滋賀県にある長寿祈願で有名な「多賀大社(たがたいしゃ)」をご存じですか。
古来より伊勢と並んで多くの人々に崇敬されてきた由緒正しい神社です。地元では「お多賀さん」の愛称で親しまれており、年間170万人の参拝客が訪れます。
境内には、寿命石や太閤橋、お多賀杓子(しゃくし)など見どころも盛りだくさん。春には枝垂れ桜が楽しめて、秋になると庭園で紅葉が楽しめる。
本記事では、滋賀県のパワースポット「多賀大社」のご利益や見どころを紹介します。
古くから民衆に崇敬された古社「多賀大社」とは
多賀大社(たがたいしゃ)は、滋賀県犬上郡多賀町多賀に鎮座している滋賀県第一の大社です。
創建は不明ですが、日本最古の歴史書「古事記」には「伊邪那岐大神は淡海の多賀に座すなり」と記載されていることから、古事記が作られた712年以前には、既に存在していたことが伺い知れます。
式内社で、旧社格は官幣大社。今は神社本庁の別表神社ですよ。鎌倉時代から江戸時代にかけて、武家や民衆に信仰が広まりました。
「お伊勢参らばお多賀へ参れ、お伊勢お多賀の子でござる」や「お伊勢七度熊野へ三度、お多賀さまへは月参り」の俗謡が流行ったとか。この俗謡から伊勢・熊野とともに庶民の参詣で賑わっていたことが良く分かりますね。
全国にある多賀神社の総本社であり、今では239社の分祀社を数えます。
多賀大社の入口となる鳥居をくぐり抜けると、すぐに太閤橋が見えて、その奥には御神門がある。
この御神門を抜けると、広々とした境内の奥には、左右に大きく翼を広げたような存在感がある壮大な拝殿が見て取れます。
あまりの壮大さに、思わずカメラのシャッターを押す指が止まりません。(笑)
うん、菊の御門もよく似合っていますね。
私が訪れたのは、ちょうど桜シーズンだったため、境内には枝垂れ桜が咲いていました。ある意味、春限定のイベントかな。
風に枝垂れ桜が揺れる光景は、実に風流を感じますよ。私だけでなく、多くの参拝者が記念撮影していました。
周辺には、彦根城や琵琶湖、湖東三山などの名所にも恵まれていますので、合わせて訪れては如何でしょうか。
尚、神社へお詣りしながら御朱印を集めてみては如何ですか。そこで、お洒落で人気のある御朱印帳をこちらで紹介しますので、参考にして頂ければ幸いです。
【周辺の見所】
多賀大社周辺の見所を、下記記事で紹介します。
多賀大社のご祭神・ご利益・所要時間
多賀大社のご祭神は、初めて夫婦となり、多くの神様を産んだとされる以下の神様です。
この二柱の大神は、古事記によると、神代の昔に日本の国土や天照大神をはじめとする八百万の神々をお産みになられました。
命の源である神様ですから、古来より「延命長寿、縁結び、厄除け」のご利益がある神様として親しまれています。
境内には、数多くの境内社がありますので、一通り見て回る所要時間は、30~60分ほどみておきましょう。
【神社詣りに役立つ話】
神社へお詣りに行く場合、何かと役立つ話を下記記事で紹介します。
【見所①】寿命石・祈願の白石で延命長寿
多賀大社は、延命長寿で有名な神社ですね。エピソードとして平安時代に俊乗坊重源(しゅんじょうぼう ちょうげん)という僧の延命祈願の話があります。
彼は61歳にして、焼失した東大寺の再建を命ぜられたという。そのため、多賀神社へ詣り、延命を願ったところ、20年という寿命を頂くことができた。
平安時代の男性の平均寿命は33歳であったことから、61歳ともなれば、いつお亡くなりになっても不思議ではありません。それから81歳まで生き続けたとなれば、かなり凄いことですね。
重源は、東大寺再建を成し遂げた後、再度多賀大社へ参拝され、境内の石の上で眠るように息を引き取りました。その石が今もなお境内に残されている「寿命石」として、延命を願う参拝者が後を絶たないといいます。
そこで「祈願の白石」(初穂料500円)を授かり、この小さな白石の表面に住所・氏名をマジックペンで記入して下さい。
そして、この白石を寿命石の周りに置いて、長寿や家内安全を祈りましょう。後に白石は本殿の庭に敷いて、長く祈念します。
【神社仏閣の紹介(その1)】
旅先で訪れた神社仏閣を、下記記事で紹介します。
【見所②】無病息災の縁起物「お多賀杓子」
拝殿の真正面には、大きな杓子が見て取れます。それが「お多賀杓子」ですね。
奈良時代に元正天皇(げんしょうてんのう)が病に伏していた時、多賀大社の神主が強飯(おこわ)を炊き、しでの木で作った杓子で盛った飯を献上したところ、天皇の病はたちまち良くなった話が伝わっています。
この時の杓子は「お多賀杓子」と呼ばれ信仰の対象になったという。つまり、健康のご利益のシンボルが、杓子なんですね。なので、拝殿に杓子が飾られているのも納得です。
ちなみに、多賀神社の絵馬の中には、杓子をかたどった物がありました。お多賀杓子のエビソードを知ると「なるほど」と頷けますね。
【神社仏閣の紹介(その2)】
旅先で訪れた神社仏閣を、下記記事で紹介します。
【見所③】太閤秀吉にゆかりのある「太閤橋」
多賀大社の鳥居の奥には、規模は小さいけど傾斜がすごい曲線の石橋があります。その石橋が豊臣秀吉が築造したという「太閤橋」ですね。
1588年(天正16年)に、秀吉が当時ご病気だった自身の母の病気平癒を祈って、多賀大社に米一万石を奉納し、祈願されました。すると、母の病気はみるみる内に回復したため、秀吉は成就のお礼として社殿改修工事を行い、作られたのが「太閤橋」です。
この橋を渡れば、健康長寿になるといわれていますので、私がチャレンジしない訳がありません。(笑)
急勾配なため、丸太に足を引っかけて渡ります。いや、橋を渡るというより「登る」といった表現の方が正しいかも。個人的には登るより、下る方が怖かったですね。なので、安全のために後ろ向きで這いつくばりながら下りました。
尚、雨や雪が降っている日は、滑って危険になるため、橋を渡るのは止めた方が良いです。
【見所④】太閤秀吉ゆかりの奥書院・庭園の見学
秀吉の奉納によって造られた奥書院・庭園を有料(300円)ですが、見学できます。
奥書院の鶴の間は、江戸時代に勅使や公家の三向、彦根藩主井伊家などの社参の際に休憩場所となったそうです。それに見事な襖絵が見れますよ。
また、庭園の青葉や苔が織りなす景色を眺めていると、気持ちがリフレッシュできる。秋には見事な紅葉が見られます。
所要時間は10~15分程度ですね。尚、写真撮影はOKですが、ブログなどへの公開はNG。足を運ばれてみて、是非自分の目で確かめてみて下さい。授与所でチケットを購入できます。
「文化財の小径」で展示品を見学
拝殿から参集殿へ向かう小道には、ずらりと文化財(文庫、大釜、神輿庫、鐘楼、太閤蔵)が並んでいます。
こちらは、大釜。
1698年(元禄11年)に行った社殿の大修復工事を記念して設けられた、御湯神事の調度品だそうです。
神輿庫は、名前の通り神輿を保管している場所ですね。古例大祭(多賀まつり)に出御され、町内を巡幸されるという。
こちらの鐘楼を見上げても残念ながら、梵鐘は見られません。
鐘楼内の梵鐘は室町時代に作られたもの。この時代の梵鐘では、全国でも5指に入る大鐘だそうなので、見てみたかったですね。
こちらは、太閤蔵です。
先ほど紹介した太閤橋と同じく、秀吉が多賀大社に米一万石を奉納した際に、作られた物の1つですよ。
興味がある方は、これらの文化財をじっくり見学してみては、如何でしょうか。
境内社の金咲稲荷神社へ参拝して金運UP
多賀大社には、日向神社や熊野神社、聖神社など数多くの境内社がありますが、金運を上げたいなら是非とも参拝したいのが「金咲稲荷神社」です。
金が咲くという名前は、実に縁起がよい。この神社の手前には、印象的な朱色の鳥居がたくさん並んでいますね。
その鳥居を通り抜けて、金咲稲荷神社へ参拝しましょう。お稲荷さんで知られている宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)を祀っています。
多賀大社の基本情報とアクセス
住所 | 滋賀県犬上郡多賀町多賀604 |
電話番号 | 0749-48-1101 |
参拝時間 | 8:30~17:00 |
【アクセス】
- 近江鉄道多賀線「多賀大社前」下車後、徒歩約10分
- 名神高速道路「彦根IC」より車で約10分
多賀大社の駐車場
多賀大社の周辺には、2つの駐車場があります。
1つは、国道307号沿いに広く整備された「多賀大社 参拝者駐車場(多賀町観光駐車場)」。多賀大社まで徒歩約5分ほどの距離です。
正月以外は無料の駐車場であり、収容台数は500台なので、こちらの駐車場を利用するのがお勧めです。
もう1つが、多賀大社で自動車お祓い所の一部が駐車場として開放されている「多賀大社 参集殿駐車場」ですね。
まとめ
多賀大社は、延命長寿で知られている滋賀県の古社です。古来より伊勢と並んで多くの人々に崇敬されてきました。
寿命石やお多賀杓子、太閤橋など見所も多いので、ゆっくり境内を散策しながら見て回りましょう。
地元では親しみを込めて「お多賀さん」と呼ばれています。滋賀県の多賀町付近へ訪れる機会があれば、お多賀さんへ足を運ばれてみては如何でしょうか。