早春の時期に可憐な花を咲かせるのは「梅の花」ですね。この時期になると、多くの人たちが梅林へ出かけにぎわいます。
もちろん私も梅見に出かけるのは、年中行事になっている。今年(2024年)は去年と同じく岡山市東区にある神崎梅林と隣接する神崎緑地公園へ梅見としゃれ込みますよ。
今年は4年ぶりに「太伯振興梅まつり」が再開されるので、とても楽しみだ。ということで、朝からレッツゴー・・・と行きたかったのですが、午前中は所要のため午後から出発する羽目に。
また、神崎梅林から少し離れたところにある巨石群、通称「ボンボン岩」にも訪れました。時間的にあまりのんびりできないけれど、果たしてどうなることやら。
本記事では、早春に岡山市郊外をサイクリングし、梅林と巨石群を見物した様子をお届けします。
岡南大橋を渡り出発
岡山三大河川の一つに数えられる「旭川」。
旭川の河口近くに架かる「岡南大橋(こうなんおおはし)」は、岡山市中区の新岡南地区と南区の岡南地区を結ぶ橋だ。私は、その橋の入口前で佇んでいました。
晴天の下、気温は16度と高く、2月とは思えない暖かさ。折しも「太伯振興梅まつり」が開催される日にこの天候とは、これも何かの縁でしょうかね。
自転車のペダルをゆっくり回し、岡南大橋を上っていく。暖かい気温のためなのか、通行人の顔色が明るい。かつてはこの橋が架かる道路は、有料でしたが約20年前には無料となり、より便利になった。
橋を下るその直前、目の前には岡山市街が広がる。岡山駅周辺と比べると、格が何段階か落ちるが、それでもそこそこの発展ぶりなのが見て取れる。下りに注意しながら、自転車を前へ進め、岡山玉野線(県道45号)へ合流。
片側3車線もある岡山玉野線を約1.5kmほど北上し、江崎交差点を右折。そのまま道なりに進めば、のどかな田舎の風景が広がっていました。
「おっ、創立150周年か」思わずそんな言葉が漏れたのは、こちらの操南小学校の横断幕を見かけたからです。そんなに長く続けられるなんて、素直に凄いと思うし、卒業生は誇らしい気持ちになるのかも知れませんね。
気になったので調べてみると、2020年までに日本全国で創立150周年を迎えた小学校は、19,336校もあるという。思わず「そんなにあるんだ!」とツッコミを入れてしまった。(笑)
のどかな景色を横目で眺めながら、一本道を真っ直ぐ進めば、この先には旭川の支流・百間川が見えてくる。その近くには、沖田神社が鎮座しています。沖田神社から神崎梅林までは約10km程度の距離なので、ロードバイクならばお使い程度の距離といえるでしょう。
沖田神社へ向かう分岐点。いままで何度も通った道なので、体が完全に道を覚えている。ここを曲がり、約150mほど進むと、沖田神社へ辿り着きました。
本日はあいさつに立ち寄るだけなので、じっくり境内を見て回りません。
【自転車のアイテムやサービスを紹介】
快適な自転車ライフを満喫すためには、便利なアイテムを使っていきたいですね。下記記事では、そんなアイテムやサービスを紹介します。
沖田神社へ参拝
沖田神社は、江戸時代に新しく開拓された沖新田の産土神として建立された歴史を持ちます。
ご祭神は、天照大御神(あまてらすおおみかみ)、素戔鳴尊(すさのおのみこと)などメジャー級な神様を始め、多くの神様を祀っている。
鳥居をくぐり抜け、階段をゆっくり上り、地面より高い位置にある拝殿前へ足を運ぶ。2礼2拍手1礼にて参拝しました。
階段を降りると、目の前には津田永忠(つだ ながただ)の像が飛び込んできた。像の隣には、津田永忠とおきた姫の顔出しパネルが見て取れます。
沖田神社を語るには、津田永忠とおきた姫の存在は欠かせない。それが人柱伝説の話だ。その話は、本記事では割愛するので、気になる方は、こちらの沖田神社を紹介する記事で確認してほしい。
岡山県内の史跡を見て回ると、土木の天才・津田永忠が何度も登場することになる。沖新田・百間川・後楽園・閑谷学校など大がかりな事業を指揮した彼の功績は絶大だ。なので岡山の史跡巡りをするならば、知っておきたい。
境内を離れる前に振り返ると、参拝者が熱心に参拝している姿が見えた。偶然なのか必然なのか分かりませんが、私が参拝へ訪れるタイミングでは、それなりに参拝者が多い印象がある。地元では大切にされている神社ということが、ヒシヒシと伝わりますね。
さて、沖田神社の参拝を終え、よいよ神崎梅林と神崎緑地公園を目指します。
【神社仏閣の紹介】
岡山県内で立ち寄りたい神社仏閣を、下記記事で紹介します。
神崎梅林へ向かう道中にて
百間川に架かる橋を渡り、東へ向けてひたすら進む。
岡山市は生活の利便性がよい都市部と自然豊かな田舎が良い具合に融合している町だ。岡山駅周辺だけを見ると、都会に見えるだろうけど、郊外は本当に田舎。けれど、それが良い。
豊かな自然は、そこにあるだけで私たちに癒しの効果を与えてくれる。陽気のためか、ずいぶんと体も温まってきた。自転車のペダルを回す足取りも軽く感じる。金岡交差点で北東の方向へ分岐し、住宅街を抜ける。すると、目の前には吉井川が現れました。
吉井川は、旭川と同じく岡山三大河川の一つに数えられる。北部に位置する鏡野町の三国山を水源とする、幹川流路延長133kmの一級河川です。
鏡野町といえば、「奥津渓」が岡山でも屈指の紅葉の名所として、その名を轟かせている。私も過去に何度も訪れては、その綺麗な景色に感動したものだ。(奥津渓については、こちらの記事で紹介)
吉井川沿いの道を北上する。道幅はそれほど広くなく、車が行き来する頻度もそれなりに多いので注意したい。
この道をもうしばらく南下すれば、車が通行できず、実にサイクリングやジョギング、散歩に適した道に変貌しますね。帰路はそのコースを通過する予定であるが、今は北上中。しばらくすると、永安橋が見えてきた。
この橋を渡り向こう岸に行けば、西大寺浜地域に入り、神崎梅林や神崎緑地公園のある神崎町までは、あと少しの距離となる。永安橋を渡りながら、眼下の景色を堪能。
その際、「西大寺浜緑地でゆっくり休憩するのもいいかも」と思ってしまったが、首を左右に振り誘惑を断ち切る。
橋を渡りしばらくすると、西大寺浜交差点に差し掛かかったので、南東方向へ延びる道へ移動。この交差点は五差路のため、ここで道を間違えてしまうと神崎梅林へ辿り着くのには、随分と遠回りしなければならないので注意したい。
おっ、「太伯梅まつり」ののぼり旗を発見。久しぶりに見るその旗にテンションアップ!
何気に自転車のスピードを上げ、道なりに進むと、祭りのスタッフと思われる一員が車を誘導している光景を目撃。さすがは、「太伯振興梅まつり」といったところか。
その光景をしりめに神崎緑地公園の駐車場へ向かいました。
神崎梅林・神崎緑地公園で梅まつりを楽しむ
神崎緑地公園へ足を踏み入れると、その人の多さに圧倒されそうでした。見るからに4年ぶりに開催された「太伯振興梅まつり」は、大盛況のようだ。
園内の芝生広場では、子供たちが楽しそうに遊んでいる。また、屋台村ができており、定番のお好み焼きやたいやきを始め、様々な飲食ができるだけでなく、射的など昔ながらの遊びを楽しめる。
特に目を引いたのは、こちらの遊具。犬をモチーフとした遊具であり、子供たちに大人気。胴体の中へ入った子供たちが元気にはしゃいでおり、楽しそうな声が聞こえてきました。
そんな姿をしりめに、奥へ進み梅見としゃれ込みますよ。
神崎緑地公園では、隣接する神崎梅林と合わせて、20種類以上約500本の梅林を楽しめる。タカサゴシダレやゴフクシダレ、ベニシダレ、セツザンシダレ、リョクガクシダレなどが咲き誇る名所ですね。特に「タカサゴシダレ」が素晴らしい。個人的には一押しですよ。
園内には、紅い野点傘と床几台のお茶席が用意されていました。ここで座りながら、ぜんざいを食べて風流なひと時を過ごすのが私のお気に入り。
ということで、売店へ向かうと、何と閉店しているじゃないですか。「どういうこと?」と思って店の人らしい人物へ近づくと、他のお客さんとの会話が聞こえてきた。どうやら、飛ぶように売れて、完売したという。ナンテコッタイな。
う~む、午後から出発したのがあだとなってしまったのだけど、私だけでなく、今日という日を多くの人たちが待ち望んでいた結果なので、仕方がないでしょうね。
おっ、スタッフの皆さんが、餅つきをしているじゃないですか。これ頂けるのかなと思っていると、少し離れたところでは、30~50mほどの行列ができている。「なるほど」と納得するとともに、並ぶのは好きじゃないのでスルーすることに。
そして、隣接する神崎梅林へ向かいます。ここでは、特に白梅と菜の花のコラボレーションが目に嬉しい。実に良いフォトスポットだ。梅林の規模は、神崎緑地公園と比べて一歩劣りますが、2つ合わせると相乗効果が凄いかな。
神崎梅林に隣接する神前神社(かむさきじんじゃ)へ向かい参道を歩く。思わず背筋を伸ばして歩きたくなる凛とした雰囲気が心地よい。
拝殿で参拝した後で、再び神崎緑地公園へ戻りました。
遠くに見える展望台に目を向ける。神崎町一帯を一望できる展望台ですが、これからボンボン岩へ向かいたいので、パスしよう。
なので、梅見を楽しんだ後は、寄り道せずボンボン岩へ向かった次第です。
謎の「ボンボン岩」を見に行こう
神崎緑地公園を後にし、東区の東幸西地区へ入る。
一面には畑が広がり、電信柱がない空間は実に景観がよい。
ヨーロッパの都市では電柱がないのが一般的ですが、日本では今さら無電柱化は難しいと思う。一番の問題は財源というのは想像にかたくない。
そもそも日本では、戦後の焼け野原からいち早く復興するため、比較的低コストな電柱と架空線で一気に電気を引いたのが今の状態だ。その当時の状況を考えてみれば、景観なんて二の次ということ。
そんな田園地帯を颯爽と駆け抜けていると、たくさんのカラスが一斉に飛行する光景を目撃。30~50羽のカラスが飛び回る姿は、実に壮観ですね。人によっては、怖いと感じるかも知れない。ということで、急いでカメラを構え、その様子を激写。うん、何とか撮影できたぞ。(喜)
西へ向けて進んでいると、再び吉野川が見えてきた。そして、川沿いに南下すると、河口部東岸に巨石が集まっている不思議な場所へ辿り着きました。
これらの巨石群は、ボンボン岩と呼ばれており、名前の由来は不明です。巨石前には鳥居があり、奥には社(祇園宮)が見て取れる。巨石信仰・磐座信仰の社なのだろう。
鳥居へ一礼し中へ入り、祇園宮へ参拝。
あくまで想像だけど、児島湾の干拓が進む前には、この巨石群は海上の島だったそうなので、それが長い年月を経て陸地となり、周囲に稲作が行われて今の形になったのではなかろうか。
ボンボン岩をじっくり観察する。向きだしの岩肌には、所々にひび割れが見て取れる。巨石に近づくと、重なりあった巨石のすさまじい迫力がダイレクトに伝わりますね。
なぜこの場所に、このような巨石が集まっているのかは分からないけど、実に興味深い存在だ。
その後、ボンボン岩の近くにあった階段を上り、岩の上から景色を堪能。特にどうといったことのない普通の景色かな。けれど、穏やかな景観は悪くはない。
しばらくボンボン岩を見物すると、今度は対岸から見物するために向こう岸(吉井川西岸)へ移動しました。
【巨石や奇岩などのスポット紹介】
巨石や奇岩などが楽しめるスポットを、下記記事で紹介します。
吉井川西岸からボンボン岩を見物する
自転車のペダルをゆっくり回し、吉井川西岸を南下する。右手側には、工場のタンクが立ち並ぶ実にメカメカしい。個人的には好きな景観だ。そんな景色に口笛をさえずりながら進んでいると、県道177号へ合流。
既に工場地帯を抜け出ており、右手側には民家と畑が広がる。左手側には、ずっと穏やかな吉井川が流れており、吉井川東岸がよく見える。そんな折、東岸に巨石が集まっているのが見えてきました。
間違いなく「ボンボン岩」ですね。カメラを取り出し、ズーム機能を使って撮影する。改めて西岸から見ると、その異形が際立っているのがよく分かるだろう。
一角だけ向きだしの岩肌が現れ、巨石が重なり合う景色はインパクトが抜群だ。また、岩の上に生息する樹木や社の存在が、この巨石群の謎に一役買っているように見える。
東岸から西岸までは、距離が離れているので、何も知らない人ならば、全く気付かれることがないだろう。しかし、一度知ってしまえば、忘れられない存在となる。
肉眼では遠すぎて、巨石群の存在は分かるけど、細かいところまでは良く見えないので、双眼鏡があるととても便利。こうしてボンボン岩の見物を終えた次第です。
その後、道なりに進み、最終的には六番川水の公園へ到着。そこで、少し休憩した後で、帰路につき本日のサイクリングは終了しました。
【双眼鏡に関する話】
外出時に双眼鏡があると、何かと役立つ機会があるものです。下記記事では、双眼鏡に関する話を紹介します。
まとめ
本日は、神崎梅林と神崎緑地公園に梅見に出かけ、その可憐な姿に満足しました。残念ながら、私が訪れた時には、お目当ての売店の品はすべて売り切れ。う~む、初めての経験に愕然としましたね。来年は午前中から出かけ、失敗を繰り返さないぞ。
また、久しぶりに見物したボンボン岩は、なぜかこの一角だけに巨石が集まっており、相変わらず存在自体が謎ですね。いつの日か、解き明かされる日がくるのでしょうか。
ちなみに、この梅見と巨石群の見物セットは、個人的に何気に気に入りました。