日本各地には、サイクリングに適した魅力的な自転車道がたくさん点在しています。
鳥取県西部にある、白砂青松が織りなす風光明媚な景色が魅力的な自転車道を知っていますか。それが「弓ヶ浜サイクリングコース」です。
コースは基本的に平坦路のため、子供連れのファミリーでも気軽に走れます。コースの起点の近くには、皆生温泉(かいけおんせん)があるので、そちらで1泊しながらサイクリングするのも良いですね。
本記事では、鳥取の絶景自転車道「弓ヶ浜サイクリングコース」と周辺の観光スポットを紹介します。
弓ヶ浜サイクリングコースとは
弓ヶ浜サイクリングコースは、鳥取県米子市の日野川河口から境港市にある境夢みなとターミナルまで続く全長約16kmのコースです。
弓ヶ浜半島や大山の美しい景観を楽しんで頂くために整備されました。2020年3月22日に全線開通し、今に至ります。
コース全体は、きれいに舗装されているため、自転車で走りやすいですね。自転車だけでなく、ジョギングやウォーキングにもおすすめできるコースに仕上がっています。
路面には、随所にルート案内が表示されていたり、案内板にて現在地と残り距離などを表記しているため、初めて走る人にも道に迷う可能性は少ないでしょう。基本的に海岸線を走る一本道。途中から海岸線を離れるところもありますが、すぐに海岸線に戻ります。
起点となる日野川河口のすぐ近くには、皆生温泉エリアがあり、数多くの旅館やホテル、飲食店が建ち並んでいます。
その中には、米子市観光センターがあり、観光情報の入手だけでなく、レンタサイクルを借りられる。なので、マイ自転車をもって来ない場合は、こちらで自転車を借りて、弓ヶ浜サイクリングコースにチャレンジしてみてはいかがですか。
【自転車のアイテム紹介】
サイクリングに役立つ様々なアイテムを、下記記事で紹介します。
弓ヶ浜サイクリングコースの紹介
弓ヶ浜サイクリングコースは、全体を通して観光スポットは少なめですが、自然景観に優れていたり、この地の文化を学べる場所があります。
それでは、魅力的な弓ヶ浜サイクリングコースについて紹介します。
【カメラに関する話】
弓ヶ浜サイクリングコースでは、様々な絶景が見られるので、旅の思い出にカメラ撮影を楽しみましょう。下記記事では、カメラに関する話を紹介します。
トンボロ現象が見られる「皆生温泉エリア」
皆生温泉エリアでは、風光明媚な皆生温泉海岸の景色を満喫できます。
白い砂浜や青々と茂る黒松林とともに、雄大な日本海の景色は実に美しい。夏になると、多くの観光客が海水浴やマリンスポーツを楽しむビーチが広がっています。
このビーチの地形は、面白いことにお椀の形になっている。Googleマップで見ると、その面白い形がよく分かりますね。
実はこれ、沖合の至るどころに設置されたテトラポットが要因なんだとか。そもそもテトラポットは、日本海の荒波から浜辺の浸食を防ぐために設けられました。それによって、生まれる水流により作り出されたそうで、「トンボロ現象」と呼ばれる自然現象でお椀型の地形を造っています。
私はテトラポットに荒波がぶつかる瞬間に、思わず「うぉー!」と声を上げてしまいました。普段は瀬戸内海の静かな海しか見ていないので、仕方がないかな。(笑)
なるほど、こんなに力強い波が数千、数万、数十万回以上も繰り替えされたら、地形に影響を与えるのうなずけますね。
陸側に目を向けると、傾いた松の木々が見て取れる。吹きつける海風がいかに強いものなのか物語っています。永い年月をかけて形成されたのでしょう。また、日野川河口では、中国地方最高峰の「大山」の景観スポットとなっており、雄大な山際から昇る朝日を楽しめるスポットだ。
また、皆生温泉海岸は、日本初のトライアスロン大会を開催した場所で知られています。海岸沿いには、右手を天に向けて上げた女性の記念碑がありますね。
2023年時点で、すでに41回目を迎えた全日本トライアスロン皆生大会。これからも熱いドラマを期待したいです。
皆生海浜公園へ向かえば、無料の足湯があります。最高のロケーションで足湯を楽しめるなんて、これは嬉しいですね。
海岸沿いの遊歩道には、手形の陶板が並んでいます。
皆生温泉開湯100年を記念して、皆生を訪れた観光客などから募集した手形の陶板を作ったそうですよ。皆生温泉エリアでは、皆生の文化に触れながらサイクリングを楽しみましょう。
【サイクリングの備え】
いざという時に備えて、自転車保険の加入をしませんか。下記記事では、サイクリング前に備えておきたい話を紹介します。
白砂青松が織りなす風光明媚な景色が魅力的
弓ヶ浜半島を走るサイクリングコースは、一言でいえば「美しい」コースです。平坦路しかないので初心者に優しく、景色を眺めながらゆっくり走るのに適しています。
防風林として松が植樹されていますが、日本海から1年中、風を受ける影響により斜めに成長しているのが特徴的。この事実から向かい風が吹く日は、前に進むのが困難なことを示している。コース全体に防風林があるわけではないので、風の影響に注意しておきたいですね。
また、風が強ければ砂が舞う心配がありますので、アイウェアをした方が快適だと思いました。ちなみに、私が訪れた日は風が非常に弱く、影響度は極小。なので、快適そのものでしたね。(嬉)
路面には、細かな砂がたまっていたりするので、スリップしないよう気を付けるように。コースの一部は、国道431号線と並走する形で走ります。国道沿いには、コンビニや飲食店などがありますので、必要に応じてコースアウトを考えよう。
海を挟んで島根半島が横たわる。その東端には、美保関(みほのせき)の町がある。ゴールの境夢みなとターミナルから、さらに約13kmほど進んだ先にある場所だ。時間がある方は、ぜひ美保関へ足を運んでみよう。古い町並みや歴史ある神社や灯台が待っています。
ところどころで、駐車場があり自動販売機やトイレが設置されていました。また、東屋やサイクルスタンドがあることも。疲れたら休憩に立ち寄ろう。起点や終点にこだわりがなければ、駐車場に車をとめて、そこからサイクリングを楽しむのも良いですね。
コースは全体的にみて、ほとんど信号がないのも素晴らしい。なので、自分のペースを維持しやすいですね。
それでは、美しい弓ヶ浜サイクリングコースの景色をダイジェストで紹介します。
海岸では、浜ぼうふの育成を行っている一帯があります。
浜ぼうふといえば、山菜として食用にしたり、漢方薬・民間療法薬として利用されている。すくすく育って欲しいですね。
ちょっとした展望台を発見。そこからは遠くに夢みなとタワーが見て取れる。
カメラのズーム機能を使って、夢みなとタワーを撮影。
ゴールに近づくにつれ、ハッキリこのタワーが見えてきますので、よい目印ですよ。
のんびり景色を眺めながら、ゴールの境夢みなとターミナルを目指しましょう。
憩いの場所、終点・境夢みなとターミナル周辺
ゴールが近づくと、海岸線を抜けて国道431号と並走します。
しばらくすれば、「境夢みなとターミナル」と書かれた標識が見えてくるので、右折してくださいね。ちなみにまっ直ぐ進むと、島根半島の方角へ進みます。
右折後の道を進むと夢みなと公園へ辿り着き、園内の奥には、夢みなとタワーがそびえ立つ。ゴールの境夢みなとターミナルは、タワーから1分もかかりません。
夢みなと公園は、地元市民の憩いの場所です。釣りを楽しんでいる人が、たくさん見られました。この公園は、1997年夏に開催された「夢みなと博覧会」の跡地なんだとか。大山を望むロケーションは素晴らしく、オブジェや木で作られたボードウォークなどが飾られています。
夢みなとタワーは、ガラス張りの姿が美しい境港のランドマーク。全長43mとタワーにしては低め。実は「日本一低いタワー」として有名な展望スポットですね。入場料(300円)が必要ですが、天気が良ければ大山や日本海を一望できるという。
当然、私は登ろうとしたのですが、なんと休館日だった。(泣)
夢みなとタワーへ訪ねる際は、休館日をしっかり確かめて訪れよう。
このタワーの隣には、「境港さかなセンター」があり、鮮魚を始め、切り身・焼き物・乾物・水産加工品などが販売されています。
ゴールの境夢みなとターミナルでは、船を間近で見学できる展望デッキがあるので、立ち寄るのも良いかも。また、駐車場が広く約350台も収容できる。なので、こちらを起点にする場合は、車を駐車するのにうってつけの場所といえます。
合わせて立ち寄りたい、周辺の観光スポットを紹介
弓ヶ浜サイクリングコースから少し離れところには、足を運んでみたい魅力的な観光スポットが点在しています。主な観光スポットを以下にまとめました。
- 境港市の「水木しげるロード」
- 古い歴史が残る風待ちの港「美保関」
- ベタ踏み坂で知られる「江島大橋」
- 圧巻な牡丹の景色が魅力的な「由志園」
それぞれについて紹介します。
境港市の水木しげるロード
境港市は、「ゲゲゲの鬼太郎」の生みの親・水木しげる氏の出身地として知られています。
そのため、JR境港駅から水木しげる記念館まで約800mの道には、バラエティー豊かな妖怪たちのブロンズ像が並んでいる。また、関連グッズのお店や飲食店も立ち並び、一大観光スポットを形成していますね。
その道は「水木しげるロード」と呼ばれ、楽しい遊び心にワクワクしっぱなしですよ。それに、運がよければ、ロードを散歩しているゲゲゲの鬼太郎のキャラクターに会えるかも。
何度訪れても楽しめる魅力にあふれています。
古い歴史が残る風待ちの港「美保関」
美保関(みほのせき)は、島根半島の東端に位置する港町です。
かつては海上交通の要所として栄えました。青石が敷き詰められた「青石畳通り」を散策しながら、その当時の面影を残す町並みを楽しめます。
また、全国に約3,000社もある「えびす神社」の総本社として有名な美保神社が鎮座しており、東端には山陰地方で最も古い灯台がそびえ立つ。それが美保関灯台ですよ。日本海の絶景とビュッフェ形式で提供するレストランで飲食を楽しめます。
美保関の特産品は「イカ焼き」が有名。店の軒先では、とれたてのイカを天日干しをしていますので、ご賞味あれ。
ベタ踏み坂で知られる「江島大橋」
ダイハツ タントカスタムのCMに登場して一躍有名となった「江島大橋」。
そのインパクト抜群な急勾配の橋は、コンクリート製の桁橋としては日本最大規模を誇る。全長1446m、最高点は約45mもあります。
初見でこの橋を見れば絶対に「うぉ~、こんなの上れるか!」となるだろう。しかし、見た目に反して勾配は6%ほどしかありません。
そのため、ロードバイクやクロスバイクでもスムーズに上れてしまうのです。撮影する場所によっては「鬼道」に変貌を遂げる、実に面白い橋ですね。
圧巻な牡丹の景色が魅力的な「由志園」
由志園は、島根県松江市大根島に位置する日本庭園です。大根島は、牡丹の栽培と高麗人参の生産地として有名ですね。
約1万2千坪の広大な敷地内には、枯山水(かれさんすい)庭園や溶岩庭園、雲州人参ミュージアムなど様々な見どころがあります。
春は牡丹、秋の紅葉、冬には島根県最大級のイルミネーションを楽しめる。1年通して楽しめる観光スポットですが、特にゴールデンウィークのイベントでは、池の上にびっしり牡丹を浮かべる可憐で迫力ある景色に、言葉を無くすでしょう。
四季折々の楽しみ方ができる出雲の箱庭は、何度でも足を運びたくなる魅力があります。
まとめ
鳥取県米子市から境港市の海岸線に整備された「弓ヶ浜サイクリングコース」は、美しい白砂青松が織りなす絶景ロードです。
全長約16kmと短めの距離ですが、その道中では、これでもかといえるほどの雄大な景色を楽しめる。ゴールの夢みなと公園へ辿り着くと、展望台や飲食スポットなど憩いの場所が待っています。
また、弓ヶ浜サイクリングコースの周辺には、水木しげるロードや美保関など観光スポットが目白押し。サイクリングと観光地巡りを一緒に楽しんでみてはいかがですか。