ママチャリには、標準装備として泥除け(フェンダー)を取り付けていますが、クロスバイクやロードバイクのようなスポーツ向けの自転車には、始めから装備はされていません。
必要に応じて、自分で取り付ける必要がありますが、その際見た目を気にする人が多い。スポーツ系向けの自転車は、機能だけでなくデザインを重視するものですね。そのため、「泥除けを付けるとダサい!」と感じる方は少なくない。
しかし、用途によっては、積極的に泥除けを活用すべきですよ。
本記事では、クロスバイクやロードバイクに泥除けはダサいと思っていても、使うべき必要性や用途を説明します。
泥除け(フェンダー)はダサいと思っても必要である
そもそもロードバイクは、レースの機材として発展を遂げてきました。そのため、レースに不要なスタンドや泥除け(フェンダー)などのアイテムは最初から取り付けておらず、その見た目はスタイリッシュですね。
所説はありますが、クロスバイクはロードバイクの派生として誕生し、ロードバイクと同様に余計なものは付いていません。
それが長い年月を経て、「クロスバイク・ロードバイク ≠ 泥除け」という固定観念になっているのではないでしょうかね。
そんな風に思っていれば、泥除けを取り付けた車体は、フォルムが崩れてしまい違和感を感じたりするだろう。その結果「ダサい」となるわけだ。そもそも「ダサい」「ダサくない」の美的感覚は人それぞれですね。
自転車というのは、必ずしも晴れの日のみで走行する訳でなく、あえて雨天でも走行する時はあるし、走行中に急に天気が崩れることもあるでしょう。そんな時に役立つアイテムが泥除けですよ。
クロスバイクやロードバイクは、ママチャリと比べ走りが軽く、スピードを出せる自転車ですので、路面に水や泥があるとよく飛び跳ねてしまう。酷い時には、頭上まで飛び跳ねることもあり、自分だけでなく周りにも被害を出しかねません。
自転車の見た目だけを気にして、水浸しや泥だらけになるなんて、そちらのほうがよほど「ダサい!!」といえるのではないでしょうか。
泥除け(フェンダー)を必要とする用途
先ほども触れましたが、泥除けは「雨天」で活躍するアイテムなのは間違いありませんが、晴れの日にも役立ちます。
雨が止んだ後は、すぐに路面が乾くものではなく、しばらくの間は濡れた状態が続いているものです。そんな路面を自転車が通過すると、雨水や泥を跳ね上げてしまう。また、雨に関係なく路面が濡れていたり、水たまりができている時もありますので、油断は禁物ですね。
つまり、用途によっては、泥除けは常に取り付けておいた方が重宝する場面が多い。そこで、泥除けが活躍する主な用途を以下にまとめました。
- 街乗りや通勤通学
- 自転車旅
それぞれについて説明します。
街乗りや通勤通学
街乗りや通勤通学では、雨が降っていても自転車で走る機会が多いですね。町中を走っていて、周囲にいた人に雨水や泥をかけるのを防ぐためにも泥除けは必須となる。
「ダサいから付けたくない」というのは、最早わがままですよ。見た目を重視するならば、デザイン性の高い泥除けを使おう。できれば、スタイリッシュ感は失われますが、泥跳ねをしっかりガードしてくれるフルフェンダーがおすすめです。
自転車旅
泊りがけの自転車旅では、2泊3日などの短期間や1ヶ月以上の長期間にわたり自転車で移動するので、完全にいつ雨が降るのかなんて、予想できるものではありません。
また、濡れた路面を走らざる得ない機会が出てくるので、基本的に泥除けは常時取り付けておいた方が、精神衛生上この上なく安心できるものですね。くわしくは、こちらの記事で説明します。
多少の雨ならば泥除け(フェンダー)は必要ない?
晴れた日にしか自転車に乗らなかったり、濡れた路面は常に回避するのであれば、泥除けは必要ないでしょう。
なので、休日の晴れた日にサイクリングで使うだけならば、わざわざ泥除けを取り付ける人は少ないと思います。
実は、雨の降り具合にもよりますが、多少の雨であれば、泥除けがなくても泥跳ねの被害を最小限に抑える方法があるのをご存じですか。
その方法とは、とても簡単で単純に自転車のスピードを出さないだけです。時速10km以下であれば、思ったほど泥跳はしませんね。だからといって過信はしないように。
ママチャリでも普通に走れば時速10~15kmほどはでるものです。それより遅いスピードで走るとなると、クロスバイクやロードバイクならば亀のように遅く感じてしまう。
一時的に濡れた路面を通過するだけであれば有効だろう。しかし、レインウェアを着ていたとしても、わざわざスピードを犠牲にしてまで雨の中を走行し続けるのは苦痛ですよ。ということで、雨天で走るならば、やはり泥除けを取り付けた方が無難です。
雨天では、晴れの日と比べて視界が悪くなるので、自転車のスピードの出しすぎに注意しよう。
「前輪側」の泥除けと「後輪側」の泥除けの違い
泥除けは、必ず前輪と後輪の両輪に取り付けなければならないものではありません。簡単にまとめると、以下のようになる。
- 前輪側:必ずしも必要ではない
- 後輪側:必須
前輪側は、泥除けがなくてもタイヤで跳ねた泥水がフレームのダウンチューブ裏にあたり、被害を軽減してくれます。
運転の仕方や泥水の量によっては、自転車に乗っている自分に全く被害がなく乗り続けられる。けれど、大きくカーブするとタイヤの角度が変わることで、フレームが巻き上げた泥水を防げず、直接顔にかかる可能性があるのは怖いものだ。
なので、そのような運転はせず、スピードをおさえて走るのがベターですね。つまり、前輪側はなくても対処の仕方があるといえます。
また、後輪側では、タイヤが泥水を巻き上げてしまうと、自分の背中や周囲にいた人へ泥水が飛び散る可能性が高いため、泥除けは必須です。大きめのサドルバッグを付けて入れば、背中にかかる泥水を防いでくれたりしますが、バッグが汚れるのはいかがなものかな。
何にしてもノーダメージはありえず、サドル裏からお尻に泥水がかかると、パンツやズボンがずぶ濡れとなり、不快極まりない。そんな状態では、自転車を運転していても楽しめるはずがありません。
デザイン性に優れた泥除けならばダサくない!
泥除けは大きく分けると、「フルフェンダータイプ」と「ワンタッチタイプ」に分けられる。
フルフェンダーを取り付けたクロスバイクやロードバイクは、見た目がダサく感じてしまうものだけど、泥除けとしての性能はピカ一だ。その反面、取り付けると見た目だけでなく重量が重くなる。
特に輪行を多用する人にとっては、泥除けの脱着はかなり面倒くさい。敬遠する人は多いでしょうね。
一方、ワンタッチタイプは必要な時にサッと簡単に取り付け、不要であれば取り外しも簡単だ。携帯に優れたものもあり、スタイリッシュな見た目の泥除けがあったりして、デザイン性もよい。
しかし、フルフェンダーと比べて泥除けとしての性能は劣り、ものによってその性能にはバラツキがあります。デザインや携帯性にこだわるならば、「ワンタッチタイプ」の泥除けを使うのはありですね。
雨の日に備えて「泥除け + レインウェア」をそろえておこう
雨天に走行するならば、泥除けだけでなくレインウェアも必須です。小雨程度であれば、撥水効果の優れたウインドブレーカーでも対処できますが、本格的な雨であればレインウェアがないと走るのが苦痛ですよ。
レインウェアを選ぶ際、黄色や橙色、蛍光色など遠くからでも目立つ色のものを選ぼう。また、反射板が付いていれば、車のドライバーに自転車の存在をアピールできます。
レインウェアの選び方やおすすめを、下記関連記事で紹介しますので気になった方は、一読してみて下さいね。
まとめ
クロスバイクやロードバイクのようなスポーツ向けの自転車には、泥除け(フェンダー)を付けない方が、スタイリッシュで見た目が良いですね。
しかし、自転車を使う用途によっては、泥除けは必須アイテムとなる。特に雨の日や雨上がりなど濡れた路面を走行するならば、欠かせないアイテムです。
主に街乗りや通勤通学、自転車旅にクロスバイクやロードバイクを使用するならば、泥除けを常時取り付けておこう。
泥除けの中には、スタイリッシュな外観を損なわない優れたデザインのものもあります。たとえ「泥除けを付けるとダサい!」と感じたとしても、快適な自転車ライフを過ごすためには、必要に応じて取り付けましょう。