鳥取県2泊3日の自転車旅。2日目は、八頭・若桜周遊サイクリングルートを走り、鳥取県の東端・若桜町へ向かいます。
前日(1日目)は、鳥取市内を観光しました。(旅の様子はこちらの記事で紹介)
本日の旅の目的は、若桜町の観光ですよ。若桜町は、国の重要伝統的建造物群保存地区に選ばれており、歴史ある町並みや神社仏閣が魅力的。どんな旅になるのか、実に楽しみですね。
本記事では、鳥取市から若桜町までを、自転車で旅した様子をお届けします。
宇部神社のお詣り
旅のスタートは、因幡国一宮である宇部神社から始まります。
宇部神社は、由緒正しい鳥取県を代表する神社の1つであり、金運アップのパワースポットとして知られている。
木々が覆い茂る中、鳥居をくぐり抜け長い階段をのぼっていると、厳かで幻想的な雰囲気を感じました。
しばらく階段を歩いていると、頭上に垂れ幕が見えてくる。これは、初めてお詣りに訪れるとビックリしますね。
樹木の高い位置に張り巡らされた垂れ幕には、「明日へ跳ねる」の文字と、日の丸の中に躍動するウサギが描かれていました。
実はこの垂れ幕、毎年差し変わるので、楽しみにしている人は多いと思う。以前、私が訪ねた時は、「馬」の漢字が動物の馬のように描かれていて面白かったですね。ちなみに当時の写真がこちらです。
階段を上りきると、拝殿が見えてきますので、さっそく参拝しました。何をお願いしたかは、秘密です。(笑)
宇部神社は、古くから「お金」にご縁がある神社であり、日本で初めて発行された紙幣にも描かれていました。なので、その流れにより面白いものを紹介。
それが、こちらの「お金のたまるお守り」です。宇部神社のみで授かれるので特別感がありますね。
このお守りを求め、遠方から足を運ぶ人も多いそうですよ。表面には亀が描かれており、裏面には明治・大正・昭和と実際に使用された紙幣の図柄が描かれている。
私は以前訪れたときに「お金のたまるお守り」を入手しており、今でもお財布の中に大事に入れています。
境内には、双履石や福徳亀など見どころも多い。一通り、境内を見て回った後、よいよ若桜町へ向けて旅の開始です。
尚、宇部神社については、下記関連記事でくわしく紹介します。
八頭・若桜周遊サイクリングルートを走る
宇部神社から南へ向けて約10kmほど進むと、JR郡家駅へ到着しました。
この駅を起点として、鳥取県のサイクリングルートの1つ「八頭・若桜周遊サイクリングルート」が整備されています。
簡単に説明すると、郡家駅から東へ向かい若桜町で折り返し、再び郡家駅へ戻ってくるコース。距離44.2km、最大標高差168m、獲得標高406mの初心者向けコースですね。往路は、国道29号がメインコースであり、復路は若干コースが違います。
田園風景の中、駆け抜ける鉄道と出会いながら、サイクリングを楽しみましょう。
駅構内にある「ぷらっとぴあ・やず」では、八頭町の観光情報を入手できたり、レンタサイクルを利用できますね。また、サイクルオアシスになっているので、サイクリングの拠点としても便利です。
駅前で見つけた面白いものを紹介。こちらは、麒麟獅子ラッピングポスト。
さすが麒麟の町といえます。八頭町の芸能でもある麒麟獅子舞は「因幡但馬の麒麟獅子」として、日本遺産に登録されており、鳥取県東部を旅していると、このポストは、それなりに遭遇しますよ。
また、八頭町には白兎伝説がある。「神ウサギ」の前で恋愛祈願をしてみてはいかがですか。
個人的に驚いたのは、麒麟獅子の砂像です。
前日、砂の美術館でエジプトに関連する砂像をじっくり見学したばかりだったので、まさかこんなところで砂像を再び見るとは思っていませんでした。これはテンションが上がります。
自転車のペダルを回し、郡家駅から東へ進む。空一面に雲が覆うあいにくの天気ですが、雨が降る心配はなさそう。
多少アップダウンがあったりしますが、基本的に平坦基調の道なので、走りやすいですね。のどかな田園風景が続きますが、その中にはたくさんの柿の木が並んでいました。
気になったので後から調べてみると、八頭町では「花御所柿」という珍しい柿を栽培しており、肉質はち密で果汁が多く、糖度は甘柿の中でも最高といわれているそうですよ。これは一度、食べてみたいですね。
見渡すばかりの柿畑は、壮観の一言。そんな畑を眺めながら国道29号を疾走していると、目の前には、大きな柿のオブジェが現れました。
この柿のオブジェがあった場所は、「物産館みかど」です。
物産館みかどでは、花御所柿や二十世紀梨など旬の地元農産物・加工品などを販売しています。また、サイクルカフェに登録されているので、サイクリングの途中で立ち寄ってみるのも良いですね。
【自転車旅の紹介】
自転車で旅する道中の様子を、下記記事で紹介します。
景勝地「徳丸どんど」
しばらく国道29号を走っていましたが、徳丸河川公園の案内板が見えてくると、そちらの方向へコースを変更。八東川沿いを進んでいると、小さな滝が見えてきました。
この滝は「徳丸どんど」と呼ばれる景勝地。八東川の水流が生み出した川の中の自然滝です。全国的にも珍しく滝なので、これを見たくて訪れました。
うん、規模は小さいので迫力に欠けますが、これはこれでよい。周りの景観と相まって見応えがありますね。
近くの徳丸河川公園にあった説明板によると、一面をドンドンと音を立てながら滝のように水が流れることから、この名前が付いたそうです。また、春から秋にかけては、鮎がここを上がるのが困難なため、鮎が滞留し、たくさんの釣客でにぎわうという。
実はこの場所、少し上流にかかる鉄道橋があり、若桜鉄道の車両が通りかかるため、穴場のフォトスポットとして知られています。
前面に躍動感のある水しぶきがあり、緑豊かな山をバックにした疾走する鉄道写真が撮れるということなので、しばらくこの場所にいたのですが、全く車両がくる気配を感じません。(トホホ)
立ち去ろうとすると、鉄道橋に車両(若桜号)が現れた。何という間の悪さだ。
急いでカメラを準備し、シャッターを切りました。何とか撮影できたので良しとします。(撮れないより全然ましですね。)
【カメラに関する話】
旅の思い出にカメラ撮影を楽しみましょう。下記記事では、カメラに関する話を紹介します。
道の駅はっとうで「隼」に出会う
再び国道29号へ合流した後で、しばらくすると「道の駅はっとう」へ到着しました。
この道の駅には、八東フルーツ総合センターが併設されており、店前にはフルーツを擬人化したキャラクターがお出迎えしてくれます。
うん、こういうの結構好きかも。勝手に「りんごちゃん、ぶどうくん、ナッシー、カキッチ」と命名。(笑)
そんなキャラクターを一通り見まわした後で、道の駅の中へ入ってビックリ。なんと「隼」があるじゃないですか。ちなみに隼はバイクの方ですよ。(鳥ではない。)
実は、「道の駅はっとう」はフルーツだけでなく、バイク乗りも集まる場所なんだとか。駅に面する国道29号線は、長い区間信号がなく、車の交通量も少ないのでバイクツーリングに人気があるそうです。なるほど、どうりで国道にしては、自転車でも走りやすかったわけだ。
道の駅内を見学してみると、バイク関連のグッズが所狭しと並べられている。
隼愛好会のステッカーが一度に見られるのは面白い。
それ以外に若桜鉄道のグッズを取りそろえたコーナーもありました。
八東駅発射時刻表や若桜鉄道の信号手旗なども売られており、鉄道ファンには垂涎ものかも。
うん、これは「若桜鉄道の線路の石」。こんなものまで売られているとは・・・。甲子園の砂みたいな扱いなのでしょうかね。
見て回るだけでも面白い道の駅ですよ。もちろん地元で生産されたフルーツを中心に、野菜や加工品、旬の特産品を販売しています。
ちなみにサイクルカフェになっているので、サイクリストにも優しい環境ですね。八頭・若桜周遊サイクリングルートを走行する際には、ぜひ立ち寄ってみて下さい。
【自転車旅に役立つアイテムの紹介】
自転車旅で役立つ様々なアイテムを、下記記事で紹介します。
若桜町の観光
道の駅はっとうでしばらく見学していると、いつの間にか青空が広がっていました。
こうなると自然にテンションは上がるもの。晴れているだけで上機嫌になります。これもサイクリストの性(さが)かな。(それは違うか。)
なので、鼻歌交じりに自転車のペダルを回し、平坦路を爆走していると、あっという間に若桜町へ入りました。
本日の旅の最終目的地となる若桜町は、町の95%が山林という自然豊かな環境で、登山やスキーの人気スポットとして知られています。
また、若桜宿として栄えて歴史があり、若桜街道と伊勢道をつなぐ主要な通路でした。
冒頭でも触れましたが、国の重要伝統的建造物群保存地区に認定されていますね。なので、古い町並みに興味がある方は、ぜひ一度は訪れてみよう。
もちろん私もそれが目当ての1つなので、市街地へ近づくたびにペダルを回す力が入ります。
若桜町の市街地へ到着すると、若桜駅の見学や若桜神社の参拝、若桜郷土文化の里と若桜民工芸館の見学などを楽しみました。
町歩きにおすすめなのは、若桜町中心部にある「仮屋通り」と「蔵通り」ですね。
蔵通りでは、商家の土蔵・白壁・赤瓦・板張りなどを楽しめ、仮屋通りでは、古い町並みや家と道路の間に約1.2mほどの仮屋(ひさし)のついた光景を楽しめる。
今は途切れ途切れになっているひさしですが、当時は700~800mに渡り連なっていたそうです。このひさしのおかげで、雨や雪の日でも傘がなくても歩けたので、先人の知恵は素晴らしいといえます。
仮屋通りを散策中に見つけた「昭和おもちゃの館」では、懐かしい駄菓子が売られており、思わず購入したのはいうまでもありません。
やはり古い町並みには、駄菓子屋がよく似合います。店前には可愛い「いやし地蔵」が飾られいるので、ぜひ足を運んでみて下さい。
ちなみに、私が訪れた日は、2階にある懐かしいおもちゃを見学できませんでしたが、かわりに若桜民工芸館でおもちゃの一部が公開されていたので、そちらで見学できました。
また、若桜郷土文化の里へ向かう途中で見つけた意非(いひ)神社の鳥居には驚きますよ。
高さ10.8m、幅9.2mの大きな木製鳥居です。聞くところによると、木製鳥居では日本で五本の指に入るとか。
また、鳥居の脇には「日本一の大幟(のぼり)」というものがありました。幟の大きさは縦26.8m、横1.8mもあり、畳30枚の広さに相当するそうです。
旅を続けていると、想定外の発見をすることが多いですね。
若桜町の市街地から少し離れており、八頭・若桜周遊サイクリングルートの範囲外になるのですが、若桜町へ訪れたら絶対に外せないスポットが「不動院岩屋堂」です。
日本三大投入堂の1つに数えられており、天然の岩窟内に納まっている厳かで堂々としたお堂は一見の価値ありです。インパクト抜群の光景は見逃せませんよ。
不動院岩屋堂は、穴場なパワースポットといえますが、足を運んで本当に良かったですね。
こうして若桜町の観光を十分に楽しみながら、本日の旅は終了しました。
尚、若桜町の見どころについて、くわしくは下記関連記事で紹介します。
まとめ
本日の旅は、八頭・若桜周遊サイクリングルートを自転車で走り、若桜町を観光する旅でした。
まさか道中でバイクの「隼」推しに出会うとは思っておらず、意表をついたサプライズでしたね。また若桜町では、のどかな風景や古い町並み、SLやワンマン電車などに旅情をいたく感じた次第です。
特に穴場のパワースポットともいえる不動院岩屋堂は、見事な投入堂なので、若桜町へ訪れた際には、ぜひ足を運んでもらいたいですね。
明日はよいよ鳥取旅最終日。天候は1日曇りのようで残念ですが、智頭宿へ向かいます。(旅の様子はこちらの記事で紹介)