あなたは「クリッカーペダル」をご存じですか。
クリッカーペダルは、シマノが販売している初心者にも扱いやすいビンディングペダルです。ペダルからシューズの着脱がストレスフリーで、ビンディングの機能性はそのまま実現している優れもの。このペダルのお供には、クリッカーシューズがよく似合いますね。
このクリッカーペダルシリーズの1つである「PD-T400」は、初心者だけでなく、自転車旅を重視するサイクリストにもおすすめしたい。
ぜひ「クリッカーペダル + クリッカーシューズ」の組合せで、旅に出かけてみよう。
本記事では、私が5年以上愛用している「PD-T400」をレビューします。
クリッカーペダル「PD-T400」の紹介
クリッカーペダルは、ビンディングペダルの一種なので、踏むだけでなく引き足のパワーも活かせます。そのため、より速く・より遠く・より効率的にペダリングができる。
ロードバイクなどスポーツ系自転車に慣れたサイクリストには、なくてはならないものだろう。用途によっては、フラットペダルの方がよい場合があるけれど、初心者はビンディングペダルに憧れを抱くことも少なくない。
そんな時に試してほしいのが、シマノのクリッカーペダルだ。
そこで、クリッカーペダル「PD-T400」とは、どのようなペダルなのか紹介します。
PD-T400は、従来のSPDペダルと比較して、約60%の軽い力でペダルにシューズの取り付け(ステップイン)ができる。さらに、シューズの取り外し(ステップアウト)も約62%の軽い力で可能です。
そのことにより、以下の効果が期待できますね。
- 油断などでペダルからシューズが外れずに起こる「立ち転け」の軽減
- シューズの脱着を繰り返す動作に感じるストレスの軽減
これらの効果は、初めてビンディングにチャレンジする方にとって、非常にありがたい。それに、ステップイン・アウトのテンション調整はできるので、必要に応じて行なおう。
また、リフレクターも標準装備されており、夜間走行にも安心感がある。ペダル軸に高剛性・高耐久のクロモリ材を使用するなど素材からこだわっています。
重量 | 507g(ペア) |
カラー | ブラック、ホワイト |
クリッカーペダル「PD-T400」はこんな人に向いている
PD-T400を含むクリッカーは、もともとシマノのMTB向けペダルシステム「SPD」を改良したペダルシステムですね。
そもそもクリッカーのコンセプトは、「スポーツバイクの爽快感や走る楽しさを、更に高めてくれるビンディングペダルを、全てのサイクリストへ」ですよ。
なのでPD-T400は、先ほど述べたようにビンディングペダル初心者が扱うのに向いていますが、経験を積んだベテランの方でも十分活用できます。
特にクリッカーシューズとの組み合わせは、高相性。スニーカーのようなカジュアルなルックスは、町歩きや観光など歩きやすさを重視している。
そこで、クリッカーペダルが向いている人を、以下にまとめました。
- ロードバイクやクロスバイクなどスポーツ系自転車の初心者
- 自転車旅で観光スポットへ立ち寄る機会が多い
- スポーツ系自転車で街乗りやポタリングをメインにしている
- 女性ライダー
「お手軽にビンディングペダルを使いたい。自転車を降りて色々歩き回りたい。」と考えている人にとって、ピッタリな組合せの1つが「PD-T400 + クリッカーシューズ」ですね。
クリッカーペダル「PD-T400」のレビュー
PD-T400の素晴らしところは、何といってもシューズとの脱着のしやすさです。
従来のビンディングであれば、ある程度力がなければ、「ガチッ!」とはめ込むのは難しい。走行中にこれがスムーズにできなくて、何度も繰り返していると、イライラしてきます。
さらに、ペダルからシューズを外す時にひねる動作も小さいですね。あまりの取り外しのよさに、「引き足は十分に使えるのかな」と心配する人も少なくないと思いますが、ご安心して下さい。
引き足を使った走りでも、外れることはなく、ペダルに力を伝えている感覚があります。なので、整備されたきれいな路面では、スムーズなペダリングによるスピードの維持もたやすく、力を入れて回しても外れません。
また、峠や山道をダンシングでペダルに力を入れて上っていても問題なし。つまり必ずしも「脱着のしやすさ = 外れやすい」となるわけではないことを、証明しているペダルですね。
この脱着のよさは、重宝する場面が結構多い。たとえば、信号の多い市街地では、脱着の回数は比較的多くなります。また、緊急停止を行なう際、立ち転けのリスクを少なくしてくれる。スムーズな脱着は、ほとんどストレスフリーなため、1日通して走っていても気にならないでしょう。
ロングライドやスピードを重視するならば、ロード用のビンディングペダル「SPD-SL」の方が、軍配が上がると思う。やっぱり、パワーを逃さずペダルに力を伝えている感じが凄いからかな。
しかし、ポタリングや走行距離が100km以下の自転車旅をメインにするならば、PD-T400の方が優れていると思います。観光スポットや道中で見つけたカフェなどへ立ち寄るなど、自転車を降りる機会が多いのならば、脱着によるストレスは、少ないに越したことはありません。
重量と見た目の大きさを許容できるか
PD-T400の外見は、見たまんまフラットペダルです。
そのことが、ペダルの大きさを物語っており、重量がペアで507gと重く、敬遠する方も少なくないでしょう。また、オレンジ色のリフレクターにやぼったさを感じる。
つまり、ロードバイクに似合うペダルかといわれると、首を縦にふるのを躊躇してしまうかな。個人的には、これらがPD-T400の欠点と考えています。
機能的には素晴らしいのですが、デザイン的にどうだろうか。これも機能の凄さの裏返しと考えると、個人的には納得してますが、この当たりが許容できるのかが、このペダルを使う判断基準の1つになるでしょう。
合わせて使いたいクリッカーシューズ
先ほども触れましたが、PD-T400を含むクリッカーペダルには、クリッカーシューズが似合います。
見た目は、ほとんどスニーカー。そのため、サイクリングウェアだけでなく、普通にカジュアルな服装にも違和感を感じません。
シンプルなデザインで、靴紐の採用や、衝撃を吸収するEVAフォームを使った歩きやすいミッドソール、かかと部分はヒールカップのような形状をしており、足をしっかりとホールドしてくれる。また、かかと裏側部分には、リフレクターを使っているので、後方からの被視認性を高めています。
特にSPDクリートが、ソールの窪みに収まるため、歩行時に「カツカツ」という音が鳴りにくいのが素晴らしい。
私は、クリッカーペダル同様5年以上も愛用を続け、歩き回るのを想定して設計されているのがよく分かりました。
ラインアップは5種類あり、種類別に特徴が異なっているので、自分にあうものを選びましょう。
クリッカーペダルシリーズの紹介
PD-T400以外のクリッカーペダルを紹介します。
PD-T421
フラットとビンディングを備えた片面タイプのペダル
PD-T421の特徴は、何といっても片面がフラットで、もう片面がビンディングを備えていることに尽きます。そのため、普通のフラットペダルとして扱えるため、どんな靴でも使えてしまう。
通勤通学などでビンディングシューズを履かない場面では、重宝しますね。それに滑り防止面と凹形状を採用することで、フラット側のグリップ性を向上させている。
ビンディング機構は、クリッカーシリーズのメリットである脱着のしやすを体感できます。
重量 | 418g(ペア) |
カラー | ブラック |
PD-MT50
MTB向けの頑丈なクリッカーペダル
接合部分が踏面より12.5度上がっているポップアップ機構を採用しているため、クリートが捉えやすい。それに、軽いスプリングテンションで、ステップイン・アウトが簡単です。
オフロード仕様のケージが付いており、ステップイン・アウトのテンション調整ができます。
重量 | 498g(ペア) |
カラー | ブラック |
PD-T700
街乗りをスマートにこなせるペダル
PD-T400と比べて約50gほど軽量です。クリートを捉えやすくするため、接合部分が踏面より12.5度上がっています。
クリッカーペダルの特徴であるペダルの脱着も簡単であり、街乗りをスマートにこなせる。また、ナイトライドで役に立つリフレクターを標準装備しているので、夜間走行の多い方は重宝するでしょう。
重量 | 457g(左右ペア) |
カラー | ブラック |
まとめ
本記事では、シマノから販売されているクリッカーペダル「PD-T400」を紹介しました。
従来のSPDペダルと比較して、約60%の軽い力でステップインができて、ステップアウトも約62%の軽い力で可能なので、扱いやすいですね。
特にビンディング初心者にとって、「立ち転け」のリスクを減らせるは、実にありがたい。さらに、ポタリングや走行距離が100km以下の自転車旅をメインにしている方には、非常に使い勝手がよいです。
クリッカーシューズと組み合わせて使えば、自転車を降りた際、歩きやすいため、散策や観光を十分楽しめます。