自転車に乗る際、2023年4月1日より、ヘルメットの着用は努力義務にはなりましたが、義務ではありません。
そのため、ヘルメットを被る被らないは、まだまだ個人の自由ですね。
町中で車道を颯爽と走るロードバイクを見かけると、多くの乗り手はヘルメットを被っているのを良く見かけます。
ロードバイクへ乗る多くのサイクリストにとって、ヘルメットを被るのはもはや常識。
しかし、中には「自転車へ乗る際、ヘルメットは不要だ!」と主張する人がいるのも事実です。
意見を述べる自体は別に構わないですが、それを人に勧めるのは関心しません。
ヘルメットにより救われた命が現実にあるのも事実だからです。
それでは、なぜヘルメット不要論が沸き起こるのでしょうか。
そこで、ヘルメット不要論者の考えを考察し、その考えが本当に正しいのか検証しました。
最終的には、ヘルメットの着用について自分で考え正しく判断しましょう。
本記事を読んで、あなたがヘルメットの必要性を考えるきっかけになれば幸いです。
自転車用ヘルメットが不要と言う意見に惑わされない
自転車は、道路を走る以上、100%安全を保証できません。そこで、万が一に備えて、身を守る手段の一つとしてヘルメットがあります。
現在の法律では、ヘルメットの着用は自由です。つまり、必要性を感じるならば被れば良いし、そうでないのならば被らなければ良いというもの。判断は自分自身に求められますね。
それ自体は良いのですが、中には「ヘルメットは不要だ」と言い切る人もいる訳です。
そして、その考えを他人に押し付けたり、広めたりする。そのような人たちの話に惑わされないよう注意しましょう。
ヘルメット不要論の主張には、主に以下のような内容があります。
本当にこれらの主張は正しいのでしょうか。
個人的には、かなり怪しいと思っています。現実にヘルメットのおかげで救われた事例は沢山ありますね。
私自身、落車時にヘルメットのおかげで頭部を守られた経験があるので良く分かります。
もし事故が起きた場合、ヘルメットは頭部を守り、死亡リスクを減らす働きをするのは間違いありません。それを知った上で、ヘルメットを被る被らないかは自分自身で決めること。
多少でもヘルメットの必要性を感じるならば、その感覚を信じてみては如何でしょうか。
自転車用ヘルメットの不要論者の主張
ノーヘルでも死亡事故は統計上、ほとんど起きない
自転車王国と名高いオランダでは、自転車事故が少ないです。
また、ヘルメットを着用している人がほとんどいないと言われています。
ある調査では、自転車を利用する人が頭部に深刻な損傷を受ける機会は、8,000年に1度しか起こらず、22,000年に1度しか死亡しいないという統計結果が発表されました。
この数値だけ見てみれば、そんな確率ならばヘルメットを被る必要性はないだろうと考える人がいても全くおかしくない。それが、ヘルメット不要論の根拠になっていますね。
これは、あくまで統計上のもの。実際、事故にあった人からしてみれば、確率なんて関係ないでしょう。
いつ不測の事態に陥るのか誰にも分からないのだから、それに備えるのは大事です。
ヘルメットを被らない方が、スピードを出さない
自転車に乗る際、「ヘルメットを被らない方がスピードを出さず、より慎重に運転するようになる」という考えがあります。
このことから、落車するような危険な走行はしないため、かえって安全という主張ですね。
また、ヘルメットに守られている安心感からか、無理な運転をする自転車が増えるという研究結果もあるそうです。
このことから、30km/h未満のスピードならば自転車にヘルメットは不要だと唱える人もいるとか。
30km/h未満のくだりは乱暴なような気がしますが、人によっては、信じてしまいそうな主張かも。
しかし、これらの主張に惑わされないで下さい。いくら自分が気を付けても防げない事故だってあるのです。
確かに低速運転ならば大きな事故に発展する可能性は、高速運転より比較的低いでしょう。
だからと言って、安全だという根拠に乏しい。道路を走る以上、絶対に安全と言える走りは存在しません。
運転が下手なドライバーが、自転車を追い抜く時に、後ろから突っ込んでくる可能性はゼロでないです。
道路は、皆が共有して使うところ。万が一に備えることが大切になります。
ヘルメットを被るとかえって危険性が増す
イギリスのとある研究によれば、ヘルメットを被って自転車に乗っていると、被っていない人に比べて至近距離で車が通過するそうです。
そのため、ヘルメットを被った方が、かえって危険であるとも取れますね。
この研究結果では、ヘルメットを被らない場合は、車と自転車の距離は1.2~1.3mほど離れるという話であり、ヘルメットの着用時と比べて8.5cmほど離れるそうです。
ドライバーの心理からすれば、分からない話ではありませんが、現実的に8.5cm程度では、気休めにもならない。
これでヘルメットを被るとかえって危険と言うのは、無理筋です。
ヘルメットを正しく被っていなかったり、よほどおかしなデザインのヘルメットを着用しなければ、視界を遮ったりすることもありません。
正しくヘルメットを使っている限り、危険性が増すことはないでしょう。
ヘルメットの義務化は、自転車の利用者が減る
オーストラリアやニュージーランドの研究によれば、ヘルメットの着用を義務化すると、自転車利用者数が30~50%減少したと報告しています。
その結果、国民の運動量が減少し、医療費が高騰するという。
そのため、ヘルメットは義務化すべきではないという主張です。
義務化すれば自転車の利用者が減るのは、専門家でもない私でも予想できますね。
個人的には、「ヘルメット義務化 → 自転車利用者の減少 → 運動量の減少により医療費高騰」の3段論法は、苦しい主張であると考えています。
それに、自転車の運転に全く関係ない主張であり、意味が分かりません。
自転車へ乗らなくなるのでしたら、その分他の運動をするかも知れないし、徒歩での行動が多くなると思います。
その結果、健康保険にかかる医療費のコストを減少できる可能性だってあるはずです。
ヘルメット不要論を唱える本当の理由とは
先ほどまで「自転車にヘルメットは不要だ」と唱える人の主張について紹介しました。
一体なぜこのような主張を唱えるのでしょうか。
私は恐らく「ヘルメットを被らない行為を正当化」したいだけなのではないかと思っています。
かぶらない本当の理由は単純で、「被るのが面倒くさい」「髪が乱れる」「被ると見た目がカッコ悪い」といったようなものでしょう。
ヘルメットを被る被らないは個人の自由なので、それについてとやかく言うつもりはありません。
ただ自分の行為を正当化したいため、他人に広めるのは明らかな間違いです。
また、自転車乗りの中には、強くヘルメットの着用を強要する方もいるので、反発心から被らないことも考えられますね。
【ママチャリに関する話】
日本で使われる自転車は、圧倒的にママチャリが多いです。昔と比べて近年、ヘルメットを着用して、ママチャリに乗っている人を見かける機会も多くなりました。下記記事では、ママチャリに関する話を紹介します。
ヘルメット不要論に騙されず正しく判断しよう
ヘルメットは、転倒事故や接触事故などにより頭部の保護をする働きの他にも、車のドライバーに対して自己アピールをする働きがあります。
どれほど自分で気を付けておいても、事故に合う時は合うもの。
万が一に備えるのは、人類が過去から学んだこと活かしているからですね。
事故の被害を減らしたいという思いの中で産まれてきたヘルメットは、決して不要な物であるはずがありません。
なにより、ヘルメットの重要性を理解していれば、安易にヘルメット不要論にうなづくことはないでしょう。
だからと言って何が何でもヘルメットを被れと強要するのも変な話。ヘルメットを被る自由があれば、被らない自由ももちろんある。最終的には、自分で正しく判断して決めれば良いと思います。
ヘルメットの義務化は時代の流れかも
2021年(令和3年)10月に愛知県が施行した「自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」により、愛知県では全世代のヘルメット着用が努力義務となりました。
今後このような条例は、他の自治体へ広がる可能性を十分に想定できていた方も少なくないのでは。
そして、2023年4月1日より、道路交通法が改訂されて、全ての自転車利用者は、ヘルメットの着用が努力義務になりました。
すると、徐々にですが、ヘルメットを被るのが当たり前になっていくのではないでしょうか。
そうなれば、ヘルメット着用の義務化がスムーズに決定されますね。
個人的には、この流れは歓迎していますが、実現するにはまだまだ時間が必要でしょう。
尚、ここをクリックして開く記事で、おすすめのヘルメットを紹介します。
まとめ
本記事では、自転車のヘルメット不要論について紹介し、その内容について検証してみました。
ヘルメットの不要を唱える人は、様々なデータを言い訳に使いますが、被りたくなければ被らなけれいい。
データを使って行為を正当化しようとするのは、滑稽に見えますね。
個人的には、安全性を考えるならば、自転車に乗る際ヘルメットは着用した方が良いとは思ってます。
そのため、他人にヘルメットの必要性を説明し、勧めることはあるかも知れませんが、強要することはないでしょう。
ヘルメットを被る被らないは、最終的にあなた自身で決めるべき。
本記事を読んで頂き、ヘルメットの必要性を考えるきっかけになって頂ければ嬉しいです。