
ママチャリには、標準装備として装着されているフェンダー(ドロヨケ)。
しかし、ロードバイクやクロスバイクなどのスポーツ系自転車では、フェンダーを付けている人をあまり見かけません。
そうすると「フェンダーは、いらないんじゃないの?」と思ってしまう物。
確かに晴れた日にサイクリングするならば、絶対に必要ではないかも知れませんが、自転車旅を何日も続けていくためには、必要不可欠な装備であり、とても重宝します。
「そんなの嘘だー」と思っている方、本記事を読み進めて下さい。
フェンダーの素晴らしさに驚きますよ。
本記事では、自転車旅で重宝するフェンダーについて、なぜ必要なのかお伝えします。
自転車旅を続けるならば、フェンダーを付けよう
フェンダーの機能は、一言でいうと「水や泥が飛ばないよう防ぐ」です。
「なんだ、それだけなのか」と思っているあなた。
フェンダーの実力をなめてはいけません。
意外にこの水や泥の飛び跳ねを防ぐ機能は、旅を続けていくのに精神的な安心感を与えます。

もし水が溜まっているところを走る時、フェンダーがないと自分に水がかかりますね。
この水が綺麗ならば、まだ良いのですが、道路に溜まった水は大抵泥水であり、そんな泥水を被るとテンションが下がりっぱなしになります。
すると、旅を続けて行く意欲が失われる場合もあるのです。
自転車旅では、必ずしも天気が良い日だけで走る訳ではなく、時には雨の中を走らざる得ない場合もありますので、フェンダーは必須と言って良いでしょう。
そこで、主なフェンダーのメリットを以下にまとめました。
フェンダーのメリット
- 後輪や前輪が巻き上げた水を防ぐ
- 荷物が水に濡れるのを防ぐ
- 自転車が水に濡れるのを防ぐ
- 大型のサドルバックがタイヤと擦るのを防ぐ
上記に挙げたメリットの内、1~3は誰しもが該当するでしょうが、4番目のメリットは人によって異なります。
個人的には「大型のサドルバックがタイヤと擦るのを防ぐ」効果が、かなり役立ち、晴れた日でもフェンダーは手放せない装備となりました。(詳しい話は後述します。)
普段のサイクリングは、天気の悪い日には行わないのが一般的なので、フェンダーは必要ありません。
最終的には、自転車を使う用途によって、フェンダーの有無が決まるでしょう。
スポーツ系自転車にフェンダーを付けない理由
ロードバイクなどのスポーツ系自転車では、一般的にフェンダーを装着しません。
理由は色々考えられますが、簡潔に言えば「必要ない」からです。
スポーツで扱う機材として考えると、余計な装備品は壊れる危険もあるし、重量も重くなり、ハッキリ言って邪魔な存在ですね。
輪行するならば、フェンダーの構造にもよりますが、毎回フェンダーの脱着は作業の手間になり、敬遠する人も多いでしょう。
そういう私も、ほぼフルフェンダーを付けたロードバイクで輪行する時は、毎回フェンダーを脱着するのが面倒なので、大き目の横型の輪行袋で、フェンダーを装着したままロードバイクを輪行袋に入れていました。
また、多少の水はねや泥はねを気にしない人にとってもフェンダーの恩恵は、あまり実感できません。
【輪行あれこれ】
輪行を覚えれば自転車旅の世界が広がりますね。下記記事では、そんな輪行に関することについて紹介します。
フェンダーのメリット、自転車旅で重宝する理由
後輪や前輪が巻き上げた水を防ぐ
フェンダーを付けていない自転車で、雨の日に走ったことがある方ならば、誰もが経験したはずです。
後輪のタイヤが水を巻き上げて、ずぶ濡れになった苦い記憶を。
サドルの裏からお尻に水がかかり、ズボンやパンツがずぶ濡れになると、思わず愚痴ってしまいますね。
尚、かかった水がとても汚く、とても不快なので、テンションも下がりっぱなしになります。

また、前輪のタイヤが巻き上げた水は、基本的にダウンチューブの裏に当たるので、水の量によっては防いでくれるでしょう。
しかし、ダウンチューブの裏に当たった水が更に飛び散り、足や靴が濡れることもあるので注意が必要です。
大きくカーブすると、タイヤの角度が変わり、巻き上げた水がダウンチューブの裏に当たらなくなると、直接顔にかかることも有り得ます。
そんな経験は、出来れば一度たりともしたくはないですね。
私が行う自転車旅のスタイルでは、大雨の日は基本走らなくて、旅の途中で天気が悪くなり、大雨が降った場合は、雨が止むまで雨宿りします。(昔はカッパを着て雨の中でもガンガン走っていました。)
小雨程度ならば、そのまま走りますがスピードをあまり出しません。
そのため、後輪側にはフェンダーを装着して、前輪側にはフェンダーを装着しなくても、今まで水はねによる被害を受けたことがほぼないですね。
この方法は、自転車の運転の仕方にも関わってくるので、お勧めはしません。
やはり前輪・後輪共にフェンダーを付けた方が無難であり、安心感があります。
【自転車旅で自己成長しよう】
自転車で一人旅を続けていると、自己成長が図れたりしますね。下記記事では、自転車一人旅に関することを紹介します。
荷物が水に濡れるのを防ぐ
自転車旅では、自転車に荷台を付けて荷物を載せて旅を続けたりします。
フェンダーがない状態で、水が溜まった所を走ると、タイヤが巻き上げた水が、荷台に取り付けたパニアバッグにかかることも。
すると、中まで染みて荷物が濡れてしまうことがあるのです。
これは、非防水のパニアバッグを使っている時に起こる悲劇ですが、「完全防水のパニアバッグを使ってるから平気だよ」と思っていても油断してはいけません。

防水のパニアバッグを使っていれば、中に入った荷物は大丈夫ですが、バッグ自体が汚れてしまいます。
そうなると、バッグを水道水で洗わないと気持ち悪いです。
特にキャンプをする場合は、汚れたバッグをテントの中に入れるのは、テントが汚れるし、汚れたバッグを見ているだけでもゲンナリしますね。

自転車旅で使う防水性のパニアバッグは、オルトリーブ製を使う人が多いね。私も愛用しており、その防水性には信頼をよせてるよ。
自転車が水に濡れるのを防ぐ
自転車は様々な部品で構成されています。
その部品の中には、水に濡れると劣化したりする物も多いです。
フェンダーを装着していれば、水の飛び散りを防ぎ、自転車を守ることにつながりますね。
特にクロモリフレームなど鉄製の部品を使っていると、水に濡れることは、錆びる原因になりかねません。
また、チェーンのオイルが切れたり、グリスが流れたりするので、スムーズに自転車の操作が出来なくなることも。
そのため、出来るだけ自転車は水に濡らさない方が良いでしょう。

雨の日に自転車で走った後は、砂や泥を水道水で綺麗に流して、水を拭き取り、乾燥させるのが基本的な手順となります。
テンションが下がった状態で、雨の中を走った後にお手入れするのは億劫ですが、これを怠ると、故障や錆の原因になり涙目に。
そんなことにならないためにも、自転車が雨水などで濡れた場合は、しっかりお手入れして、乾燥させましょう。
【自転車の寿命あれこれ】
自転車は、雨水に濡れた状態で放置していると、寿命を縮めてしまう原因になりかねません。下記記事では、自転車を構成するパーツ(部品)の寿命について紹介します。
大型のサドルバックがタイヤと擦るのを防ぐ
サドルの下に大型のサドルバックを取り付けて走っていると、バックの底がタイヤと擦れて、バックが破けてしまうことがあることをご存じですか。
これを防ぐためにフェンダーが役立ちます。
フェンダー本来の使い方ではありませんが、バックがフェンダーにぶつかることで、直接タイヤに当たらなくなり、バックが破損しなくなりますね。
例えばこのロードバイクの写真、大型のサドルバックとフェンダーを付けていますが、フェンダーを外して走っていても普段はタイヤにバッグが接触しません。

しかし、アップダウンの激しい道を走っていると、バッグが上下に動き、時々タイヤに接触することがありました。
始めこの現象に気が付かなくて、「時々シューて音がするけど、何だろう?」と疑問に感じ、色々調べていく内に気が付いたのです。
残念ながら、バッグの底がほんの少しだけ破けてしまいましたが、中までは貫通しなかったため大事にならず安堵しました。
このような経験を経て、私にとってフェンダーは、自転車旅で絶対に必要となった訳です。
もし同じようなことで悩んでいる方は、フェンダーの装着を考えてみては如何でしょうか。
雨の日に走らない場合はフェンダーは不要なのか
フェンダーが最も役に立つときは、雨が降っている日ですね。
しかし、雨天以外でも役に立つ場面があります。
例えば、水溜りが広がっている道路を走ったり、濡れた道路が続く場合はフェンダーがあると、水の飛び散りを防いでくれます。
長い月日を自転車で旅を続けていると、いつ雨が降るのか分かりませんし、濡れた道路を走らざる得ない場合もあるのです。
そのため、自転車旅では、基本的にフェンダーを常時付けておいた方が精神的に安心できます。
どんなフェンダーが効果的なのか
フェンダーにも様々な種類がありますが、最も効果を発揮するのは、ママチャリに付けているようなフルフェンダーです。

しかし、ロードバイクなどのスポーツ系自転車にいざフェンダーを取り付けようとすると、多くの人は「簡単に脱着できる方が良い」「出来るだけ軽い物にしたい」「フェンダーを付けると見た目を損なわないだろうか」といったことを考えますね。
そのため、コンパクトなフェンダーを選ぶ人が多いです。
残念ながらコンパクトなフェンダーは、フルフェンダーと比べて水の防御率が低いため、大雨の中でも自転車旅を続ける人にはお勧めできません。

必ずしもコンパクトなフェンダーが駄目な訳ではなく、使う場面を選べば大丈夫。
小雨の中をゆっくり走るならば、コンパクトなフェンダーもそれなりに使えます。(もちろんフェンダーの種類により、効果はまちまちですね。)
尚、ステーで固定するタイプのフェンダーや大き目のフェンダーは、必ずしも全ての自転車に装着できるとは限らないので、自転車ショップの店員に相談すると良いでしょう。
例えフェンダーを取り付けるダボ穴がなくても、ダボ穴のアタッチメントを自転車に取り付ければ、装着可能になりますので、諦める必要はありません。
まとめ
フェンダーは、自転車の使用用途により装着するかしないかを判断します。
旅や通勤・通学用の自転車では、フェンダーは必須と言えるでしょう。
本記事で紹介した自転車旅でフェンダーが重宝する理由は、以下になります。
- 後輪や前輪が巻き上げた水濡れを防ぐ
- 荷物が水に濡れるのを防ぐ
- 自転車が水に濡れるのを防ぐ
- 大型のサドルバックがタイヤと擦るのを防ぐ
大雨の中でも自転車旅を続けるのならば、ママチャリのようなフルフェンダーを装着しましょう。