日本は国土の約7割が森林であると言われています。
そうした環境であるため、旅を続けていると、信じられないような巨木を見かける時がありますね。
日本では、古くから神聖視されている木や祀られている木が存在しており、そのような木は御神木と呼ばれ崇め奉られています。
御神木になる木には、主に杉、椎、楠、いちょうなど巨木が多いですね。
今回旅で訪れた高知県長岡郡大豊町には、日本一大きな杉の木が存在していました。
本記事では、樹齢3,000年と言われている「杉の大杉」について紹介します。
巨木の基準とは
普段から巨木、巨樹の言葉を使っていますが、何cmの大きさから巨木と定義されているのかご存じでしょうか。
多くの人は、特に定義など気にせず、感覚的に巨木の判断をしていますね。
感覚的な判断ですと、判断した人の主観が入るため、人によって巨木の定義が曖昧になります。
また、木には空洞やコブなど凸凹があるため、計測した位置次第では、同じ木でも大きさが異なってきますね。
決まった計測方法で測定しなければ、全国にある木々を比較することはできないよ。
環境省の調査方法によると、地上から130mの高さで計測を行っているそうです。
測定した幹回りが300cm以上あれば巨木と認定されます。
近所や旅の道中で大きな木を見かけた場合は、地上から130m辺りを確認して、巨木判定をしてみませんか。
思い出が一つ増えるでしょう。
高知県の大豊町が誇る日本一の杉の木を訪ねて
「道の駅 大杉」を目指そう
今回の旅のスタート地点は、高知県長岡郡大豊町にある大杉駅です。
大杉駅までは電車でやってきました。自転車(ロードバイク)を輪行してきましたので、早速自転車を組立てます。
大杉駅の駅舎の外観は、三角系のユニークな形をしていますね。
その外観をみて「ほぉー、おもしろい形しているな」と思わず独り言が漏れました。
大杉駅前は平日であったためでしょうか、閑散としていましたが、駅前にある橋の上から眺める川の景色はとても綺麗です。
「うん、悪くない」と言葉に出して、早速、日本一の大杉がある場所へ向かいます。
この大杉がある場所の直ぐ近くには「道の駅 大杉」があるので、この道の駅を目指しましょう。
大杉駅から国道32号線を南方向へ約1km程進んでいると「道の駅 大杉」が見えてきました。
圧倒的な存在感!日本一の大杉
「道の駅 大杉」から大杉へ向かう道は非常にわかり易いため、道を間違えることはないでしょう。
この写真で分かるように「日本一の大杉」と書かれたパネルが大きく設置されています。
約400m程、坂道を上ったところには駐車場があります。
駐車場はそれほど広くはないので、車で訪れた場合、スペースが全て埋まっていたならば「道の駅 大杉」の駐車場を利用すると良いでしょう。
駐車場の直ぐ近くには、杉の大杉の料金所がありました。
料金所で入場料200円を支払った後は、料金所の目の前にある階段を上りましょう。
階段は数十段しかありませんので、余裕で上れます。
階段を上り切った先には神社が見え始め、その隣にはそびえ立つ巨木を発見。
これが、日本一の大杉であると一目見てわかりました。
「・・・なんだぁ・・・これは・・・・」思わず声が漏れました。
我こそはこの地上の主と言わんばかりの圧倒的な存在感に驚きを隠せません。
この大杉の周りは遊歩道になっていますので、遊歩道を散策しながらじっくりと大杉を見学しましょう。
見れば見るほど、その存在感に圧倒されます。
本当にすごい巨木を見ました。
この日本一の大杉は「杉の大杉」と呼ばれています。
推定の樹齢は3,000年以上といわれ、1952年には国の特別天然記念物に指定されました。
根周りが約20m、樹高が約60mの日本最大の杉だそうです。
写真を見て分かるようにこの大杉は2つに分かれていますが、根元で合着しているため、別名「夫婦杉」とも呼ばれています。
古来から信仰の対象とされ、日本神話に登場する素戔男尊(スサノオノミコト)が植えたという言い伝えがありますね。
この大杉は一見の価値がありますので、高知県の大豊町へ訪れる機会があれば是非訪れてみて下さい。
きっと物凄いパワーを授けてくれるに違いありません。
八坂神社を参拝しよう
大杉の隣には、八坂神社がありました。
ご祭神はもちろん素戔男尊です。(八坂神社は全国にあり、素戔男尊を祀っています。)
拝殿の飾りの彫り物が、凄い出来栄えですね。
龍は今にも動き出しそうです。(笑)
可愛い狛犬が護ってくれています。
境内に存在するだけでも、心が洗われていくようでした。
大杉だけでなく、八坂神社にもお参りをしていきましょう。
美空ひばりさんの遺影碑と歌碑
「杉の大杉」を見学した後は、直ぐ近くにある休憩所へ向かいましょう。
その休憩所には、昭和の歌姫である美空ひばりさんの遺影碑と歌碑がありました。
当時9歳のひばりさんは公演旅行中に交通事故にあってしまい、大豊町で療養していたそうです。
療養後に八坂神社へ参拝して、「杉の大杉」に「日本一の歌手にしてください」と願いをかけたと言われています。
更に、ひばりさんが14歳のときには、当時お世話になった人たちの元を訪れ、この杉に参拝したということでした。
その縁によって、大豊町はひばりさん没後の1993年に遺影碑と歌碑を建立したそうです。
美空ひばりさん以外にも「杉の大杉」には多くの著名人が訪れているよ。幕末には、山内容堂や坂本龍馬が訪れているようだね。
遺影碑のそばには、3つのボタンを押すことができる端末があります。
ボタン一つ一つにひばりさんが歌った歌の名前が表示されていました。
それぞれのボタンを押すと、ひばりさんが歌った歌が流れる仕組みになっています。
さっそく、「川の流れのように」のボタンを押してみました。
懐かしい曲が流れ始めます。
東屋に座りゆっくりと歌を聴いても良いし、歌を聞きながら散策を楽しむの良いです。
辺りには、綺麗な桜や小さな水車と池が目に留まり、目を楽しませてくれますね。
また、池の中には鯉がゆったりと泳いでおり、草むらには猫が気持ち良さそうに日向ぼっこをしていました。癒されますね。
もし時間が取れるのでしたら、端末のボタンは3つありますので、全ての曲を聞いてみませんか。
美空ひばりさんの歌を聞きながら、まったりと過ごしましょう。
そして、杉の大杉に自分の大願成就のため、祈ってみませんか。
サイクリストならば、自転車ライフの充実を願うのが良いかもしれませんね。
日本の巨木ベストスリー
日本には「杉の大杉」以外にも数多くの巨木がありますがベストスリーを紹介します。
順位 | 名前 | 幹回り | 場所 | 住所 |
---|---|---|---|---|
1 | 蒲生のクス | 24.22m | 蒲生八幡神社 | 鹿児島県姶良市蒲生町上久徳2259-1 |
2 | 来宮神社の大楠 | 23.90m | 来宮神社 | 静岡県熱海市西山町43-1 |
3 | 北金ヶ沢のイチョウ | 22.00m | 青森県深浦町 | 青森県深浦町北金ヶ沢塩見形356 |
この中で実際に私が訪れたことがあるのは「来宮神社の大楠」ですね。
樹齢2,000年の大楠であり、幹の周りを1周すると寿命が1年伸びると言われています。
杉の大杉の基本情報とアクセス
住所 | 高知県長岡郡大豊町杉794 |
電話番号 | 0887-72-1585(大杉料金所) |
営業時間 | 4月から9月 8:00~18:00 10月~3月 8:30~17:00 |
定休日 | 元旦のみ休み |
料金 | 200円 |
【アクセス】
- JR大杉駅から徒歩で15分
- 大豊ICから車で5分
杉の大杉の駐車場
料金所の近くに無料駐車場があります。(普通車30台)
まとめ
日本一の大杉を訪れて、その圧倒的な存在感には脱帽です。
大杉の周りを歩いているだけで、パワーをビシビシ感じており、まさに御神木に相応しいたたずまいでした。
これからも長くこの地に留まり、その威光を示し続けて頂きたいですね。
【周辺の見どころ】
杉の大杉周辺の見どころを、下記記事で紹介します。