ロードバイクへ乗るサイクリストの脚を見てみると、すね毛を剃っている方が多いのに気が付きます。
初心者からしてみると「どうして?」と疑問に感じるだろう。実際、すね毛を剃るのには、抵抗を覚える方が多いと思います。
もちろん剃るからには、きちんとした理由がある。しかし、本当に剃らなくてはならないものだろうか。答えが分からないまま堂々巡りとなりませんか。
本記事では、ロードバイクへ乗る時にすね毛を剃るメリットと、剃らない場合の対処方法を説明して、最終的にすね毛を「剃る」「剃らない」どちらがよいのか考察した結果を紹介します。
ロードバイクへ乗る時にすね毛を剃るメリット
数人から数十人のグループライドとなれば、すね毛を気にしてしまう機会があります。というのは、冒頭でも触れた通り、高確率ですね毛を剃っているサイクリストが多いからですね。
サイクリストの中には、すね毛を剃るのはエチケットと思っている方もおり、すね毛を剃っていなければ、身だしなみに気を使えない人だと思われるかも知れません。
周りを見渡して、1人だけすね毛がボーボーに生えていたら、肩身が狭い思いをするだろう。だからといって、必ずしも周りの人たちに合わせる必要があるかというと、そうでもないですよ。
最終的にすね毛を「剃る」「剃らない」かは自分で判断すべきです。少なくとも気の置けない人たちとグループライドをするならば、すね毛は隠しておいた方が、精神衛生上好ましいでしょう。
特にロードバイクを始めた初心者であれば、すね毛を剃る理由が良く分からないと思います。
テレビなどでロードレースを視聴していると、プロ選手の脚はすね毛をきちん剃っていることが分かる。つまり、すね毛を剃るには、明確な理由があるということです。
そこで、すね毛を剃ることで得られる主なメリットを以下にまとめました。
- 見た目がいい
- 空気抵抗の軽減
- 怪我の処置がしやすい
それぞれについて説明します。
見た目がいい
すね毛を剃る理由として、多くの人が思うのは「見た目」の良さではないだろうか。
脚にすね毛が生えていない状態というのは、見るからに清潔感があるように見えます。
夏場では、脚を出してペダルを回す機会が多く、つい自分の脚を見た時にボーボーに生えたすね毛が気になる方もいるでしょう。
特に日頃からトレーニングを欠かせず行なっているサイクリストの脚というのは、ほどよく筋肉のついた綺麗な脚です。より綺麗に見えるためには、すね毛はしっかり剃っておきたい。
ナルシストではありませんが、やはり自分自身の脚が綺麗に見えるというのは、気分がよいものですね。
【ロードバイクのトレーニング】
トレーニングして自分自身を鍛えれば速く走れるようになれるものです。下記記事では、ロードバイクのトレーニングに関する話を紹介します。
空気抵抗の軽減
ロードバイクにとって、空気抵抗というのはスピードに与える影響が大きいですね。速く走りたいのであれば、この空気抵抗をどのように減らすのかが課題となります。
実は、すね毛を剃れば、空気抵抗が軽減できるという実験結果があるのをご存じですか。
世界的な自転車メーカーとして知られるSPECIALIZED(スペシャライズド)が行った実験によれば、すね毛を剃ると空気抵抗を7%も軽減できるという。
7%というのは、凄い数値ですよ。実験結果によると、40kmをすね毛ありとなしで走った結果、すね毛がないほうが79秒も速く走れたそうです。
私はこの話を知る以前は、すね毛と空気抵抗に因果関係があるなんて思ってもいませんでしたが、科学的に証明したのであれば、一定の真実味があるのだろうと考えなおしました。
実際、常日頃からトレーニングを積んでいるプロ選手ならともなく、ホビーレーサーにはここまで恩恵があるとは思えませんが、それでもこれほど高い効果があるというのは驚きですね。
怪我の処置がしやすい
落車してしまうと、脚を怪我する可能性は十分に考えられます。
脚の怪我を治療する際には、すね毛が生えていると傷口に絡む機会があり、雑菌が入ってしまうかも。
そもそも処置する時には、すね毛を剃らなければならないこともある。つまり、すね毛があると処理の手間が増えたり、雑菌が入ることで被害が悪化する可能性があります。
ロードバイクを含む自転車を運転するにあたり、十分に気を付けていたとしても、落車してしまう危険性は常にあるものです。
そのため、万が一に備えて少しでもリスクを減らすためには、すね毛を剃るという判断は決して間違っていません。
また、ロードバイクに乗り続けていると、脚にテービングを巻く機会があるでしょう。その際、テーピングにすね毛が巻き込まれると、はがすときに痛いですよ。
すね毛を剃りたくない理由とは
すね毛を剃りたくなり理由は、人によって千差万別です。
単純に毎回剃るのが面倒くさいと思う人は、それなりに多いと思います。
毛が薄い人であれば短時間で剃れるかも知れませんが、毛が濃い人ともなれば30~60分ほどかかってしまう。毎回時間をかけて、すね毛を剃る作業が嫌になるというのは、よく分かります。
また、「男はすね毛を剃るものではない」という考えの人だっているでしょう。そのような考えの持ち主であれば、自分から積極的にすね毛を剃るなんて、ありえない。
その理由としては、ツルツルした脚を見ると、弱弱しいイメージがあるからだろう。
それに、すね毛を剃っていることを他人に知られたくないのかも知れませんね。特に夏場では、短パンで過ごす機会が多くなる。なので、脚を出して外出する機会が増えるというものだ。
同じロードバイク趣味の仲間には理解されるものですが、そうでない人からすれば、すね毛がない脚というのは、違和感を感じさせるかも知れません。
そんな風に考えれば考えるほど、すね毛をそるのを躊躇してしまいます。
すね毛を剃らなくても対処方法はある
すね毛を「剃る」「剃らない」というのは、自分自身で決めるものですが、私たち日本人は協調性を重視するところがあり、どうしても他人の目を気にしてしまいます。
他人から何を言われても気にしないのであれば、すね毛を剃らないのも、もちろん「アリ」ですね。
すね毛を剃りたくないのだけど、他人の目が気になるというのであれば、以下の方法で対処しよう。
- 常にレッグカバーやサイクルタイツを履く
- 足首まで覆うロングパンツを履く
これらの方法で、すねを覆い隠せば見た目は気になりません。サイクルタイツは冬用のイメージがありますが、春夏秋用のものが各メーカーから販売されています。
それに夏場にレッグカバーやサイクルタイツを履くというのは、暑いように思えますが、吸汗と速乾機能があれば快適ですよ。さらにUVカット仕様のものであれば、日焼け対策としても有効です。
これらの機能は、ロングパンツにも必要であり、さらにスムーズにペダルを回すためには、ストレッチ素材でできたものを選びましょう。
昔、私は夏場のサイクリングでは、サイクルパンツで脚をむき出しにしていましたが、今では春夏秋の時期になると、レッグカバーを身に付け、七分丈のサイクルパンツを履いています。
また、冬場では、冬用のサイクルタイツと七分丈のサイクルパンツを履きしっかり防寒していますね。
まぁ、私の場合は他人の目を気にするというより、このファッションの方が自転車旅に便利だから。特にパンツのポケットが使えるのは、何かと重宝しています。
結局、すね毛を「剃る」「剃らない」どちらがよいのか
これまでは、すね毛を剃るメリットや、すね毛を剃りなくない理由及び対処方法を説明してきました。
では、結局「すね毛を剃るのが正しいのか、正しくないのか」となる訳ですが、どちらが正解というものではないと私は考えています。
私個人の見解では、ロードバイクガチ勢やロードレースのような競技で多くのライバルたちと競い合うのであれば、すね毛を剃った方が良いでしょう。
このような人たちの多くは、一秒でも速く走りたいと思っているので、すね毛を剃ることで得られる恩恵はありがたいですね。
一方、ホビーライダーならば、すね毛を「剃る」「剃らない」は気にする必要はないと思う。剃りたければ剃ればいいし、そうでなければ剃らなければいい。
もし剃らないのであれば、先ほども触れましたが、すね毛を剃るのはエチケットと思っている方もいるので、気の置けない方とグループライドをする時は、レッグカバーなどで脚を隠しておくのが無難ですね。
まとめ
本記事では、ロードバイクへ乗る際、すね毛を剃るには様々なメリットがあることを説明しました。
最後にもう一度、そのメリットを以下にまとめます。
- 見た目がいい
- 空気抵抗の軽減
- 怪我の処置がしやすい
すね毛を剃った後は、アフターケアとして保湿をしっかりして下さいね。特に膝裏の少し上、太ももの裏は柔らかいところなので、きちんと保湿していなければすぐに赤くなります。
すね毛を「剃る」「剃らない」というのは、最終的にあなた自身が決めるもの。本記事が、あなたの判断に役立てれば幸いです。