島根県の島根半島のほぼ東端には、古い歴史を持ち縁結びにゆかりある「美保神社(みほじんじゃ)」が鎮座しています。
全国に約3,000社もある「えびす神社」の総本社として、有名なパワースポットですね。
祀られている神様は、出雲大社の妻子なので、出雲大社と一緒に参拝すれば、ご利益がUPする。なので、一緒に参拝してみてはいかがですか。
境内には、青色石畳や御霊石、御神竹など見どころもあるので、ゆっくり見て回りましょう。
本記事では、スピリチュアルな気が漂う境内歩きを中心に、魅力ある美保神社の見どころを紹介します。
美保神社とは
美保神社は、島根県松江市に位置し、格式高く由緒ある神社です。
創建は不明ですが、733年(天平5年)に編纂された「出雲国風土記」に社名があることから、それ以前(8世紀頃)には、すでにあったのではないかといわれています。
境内からは、4世紀頃の勾玉の破片や6世紀後半頃の土馬が出土されており、かなり古くからこの地では、祭祀が行われていたそうですよ。
それほど長い歴史ある美保神社では、スピリチュアルな気が漂っている。境内をゆっくり散策しながら、お詣りしましょう。
美保神社がある美保関(みほのせき)では、古くから海上交通の関所として、北前船(きたまえぶね)を始め様々な船が立ち寄る場所でした。
江戸時代から明治時代のころまで、日本海航路の物流の中心として大変賑わいを見せていたそうです。そのため、多くの船乗りから強く信仰された経緯があります。
美保神社では、毎月7日に金字で書かれた特別な御朱印を頂ける。御朱印集めをしている方にとっては朗報ですね。また、普通の御朱印以外にも中央に「知」の文字が書かれたものもある。これは、出雲国神仏霊場第8番の証ですよ。お好きな方を頂こう。(両方頂いてもOKです。)
【周辺の見所】
美保神社周辺の見どころを、下記記事で紹介します。
美保神社のご祭神・ご利益・所要時間
美保神社のご祭神は、以下の2柱です。
- 三穂津姫命(みほつひめのみこと)
- 事代主神(ことしろぬしのかみ)
三穂津姫命は、人々に農耕を広めた神様。大国主神の妻ですね。美保神社の「美保」という名の由来になりました。
事代主神は、大国主神の息子であり、七福神の恵比寿様として広く知られています。恵比寿様といえば、満面な笑みを浮かべながら鯛と釣り竿を手に持っているふくよかな神様ですね。尚、三穂津姫命は事代主神にとって、義理の母にあたります。
2柱とも歌舞音曲や鳴り物の神様のため、楽器を奉納する人も多いです。
美保神社のご利益は「縁結び・五穀豊穣・商売繁盛・子孫繁栄・夫婦円満・学業成就・海上安全・大漁満足」などがある。それに加え、音楽に関わるご利益もあるという。なので、音楽関係に携わっている方は、ぜひ参拝しよう。
境内はそれほど広くなく、所要時間は20~40分もあれば一通り見て回れます。
【神社参拝に役立つ話】
神社を参拝する際、役に立つ話を下記記事で紹介します。
スピリチュアルな気が漂う境内を歩き美保神社を参拝
美保神社は、潮風がかおる港の奥に佇んでいます。美保神社の入口となる一の鳥居は、どっしり構えており、その足元には美しい石畳が見て取れる。
周りを見渡してみると、青石畳通りと呼ばれる昔懐かしい通りが続く入口を見かけました。参拝した後で、立ち寄ることをおすすめします。
一の鳥居をくぐり抜けたら、わずか数十秒で二の鳥居をくぐり抜ける。鳥居をくぐり抜けた後は、ぜひ振り返ってみよう。
鳥居の向こう側には、美保関の港が広がっています。耳を澄ませば、穏やかな波の音とカモメの声が聞こえてきそう。きっと、はるか昔からこの場所は、あまり変わらない風景が続いていたのだろうと思う。
そんな場所に祀られた神様のお膝元には、スピリチュアルな気が漂っていても不思議ではありません。なので、足を踏み入れるだけで、心が穏やかになってきました。
狛犬にも注目したい。たとえば、こちらの狛犬の目が青石じゃないですか。明らかに他の部位とは色が違うので目を引きます。
そのまま参道を歩くと、右手側には大きな白い建物が見えてきた。
この建物が宝物館(収蔵庫)です。重要文化財の楽器が多数奉納されており、毎月7日に奉納された鳴物が数点のみ一般公開されるという。興味がある方は、日程を調整して訪れて下さい。
少し歩くと神門が見えてくる。注連縄(しめなわ)が太く立派でいい感じ。間違ってもお賽銭を注連縄に差し込んではダメですよ。
この神門の先に本殿・拝殿がありますが、拝殿へ向かう前に回廊を見物しました。
この回廊では、インパクト抜群の白くて大きな般若のお面を発見。これは、夜見ると大人でも怖いかも。
また、大鼕(おおどう)が置かれていました。この大鼕は、奉納された楽器の中で一番大きなものという。
樹齢千年の欅をくり抜き製作され、鳥取藩で使用されました。鳥取藩では、藩士に途城時刻を知らせる際、鳴らされていたと考えられています。今でも特定の祭典に使用されている現役の楽器ですよ。
神社職員以外は、原則触ってはいけないので注意するようにして下さい。
拝殿に向きあうと、とても荘厳な印象を受けました。檜造りの建築物で、屋根は杉板を敷きつめた柿葺き(こけらぶき)ですね。
梁がむき出しで天井がない特徴的な造りは、実に見ごたえがある。何でも船庫をモチーフにして造られたとか。その発想が凄くないですか。
また、この構造と山に囲まれた地理的要因により、優れた音響効果をもたらすそうですよ。よく考えられた造りに感心しました。
拝殿では、様々な祭事を執り行っています。その中でも毎日決まった時刻に執り行っているのが「朝御饌祭(あさみけさい)」と「夕御饌祭(ゆうみけさい)」です。
朝御饌祭では毎朝8:30からお供えを献上する。また、夕御饌祭では15:30からお供えを献上します。拝殿の外から祭事の様子を自由見学できるので、旅の思い出にもなりますね。時間を合わせられるならば、その時刻に訪れてみてはいかがでしょうか。
拝殿を見学している最中に、気が付いたのは吊灯篭が木製なこと。
金属製のものはよく見かけますが、木製は珍しいかな。明かり窓に電気がつくのを見てみたい。
拝殿の周囲には、境内社(若宮社・今宮社・秘社)があるので、こちらにも参拝していこう。
拝殿の奥には、本殿があり三穂津姫命と事代主神の2柱が祀られている。特に事代主神の「事代」は「言を知る」からきているため、託宣神の意味があるそうですよ。
美保神社で祈願してご託宣を授かれば、願いの成就に一歩近づくのではないでしょうかね。
【カメラに関する話】
美保神社の境内を隅々まで歩き、旅の思い出にカメラ撮影を楽しもう。下記記事では、カメラに関する話を紹介します。
本殿と祓所
本殿では、拝殿正面からみて右側に三穂津姫命、左側に事代主神が祀られています。
美保造と呼ばれる特殊な造りは、大社造の二殿の間を「装束の間」でつないでいる。
本殿を造った際の多くの資材は、美保関周辺に自生していた松が使用されました。
現在の本殿は、1813年(文化10年)に再建されたもの。国の重要文化財に指定されています。
手水舎の奥へ進むと、社務所が見えてくる。社務所の左側手前にあるのが「祓所(はらえど)」です。
パッと見では、四角い相撲場の土俵にみえますが、決して立ち入らないように。
祓所は、参列者や供え物を清める重要な場所です。つまり特別な聖域ですよ。
【神社仏閣の紹介】
旅先で訪れた様々な神社仏閣を、下記記事で紹介します。
ユニークな鯛の絵馬で願掛け
美保神社の絵馬はユニークですよ。なんと糸と竹竿が付いています。これは恵比寿様からつながる発想ですね。なかなか凝っている絵馬に拍手喝采。
絵馬に願いことをかけば、その願いが神様に釣られて成就するということでしょう。絵馬には、鯛が描かれており、稲穂を口にくわえています。なるほど、美保神社の2柱のご祭神に関係あるのは一目瞭然ですね。このユニークな絵馬に願いを託してみませんか。
【見所①】鳥居前の美しい青色石畳
美保神社の一の鳥居の前には、青く美しい石畳が敷かれています。この石畳は、雨に濡れると淡い青色になるそうだ。
使われているのは、海から引き上げられた天然石です。なぜ天然石を敷き詰めたかというと、きちんとした理由がある。
江戸時代に北前船の航路となっていたこの辺りは、多くの人が往来しており、とても繁盛していたそうです。つまり、船から物資の移動がスムーズにできるための工夫ですよ。
この青色石畳は、神社前から佛谷寺方向へ延びているので、ぜひ散策を楽しみましょう。
【見所②】貴重な楽器が奉納されている宝物館(収蔵庫)
美保神社は、船乗りたちに強く信仰されており、海上安全や祈願のため様々な地域の楽器が奉納されました。奉納された楽器のうち、846点が重要文化財に指定されています。
毎月、奉納された楽器(奉納鳴物)が数点ですが、宝物館(収蔵庫)1階で一般公開されている。公開される奉納鳴物は毎月異なってきますが、どれも貴重なものばかり。楽器や音楽が好きな人には、興味をそそられるでしょう。
そんな奉納鳴物の中には、日本最古のオルゴールを始め、戦国武将の細川幽斎(ほそかわゆうさい)が愛用していた一節切(ひとよぎり)などがあります。
- 毎月7日の10:00~16:00に公開
- 拝観料は無料
【見所③】神霊が宿る「御霊石」
地元の漁師が、海中から2つの丸い石を引き上げて奉納されたのが「御霊石(おたまいし)」です。
1つは夢のお告げにより、海に戻したと古書に記されています。この御霊石に触ると、お腹の子が健康に育つ不思議なパワーを授かるということで、多くの妊婦が撫でていくそうですよ。
そのためか、御霊石の上部はすり減っていました。
美保神社へ参拝にまいられた妊婦の方は、ぜひ御霊石のパワーを授かってみてはいかがですか。
【見所④】八角形の形が特徴的な「おかげの井戸」
一の鳥居近くにある八角形の特徴的な井戸が「おかげの井戸」です。
その昔、干ばつが続き困っていた村人のため、美保神社の宮司が雨乞いをするとご神託があり、指定された場所を掘ると水が湧き出してきたと伝わっています。
村人たちは、きっと心の底から感謝したのでしょう。そのありがたさから、「おかげの井戸」と呼ぶようになったという。うん、いいお話ですね。
それにしても、なぜ八角形で作ったのか謎ですが、これもご神託だったのでしょうかね。尚、おかげの井戸は、登録有形文化財に指定されています。
【見所⑤】不思議な伝説が残る「御神竹」
拝殿を正面からみて左手側には、竹林が育っています。それが「御神竹(ごしんちく)」です。周囲には、特に竹藪がある訳じゃなく、この一角だけに育っている。
実は、この地方の風習では、神札と御払いした「御種」を持ち帰り、その御種からなる竹を田畑に刺すそうですよ。そして、その竹に榊と三つ葉を差し込んだ後で、五穀豊穣や害虫よけを祈願します。
すると、御種から育った竹は、神様の竹になるという。そんな不思議な伝説が残っています。
出雲大社と美保神社の両参りでご利益UPを図る
美保神社で祀られているのは、出雲大社の大国主命の子供(事代主神)と妻(三穂津姫命)の神様です。
そのため、昔から島根では「出雲大社 → 美保神社」の順番で両参りをすると良いといわれていました。つまり、親から子供の順番で参拝しようということ。また、出雲大社のみの参詣は片参りといわれており、美保神社とセットでお詣りするものでした。
今ではそんなことはありませんが、両参りすることで縁結びや商売繁盛などのご利益の効果が上がり、願いが叶いやすくなるそうですね。
出雲大社から美保神社までは、約70kmほど離れており、車でも1時間以上かかる。なので、しっかりスケジュールを立ててお詣りしよう。(出雲大社については、こちらの記事で紹介)
「同じ日に両参りできないよ」と嘆いている方はご安心して下さい。なにも1日で慌てて参拝する必要はないので、無理なスケジュールを立てなくても大丈夫ですよ。翌日以降にもちこしましょう。
尚、出雲大社は2礼4拍手1礼で参拝し、美保神社は2礼2拍手1礼なので、お気を付けて下さいね。
【旅に役立つサービスの紹介】
旅の道中では移動手段の確保が重要ですね。下記記事では、旅先で役立つサービスを紹介します。
美保神社の基本情報とアクセス
住所 | 島根県松江市美保関町美保関608 |
電話番号 | 0852-73-0506 |
社務所の営業時間 | 8:30~17:00 |
【アクセス】
- JR松江駅から一畑バスで美保関ターミナルへ行き、隣接する万原停留所で美保関コミュニティバスに乗り換えて「美保神社入口」で下車後、徒歩約1分(バスの乗車時間は約80分)
- 米子鬼太郎空港から期間限定の「えびすライナー」で約40分(運行日は美保神社の公式サイトで確認要)
- 米子自動車道「米子IC」から車で約55分
美保神社の駐車場
美保神社の周辺にある美保関観光無料駐車場を利用して下さい。(普通車約45台)
駐車場から美保神社まで徒歩約2分です。
まとめ
美保神社は、全国に約3,000社もある「えびす神社」の総本社であり、縁結びや商売繁盛など様々なご利益のあるパワースポットです。
縁結びをより強く願いたいならば、出雲大社との両参りがおすすめ。静かな港町に佇み、スピリチュアルな気が漂う境内を歩きながら参拝しよう。朝御饌祭や夕御饌祭を拝観するために、時間を合わせて訪れるのもよいですね。
恵比寿様からより大きくて温かなパワーに触れるためにも、総本社である美保神社へ足を運んでみてはいかがでしょうか。