
自転車にキャンプ道具一式を積み込んで、ツーリングに出かける。
そんなことを聞くと、楽しそうに感じませんか。
キャンプツーリングは、いつものサイクリングとは違った楽しさがあり、実際に始めてみるとハマルかも。
「やってみたいけど、何から始めれば良いのか分からないよ」と思っている方でも大丈夫です。
やるべきことは、「普段のサイクリング+キャンプ」なので、キャンプに必要な道具と自転車で運ぶ手段を用意できれば、後は実際に試すだけ。
難しく考える必要はありません。
本記事では、初めてのキャンプツーリングが楽しく過ごせるよう、キャンプ場の選び方を始め、必要な荷物、旅の計画の立て方などキャンプツーリングに必要な知識をお伝えします。
目的を明確にして、自転車でキャンプツーリングへ出かけよう
まず始めに、あなたがどんなキャンプツーリングをしたいのか明確にしましょう。
頭の中で考えた事を箇条書きで、書き出してみると良く整理できますね。
例えば「80km程度、サイクリングした後で、キャンプを楽しみたい」「キャンプをメインに楽しみたいので、走行距離は短めにする」「サイクリングがメインで、キャンプして寝たいだけ」など人によって、キャンプツーリングの目的やスタイルは様々です。

目的によって、必要な装備や荷物、旅の計画も変わるため、始めに「何がしたいのか」を明確にすることが大事になります。
キャンプツーリングの目的が整理できた後は、以下の手順で旅の準備を整えましょう。
キャンプツーリングの準備
- 自転車で荷物を運ぶ方法を考える
- キャンプツーリングに必要な道具をそろえる
- キャンプツーリング用に自転車をカスタムする
- 自転車旅の計画を立てる
旅の計画を立てる際、余裕のある無理のない計画を立てていれば、パンクなどのトラブルが発生した場合でも慌てることはありません。
また、初めてキャンプツーリングを行う前に、自転車に荷物を載せた状態で試走することも忘れずに。
荷物を沢山積んで重量が重くなると、想像以上に自転車は走らなくなります。
特に坂道を上る時は、かなり堪えますね。
なので、道具の選択も重要です。
E-Bikeなどの電動アシスト付き自転車に荷物を載せて運べば、かなり楽に走れるため、体力に自信がない方は、電動アシスト付き自転車がおすすめ。
キャンプツーリングに必要な準備を整え、旅に出かけましょう。
自転車キャンプの楽しさとは
キャンプとは「野外で一時的に生活する」ことを表しています。
つまり、テントで宿泊してもしなくても野宿すれば、それは立派なキャンプになる訳です。
初めてキャンプを行う場合の宿泊先は、断然キャンプ場がおすすめ。

キャンプ場は、比較的安心して野宿ができる場所であり、ロケーションが良い所が多い。
そのため、町の喧騒から離れ、自然と触れ合いながら寝食すれば、普段味わうことができない非日常を存分に楽しめます。
キャンプ場によっては、カヤックや釣り、森林浴などを楽しめたり、夜は満点の星空を眺めたりできるかも。
キャンプ場へ向かう道中は、自転車で旅すれば、より思い出は深くなります。
日中は自転車で非日常を味わい、キャンプ場へ到着した後は、キャンプを楽しむ。
自転車キャンプは、「自転車+キャンプ」の両方を一度に楽しめるお得感満載なアウトドアです。
キャンプツーリングの準備
自転車で荷物を運ぶ方法を考える
自転車でキャンプ道具一式の大荷物を運ぶ方法は、主に以下の2つになります。
- パニアバッグスタイル
- バイクパッキングスタイル
パニアバッグスタイルは、キャリア(荷台)にサイドバックを付けて荷物を積む、昔からあるポピュラーな方法です。
このスタイルでは、自転車に荷台の取り付けが必須となりますが、必ずしも全ての自転車に取り付けができるとは限りません。
荷台の取り付けには、ダボ穴が必要となり、通常ロードバイクには、このダボ穴はありませんが、ダボ穴のアタッチメントを取り付ければ大丈夫。
実際、私のロードバイクは、この方法で荷台を取り付けました。(後輪側のみ)

耐荷重の高い荷台であれば、20~40kg以上の重い荷物も載せれます。
ただし、輪行などを行う際、荷台の脱着が面倒くさいですね。
尚、私の経験では、後輪側しかキャリアを取り付けない場合、大きな横型の輪行袋を使うと、キャリアを脱着しなくても輪行できました。
バイクパッキングスタイルは、バッグを直接フレームに取り付けて荷物を運ぶため、荷台は不要です。
どんな自転車でもお手軽に、キャンプツーリングスタイルに変身させてしまうため、非常に頼もしい。
また、荷台がないことで、荷物を載せた自転車の総重量を軽くするメリットも。
しかし、バイクパッキングで使うバックは、自転車のフレームに紐で固定しているだけなので、荷台と比べて耐荷重が少なくなります。
結果的に、パニアバッグスタイルと比べると、荷物の積載容量が少なくなり、荷物の取捨選択が必要です。
更にパニアバッグスタイルより、専用バックを揃えるのに費用がかかる。
これがネックになるかも知れません。
バイクパッキングスタイルでもテント一式を載せて、旅を楽しめるため、どちらのスタイルにするかは、旅の期間や持って行く荷物の多さで決めると良いですよ。
個人的には、長期間旅を続けるならば、沢山の荷物を積めれるパニアバッグスタイルがおすすめです。
また、2泊3日程度の短い旅でしたら、荷物が少なくて済むバイクパッキングスタイルが良いでしょう。
キャンプツーリングに必要な道具をそろえる
キャンプツーリングを始めてみたいと思っている人の多くは、普段からサイクリングを楽しみ、1泊2日や2泊3日程度の自転車旅を既に経験している方が多いです。
そのため、本記事では自転車旅で持って行く主な道具については、割愛させて頂きます。
尚、自転車旅に必要な装備や道具については、下記関連記事を参考にして下さい。
キャンプツーリングに必要な道具は、ホテルや旅館などの宿泊施設に泊まる自転車旅で持っていく物に「テント道具一式」を追加します。
それ以外には、キャンプ場での給電に活躍してくれる、モバイルバッテリーは必ず持っていきましょう。
また、懐中電灯やヘッドライトがあれば夜のキャンプ場を出歩くのに便利。(必須と言えます。)
更にキャンプ場で調理する場合は、調理器具が必要です。
主なテント道具はこちら。
テント道具 | 用途 |
---|---|
テント | 野宿で寝泊まりする場所(家) |
シュラフ(寝袋) | テントの中で寝るために使う |
マット | 簡易ベッド。寝心地に影響する。地面が砂利の場合はないと眠れないかも |
グランドシート | テントと地面の間に挟む。急な雨による浸水・湿気対策。ブルーシートで代用可能 |
ランタン | テント内の灯り |
吸水タオル | テントに付いた夜露や結露を拭き取る |
木槌(ハンマー) | テント設営時に地面にペグを埋め込むのに役立つ |
キャンプ用のチェア(椅子) | 椅子に座ってリラックスして過ごす(読書や食事にあると便利) |
必要に応じて、これらの道具に追加して下さい。
尚、キャンプ用のチェアはなくても、キャンプ場の東屋を利用すれば代替え可能です。
主な調理道具を以下にまとめますが、これら以外にも食材が必要になりますね。
調理道具 | 用途 |
---|---|
クッカー | 鍋やフライパンなどの調理器具 |
箸・スプーン・フォーク | 食事する時に使う道具 |
バーナー・ガス | コンロ |
ナイフ(キッチンバサミ) | 食材を切るのに使う |
キッチンテーブル | 調理及び食事をする場所 |
洗剤とスポンジ | クッカーを洗うのに使う |
これだけの調理道具があれば、簡単な料理ができますよ。
個人的には、モンベルから販売されている「ジェットボイル」がおすすめ。
ジェットボイルは、バーナーとクッカーが一体型になっており、コンパクトな上燃費効率も良い優れもの。
先ほども触れましたが、それ以外にモバイルバッテリーと懐中電灯又はヘッドライトは必須と言えます。
また、キャンプ場で快適に過ごすためにも、サンダルが一つあれば便利。
靴(SPDシューズなど)を履いて過ごすより快適です。
特に詳しくは話しませんが、日常生活を送るために、あなたが必要とする道具もそろえましょう。
具体的には、衣類や歯ブラシ、シャンプー、石鹸(せっけん)などは、誰もが必要ですね。
これらの道具をバックに整理しながら、詰め込みましょう。
キャンプツーリング用に自転車をカスタムする
ロードバイクで旅をするならば、是非やっておきたいカスタムがあります。
ロードバイクは、本来ツーリング用ではないため、キャリアなどを付けて旅をするものではありません。
軽い走りに特化したもののため、ツーリング専用の自転車(ランドナーなど)と比べると、頑丈さにかけますね。
そこで、やっておきたいカスタムが以下の3つです。
ロードバイクのカスタム
- スポークの多い頑丈なホイールへ交換
- フェンダー(ドロヨケ)の装着
- タイヤサイズの太い頑丈なタイヤを使う
尚、これらのカスタムを行わなくてもキャンプツーリング自体は可能なため、絶対に必要な訳ではありません。
スポークの多い頑丈なホイールへ交換
完成車で購入したロードバイクの多くは、メーカー専用設計で作られたスポークの数が少ない完組みホイールが一般的。
重い荷物を積んで走っていると、重量の重みに耐えかねて、スポークが破断したりします。
すると、スポークの数が少なくなることで、一本のスポークにかかる荷重が増えてしまい、立て続けに他のスポークも破断してしまうことも。
そうなると、もはや走れません。
そんなふうにならないためにも、予めスポークの数が多い手組みホイールに交換しておけば安心です。
手組みホイールでは、30~32本以上のスポークがあるため、スポークにかかる荷重はより分散されますね。
また、かりに数本スポークが破断したとしても、気にせず走り続けれます。
フェンダー(ドロヨケ)の装着
雨の中を走る可能性があるのならば、フェンダー(ドロヨケ)を装着しておきましょう。

フェンダーの役割は、路面の水が飛び散るのを防いでくれる大変ありがたいもの。
ロードバイクでも、ママチャリのようなフルフェンダーを付けるのが望ましいですが、コンパクトな物でも効果はありますよ。
尚、フェンダーによって、その効果がまちまちです。
個人的には、長期間旅に出るならば、いつ雨が降っても良いようにフェンダーを装着することをお勧めします。
タイヤサイズの太い頑丈なタイヤを使う
ロードバイクの主流のタイヤサイズは25Cです。
タイヤサイズが細くなると、路面抵抗が減って軽く走れたり、加速がしやすくなりますが、反面安定性や乗り心地が悪くなるもの。
25Cは、バランス的に良いとは言え、それはあくまで普段のサイクリングに対してです。
ツーリングキャンプでは、重い荷物の自転車に載せるため、なるべく太いタイヤを履かせた方が、走りに安定感があります。
尚、ロードバイクのフレームによって、タイヤサイズの最大値が決まってしまうため、25Cより大きなサイズがNGの場合が多い。
だからと言って、25Cで旅ができなくなると言えば、それは違います。
現に私は、25Cのタイヤサイズで30kg程度の荷物を載せて、1~2週間ほど何度も旅を続けました。
また、頑丈なタイヤを使うのも良いですね。
具体的には、世界一周などで良く使われているシュワルベのマラソンがお勧めです。
自転車旅の計画を立てる
キャンプツーリングの準備が整のえば、具体的な旅の計画を立てましょう。
旅の計画は、スタート地点とゴール地点(キャンプ場)、その道中で立ち寄る観光スポットを決めて、自転車で走るコースを決めていきます。
その際、普段のサイクリングで、自分が走れる実力を基にして、走行距離を決めていると失敗してしまうかも。
必ず一度は自転車に荷物を載せた状態で試走して、その結果で走れる距離・時間・スピードを確認して下さい。
そうしないと、全く計画通りにいかず、後悔する羽目に陥るかも知れません。
尚、旅の計画の立て方については、下記関連記事で詳しく紹介します。
キャンプ場の選び方
キャンプ場の選び方は、以下8つのポイントを考慮しましょう。
自転車旅でキャンプ場を選ぶ時のポイント
- キャンプ場の値段は妥当か
- キャンプ場やその周辺に温泉施設や銭湯があるか
- 出来るだけ山の上のキャンプ場は避ける
- ロケーションの良いキャンプ場を選ぶ
- キャンプ場に売店があるか
- 焚火するなら灰捨て場の有無を確認する
- キャンプサイトの地面は芝生がおすすめ
- キャンプ場にスタッフが常住しているか
上記に挙げた全てを満たすキャンプ場は、探せばありますが、自分が行きたい地域にあるとは限りません。
選んだキャンプ場により、キャンプ場での快適さが決まってしまうので、良く考えて決めましょう。
詳しくは下記関連記事で紹介します。
キャンプツーリング終えた後にやるべき事
キャンプツーリングを終えて自宅へ戻った後は、自転車のメンテナンスを忘れずに。
自転車の清掃など自分で出来る事は自分で行い、手に余るようなところは、自転車ショップで見てもらうと良いですね。
また、テントを乾かすのを忘れてはいけません。
テントは、キャンプ場へ行くと必ず水に濡れるもの。
その原因は、雨や結露、地面の湿気・夜露・朝露など様々です。
そのため、日光に当ててテントを乾かしましょう。
尚、テントだけでなく、シュラフ(寝袋)やグランドシートも濡れるため、良く乾かさないとカビの原因になります。
キャンプツーリングを終えた後で、やるべき事を以下にまとめました。
キャンプツーリング終了後にやるべき事
- 自転車のメンテナンス
- テント、シュラフ、グランドシートを乾かす
まとめ
人によってキャンプツーリングの目的やスタイルは様々です。
目的によって、旅の装備や荷物も変わり、もちろん計画も違ってきますね。
そのため、まず始めに「何がしたいのか」を明確にすることが大事。
目的が明確ならば、自ずと旅の計画や必要な荷物が決まってくるでしょう。
尚、キャンプツーリングの準備は、以下の手順で決めていきます。
- 自転車で荷物を運ぶ方法を考える
- キャンプツーリングに必要な道具をそろえる
- キャンプツーリング用に自転車をカスタムする
- 自転車旅の計画を立てる
こうして、キャンプツーリングの準備を整えて、いつまでも記憶に残る旅へ出かけましょう。