パナレーサー(PANARACER)から販売されたレーシングタイヤ「AGILEST(アジリスト)」は、何かと話題が堪えないですね。
Race evo4シリーズから正当進化を遂げた後継モデルとして、多くのサイクリストに使われています。アジリストシリーズの中でも、耐パンク性能を重視した「アジリスト DURO(デューロ)」は、ロングライドや自転車旅に最適なタイヤですよ。
本記事では、自転車旅がライフスタイルの私が愛用しているタイヤ「アジリスト DURO」をレビューします。
「アジリスト DURO」の紹介
サイクルスポーツの本場ヨーロッパでは、ミシュラン・シュワルベ・コンチネンタルなどサイクリストなら、一度は耳にしたことがあるタイヤメーカーがたくさん存在します。
日本にも世界に誇るタイヤメーカーは存在しており、その1つがパナレーサーですね。
もともとパナレーサーが提供するタイヤは、シチュエーションに合わせて様々な種類があり、高品質・高性能として人気が高いです。
そんなパナレーサーから2022年2月22日に発表された新フラグシップロードタイヤ「アジリスト(AGILEST)」は、瞬く間に人気タイヤとなりました。
アジリストは、シーンに合わせて様々なモデルが販売さています。全モデルには、新型コンパウンド「ZSG AGILE Compound」と「Tough & Flex SuperBelt/Outer Shield」というシールド構造が採用されることで従来モデルより性能が飛躍的にアップ。
それは、高いグリップ力を維持したまま、12%の転がり抵抗軽減の実現に成功したのです。
アジリストのモデルの1つには、冒頭で触れた「アジリスト DURO」(以下、DUROと略す)があります。「DURO」は、モデルの中で最も耐久性を誇るクリンチャータイヤ。
ノーマルのアジリストと比べてトレッド面だけでなく、タイヤ全体を「Tough & Flex SuperBelt/Outer Shield」というシールド構造が覆っていますよ。
更にその下には、Pro Tite Beltという耐貫通性能の高い耐パンクベルトが備わり、より強固な耐パンク性能を与えている。これらの結果、高性能な耐パンク性能を備えた一級品のタイヤが実現できた次第です。
「アジリスト DURO」はどんな人に向いているのか
DUROは、パンク要因の多い荒れた路面に威力を発揮します。特にパンクを避けたいロングライドや自転車旅では、心強いですよ。
そのため、絶対にパンクしたくないという方に向いているタイヤです。
ロングライドや自転車旅では、必ずしも綺麗な路面を走れるとは限りません。また、パンクしてしまうと、修理に時間が取られるだけでなく、テンションが下がりますね。
旅を続けながら、絶景・観光地を巡っていると、パンクが原因で想定時間内に到着できず、泣く泣く帰る羽目に陥ることもあります。
なので、耐パンク性能の高いタイヤは、ロングライドや自転車旅をメインにする人にとっては、絶対に必要といえるでしょう。
アジリスト DUROのレビュー
私が「DURO」を半年以上使った結論は、ロングライドや自転車旅では、このタイヤさえあれば他のタイヤはいらないです。
耐パンク性能はもちろんのこと、グリップ力や乗り心地の良さも大変素晴らしく、100点満点を上げても良いですね。
前モデルの「Race evo4 DURO」も素晴らしかったのですが、更に性能が良く成っていることが感じられます。
たとえば、連続するコーナーのある下り坂などでは、そのグリップ力が遺憾なく発揮され、タイヤがしっかり路面に接地してくれるので安心感を感じられる。
不意にグリップを失わない安心感があれば、リラックスした状態でロードバイクを倒していける。個人的には、Race evo4 DUROより、グリップ力が上っているように感じられました。
乗り心地は、タイヤの空気圧の調整で変わってきますね。普段、私が使う空気圧は7~7.5bar。
もともとアジリストシリーズの特徴として、跳ねにくいのが売りですが、これには「なるほど」と納得するばかりです。
乗り心地を一言で表すならば「マイルド」という表現がよくあっている。路面の小さな凹凸は、タイヤが吸収してくれているのでしょう。それが、マイルドな乗り味になっていると思われます。
また、転がりぐらいもイイ感じです。それに加速性能も中々のもの。けれど、ロードレースに参加するならば、今一つ元足りないですね。
しかし、ロングライドや自転車旅では、そもそも加速性能は、あまり重視していないため、特に問題はありません。
私は700×25Cのタイヤを履いていますが、耐パンク性能のタイヤにしては、220gという重量は十分に軽いですよ。700×28Cでも250gと軽く、こちらのタイヤをメインにしても良いでしょう。
タイヤもホイールと同じく軽いほど、軽快な乗り味になるけど、ある一定以上の軽さが確保できていればそれ以上はリスクにしかなりません。
それは、軽さを追い求めるために、何かを犠牲にしなければならないからですね。
そういう意味では、「DURO」は耐パンク性能を高めるために重量を犠牲にするどころか、性能を向上させた商品であり、このようなタイヤを開発してくれたパナレーサーに拍手を送りたい。
本格的な雨の中を長時間走ってはいないので、雨天時の使用感は評価できませんが、小ぶり程度ならば、グリップ力に問題を感じませんでした。
もちろん、雨天時はスピードの出し過ぎは危ないので、普段よりスピードを落としますが、ブレーキの制動力も安定しているように思えます。
「DURO」は、耐パンク性能・グリップ性能・乗り心地を高い次元で実現した、ほぼ万能に使えるタイヤですね。
比較的安価で入手のしやすさも評価できる
年間の走行距離もよりますが、タイヤは消耗品なので、1~2年に1回の頻度で交換する人が多いでしょう。
アジリストシリーズは、良心的な価格です。モデルにもよりますが、クリンチャータイヤならば約8,000円で入手可能です。安価なタイヤと比べると、1本約8,000円は高く感じますが、有名な海外メーカーのタイヤともなれば、約10,000円が当たり前ですよ。
また、パナレーサーは国内メーカーであるため、アジリストシリーズは通販・店舗ともに入手がしやすい。高性能なタイヤを必要な時期に比較的安価で入手できるのは、高く評価できます。
アジリストシリーズの紹介
アジリストシリーズには、全部で以下の5つのモデルが販売されていますね。
- アジリスト
- アジリスト LIGHT
- アジリスト DURO(本記事で紹介)
- アジリスト TU
- アジリスト TLR
本記事で紹介した「DURO」以外のモデルについて紹介します。
アジリスト
Panaracer Ratioを体現するスタンダードモデル
様々なシーンやレースに対応する次世代のレーシングタイヤです。圧倒的な転がりの軽さを実現しており、高い耐パンク性能とグリップ力、しなやかさを同時に合わせ持ちます。
オールラウンドに使えるため、タイヤ選びに迷われたら、このタイヤを選んでおけば間違いがありません。
サイズ(重量) | 700×23C(180g) 700×25C(190g) 700×28C(210g) |
サイドカラー | ブラック、スキン レッド(25Cのみ) ブルー(25Cのみ) |
アジリスト LIGHT
ヒルクライムに最適、超軽量なレーシングタイヤ
極限まで軽量性を求めたため、トレッドパターンから原材料まで全方位による専用設計がされました。
その結果、アジリスト以上の圧倒的な走りの軽さを実現。その軽快な走りぶりは、特にヒルクライムで力を発揮します。
サイズ(重量) | 700×23C(160g) 700×25C(170g) |
サイドカラー | ブラック |
アジリスト TU
チューブラーモデルのオールラウンダー
チューブラーモデルのアジリスト。グリップ力や耐パンク性能を高い次元で発揮しつつ、しなやかな乗り心地が素晴らしい。
世界の頂点を決めるレースでも戦える性能は、次世代のレーシングタイヤに相応しいです。
サイズ(重量) | 700×25mm(260g) |
サイドカラー | ブラック |
アジリスト TLR
チューブレスレディモデルのオールラウンダー
チューブレスレディモデルのアジリスト。高い次元で転がりの軽さと耐パンク性能、しなやかさを同時に実現している。
ホイールトレンドに合わせたサイズ設計により、装着性やマウント性、フックレスリムに対応しています。
サイズ(重量) | 700×25C(220g) 700×28C(250g) 700×30C(270g) |
サイドカラー | ブラック |
まとめ
耐パンク性能を重視した「アジリスト DURO」は、ロングライドや自転車旅でその力をまんべんなく発揮します。
荒れた路面でも気にせず走れるのは心強く、連続するS字カーブの下り坂でも、安心してロードバイクを傾けて走れますよ。また、耐パンク性能やグリップ性能だけでなく、乗り心地も素晴らしい。
ロードレースなど競技志向の人には、加速性能が今一つ物足りなさを感じるかも知れませんが、ほぼ万能に使えるタイヤです。
ロングライドや自転車旅をメインにしている人には、「アジリスト DURO」をお勧めします。