本日の自転車旅は、香川県さぬき市志度を巡り大串半島にある大串自然公園へ向かいます。
昨年(2023年)訪れた時は、大串自然公園の芝生広場が工事中ということで、中へ入れず悔しい思いをしました。
つまり、今回の旅はリベンジですよ。事前にさぬき市の商工観光課へ工事が終了していることは確認しているので、今度は大丈夫のはず。
ということで、香川県さぬき市へ向けて電車輪行で出かけた次第です。
また、さぬき市志度は、江戸時代の天才発明家・平賀源内(ひらがげんない)の生誕地。源内先生ゆかりの地も合わせて巡ります。
本記事では、香川さぬき市志度を巡った様子を中心に、高松市まで自転車で旅をした様子をお届けします。
平賀源内ゆかりの地を歩く
JR志度駅へ到着後、いつものように輪行袋からロードバイクを取り出し、手際よく組み立てる。
今では、特に意識しなくても息を吸うように作業ができますね。あっという間に準備を終えると、志度の町並みへ向かいました。
まず始めに訪れるのは、「源内通り」と呼ばれるところ。
この通りには、平賀源内記念館と平賀源内旧邸あるので、どちらも訪れ源内先生の偉業に触れていくぞ。
平賀源内といえば、歴史の授業で習う江戸時代の天才発明家。知っている人も多いだろう。
「土用の丑の日にウナギを食べる」を考えた人としても有名ですね。実際は発明家だけでなく、科学者・文学者・芸術家など多才な能力を発揮し様々な業績を残した偉人です。
源内通りを歩いていると、至るどころに「そうだったのか!?源内さん」と題したパネルを見つけました。
実はこれ、源内先生に関する様々なエピソードをイラストと共に説明しているので、結構面白い。
源内通りの東端には、四国霊場八十八ヶ所・第86番札所の志度寺がある。この志度寺は、もともと平賀家の菩提寺ですよ。
源内先生の死後、平賀家を継いだ源内先生の妹婿がお墓を建てており、志度寺の塔頭(たっちゅう)だった自性院常楽寺には、源内先生のお墓があります。
飲食店や和菓子屋、カフェなどが軒を並べる通りを歩きながら、足を運んだのは「平賀源内記念館」と「平賀源内旧邸」です。
この記念館では、源内先生が全国各地で活躍した業績や発明品、遺品を集めて一般公開しています。あの有名なエレキテルを体験できるのは、見逃せないですね。
また、平賀源内旧邸では、約100種類ほどの薬草が栽培されている「薬草園」を見物。知っている薬草があったり、意外な薬草があり面白い。
それに旧邸内では、源内先生が考案した「源内健康茶」を試飲させて頂きました。薬草と聞くと苦そうなイメージがありますが、意外とすっきりと飲めて美味しかったです。
平賀源内記念館や平賀源内旧邸などの見学を終えると、志度寺へ向かいました。
尚、平賀源内記念館や平賀源内旧邸など源内先生ゆかりの地の見どころについては、下記関連記事でくわしく紹介します。
志度寺へ参拝
志度寺へ到着すると、まず始めに立派な仁王門が目を引きますね。さらに門の後方には、朱塗りの五重塔が目立ちます。
四国霊場八十八ヶ所・第86番札所ということで、多くのお遍路さんを見かけました。
仁王門といえば、金剛力士像ですね。この仁王門の両脇には、運慶作の木造で作られた立派な金剛力士像が見て取れます。また、巨大なわらじもありました。
門をくぐり中へ入れば、そこは緑あふれた境内となっている。世の中のごたごたを離れ、静かな雰囲気が漂う境内は、「清閑」という言葉がよく似合う。
ここまで緑に囲まれた境内は、なかなか珍しいのではないかな。様々な場所を歩いていると、いつしか庭園へ辿り着きました。
この庭園は、室町時代に四国管領であった細川氏によって造成されたという。現在水は涸れていますが、とても珍しい曲水式庭園ですよ。
奥へ歩いて行くと「お辻の井戸」を発見。
お辻の井戸といえば、歌舞伎や浄瑠璃の仇討の演目として知られる「花上野誉石碑(はなのうえのほまれのいしぶみ)志度寺段」で、坊太郎の仇討を果たすべく、乳母のお辻が仇討成就を願掛けして水垢離をとったと伝わる井戸です。
こちらは本堂。ご本尊は十一面観音菩薩ですよ。しっかり参拝した後で、高さが33mもある五重塔や大師堂、閻魔堂などへ足を運びました。
特に志度寺には、龍神から宝珠を取り返す「海女の玉取り伝説」が伝わっており、「海女の墓」が現存しているのでお見逃しなく。
境内を一通り見て回った後で、よいよ大串半島へ向けて出発します。
【神社仏閣の紹介】
旅先で訪れた神社仏閣を、下記記事で紹介します。
大串半島のヒルクラムにチャレンジ
大串志度線(県道135号)を道なりに進むと、鴨部川が見えてきました。この川に架かる橋を渡ると「大串自然公園」と書かれた青看板を目撃します。
確か去年も見かけた青看板、覚えているぞ。ここから目指す公園までは約5.3kmほどの距離です。
おっ、電信柱の隣に赤さびた鉄柱を発見。普段なら特に気にせずスルーしてしまうのですが、この鉄柱前に立札が立てられているではないですか。
ということで自転車を停めて、立札を見てみると「警鐘台」と書かれている。この警鐘台は、もともと護衛空母しまね丸の無線マストだったようです。
その説明文を読んでいると、確かこの先には「バベ木の端展望所」があり、そこから見える鴨庄湾では、しまね丸が大破鎮座したという案内板があったことを思い出しました。
視線を上に向けると、確かにただの鉄柱ではないのは一目瞭然。こんなところで、しまね丸の遺品を見つけるとは、これも何かの縁かも知れない。
警鐘台を後にして、しばらくすると徐々に坂道となってきました。
自転車のギアを軽くして、坂道を駆け上る。走りは軽快そのもの。坂道だけど足取りは軽く、前へ前へと突き進みます。
「こんなに楽だったかしら」なんて思えるほど余裕がありました。
本日は、まだほとんど自転車で走っていないため、体力はほぼマックスであり、足も全然削れていない。そのことが影響しているのでしょうね。
鼻歌を交じえながら、ペダルをクルクル回します。
鴨庄湾を横目で眺めながら走っていると、あっという間にバベ木の端展望所へ到着。ここまで来たら大串自然公園の芝生広場まで残り約2kmほどだ。
頂上へ近づくと勾配が約10%前後の劇坂となりますが、本日の私はまだまだ元気。一気に劇坂を上りきり、芝生広場の駐車場へ辿り着きました。
【ヒルクライムスポットの紹介】
旅先で訪れたヒルクライムスポットを、下記記事で紹介します。
大串自然公園の絶景に大興奮!
大串自然公園は、大串半島にある総面積100haの広大な自然公園です。
知る人ぞ知る絶景スポットの宝庫なのですが、イベントがない日はそれほど人出は多くありません。そのため、開放感たっぷりの園内でのびのび過ごせます。
芝生広場へ足を踏み入れると、大きく深呼吸をして体いっぱいに空気を取り入れる。うん、空気が美味しい。
奥にある展望スポットへ向かうと、瀬戸内海に横たわる小豆島が良く見えますね。これ、これですよ。この景色が見たかった。
芝生広場から海に向かって延びる遊歩道もあり、最高のロケーションです。
しばらくの間、休憩を兼ねてこの場所でゆっくりとくつろぎました。
大串自然公園の敷地内に点在する見どころは多く、全て歩いて行けはしますが、それぞれのスポット間の距離が離れていたりするので、自転車で移動するのが便利ですね。
芝生広場以外では、野外音楽広場「テアトロン」に拍手喝采を贈りたい。
斜面を利用したすり鉢状の形状と、ステージ場に並ぶギリシャ神殿を彷彿させる柱は、古代の遺跡または闘技場といわれても信じてしまうほどだ。
イベントがない日ならば、無料で中へ入れます。
また、偶然見つけた海釣り公園跡地では、透明度の高いエメラルドグリーンの海にビックリ!
思わず「うぉ~!」と叫んでしまいました。(笑)
こんな場所を発見するなんて超ラッキーです。これも旅人の神様の思し召しかもしれないですね。
その他にも長ぞわい観音・大串狼煙場跡・大串石切場跡などへ足を運び、大串自然公園を満喫しました。
大串自然公園については、下記関連記事でくわしく紹介します。
高松市街へ向かう道中にて
大串自然公園を後にして、来た道を引き返します。帰りは下り基調。自転車で高いところから下るときの滑空感は最高ですね。これ本当に気持ちがいい。
あっという間に源内通りへ戻ってきました。そのまま西へ走り、高松市を目指します。
しばらくの間、讃岐街道を進むと、国道11号線と合流。このまま国道を使えば高松市街へ続いているのですが、とにかく車の交通量が多い。
ということで、別に急いでいる訳でもないのでパスすることに。房前交差点の西側にある三木牟礼線(県道38号)を経て、高松志度線(県道272号)へ入る。
このコースで高松市まで行きますよ。周囲を見渡せば、のどかな景色が続く。それが良い。
代り映えしない景色と思われるかも知れませんが、個人的には飽きのこない風景ですね。
それに時々道のあちこちで見かけるモニュメントが面白かったりする。
たとえばこちらモニュメント。一体何を表現しているのだろうか?
そんなモニュメントの発見や考察を楽しみながら進んでいると、遠くに高松市の市街地が広がってきました。よいよ都市部へ入ります。
自転車乗りにとって、都市部は信号がたくさんあるところが多いのが難点ですね。
おっ、あれは高松市のシンボル「屋島」ではないですか。あの平べったい形状は、遠くからでもよく目立つ。また機会を作って頂上まで上りたいかな。(屋島については、こちらの記事で紹介しています。)
高松市街へ入るとビルが多い。四国でも指折りの都会だ。ちなみに四国最大の高層ビルが、高さ151.3mの高松シンボルタワーだったりします。
その後、本日の旅のハイライトとして、高松港に隣接する「せとシーパレット」へ向かいました。
【自転車旅に役立つアイテムの紹介】
自転車旅で役立つ様々なアイテムを、下記記事で紹介します。
旅のハイライト「せとシーパレット」へ到着
高松港へ辿り着くと、カラフルな色彩が特徴的な高さ約8mの2本の柱が目に留まりました。
この柱は、大巻伸嗣さんが手掛けた瀬戸内国際芸術祭2010で出展したアート作品。
柱の一部は鏡となっているため、見る位置や時間帯のよって様々な表情を魅せてくれる。青空の下では、よりその存在が映えるため、撮影スポットとしてもおすすめですよ。
そして、向かうは「せとシーパレット」です。2万トン級岸壁の背岸に造成された階段式の長大な護岸で、緑豊かな憩いの場所ですね。
園内では、瀬戸内海で見られる小さなイルカ「スナメリ」をモチーフにしたベンチを発見。うん、可愛いベンチですね。
さすが憩いの場、本日も多くの人が、訪れていました。
北側には、海に向かって延びる玉藻防波堤があり、先端の赤灯台「せとしるべ」がいい感じ。
目の前に見える島は「女木島」だ。女木島は、桃太郎の話に登場する「鬼ヶ島」ともいわれています。
鬼ヶ島を眺めながら、本日の旅はこれにて終了。さて、次回はどこへ行こうかな。
まとめ
晴天の下、大串自然公園の芝生広場から眺める瀬戸内海は、実に素晴らしかったです。また、ギリシャ神殿を彷彿させる野外音楽広場「テアトロン」も見応えがありました。
特に海釣り公園跡地で透明度の高い海を発見したのは、全く想定していなかったかな。こういう発見があるので、旅はやめられないですね。
また、平賀源内記念館や平賀源内旧邸では、源内先生の偉業や発明品などを色々学べて面白いのでおすすめします。
今後も大串半島へ訪れる機会はあると思うので、今度は近くにある庵治(あじ)半島や屋島などと合わせて楽しみたいですね。