「天空の鳥居」といえば、テレビや雑誌、SNSで取り上げられ一躍有名になった香川県観音寺市にある高屋神社を思い浮かべる方が多いだろう。
2泊3日の香川旅の初日は、この天空の鳥居を目指し、ヒルクライムを行ないます。また、弘法大師の生誕地である善通寺(ぜんつうじ)へ参拝したり、「日本のウユニ塩湖」で知られる父母ヶ浜(ちちぶがはま)へ足を運ぶ予定ですね。
いつものように電車輪行にて香川県へ移動し、JR多度津駅へ途中下車。そして旅が始まります。いったいどんな旅になるのかは、乞うご期待!
本記事では、香川県の多度津町から観音寺市まで自転車で旅をした様子をお届けします。
多度津駅から旅立つ
抜けるような青空が広がる、とある平日の朝。電車がJR多度津駅へ到着しました。
自転車(ロードバイク)を入れた輪行袋を肩にかけ、改札口を出ると袋からロードバイクを取り出し、テキパキと組み立てる。私にとっては、もやは体に染みついた作業なので、あっという間に準備を整えた次第です。
本日の最初の目的地は善通寺。弘法大師・空海の生誕地として有名なお寺ですね。早速出発しましょう。
香川県の地理が分かる人ならば、ここで疑問に思った方も多いのでは。「だったら最寄り駅の善通寺駅で途中下車するべきだろう」そんな声が聞こえてきそうかな。
確かにその通りなのだけど、多度津駅から善通寺駅へ向かう電車の待ち時間が長く、ロードバイクで走るのとあまり変わらないことに気づいたので、その案は却下。ということで、多度津駅に下車したという訳だ。
まぁ、時間帯によっては、電車の乗り換えに待ち時間がさほどないこともあるだろう。善通寺駅までは約6kmしかなく、ロードバイクでは指呼の距離といえる。
颯爽と走り続けていると、あっという間に善通寺駅へ到着。ここから西へ向けて約1.7kmほど進めば善通寺に辿り着く。
善通寺のある善通寺市は、名前から分かるように善通寺の門前町だ。四国八十八箇所の霊場が多く点在している。また、香川県内で唯一海に面していない市ですね。
この善通寺の玄関口となる善通寺駅周辺には、黒板アートを楽しめます。黒板アートといえば、学校の卒業式などで「先生、ありがとう」と黒板に絵付きでメッセージを描いた経験をした方は少なくないだろう。
そんな懐かしさを感じるアート作品が町中で見物できるというのだから、見物しない訳にはいかない。なので、善通寺市をテーマにした「まちなか黒板アート」を見物しながら、善通寺へ向かいました。
【輪行に関する話】
輪行で自転車の行動範囲を広げよう。下記記事では、輪行に関する話を紹介します。
弘法大師の生誕地「善通寺」へ参拝
善通寺は、真言宗善通寺派の総本山です。四国八十八ヶ所の第七十五番札所であり、四国八十八ヶ所霊場会の本部も置かれている中心的な場所ですよ。
私が訪れた時は、まだ朝が早いためか、参拝者もそれほど多くはありませんでした。境内には、御影堂の「戒壇めぐり」や遍照閣の「四国八十八ヶ所お砂踏み」など見どころが多く、足を運んでチャレンジしていると時間が経つのが早いこと。
善通寺の本堂こと「金堂」へ参拝をすませ、近くの五重塔を見上げる。約43mの高さを誇る立派な塔は迫力満点だ。
また、境内には樹齢1,000年以上の大楠の存在感がとてつもない。出来るだけ近づいて、パワーを授かった次第です。
境内を見て回っていると、いつの間にか参拝者が増えてきた。境内の広さは、東京ドームと同じくらい広いので、歩きにくくなることはないかな。やはりというべきか、お遍路さんの出で立ちは目立ちますね。
四国を旅しているお遍路さんを見かける機会は多い。宗教的な目的だけでなく、健康増進やパワースポット巡りなどで四国遍路を満喫している人もいるそうだ。
四国遍路は、伊勢参り、熊野詣と並ぶ日本を代表する巡礼。今では国内だけでなく海外にも知られている。空海の足跡をたどりながら、全長1,400kmの旅をする。それだけでも歴史ロマンを感じるだろう。個人的には、とても興味を注がれますね。
尚、善通寺についてくわしくは、下記関連記事で紹介します。
ヒルクライムコースへ向かう道中にて
善通寺の駐車場へ戻り、この後のコースを再度確認しました。「天空の鳥居」として全国に知られる高屋神社(本宮)へ向かう予定なので、これからヒルクライムコースの入口へ向かう。
本宮は標高404mの稲積(いなづみ)山山頂に鎮座しており、道幅が狭く劇坂が続くので安全に気を付けけたい。
普段、自転車旅の道中には、できるだけ本格的なヒルクライムはしないようなコース作りをしているのだけど、本日はどちらかというとメインとなる。なので、時間にはかなり余裕を持たせています。まずはヒルクライムコースの入口がある三豊町と観音寺市の境目に向けて出発!
住宅地を抜けると、周囲は田園風景に様変わり。これぞ日本の田舎の景色。個人的には、都会より田舎の風景の方が落ち着くし大好きだ。そんな訳で、見るみる内にテンションが上がってきました♪
私と同じく田舎の風景に魅力を感じている人は多いのではないだろうか。田園風景の豊かな自然を横目で眺めながら、自転車のペダルを回すスピードを少し速めます。
また、香川県を旅すると目撃する機会が多いのがため池ですね。登録されているものだけでも約14,600件ほどあるというのだから、本当に凄い!!
それが周囲の田園風景と融合し、より気持ちのよい景観を作り出しています。
本日は、体感できるほどの追い風でもなければ、走りに影響がでるほどの向かい風でもない。感覚的には無風と変わらないけど、実際は少し風が吹いている。
そのような状態であるからこそ、純粋に自分の力を試せるかも。そういう意味ではヒルクライムにおあつらえ向きともいえるだろう。
高屋神社(本宮)へは、「不動の滝カントリーパーク」を目印にすれば道に迷う心配は少ない。自転車もそうだけど、車のカーナビもここを見印にするとよいですね。
観音寺善通寺線(県道49号)を疾走していると、三豊町と観音寺市の境目へ到着。「不動の滝カントリーパーク」の案内板を見つけたので、そちらの道へ分岐しよう。
奥の方には、株式会社七宝の建屋がみえるので、分岐点の目印して良いと思う。その前に少し休憩を入れるのが良いだろう。
丁度良い場所にファミリーマート観音寺流岡店を見つけたので、そこへ立ち寄り休憩を入れました。
【自転車旅に役立つアイテム】
自転車旅に役立つ様々なアイテムを、下記記事で紹介します。
「天空の鳥居」へ向けてヒルクライム
「不動の滝カントリーパーク」へ向けて道なりに北上していると、勾配が徐々に大きくなってくる。しばらくすると、道が分岐しました。
そこには、大き目の案内板があり、天空の鳥居と不動の滝カントリーパークへ向かう道を示しているので、分かりやすいですね。なので、そのまま天空の鳥居へ向けて坂道を登ります。
このヒルクライムコースは、全長約5kmほどの劇坂が続く。平均勾配が8.4%もあり、最大勾配は18%に達します。ずっとキツイ勾配ではなく、5~7%ぐらいの緩いところもあるのでご安心を。(何を安心するの?)
そんなコースですが、道中では眼下に三豊町を一望できる場所もあるので、スルーするのはもったいない。高度が高くなるに従い、絶景度合いが上昇だ。
ただし道幅は狭く、時折、車が後ろから登ってくるので気を付けよう。特に帰路で下る際には、スピードを出しすぎると、登ってきている対向車にぶつかる危険性が潜んでいる。
道自体は奇麗なので走りやすいですよ。個人的には、一度も足をつかず登り切るサイクリストに「勇者の称号」を贈りたい。
えっ、私ですか。もちろん足をついたに決まっているじゃないですか。(笑)
というのも、後ろから来た車を先へ行かせたり、眼下の景色を楽しんでいたのでとまらない訳にはいかない。決して辛いから足をとめたわけじゃないですよ。・・・うそです、ごめんなさい。辛くて足をとめた時もありました。
そんな調子で登り続けいくと、頂上付近にまたしても分岐点が見えてくる。しっかり案内板があるので道に迷わないだろう。そして、案内板に従い進むと、本宮の駐車場へ辿り着きました。
「天空の鳥居」へ向かうには、そこからまだ約150mほどの劇坂を歩かないといけない。うん、地味につらいぞ。
このような苦労をして辿り着いた「天空の鳥居」が建つ場所からの景色は、息を飲むほどのパノラマ絶景。くゎ~、苦労して訪れたかいがありました。
眼下に銭形砂絵で有名な有明浜の海岸線が伸びている。そして、穏やかな瀬戸内海と観音寺市街が一望できます。天気が良ければ、遠くに西日本最高峰・石鎚山が見えることもある。フォトジェニックスポットとしても実に素晴らしい。余は満足だ♪♪♪
もちろん高屋神社(本宮)の社殿へ足を運び、しっかり参拝しました。実は高屋神社は、金運スポットとして知られているパワースポットですよ。
しばらくの間、この場所で景色を楽しんだ後で、麓まで低速ダウンヒルを楽しんだ次第です。その後、せっかくなので、高屋神社(下宮)へ足を運びました。
下宮は小高い丘の上に建っているので、距離は短いけど劇坂の参道が続く。油断せずに行こう。
尚、高屋神社については、下記関連記事でくわしく紹介します。
交通安全を見守るもの「ミカンロボ」現る!
海岸沿いの丸亀宅間豊浜線(県道21号)を疾走し、そのまま突き進めば父母ヶ浜へ辿り着きます。数年前に訪れた時は、そうしたのですが、今回は途中で豊中仁尾線(県道271号)へ分岐しました。
どちらの県道も海岸線が見え、仁尾方面へ向かうのですが、豊中仁尾線の方が高度が高いですね。
実はこの県道には、謎のロボットがいるという情報をつかんだので、真偽を確かめますよ。
ミカン畑の横道を通り抜けていると、道の沿岸に「ミカンロボ交通安全 しっかりみているそのマナー」と大きく書かれた掲示板が目の前に飛び込んできました。
そして、カーブの先には謎のオブジェを発見!?
「あれがミカンロボに間違いない!」と声に出し猛ダッシュ。
うん、タイヤで出来たボディがいい感じ。実はこのミカンロボは、三豊市が交通安全を願って設置したといいます。
市の公式サイトによれば、ミカンとロボットが合体することで、より強力なビタミンCエネルギーを蓄えているという。なるほど。ビタミンCか・・・それはともかく、カーブ中に突然現れるのはいかがなものかな。
ひょっとすると逆効果になるかも知れないと思ったのは、私だけでしょうかね。
まぁ、個人的には、このようなオブジェが大好き!
ミカンロボよ。お勤めご苦労様です。
【観光スポットの紹介(その1)】
旅先で訪れた香川県内の観光スポットを、下記記事で紹介します。
旅のハイライト、父母ヶ浜の夕景
ミカンロボに別れを告げ、約1kmほど北上すると、父母ヶ浜(ちちぶがはま)へ到着。
父母ヶ浜は、約1kmのロングビーチが続く三豊市の海水浴場ですね。潮が引いた干潮時の夕暮れ時は、南米ボリビアの「ウユニ塩湖」のような写真が撮れるということで、一躍有名になりました。
さて、まだまだ夕方までには時間がある。今は16:00頃なので、1時間以上も待たなければなりませんが、浜辺を散策しながらゆっくりしていこう。
ん、こいつはスヌーピーじゃないですか。まぁまぁ上手に描かれていたので、思わずカメラのシャッタをきっていましたね。
個人的には、過去に何度も父母ヶ浜へ訪れていますが、一度浜辺に見渡す限りの人だかりを見たことがあり、「うぉ~、なんじゃこりゃ」と思ったのは今では良い思い出です。
本日は平日なのでそこまで人だかりは出来ていませんでしたが、それでも夕方に近づくほど、大勢の人たちが集まってきました。さすがは全国に名の知れた夕日の絶景スポットですね。
浜辺には、カフェや軽食店、アイスクリーム店、ハンバーガー店などお洒落な飲食店が多いので、休憩場所にことかかないのもGood。
こちらの看板には「この海岸には、物語がある」と書かれている。何とも意味深だ。父母ヶ浜はかつて埋め立ての危機があったそうですよ。気になる方はググって調べてみてね。
そして、ついに待ちに待った夕暮れ時です。「うぉ~~~!!!」フォトジェニック感が素晴らしい。穏やかな波に美しいリフレクション風景が広がります。
まるで絵画のような圧巻の光景に大興奮。これは良いものが見られました。
あまり暗くなると、帰路が真っ暗になるので、そうなる前に退散することに。本日の旅のハイライトとして、実に相応しいフィナーレとなりました。
【観光スポットの紹介(その2)】
旅先で訪れた香川県観音寺市の観光スポットを、下記記事で紹介します。
まとめ
1日を振り返れば、善通寺の参拝から始まり、天空の鳥居へ向けて標高404mの稲積(いなづみ)山をヒルクライム。
その後、天空の鳥居が建つ場所から、瀬戸内海と観音寺市街が織りなす絶景に大興奮!
苦労して登ったかいがありました。本日の締めは、父母ヶ浜にて夕景を堪能した次第です。その後、父母ヶ浜から観音寺市街へ引き返し、ホテルへチェックイン。実に有意義な時間を過ごしました。
今度、観音寺市へ訪れる機会があれば、荘内半島を巡りたいですね。