
忍者発祥の地の一つとして知られる滋賀県甲賀市。
甲賀忍者の故郷として、忍者の歴史を伝える施設が色々ありますが、その中の一つには「甲賀の里忍術村」という忍者のテーマパークがあります。
この忍術村では、実際に忍者の体験ができるというのだから面白いですね。貸衣装で忍者の衣装を身にまとい、村内を駆け巡りながら石垣登りや壁づたいなど9つの修行へチャレンジしよう。
また、時代劇などでお馴染みの様々なカラクリが仕掛けられた「からくり屋敷」があるぞ。
さらに忍者が使う本物の道具や資料で、忍者の世界を紹介する「甲賀忍術博物館」など見どころが付きません。
本記事では、子供から大人まで遊べる忍術道場を中心に「甲賀の里忍術村」の見どころを紹介します。
甲賀の里忍術村とは

甲賀の里忍術村は、大自然に囲まれた山奥にある忍者のテーマパークです。
昔ながらの隠れ里を思わす雰囲気を醸し出しており、これぞ「忍びの里」と呼ぶに相応しい。
ここでは手裏剣道場や水蜘蛛体験など屋外型のアスレチックが多数あり、実際に忍者が使っていた忍術を体験できる。そのため、多くの観光客で賑わっています。
また、村内には名物「忍術バーベキュー」などを提供する食事処「霧隠荘・忍茶屋」や、豊富な忍者グッズをとりそろえている売店もある。
ぜひ旧藤林家(現在:からくり屋敷)や旧岡田家(現在:甲賀忍術博物館)へ足を運び、忍者の歴史に触れて下さいね。
これらの家屋は、2017年に日本遺産「忍びの里伊賀・甲賀-リアル忍者を求めて-」の構成文化財に選ばれました。
【周辺の見どころ】
甲賀の里忍術村周辺の見どころを、下記記事で紹介します。
忍術道場で忍者の修行を体験せよ!

甲賀の里忍術村では、「オリエンテーリング」や「ガイドツアー」に参加して、忍者の試練にチャレンジしよう。(参加費用はどちらも無料)
村内では以下9つの忍者体験ができます。
- 石垣登り
- 塀越え
- 塀横歩き
- 壁づたい
- 綱渡り
- 坂道上がり
- 一本渡り
- 井戸抜け
- 水蜘蛛
オリエンテーリングでは、村内を巡りながら忍者体験へ挑戦し、入口で配布するパンフレットに記載された忍び文字を9つゲットして下さいね。
忍び文字をすべて集めると、売店で「免許皆伝」の巻物をもらえるぞ。
また、ガイドツアーは不定期開催ですが、スタッフの指示の下、約1時間の忍者体験を楽しめます。
毎年10月には、全日本忍者選手権大会が開催されるので、興味がある方はぜひ参加してみませんか。日本一の忍者を目指し、忍者修行を頑張ろう。
レンタル衣装で甲賀忍者に変身

売店の近くにある貸衣装では、忍者の衣装(有料)を1日レンタルできます。
衣装のカラーは、黒や赤、ピンク、青など6色もあり、好みの色で選んで下さいね。一番人気はやはり「黒」なんだとか。忍び装束といえば一般的に黒と思っている人が多いのですが、実際は赤茶けた中間色でした。
忍者体験を行なうと、気を使っていたとしてもそれなりに衣服が汚れます。けれどご安心めされ。レンタル衣装は汚してもOKなので、安心して動き回ろう。
「郷に入っては郷に従え」という言葉があるように、忍者にふさわしい衣装を身にまとい、忍者になりきってみるのも良いですね。
- 【レンタル代金(1日)】
- 大人用 1,100円、小人用 700円
- 頭巾は別途200円
村内を駆け巡り9つの忍者修行に挑戦

まず始めに紹介するのは、人気の水上歩行器「水蜘蛛」です。
池の上を水蜘蛛という忍者道具を履いてロープを使って水面を進むのですが、見るからに難しそう。
姿勢を安定して焦らずゆっくりと前に進むのがポイントなんだとか。そうしないと、池に落ちてしまいます。
私が訪れた時は、子供たちが果敢にチャレンジしていました。残念ながら池ポチャという結果になりましたが、楽しそうでしたね。
あらかじめ池に落ちることを想定して、着替えを用意しておくのが無難です。

こちらのお城の石垣のような場所を登るのが「石垣登り」という修行場だ。
石垣の凹凸に手足を引っかけながら登っていくのがポイントですよ。高さは約3mぐらいで少し急な石垣なので、慣れていない人には少々ハードルが高いかも。
特に小さなお子さんがチャレンジする場合は、大人のサポートが必要だと思いました。

こちらは「塀横歩き」は、横向きになり手を広げて静かにゆっくりと歩くと難なくクリアできるぞ。
できるだけガニ股ポーズで歩いて、忍者気分を味わって下さいね。
敷地内には、修行場が点在しているので次々とクリアしていこう。




厳しい?修行をこなしていくコツは、修行そのものを楽しむことに尽きる。実際、あちらこちらで子供たちの楽しそうな声が聞こえてきたのが印象的でした。

おっ、これは井戸の中にハシゴがあるではないですか。なるほど、これが「井戸抜け」か。
降りていくとどこかへつながっています。ぜひ自分の目で確かめて下さいね。

最後に紹介するのは「坂道上がり」だ。
単純に山の傾斜を駆け上るだけなのですが、運動不足の人にとっては中々大変かも。私が坂道を見上げていると、横から子供たちが一斉に駆け抜けていくではないですか。
元気が合ってよろしい。その後ろ姿を見て私は満足したので、そそくさと退散した次第です。(逃げた訳じゃないぞ)
気に入った体験は何度繰り返してもOK。時間が許す限り敷地内を駆け巡り、忍者体験を満喫して下さいね。
手裏剣道場で手裏剣投げを体得

忍者の武器といえば、真っ先に思い浮かぶのが「手裏剣」ではないでしょうか。
手裏剣道場では、手裏剣を投げる体験ができます。使う手裏剣は鉄製で、本物と同じ大きさと重量感がGood。
危ないので取扱いには気を付けて、的を目がけて投げること。(絶対に人に向けてはいけない!)
簡単そうに見えて、なかなか的に当てるのは難しいですよ。なので、見事に的を射抜いたときの快感はたまりません。
- 料金 300円(手裏剣 6枚)
- 随時受付しており先着順、予約不要
仕掛けがたっぷりな「からくり屋敷」が面白い

からくり屋敷は、実在した甲賀忍者の子孫の藤林家が実際に住んでいた屋敷を解体移築したものです。
藤林氏は、忍術虎の巻として最も有名な「萬川集海(まんせんしゅうかい)」を編集しました。
この屋敷は、1842年(天保13年)に建てられたものであり、外観は普通の民家にしか見えないですね。しかしそこは忍者屋敷、中へ入ると様々なカラクリが隠されています。

たとえば床の間に掛けられた「忍」の文字が描かれた掛け軸。

何の変哲もないのでスルーしがちになりますが、掛け軸をめくると裏側が抜け道となっているぞ。
追手がきたら、颯爽と抜け道を使って脱出が図れる寸法だ。


その他にも逃走経路が隠されているので探してみよう。こちらの囲炉裏ですが横にスライドすると、下側にスペースを発見。う~む、これには恐れ入りました。

また、こちらの扉にも注目して下さい。取っ手に指をかけて扉を左右に開こうとすると・・・開かない、なぜ?
実は始めから開かない扉なんだとか。これは扉があると開けたくなってしまうという人間の習性をついた罠ですよ。見事に引っかかりました。(トホホ)
その他にも「どんでん返し(回転戸)」「落とし穴」「隠し階段」などのカラクリが隠されているのでお見逃しなく。
忍者装束に身を包んだスタッフが、色々と解説しながら案内してくれますので、じっくりとカラクリを体験して下さいね。
【歴史ある住宅の紹介】
旅先で訪れた「からくり屋敷」のような歴史ある住宅を、下記記事で紹介します。
忍術資料の保有量は世界一「甲賀忍術博物館」

甲賀五十三家が甲賀流忍術の中心であり、その中でも旧主・佐々木六角氏の信頼が篤かったのが甲賀二十一家です。
甲賀忍術博物館は、この甲賀二十一家の一つ隠岐氏に仕えた旧岡田家を移築したもので、茅葺き屋根の民家のまま保存されています。
中へ入ると、時代劇で見たことのある忍者の代表的な武具や道具、衣装が展示されている。さらに忍術三大秘伝書「萬川集海」など忍術に関する様々な書物が展示されているは見逃せません。


忍者の歴史を学ぶのにうってつけの博物館です。忍者ファンはもちろんですが、そうでない人でも興味をそそられるものが多い。

たとえば、忍者が城壁や石垣を登る際に使用する梯子がたくさんあるぞ。
巻き梯子・結び梯子・雲梯子などバラエティーに富んでいます。忍者は状況に応じて適切な梯子を選び任務を遂行していくのだから、種類が多いのも納得かな。
特に巻き梯子は、麻縄と竹を用いて作り、折り畳むことができる優れもの。そのため、小さくまとめて荷物と一緒に持ち運べるため、現在でも「避難用ロープはしご」などに利用されています。

こちらは忍者道具の中でも有名な「水蜘蛛」ですね。
両足に履いて、竹の棒などで舵を取りながらアメンボのように水上を歩行する道具と思っている人が多いだろう。
かくいう私も長い間、水上歩行の道具だと思っていました。実は、歩行困難な沼や湿地帯を走破するのに使用されたいうのが有力説なんだとか。
実際、履物程度の大きさの木片では、人間1人を浮かせるだけの浮力は足りないそうです。
けれど、超人的な足さばきで水蜘蛛を使いこなし、水上を歩いた忍者がいたのかも知れない。そう思っていた方がロマンがあるね。
村内には等身大の大仏の手があるぞ

村内を歩いていると、なぜか大きな大仏の手を見つけてしまい「何だこれ?」となりました。
どうやらこの大仏の手は、1982年に公開された角川映画「伊賀忍法帖」のロケに使われたものなんだとか。琵琶湖の湖畔で行われた大仏炎上のシーンは、1億5千万円という大金がつぎ込まれたそうですよ。
東大寺の大仏殿と同スケールで再現されています。忍者衣装を身にまとい、大仏の手をバッグに記念撮影してみよう。
忍者を祀る「志能便神社」と猿飛佐助生誕の碑

敷地内の東側には、名も知れず亡くなっていった忍者たちを祀る神社があります。それが「志能便神社(しのびじんじゃ)」です。
この神社には、江戸時代初期に作られた木造日本一の甲賀大黒天が祀られているので参拝していこう。商売繁盛・五穀豊穣・出世開運・縁結びなど様々なご利益があります。

また、志能便神社の近くには、真田十勇士の一人である「猿飛佐助」の生誕碑があるのは興味深い。
猿飛佐助は甲賀忍者の中でも特に有名なので、名前を聞いたことがある人も多いと思う。
残念ながら実在した人物ではなく架空の人物ですが、モデルはちゃんといます。それが下柘植ノ木猿(しもつげのきざる)や上月佐助なんだとか。
どうやらこの碑は猿飛佐助の伝説誕生の地ということで、建立しているみたいですね。
【神社仏閣の紹介】
旅先で訪れた神社仏閣を、下記記事で紹介します。
忍者グッズをお土産にいかがですか

帰路に付く前に売店へ足を運んでみよう。
売店では、忍術村せんべいなどの菓子類や忍者の武具・手裏剣など定番のお土産が販売されているぞ。また、ここでしか手に入らない忍者グッズも盛りだくさん。
個人的には、忍者姿にふんした信楽焼の狸が可愛いと思いました。お土産として、可愛いものが好きな人に喜ばれるのではないでしょうかね。
また、忍者衣装や美術刀なども多数取りそろえているので、自分自身のお土産や家族や友人など親しい人のお土産にいかがですか。


甲賀の里忍術村の基本情報とアクセス
住所 | 滋賀県甲賀市甲賀町隠岐394 |
電話番号 | 0748-88-5000 |
営業時間 | 営業時間 10:00~17:00(最終入村は16:00まで) ※季節によって営業時間や定休日は変更することがあります。 |
定休日 | 月曜日(祝日の場合は翌日) |
入村料 | 大人 1,100円(1,000円) 中高生 900円(800円) 小人 800円(700円) 幼児 600円(500円) 2歳以下 無料 ※30名以上で団体割引きあり、( )内の金額は割引き後の料金 【2025年4月1日から以下の料金になります】 大人 2,000円(1,800円) 中高生 1,500円(1,300円) 小人 1,500円(1,300円) 幼児 1,500円(1,300円) 2歳以下 無料 ※30名以上で団体割引きあり、( )内の金額は割引き後の料金 |
【アクセス】
- JR甲賀駅からタクシーで約10分(駅から無料送迎バスあり、要予約)
- 新名神高速道路「甲賀土山IC」または「甲南IC」から車で約15分
甲賀の里忍術村の駐車場
甲賀の里忍術村には、東口と西口に無料駐車場があります。(普通車 500台)
駐車台数の内訳は西口が40台、東口が40台、第3駐車場で420台です。
まとめ

甲賀の里忍術村では、昔ながらの隠れ里の雰囲気がただよう中、本格的な忍者になりきれる非日常を体験できます。
特に水蜘蛛を使って池の上を歩いたり、手裏剣を投げるのはまさに忍者気分を味わえる。子供だけでなく大人も楽しめるので、ぜひチャレンジしてみよう。
また、仕掛けがたっぷりな「からくり屋敷」や多くの忍術資料や道具がそろう「甲賀忍術博物館」は見応え抜群ですね。
見て・触れて・遊んで体験して、忍者の世界をたっぷりと満喫しましょう。