アパートやマンションなど集合住宅へ暮らしていると、自転車は駐輪場へ保管するものと思い込んでいる人は多いですね。
決してその考えは間違っているわけではありませんが、ロードバイクを所有するならば、室内保管が基本になります。
もちろん戸建てでも敷地内だからといって安心しないで、室内保管をしよう。
室内保管する理由は、ずばり盗難を防止するのが一番の目的。実は理由はそれだけでなく、他にも色々あるのです。また、いざ室内保管を考えると、その方法に悩みませんか。
本記事では、ロードバイクを室内保管する理由や方法を紹介します。
ロードバイクは室内保管を基本とするその理由とは
2021年(令和3年)に東京都で発生した自転車の盗難件数を確認してみると、そのトップは、意外なことに路上で盗難されたのではなく「住宅」で起きています。
17,845件の盗難被害の内、なんと約50%というのですから、その被害の大きさは尋常ではありません。当たり前ですが、鍵をかけていない自転車が最も盗難されやすいですね。
駐輪場というのは、自宅と同じ敷地内であったとしても大抵は外にあります。それは、マンションのような集合住宅だろうが、戸建てでも同じといえる。
そのような場所に高価なロードバイクを長時間停めているというのは、犯人にとっては鴨がネギを背負っている状態でしょう。
そのため、ロードバイクは室内保管が基本になります。冒頭でも触れましたが、室内保管する理由は色々あるので、以下にまとめました。
- ロードバイクの盗難対策
- 風雨や湿気、紫外線によるロードバイクの劣化対策
- 点検やメンテナンスがしやすい
それぞれについて説明します。
ロードバイクの盗難対策
ロードバイクのようなスポーツ向けの自転車というのは、高額なものが多いです。そのため、転売目的に盗まれるリスクが高い。
エントリーモデルのロードバイクでも約8万円はしますし、高いものになれば100万円以上のものだってあります。
たとえ中古車であったとしても、人気メーカーの自転車であれば高値がついてしまう。それにママチャリと比べて車体が圧倒的に軽いため、持ち去りやすいですね。
かりにチェーンカッターで切断できない鍵を使って柱などに括り付けていたとしても、パーツをバラバラにして盗まれてしまう可能性だってあります。
それほどロードバイクの室外保管はリスクが高いので、盗難から守るためには室内保管を徹底しよう。
ちなみにロードバイクだけでなく、クロスバイクやマウンテンバイクなどスポーツ向け自転車というのは高額なものが多いので、室内保管が基本ですよ。
反対にママチャリのような実用車であれば、安価なものが多く盗難リスクは比較的少ないですが、駐輪場へとめる際にはしっかり鍵をかけていないと、ターゲットになる可能性があります。
風雨や湿気、紫外線によるロードバイクの劣化対策
ロードバイクを含む自転車は、数多くのパーツで構成されており、金属パーツが多いですね。そのため、風雨や湿気などにより驚くほど劣化します。
たとえば駐輪場などで雨ざらしにしていると、見るみる内に錆びてしまい故障する原因になる。特にチェーンやリアギア(スプロケット)、各パーツに使っているねじ類に錆が目立つものだ。
錆が酷くなってくると安全性が損なわれるし、普段のパフォーマンスを発揮できません。そうなってくると、修理に高額な費用が発生するだろう。
また、室内保管すれば紫外線対策になります。ロードバイクで紫外線の影響を受けやすいのは、タイヤなどのゴム製品とカーボン素材を使っているパーツですよ。
なので、直射日光にさらしたままの状態では、劣化を早める原因になりかねません。
今のロードバイクはカーボンフレームが主流であり、たとえフレームがカーボンでなくてもハンドルやシートポストなど素材にカーボンを使っているところは多い。
今は技術レベルが上がり問題にならなくなってきているそうですが、室内保管するのが無難です。
点検やメンテナンスがしやすい
ロードバイクの点検やメンテナンスは定期的に行いますが、駐輪場などの屋外で作業をするにはむいていない日があります。
たとえば、雨や雪が降っていると、作業そのものができないだろう。たとえ屋根付きの駐輪場内で作業をするにしても、天候が悪ければ気が乗らないことだってある。
また、夜間に作業をするには、屋外では完全にライトの光を頼りに作業をするわけですが、日中に作業をするのと比べて、効率が悪くなる場面も少なくはありません。
室内保管すれば、ちょっとした空き時間に点検やメンテンナンスをスムーズにしやすい。さらに天候に左右されなく、夜遅くなったとしても気楽に作業を行なえるのはありがたいですね。
ロードバイクを室内で保管する方法を紹介
ロードバイクを室内へ保管する際、単純に壁に立てかけるだけでも構いませんが、ちょっとしたはずみでハンドルが壁にぶつかり、車体が倒れてしまうかも知れないので、自立させて保管したいですね。
そこで、主な保管方法を以下にまとめました。
- ディスプレイスタンドを使用する
- 天井から吊るしたり室内の壁にかける(フック型のスタンドを活用)
- トランクルームで保管する
それぞれについて説明します。
ディスプレイスタンドを使用する
床置きする際に活用したいアイテムがロードバイクを自立させるスタンドです。床置きタイプのスタンドには様々なタイプがあり、一般的にはディスプレイスタンドの総称で呼ばれています。
本記事では分かりやすくするために、自転車の固定方法から便宜上、以下の4つの分類に分けました。(フック型については、後で説明します。)
- ハブ型 :ハブを挟み込んで固定する
- 挟み込み型:車輪を挟むように固定する
- タワー型 :フレームのトップチューブをフックにかけて固定する
- フック型 :自転車にフックをかけて壁や天井に固定する
「ハブ型」は、ホイールのハブを挟み込んで自立させるタイプのスタンドです。
リアホイールにセットして、ホイールを浮かせることで、チェーンの洗浄や注油などのメンテナンスが行いやすいというメリットがある。そのため、一般的にメンテナンススタンドとしてよく使われます。
作業中に床を汚さないためには、あらかじめビニールシートなどを敷いておきましょう。
注意点としては、クイックリリースの形状によっては、スタンドにハブが上手に挟めなかったりするので、購入時には現物を確認するのが無難です。
中には、ハブを挟まずにチェーンステーを支えて固定するメンテナンススタンドもあります。
また、前後のホイールにスタンドを使って自立させる手もあり、見栄え的にはこちらの方が良いですね。
「挟み込み型」は、タイヤを挟み込んで自立させるスタンドで、駐輪場などでよく見かけるタイプのものですよ。このタイプは、ハブにはめ込む手間がないため、使い勝手が良い。
室内保管する自転車が1台だけならば、お手軽に使える「ハブ型」や「挟み込み型」がおすすめ。私も昔は「ハブ型」のスタンドを使って保管していましたが、複数台の自転車を所有すると、保管スペースの確保に苦労しましたね。
「タワー型」は、ロードバイクのトップチューブを使って水平に飾るように保管します。
見た目がお洒落なため、インテリアのようになるのが素晴らしい。ちょっとした時間に、ついついソファーに座りながら、愛車を眺めて過ごしたくなりますね。(私がまさにこれ!)
タワー型のスタンドの中には、上下に2台設置できる背の高いスタンドも販売されているので、先ほど紹介した「ハブ型」や「挟み込み型」と同じスペースで2台保管できるのがポイントですよ。
ただし、天井と床に突っ張らせるタイプのものを使うならば、天井に梁が通っていない場所は強度が低いので注意しよう。そのような場所で使うと、スタンドごと倒れてしまう可能性があります。
これまで紹介してきたのは全て横置きですが、最後に紹介するのは「縦置きタイプ」のスタンドです。
ロードバイクを縦置きにすることで、比較的省スペースに保管できるのが最大のメリットですね。
天井から吊るしたり室内の壁にかける(フック型のスタンドを活用)
室内の天井や壁を利用してロードバイクを保管する際に役立つのが、自転車用のハンガーやフックです。できれば室内のデッドスペースを有効活用しよう。
天井や壁にハンガーなどの取り付け穴を空ける作業が必要になる。そのため、面倒くさいと感じる人は少なくないと思います。
それに賃貸の部屋ではこのような作業は難しいと思われがちですが、ディアウォールのようなDIY用品を使えば実現可能だ。
室内に自由に柱をしっかり立てることで、新しく立てた柱にハンガーを固定すれば部屋自体に手を加える必要がないですね。
また、天井に吊り下げるリフト式のバイクリフトが販売されています。高く配置されたロードバイクというのは、見栄えが非常に良いものだ。
壁や天井にロードバイクをかけるのは、単純に保管するのではなく、インテリアとして活用するのを重視する方におすすめ。
メンテナンススタンド以上にスッキリした印象を与えます。
トランクルームで保管する
室内にロードバイクを保管するスペースが取れない場合は、トランクルームを借りるという方法があります。
トランクルームとは、自宅の収納の延長として利用できる収納サービスですね。鍵のかかった個室に収納するため安心感があります。
ロードバイクを保管するならば、一定の温度・湿度が保たれている状態のトランクルームを借りよう。もちろん自転車だけでなく、関連するアクセサリーやパーツ類なども収納しておきたい。
複数の自転車を所有していて保管場所に困っているのであれば、普段あまり使わない自転車をトランクルームへ収納する使い方が便利です。
アパートやマンションでは自転車の持ち込みがNGの場合有り
物件によりますが、アパートやマンションでは、自転車の持ち込み自体が管理規約で禁止されている場合があります。
中には持ち込みOKだけど、エレベータに乗せるのはNGという物件もあるので、前もってしっかり管理規約などを読んだり、管理会社へ確認しておこう。
たとえ持ち込めたとしても、廊下などの「共用部」にあたる場所へおくのは絶対にNGだ。また、バルコニーも置くのは難しい。というのは、バルコニーは避難路になっているので、いざという時に退避の邪魔になるもので塞いではいけません。
戸建てと違って集合住宅は、他の入居者もいるわけですから、トラブルの原因になる行為は慎むのが無難です。
まとめ
本記事では、ロードバイクを室内保管する理由とその方法を説明しました。
最後にもう一度、室内保管する理由を以下にまとめます。
- ロードバイクの盗難対策
- 風雨や湿気、紫外線によるロードバイクの劣化対策
- 点検やメンテナンスがしやすい
大切なロードバイクをしっかり守るためには、室内保管が基本です。様々な保管方法がありますが、個人的にはディスプレイスタンドや壁かけがおすすめ。
そうすれば、時間があるときに飾られたロードバイクをゆっくり眺めていると、楽しいひと時を思い出したりするものですよ。そして「次は○○〇ヘ行こう」と決心するかも。
それは、サイクリストにとって心躍るものですね。