ向かうならば、セット券を購入するのがおすすめです。
ちなみに、料金所の営業時間外に橋を渡る場合は、料金箱に料金を入れて渡りましょう。
錦帯橋へいざ足を踏み入れると、1つめのアーチは緩やで余裕で歩けますが、中3つは急カーブになっている。見た目から歩きずらいかなと思えるけど、ご安心して下さい。
階段とスロープの組み合わせにより、思ったよりも全然歩きやすいですよ。この橋に階段を取り入れた珍しい構造は、設計段階での工夫が見て取れますね。
橋の上からは、清流・錦川が織りなす景色が素晴らしい。さらに川面へ目を向けると、透明度の高い水の中で、泳いでいる魚を見かけることも。
アーチの上と下では、雰囲気が違うので両方から景色を眺めて撮影を楽しみましょう。
ご家族で来られた方は、錦帯橋の幅は5mと広く、並んで歩いても窮屈じゃないですよ。必要に応じて小さなお子さんの手を取って並んで歩くとよいですね。
また、全長は約200mほどしかないため、ゆっくり歩いても、向こう岸に辿り着くまで5分もあれば十分です。
下河原駐車場側の錦帯橋入口から渡り始め、対岸へ辿り着くと、目の前には吉香公園(きっこうこうえん)の入口がみえてきます。園内には、飲食店が建ち並んでおり、その中でも面白いのがソフトクリーム店ですよ。くわしくは後でお話しますのでここでは割愛。
橋を渡り終えて左手側には、河川敷へ降りる階段があるので降りてみよう。そこには「槍倒し松」が植えられている。斜め上に槍のように伸びるその様は実に見事で、錦帯橋とのツーショトは趣を感じるでしょう。
春になれば、「錦帯橋まつり」が開催され、錦帯橋を華やかな大名行列が練り歩く姿を見物できます。さらに岩国太鼓の演奏や岩国藩鉄砲隊による演武など、様々なイベントが楽しみですね。
【珍しい橋・美麗な橋の紹介】
旅先では、珍しい橋や美麗な橋などを見かける機会が多いですね。下記記事では、そんな橋を紹介します。
錦帯橋を様々な角度から見物や撮影を楽しむ
錦帯橋は、周囲の景色と相まって、とても写真映えするスポットです。そのため、様々な角度から橋を眺めたり、撮影に時間をかけたいですね。
河川敷へ降りると、錦帯橋を渡っている時と違って、よりアーチが際立ちます。また、橋台を支える石垣の橋脚も太く立派でいい感じ。
こちらは、橋の裏側。繊細に木を組み合わせて造られていることがよく分かる。
均一に組込まれているのが、とても美しく感じました。アングルによって見られる景色が違ってくるので、自分にとってベストポジションを探してみよう。そういう楽しみ方ができます。
様々な角度から撮影した錦帯橋を、ダイジェストで紹介。
実はもう一箇所だけ、上から撮影できるスポットがあるので紹介します。それは、岩国城ロープウェイで登って辿り着く、山頂駅周辺の広場ですよ。ここには、展望台が整備されており、岩国市街や錦川が蛇行しながら瀬戸内海へいたる様子を一望できる。
当然、上から錦帯橋が見えますが、肉眼では小さすぎるかな。そこで、双眼鏡があると便利です。
こちらは、カメラのズーム機能を使って撮影した錦帯橋。上から見ても五連のアーチがよく分かりました。
錦帯橋は、日が落ちると特定の期間内ではライトアップされます。幻想的に浮かび上がる景色を楽しみましょう。
ライトアップのスケジュールは以下の通りですので、興味がある方は、ぜひ足を運んでみて下さい。
ライトアップのプログラム
- 春季:3月下旬から6月1日まで
- 夏季:8月上旬から1月中旬まで
- 時間:日没~22:00
錦帯橋は、時代劇などのロケ地として使用され、日本の風情を感じられる。このような名橋は、いつまでも後世へ伝えていきたいですね。
【旅に持っていきたい便利なアイテム】
旅の道中に持っていきたい便利なアイテムを、下記記事で紹介します。
錦帯橋は一体何がすごいのか
「錦帯橋のすごいところ1つあげろ」といわれたら、「流されない橋だ」と答えるとよい。正確にいえば、洪水対策をこれでもかと思うほど施されている橋ですよ。
実は、錦川はあばれ川として知られ、過去に何度も洪水で錦帯橋は流されてきました。その都度、歴代の職人たちは流されない強固な橋を造ろうと、もてる技術を積み込むことに。
そして、木を組み合わせることで、上から圧がかかり強度が増す仕組みで再建。さらに水の圧力を軽減するために、流線型の形状で造るなど様々なアイデアを採用しました。現在の橋は、平成になって架け替えましたが、昔ながらの技法を使っています。
錦帯橋を下側から見ると、圧巻な組木の技法を目にできますね。
【見ごたえ抜群の建築物・建造物の紹介】
錦帯橋のように見ごたえ抜群の建築物や建造物を、下記記事で紹介します。
錦帯橋の有名なソフトクリーム店、武蔵と小次郎
錦帯橋を渡った先にある吉香公園では、飲食店やお土産物屋が建ち並んでいます。
岩国では、れんこんが名産なので、れんこん天やコロッケ、みたらし団子などが食べられる。その中でも注目なのがソフトクリーム店ですよ。
園内には、競い合うように2つのソフトクリーム店が営業しており、それが「佐々木屋小次郎商店」と「日本一ソフトクリームむさし」です。
名前にはなんと「武蔵」と「小次郎」の名前がついているじゃないですか。まさに宿命の対決を思わせる。時代を超越し、再び相まみえる剣豪たち。剣をソフトクリームに変えて、平和的にバトルを繰り広げているのかな?
どちらの店もバラエティー豊富なソフトクリームを取り揃えていますので、食べ比べしてみるのも面白いですね。
ちなみに今回私が頂いたのは、佐々木屋小次郎商店のソフトクリームで、とても美味しく頂きました。なぜこちらを選んだかといえば、たまたまもう1つの店舗「日本一ソフトクリームむさし」が定休日だったため選択肢がありません。
「日本一ソフトクリームむさし」は「ナニコレ珍百景」にも登場し、2023年の時点で200種類のソフトクリームがあるという。私は、過去に何度も錦帯橋へ訪れており、その都度ソフトクリームを買っていたのですが、前回訪れたときは140種類ぐらいだった記憶がある。いったいどこまで増え続けるのか、今後も目を離せないかな。
佐々木小次郎つながりで、注目したいのが剣豪佐々木小次郎の像ですね。佐々木小次郎の出身地は諸説ありますが、岩国といわれています。
吉香公園から少し離れたところには、小次郎の像がありますので、お見逃しなく。
錦帯橋の基本情報とアクセス
住所 | 山口県岩国市岩国1丁目 |
電話番号 | 0827-29-5107(岩国市役所 錦帯橋課) |
料金所の営業時間 | 夏期 8:00~18:00(夏休み期間中は19:00) 冬期 8:00~17:00 ※時間外に入橋する際は、料金箱に料金を入れること(入橋は24時間可) |
定休日 | なし |
入館料 | 大人(中・高校含む)310円(260円) 小学生 150円(120円) ※15名以上で団体割引きあり、( )内の金額は団体割引き後の料金 |
【アクセス】
- JR川西駅から徒歩約15分
- JR新岩国駅からバスで約15分
- JR岩国駅からタクシーで約15分、バスで約20分
- 山陽自動車道「岩国IC」から車で約10分
錦帯橋の駐車場
錦帯橋下河原駐車場を利用しましょう。普通車は平日に無料で利用できますが、バスは1日1,000円の料金がかかります。(普通車 300台)
ただし、普通車でも3月~5月、9月~11月の土日祝日や、花見シーズンの平日は有料です。(普通車 300円/台)
また、横山河川敷運動広場にも無料駐車場があります。(普通車 30台)
まとめ
錦帯橋は、古くから訪れる人たちを魅了し続けてきました。日本三名橋の1つに数えられている日本を代表する木造橋であり、その造形美には脱帽です。
様々な角度から錦帯橋を眺め、カメラにその姿をおさめてみてはいかがですか。周囲の風景と溶け込んだ、その美しい佇まいをどのように撮影するのかが、現代の楽しみ方といえますね。
また、周辺には岩国城や吉香公園、岩国白蛇神社など見どころがありますので、合わせて訪れるのをおすすめします。