岡山県津山市を巡る自転車旅を行ないます。津山市は、岡山県北部に位置し、県内で第三規模の都市ですよ。
さらに県北の美作地方および津山都市圏の中心都市となっています。かつては県北の雄都と呼ばれていました。
そんな津山市には、シンボル「津山城」を始め、国の重要伝統的建造物群保存地区(通称:重伝建)に指定された城東(じょうとう)地区の町並みや、津山まなびの鉄道館、中山神社など見どころが目白押し。
本記事では、津山市街を中心に自転車で巡りながら、様々な観光スポットへ足を運んだ様子をお届けします。尚、津山城へは先日訪れたので、本日はスルーしましたので悪しからず。
輪行で津山市へ行こう
とある土曜日の朝、私は岡山駅で輪行の準備をしていました。
本日の旅は、津山市を巡る旅。岡山市街から津山市街までは約60kmほど離れているので、5~6時間ほど観光することを考えれば、自走していくには時間が足りない。
ということで、本日は電車で津山市へ向かいます。
電車の出発時刻は7時1分。津山線は、1時間に1~2本しかないので乗り遅れると大変ですよ。電車は2両編成。1両しか確認してはいないけど、6割ほど席がうまりました。
車掌さんにお話を伺うと、平日の今の時間帯は学生が多くかなり込むとのこと。やはり、平日を避けて正解でしたね。
定刻になり、電車が動き出す。車窓からは都市部の景色が見て取れますが、それも数分経つと、すっかり田舎の景色に早変わり。
まぁ、岡山市は岡山駅周辺はネットで騒がれる「大都市岡山」のイメージ通りですが、郊外へ出ると田舎ですからね。
電車に揺られ約1時間30分ほどで津山駅へ到着。中々の遠距離です。実は岡山駅から尾道駅の方が時間的に近い。尾道駅までならば山陽本線で約1時間20分ほどで到着するので、しまなみ海道へ向かうのに重宝しています。
輪行袋からロードバイクを取り出し、テキパキと組み立てる。出発する前に駅周りを見てみよう。
ロータリーの一角には、蒸気機関車・C11-80の1両が展示保管されています。ディーゼル車両が多用化されるまで、支線の旅客列車用に造られました。
それにしても、SLはロマンを感じますね。これから向かう「津山まなびの鉄道館」では、そんな車両をたくさん見学できる。実に楽しみです。
【輪行に関する話】
輪行が使えるようになると行動範囲が広がりますね。下記記事では、輪行に関する話を紹介します。
津山まなびの鉄道館を見学
津山まなびの鉄道館は、津山駅に隣接していますが、施設の入口までは徒歩約10分ほどかかる。けれど、自転車なので、あっという間に到着しました。
津山まなびの鉄道館では、まず始めに度肝を抜かれるのは巨大な扇形機関書庫(旧津山扇形機関車庫)でしょう。このタイプの機関書庫は世界的にも数が少なく大変貴重。本鉄道館にあるのは、国内第2位を誇る大きさですよ。
また、機関書庫前の転車台も見逃せません。転車台を中心に、放射状に延びる線路の先には旧津山扇形機関車庫があり、その曲線を描く外観は美しい。さらに車庫にはレトロな車両が並んでいます。
その光景は鉄道ファンはもちろんですが、そうでなくても十分魅了的ですね。私なんて終始ワクワクしっぱなしでした。(笑)
こちらは、「デゴイチ」の愛称で知られるD51形蒸気機関車。う~む、惚れ惚れする外観ですね。「D51 2」のネームプレートが私には眩しすぎる!
今でも一部の地域では、現役で運行されており、昔から根強いファンが多い名車ですよ。
こちらは、「DE50形ディーゼル機関車」です。この車両は国内で1台のみしか製造されておらず、津山まなびの鉄道館でなければ見学できないので、お見逃しなく。
その他にも、鉄道の構造や技術などを学べたり、岡山県の鉄道の歴史を学べたりできる。また、鉄道グッズもあり、ここでしか入手できないオリジナル商品もあります。
津山まなびの鉄道館の見学を終えると、次は中山神社へ向かいました。
津山まなびの鉄道館については、下記関連記事でくわしく紹介します。
中山神社へ向かう道中にて
吉井川に架かる橋を渡り、県道68号線を北上。しばらく道なりに進みます。
次に向かう中山神社は、美作国(みまさかのくに)の一宮ですよ。創建は707年(慶雲4年)と古く、由緒正しい神社ですね。
約4.5kmほど走ると宮川へ合流。宮川に架かる橋の前には、大きな看板で「中山神社」の案内をしていました。その案内に従い左折し、宮川沿いを進む。
すると、桜並木が見えてきました。時期的にまだ桜シーズンには少し早いので、ほとんどがつぼみの状態ですね。
そんな状態の中でも数輪ですが桜の花が咲いており、これにはテンションが上がります。(嬉)
基本的に1年に1度しか訪れない、桜の到来を待ち望んでいる人は多いでしょう。桜といえばお花見です。花見の歴史は古く、奈良時代までさかのぼります。
当時の花見では「桜」でなく「梅」が主流でした。その証拠に、万葉集で読まれた歌の数では、桜が43首に対し梅は100首と圧倒的な大差を誇る。桜が主流となったのは、平安時代からですね。それから変わることなく私たち日本人のシンボル的な花として大人気。
そんなことを考えていると、梅の花が咲いているではないですか。
1日に梅と桜が見られるなんて超ラッキー。何だか良い日になりそうな予感がします。そんな気分に浸っている最中に中山神社へ辿り着きました。
【自転車のアイテム紹介】
自転車に役立つ様々なアイテムを、下記記事で紹介します。
中山神社へ参拝
津山郊外にある中山神社の本殿は、全国的にも珍しい「中山造」と呼ばれる建築様式であり、拝殿・幣殿・本殿を含めた全体像は、実に荘重優美です。
まさにこれこそが「一宮」と呼ぶに相応しい外観ですよ。
特に本殿は、全国でも五指に入るほどの規模を誇る。その威風堂々した佇まいには、とてつもないパワーを感じ取れるだろう。
私は今までたくさんの神社へ訪れており、その中には何件も巨大な社殿がありました。出雲大社の本殿や吉備津神社の本殿なども大きかったですが、それに負けないほどの巨大な本殿に、思わず「うぉ~!」と声を上げてしまいましたね。
パワースポット巡りをしている人にとっては、絶対に参拝したい神社といえます。
また、本殿には至るどころに彫刻された蟇股(かえるまた)が見られ、室町時代の典型を残しているので、しっかりと見物していこう。
この中山神社の境内社には、今昔物語集に登場する猿の霊を祀る「猿神社」が実在する。
本殿の奥へ歩いて行くと、これまでの雰囲気とは一変し、薄暗いちょっとした森の中を歩きました。
約100mほど歩いた先には、岩山の断崖絶壁にくっついているように建てられた小さいな祠を目撃。
その祠に近づくために階段を上ると、周辺には「猿神社」と書かれた赤いのぼり旗がはためいています。
祠を見てみると、その異様な雰囲気に「ギョッ!」としました。おそらく初見では、多くの人が私と同じように驚くでしょうね。
なんと、小さいな赤い布で作られた猿のぬいぐるみが、所狭しとたくさん奉納されているではないですか。
実は、これは昔から今もなお廃れることなく残り続ける牛馬の安産を祈願するときの風習なんだとか。昔から地元の人たちに大事にされていることが伺いしれました。
中山神社については、下記関連記事でくわしく紹介します。
衆楽園でのんびり過ごす
中山神社へ来た道を引き返し、宮川沿いを東へ向けて自転車を走らせる。そして、県道68号線へ合流後に進路を南へ向けます。
次に向かうのは「衆楽園(しゅうらくえん)」です。衆楽園は、国の名勝に指定されるほど優れた自然景観の大名庭園ですよ。
この衆楽園は、入園が無料な上、市街地にあるためアクセスも抜群によいので、津山市民の憩いの場になっている。それに津山観光に欠かせない観光スポットの1つだ。
いつしか鶴山通りを疾走しており、衆楽園まで残り1kmと書かれた看板が見えてきましたが、ペースを維持したままで突き進みます。
すると、あっという間に衆楽園の南門(正門)へ到着。さ~て、早速入園しますよ。
衆楽園は、南北に長い池が占めており、4つの島が直線上に配置されています。また、茅葺きの風月軒などの配置にも気を配っており、全体的にバランスよく調和された景観に拍手喝采を贈りたい。
春の桜やツツジ、夏の睡蓮、秋の紅葉、冬の雪景色など季節ごとに様々な表情を変え、訪れた人を楽しませてくれる日本庭園ですね。
特に注目すべきなのは、北東部から西部に向かって流れているクネクネと曲がった小川です。この小川は「曲水」といって、高低差を利用して上手に設計されている。衆楽園の見どころの一つですよ。
しばらくの間、園内を散策しながら心地よい空間で過ごしました。
尚、市街地にある庭園なので、隣接する住宅や学校などが園内から見えてしまうのは仕方がないかな。この雰囲気は賛否両論がありそう。
個人的には、日常生活の癒し空間としては、十分すぎる庭園だと思いますね。
衆楽園については、下記関連記事でくわしく紹介します。
城東地区へ向かおう
衆楽園を後にして、向かうのは城東(じょうとう)地区の町並みです。津山市は城下町なので、その町並みが色濃く残るのが城東地区ですよ。
城東地区を目指していると、目の前に急坂を発見。本日はほとんど平坦路しか走っていなかったので、なんだか新鮮だ。
フロントギアをインナーに落とし、リズミカルに急坂を上る。うん、これだこれだ。あっという間に急坂を駆け上り、一気にダウンヒル。これが気持ちいい!
短い距離でしたが、この滑空している状態が大好きですね。そんな感じで、周囲の風景を眺めながら、自転車を加速させていると、城東地区へ辿り着きました。
津山城下町の城東地区を歩く
まずは無料の城東観光駐車場へ自転車を駐輪しました。それでは、町並み散策としゃれ込もう。
城東地区は、津山城の東側に位置する旧出雲街道に面しています。
国の重要伝統的建造物群保存地区(通称:重伝建)に指定された町並みは、実に風情を感じる。
茶屋・豆腐屋・紺屋・塩屋などの商人や、鍛冶屋・大工・左官などの職人の家が並ぶ町人町として栄え、その名残が色濃く残っていますね。
古い町並みは、全長約1.2kmほど続いている。なまこ壁や虫籠窓(むしこまど)などを施した建物などが見られますが、特に表側の壁が出雲往来両側の側溝ぎりぎりに建てられており、一階の庇(ひさし)の位置が隣同士でよくそろっている景観が素晴らしい。
このような景観は、他の地域では中々お目にかかれないですね。
また、一つ一つ名前の付いた小さな路地が複数ある。その路地については、こちらのマップを見るとよく分かるだろう。
各路地ごとに名前が刻まれた石柱が建てられているのも面白い。
この城東地区には、城東むかし町家や津山洋学資料館、千光寺など見どころが目白押しです。もちろん食事処や土産物店も並んでいるので、ゆっくり過ごせました。気付いたときには、3時間近く見学していたかな。(汗)
城東地区の町並みについては、下記関連記事でくわしく紹介します。
津山の玄関口「津山駅」へ帰還
駐車場に戻り、自転車を回収後に旧出雲街道を西へ進むと、鶴山通りへ再び合流しました。
その通りの沿岸では、カッパのオブジェやカッパが描かれたマンホールを発見。
実は津山市には、吉井川には「ごんご(津山の方言でカッパのこと)」が住んでいるという伝説があるそうな。なので、「ごんご」の名前の付いた通りや商品などを見かけますね。
特に夏の風物詩として、ごんごに仮装して通りを練り歩く「ごんごまつり」を開催しています。
吉井川に架かる今津屋橋から遠くを見てみると、サッカーや柔道などの強豪校として全国に知られる作陽高校の旧校舎が見て取れる。
確か去年(2023年)に校名を作陽学園高校に変えて、倉敷市に移転しましたね。
ということは、旧校舎は今後、どうするのか興味津々。歴史ある校舎でもあるし、このまま保存されるのでしょうかね。
そんなことを考えていると、津山駅へ到着。そして、本日の津山巡りは終了しました。その後、帰路に付いた次第です。
【自転車旅に役立つアイテムの紹介】
自転車旅で役立つ様々なアイテムを、下記記事で紹介します。
まとめ
津山市街地を中心に様々な観光スポットを見て回りました。本日足を運んだのは、以下の通りです。
- 津山まなびの鉄道館
- 中山神社
- 衆楽園
- 城東地区の町並み
本日は時間の関係上訪れなかった津山城やつやま自然のふしぎ館、城西地区の町並みなど、まだまだ見どころは多いですよ。
また、郊外には梅の名所として知られる「神代梅の里公園」や、強力なパワースポット「サムハラ神社 奥の宮」などがある。以前訪れましたが、何度でも足を運びたくなるものですね。
ということで、また時間を作って津山市を巡りたいと思います。