2泊3日の香川旅の2日は、香川県内でも名の知れた公園を巡ります。
もちろんただの公園ではなく、見どころ満載で香川県へ訪れたら足を運びたい観光スポット。ズバリ名前を挙げると「瀬戸大橋記念公園」と「栗林公園」だ。
端的にいえば、瀬戸大橋記念公園では、瀬戸大橋の架橋の意義や歴史を学べ、間近で迫力ある瀬戸大橋の景観を楽しめる。一方、栗林公園は、ミシュラン三つ星を獲得した美しい庭園です。
私自身は過去に何度か訪れたことがありますが、何度でも行きたくなる場所ですね。さて、本日はどのような表情を見せてくれるのか、今から楽しみです。
ちなみに、初日は「天空の鳥居」で知られる高屋神社へ向けてヒルクライムをしたり、父母ヶ浜(ちちぶがはま)の夕景が印象的でした。(初日の旅の様子は、こちらの記事で紹介。)
本記事では、香川県観音寺市から高松市まで自転車で旅をした様子をお届けします。
観音寺駅から旅立つ
本日は、雲一つない晴天でまさに旅日和です。昨日は観音寺駅周辺のホテルへ宿泊し、ゆっくり旅の疲れを取りました。
特に用事がある訳ではありませんが、個人的に好きな駅巡りの一環として、観音寺駅へ立ち寄ることに。やはり町の玄関口となる駅というのは、特別なものを感じてしまう。そういう風に思うのは、私だけでしょうかね。
さて、ここから北上して瀬戸内海沿岸へ辿り着いた後は、進路を東へとり、坂出市にある「瀬戸大橋記念公園」を目指します。ということで、早速出発しましょう。
【自転車旅に役立つアイテムを紹介】
自転車旅に役立つ様々なアイテムを、下記記事で紹介します。
宅間町で浦島太郎のモニュメントに出会う
財田川沿いの観音寺善通寺線(県道49号)を走り、途中から岡本高瀬線(県道224号)へ分岐。そのまま道なりに進み、途中から豊中三野線(県道35号)を疾走する。
自転車のペダルを回す足は、実に軽やかだ。そのまま北上を続けていると、三豊市宅間町へ入りました。
宅間町には荘内半島があり、浦島太郎伝説の発祥の地として知られています。でも浦島太郎伝説は、北は北海道から南は沖縄まで、多くの地域で数々の伝説が伝わっている。宅間町もその中の1つということ。三豊市では、この浦島太郎伝説について、力を入れてアピールしていますね。
今回の旅では荘内半島へ足を運びませんが、その代わりに宅間町の玄関口となる宅間駅へ立ち寄ることにしました。駅巡りが好きな人の性(さが)だと思って下さいませ。
そこで目撃したのは、なんと浦島太郎がカメを助けた場面を再現しているじゃないですか。奥の方には、いじめっ子たちの姿も見て取れます。さすがは、三豊市が力をいれているだけあって、玄関口の駅にもアピールを欠かさない。やるじゃない!
そんな再現モニュメントをまじまじと見学していると、駅前にコミニュティバスがやってくる。
ただそれだけならば、私は特に気にしたりしませんが、次々やってきたコミニュティバスがそろうと、「青・黄・橙」と何ともカラフルな出で立ちに。まるで信号機のごとしだ。
偶然か必然かは分かりませんが、珍しい光景に思わず口角を上げて喜びます。なんだかいいことが起こる前ぶりなのかも知れないと思いました。(笑)
宅間駅を後にして、いつしか瀬戸内海沿岸を駆け抜けていると、左手側には海に浮かぶ小さな島が見えてきた。あれが津島でしょう。
沖合から津島に向けて長い橋でつながっており、津島全体に社殿が鎮座していることが見て取れる。そうです、この神社は津嶋神社の本殿。幻の神社と呼ばれている特別感が際立つ神社ですよ。
幻の神社と呼ばれる「津嶋神社」へ参拝
津嶋神社の本殿がある津島へは、毎年8月4日と8月5日の年に2回のみ渡れる特別な島です。これらの日は、夏季大祭が開催されており、早朝から夜まで子供連れの参拝者で賑わうことで知られています。
まずは、鳥居をくぐり抜け、拝殿にて参拝しました。ご祭神は素戔嗚命(すさのおのみこと)です。彼は、ヤマタノオロチ退治の神話で知られる英雄ですね。
本殿のある津島へ向けて歩き、津島橋を確認。確かにこれでは渡れない。
入り口が封鎖されているだけでなく、本来ならば橋桁に敷き詰められる板が外されるほどの徹底ぶり。過去に何かあったのかしら。
津嶋神社では、子供の守り神として300年以上の歴史がある。それにフォトスポットとしても素晴らしい。ということで、様々な角度からカメラ撮影を楽しんでいた次第です。
周囲には、潮干狩りが出来る遠浅の海岸があります。また、浮世絵師で有名な歌川広重が諸国名所百景「讃岐久保谷のはま」として描いた場所ですよ。
せっかくなので、最寄り駅へ行ってみると、面白いことに気が付きました。
こちらの駅名標をよ~く、ご覧ください。パッと見ただけでは、気付かないかも知れませんが、前後の駅の「駅番号」に注目。詫間駅は「Y14」、海岸寺駅は「Y13」、つまり津島ノ宮駅には、駅番号がついていない。これ間違いじゃないですよ。
実はこの駅は「臨時駅」のため駅番号がありません。それに夏季大祭の期間のみ営業しており、その他の363日は営業していない。
そんな珍しい駅は、日本全国にも数えるほどしか存在しないので、この駅で途中下車して、津嶋神社へお詣りに伺うのはワクワクしますね。
津島ノ宮駅のホームで電車が通過するのをしばらく待ちながら、しばしの休憩を取りました。
【カメラに関する話】
旅の道中では、カメラ撮影を楽しもう。下記記事では、カメラに関する話を紹介します。
瀬戸大橋記念公園へ向かう道中にて
津島ノ宮駅を後にし、丸亀・宇多津方面へ向かいます。四国の道を走っていると、よく見かける機会が多いのがブルーラインですね。
その中には、四国一周サイクリングルートに敷設する路面案内用のものがあり、これがあるモデルコースを走り続けていると、約1,000kmで四国を走破できるという訳だ。
約1,000kmと聞くと、ものすごく大変そうに思えるけど、1日100km走破すると考えれば、日程的には10日もあれば達成できる。
実際、天候不順で走れなかったり、休養日や観光などを考慮すれば、もう少し時間がかかるだろう。時間を作って、いずれはチャレンジしてみたいものですね。
瀬戸内海の景色を横目で眺めながら、さぬき浜海道(国道21号)を駆け抜ける。しばらくすると、漁港や商店、民家などが人が集まる場所へ入りました。そして、左手側に見えてきたのが「中津万象園」です。
中津万象園は、本日訪れる予定の「栗林公園」とともに香川の二大名園に数えられている。
ここも素晴らしい庭園なので、また訪れたいですね。そんなことを考えていると、いつの間にか本島行きのフェリー乗り場へ辿り着いていました。
本島へはまだ一度も行ったことがないので、いつか訪れたい。
戦国時代には塩飽水軍が活躍し、江戸時代から戦前にかけて建てられた100棟あまりの建物が続く町並みが残る。国の伝統的建造物群保存地区に指定されているので、見応えがあるだろう。
京極大橋を渡っていると、眼下には太助燈籠が見えてきた。
1年前だったか、この場所を起点にして丸亀から琴平まで先人たちが歩いた金毘羅街道を進み、金刀比羅宮(こんぴらさん)へ向かったのは良い思い出だ。
宇多津町へ入ると、瀬戸大橋記念公園までもう10kmもない。目の前には、そびえ立つゴールドタワーが現れる。
近くで見上げれば、その迫力はそうとうなもの。高さ158mのタワーには、展望デッキが備えられており、瀬戸内海の景色を一望できる。
また、万華鏡にきらめく光と金魚のコラボレーションを楽しめる天空のアクアリウム「ソラキン」が有名ですね。
四国水族館の前を通過し、進路は北東へ向ける。そして、瀬戸大橋と並走しながら自転車を前へ推し進めていると、瀬戸大橋記念公園へ辿り着きました。
間近で見る瀬戸大橋に大興奮!
瀬戸大橋記念公園は、1988年(昭和63年)に瀬戸大橋の完成を記念して整備されました。
瀬戸大橋といえば、本州の岡山県倉敷市と四国の香川県坂出市を結ぶ全長約12.3㎞におよぶとてつもなく長い橋だ。「世界一長い鉄道道路併用橋」としてギネス世界記録を認定している。
個人的には、一度でよいので自転車で横断してみたい。しかし、現実的には本州と四国を結ぶ大動脈なので難しいだろう。
園内は、瀬戸大橋を眺望する最高のロケーションとして有名。ということで、いくつものビュースポットがあるので、隅々まで歩きますよ。
青空の下、瀬戸内海と瀬戸大橋のコラボレーションに大興奮!
そんな景色を目の当たりにすれば、気分が良いものですね♪♪♪
さらにカメラのズーム機能を使ったり、双眼鏡を使えば、瀬戸大橋の状態がクッキリ見えるので、面白いですよ。
瀬戸大橋最初の提唱者である、元香川県議会議員・大久保諶之丞(おおくぼ じんのじょう)氏は、完成した瀬戸大橋を見て何を思うのだろうか。
園内には、瀬戸大橋の意義や歴史、架橋工事の全貌や架橋技術などについて学べる「瀬戸大橋記念館」が建てられているので立ち寄りました。
模型や映像などを使い、分かりやすく丁寧に紹介しているので見ていて面白いですよ。
園内で一番のビュースポットとして外せないのは、「瀬戸大橋タワー」ですね。UFOのような円盤型の展望室が特徴的。
高さ108mまでゆっくり上昇し、そこから3回まわり瀬戸内の景色を眺望できる。瀬戸大橋と瀬戸内海の多島美、坂出の工業地帯などの景観を楽しみました。
その際、隣接する沙弥島が見えて、足を運ぼうか真剣に悩む。しかし、時間的に島内を見物するのは難しいので、またの機会に訪れることにします。
その他にも浜栗林、水の回廊、芝生広場など魅力的な見どころが満載です。春には桜、夏の新緑、秋は紅葉が素晴らしい。冬になると、空気が澄んでいるので、より抜群の景色を楽しめる。
ゆっくり園内を見て回り、しばし休憩を取りました。尚、瀬戸大橋記念公園については、下記関連記事でくわしく紹介します。
高松市へ向けて疾走
瀬戸大橋記念公園を後にして、高松市へ向かうには、海岸線か内陸部を走ることになる。
海岸線のコースでは、風光明媚な景色を楽しめるが、入り組んだルートなので、その分遠回りになります。一方、内陸部のコースでは、のどかな田舎の景色が広がっている。
距離にして約10kmほど違ってくるので、栗林公園の観光を考えれば、できるだけ早く到着した方がよい。ということで、内陸部を自転車で疾走しました。
道中では、頂きが真っ平の山を見ると「まるで屋島だ!」と思い、不思議とテンションアップ。位置的に屋島のはずではないのですが、私の頭の中では、「平たい山=屋島」となっている。(笑)
まっ、それだけ屋島のインパクトが大きいということで。
それにしても、のどかな景色は気持ちが良い。まったく変わり映えしない景色が続くと、飽きてしまう人が多いと思うけど、個人的には割と平気だ。ただし田舎の景色限定ですけどね。
四国を旅していると、お遍路さんをよく見かける機会が多い。本日も白装束で歩くお遍路さんを見かけた。自転車でお遍路旅をするのも楽しいだろう。
そんなことを考えていると、辺りは田舎の景色から都市部の景色に変わってくる。よいよ高松市街へ入ります。
そして、国道11号へ合流。そのまま北上すると、栗林公園(りつりんこうえん)へ到着しました。
【高松市の見どころ紹介】
香川県高松市の見どころを、下記記事で紹介します。
栗林公園の観光
栗林公園は、日本国内の庭園の中でも最大の広さを誇る特別名勝であり、400年近い歴史を有する回遊式大名庭園です。
園内に駐輪場があるので、そこに自転車をとめて受付にてチケットを購入。その際、いっしょに園内のマップも手に入れよう。
園内は平庭部のみでも約16haもあり、これは東京ドーム3.5個分の広さに当たる。なので、やみくもに歩いていると、見物に2時間以上はかかるだろう。
主な見どころは、南庭回遊コース(約60分)に集まっているので、時間が取れない方は、こちらのコースを見て回るだけでも満足度は高いですね。
園内には、1,000本以上の見事な黒松と、6つの池、13の築山があり、それは見事な景観を造りあげています。なので、時間を気にしてせかせか歩くのはもったいない。
まだ、日が暮れるまでには、しばらく時間があるのでゆっくり歩きながら、一歩歩くごとに風景が変わる「一歩一景」といわれる景色を楽しみました。
特に小高い丘の「飛来峰(ひらいほう)」と「芙蓉峰(ふようほう)」からの眺望は必見です。飛来峰では、背景に紫雲山を配し、眼下には南湖にかかる優美な偃月橋の姿など、全体的に絵画のような景観に思わず「うぉ~、素晴らしい!」と感嘆しました。
実際、何度でも訪れたくなる景観ですよ。また、園内には、掬月亭・日暮亭・吹上亭・花園亭など数多くの休憩・食事処があるので、のんびり過ごしましょうね。
特に掬月亭では邸内を見学して、殿様気分を味わった次第です。また、フォトスポットとしても優秀なので、お見逃しなく。
栗林公園をじっくり見学していると、いつの間に青空から薄い雲に覆われていました。そして、オレンジ色に染まってきたので、暗くなる前に本日のお宿へ向かいましょう。こうして本日の旅は終わりを告げました。
尚、栗林公園については、下記関連記事でくわしく紹介します。
まとめ
本日の公園巡りは、有意義な時間を過ごせました。瀬戸大橋記念公園では、瀬戸大橋の意義や歴史に触れたり、瀬戸内海と瀬戸大橋を織りなす景色に大興奮。
うん、何度見て素晴らしいですね。ちなみに岡山県側では、鷲羽山や王子ヶ岳から瀬戸大橋が佇む眺望には、拍手喝采を贈りたい。
また、栗林公園では、1,000本以上の黒松と景観のよい池や優美な橋など全体的に調和のとれた庭園であり、これならばミシュラン三つ星もうなずけます。
どちらの公園でも、ゆっくり過ごしたため、穏やかな気持ちで過ごせた1日だったかな。
さて、明日は3日目の最終日。大串半島の先端にある大串自然公園へ向けて、ヒルクライムを満喫する予定です。