世界に誇るサイクリストの聖地といえば、しまなみ海道ですね。
この海道の道中にある来島海峡大橋を自転車や徒歩で渡っている途中で、「馬島」「エレベーター」と表記された案内板を見かけます。
この案内板を見て、「これ何だろう?」と疑問に思われた方もいるのではないでしょうか。
実は、来島海峡大橋からエレベーターを使って「馬島」へ上陸できるのです。
馬島は普段の喧騒を忘れ、「安穏」な時間を楽しめる憩いの島ですよ。
本記事では、魅力ある馬島の行き方や、見どころについて紹介します。
しまなみ海道にある「馬島」とは
馬島(うましま)は、愛媛県今治市の市街地から来島海峡大橋を渡る途中で行くことができる島です。
来島海峡大橋の中間に位置しており、江戸時代に今治藩が馬の放牧を行っていたことが島名の由来となっています。
人口は10人程度の小さな島であり、観光地化している訳でもないので、知る人ぞ知る憩いの島といえますね。
大きな商店はもとより娯楽施設など何もない島ですが、そのような施設がないため、静かな時間を過ごすのに最適ですよ。
目の前に広がる海峡では、大小様々な船舶が通行している姿を間近で目撃できます。
また、瀬戸内海の潮流が作り出す渦潮を眺めてみたり、砂浜にそっと寝そべりながら解放感を十分に満喫できますね。
何もないように見えるけど、確かに何かがある。そんな魅力が馬島にはあります。
馬島の行き方(アクセス)
馬島へ観光客が行く方法は以下の3つです。
本記事では、「来島海峡大橋からエレベーターで上陸する」方法について説明します。
まずは、来島海峡大橋を徒歩か自転車で渡りましょう。(条件付きで原付もOK、詳しくは後述します。)
できれば自転車の方が馬島での移動が便利です。
来島海峡大橋の今治市側の入口前には、レンタサイクル基地・サンライズ糸山があります。
ここからですと、馬島まで往復約6km程度ですよ。
来島海峡大橋の中間地点には、料金所があり、この料金所に馬島へ上陸するためのエレベーターが設置されています。
尚、徒歩・自転車の場合は、来島海峡大橋を渡る料金が2024年3月31日まで無料です。
ここ数年ずっと無料が続いているので、2024年3月31日以降も無料になることを期待したい。(その後、2026年3月31日まで無料期間が延長されることが決まりました。)
料金所近くには、馬島へ向けて渡れる道がありますが、通行禁止となっている。
単純にチェーンで道を塞いでいるだけなので、くぐり抜けそうですが、監視カメラでチェックしてますので、必ずエレベーターを使って上陸しましょう。
料金所から橋の下へ続くスロープを降りて通路の先へ向かうと、大型のエレベーターが見えてきます。
このエレベーターは、自転車を縦向きにしなくても、2~3台はそのまま載せれるほどスペースが広い。
ただし、タンデム自転車は禁止になっている。
エレベーターはシースルーになっており、エレベーターが降下しながら、島内の様子や遠くには、しまなみの島々を一望できますよ。
ただのエレベーターではなく、展望台も兼ねていますね。
それにしてもエレベーターで上陸する島なんて、馬島以外聞いたことがない。
そう意味では、貴重な体験ができます。
馬島到着後に確認したエレベーターの外観がこちら。
来島海峡大橋の橋脚に作られた巨大な建造物にビックリ。
これは馬島へ上陸しなければ見られないので、橋マニアには必見かな。
尚、エレベーターを降りると簡易トイレがあるので、トイレに行きたくなったら使いましょう。
エレベーターで馬島へ上陸できる手段は、以下の3つのみです。
- 原付(125cc以下。道路運送車両法での区分)
- 自転車
- 歩行者
高速道路(来島海峡大橋)を走っている車やオートバイは、馬島へ上陸できません。
【見所①】橋梁と船舶が織りなす瀬戸内海の風景
馬島の西海岸には、海底まで透けるような青い海と美しい砂浜があります。
それに、優美な来島海峡大橋が良いアクセントになっている。
潮の流れは、まるで大きな川。砂浜に立てば、その流れる音が聞こえてくるかも。
来島海峡の渦潮は「八幡渦」と呼ばれ、時には渦の大きさが10mを越えることもあるという。
大渦の景色も素晴らしいですが、大橋の足元を大小様々な船舶が、通過する景色も絵になりますね。
その昔、瀬戸内海を中心に活躍していた村上水軍もこの海を往来していたのでしょう。
当時は、今と違ってエンジン付きの船舶などなかったので、潮の流れを読み取る力が今以上に必要だ。
海を眺めていると、瀬戸内海を縦横無尽に暴れ回る村上水軍の勇猛果敢な姿が思い浮かびます。
また、単純にボーと景色を眺めるだけでも良い。それこそ、至福な時間といえるのではないでしょうか。
こころ静かに落ち着ける馬島の景色は、あなたを優しく包み込んでくれます。
また、西海岸には、宿泊施設「GLAMPROOKしまなみ」がありますよ。
客室には、通常のホテルタイプとグランピングテントタイプがある。
個人的には、解放的な自然の鼓動を間近で感じられるグランピングタイプを選ぶかな。
1泊して、最高のプライベート空間を満喫してみては如何でしょうか。
【島旅の紹介】
島旅の魅力について下記記事で紹介します。また、馬島以外の瀬戸内海の島々についても紹介します。
【見所②】間近で見られる迫力ある「来島海峡大橋」の景観
馬島からは、来島海峡大橋を真下から見上げられます。
あまりにもスケールが大きすぎて感動するかも。
綺麗な海に人工物は、合う合わないがありますが、馬島では周囲との調和が見事にとれています。
そのため、白亜の大橋(来島海峡大橋)は、はるか昔からそこにあることが自然体のように感じました。
また、小さな漁港からの眺めは、まるで天の川のようだ。
夕日と共に眺めていたい景色ですね。
こちらの写真は、来島海峡大橋の上から馬島を見下ろしたもの。
エメラルドブルーの海の景色が印象的ですね。
あまりの綺麗さに見とれてしまうのも無理はありません。
様々な場所へ足を運び、色々な角度から来島海峡大橋を眺めてみましょう。
是非、あなただけのベストビュースポットを探してみて下さい。
【珍しい橋や美麗な橋を紹介】
旅先で出会った来島海峡大橋のような美麗な橋や珍しい橋を、下記記事で紹介します。
【見所③】親子で遊んでいる狛犬が見られる「馬島神社」
馬島の南端には、馬島神社が鎮座しています。
この神社には、是非を足を運んでもらいたいですね。
この神社には、狛犬ではなく狛獅子がいますよ。
この狛獅子の足元にある玉に注目。
よく見てみると、玉に小さな獅子がしがみついている。
狛獅子の親子が遊んでいる姿は、ほっこりしますね。
綺麗に清掃されている境内から、島民の皆さんがいかに馬島神社を大事にしていることが良く分かります。
本殿の近くには、灯台へ続く道がありました。
参拝し終えた後で、足を運んでみては如何でしょうか。
ちなみに、その灯台(ウヅ鼻灯台)がこちら。
わき道からわずか数mで辿り着きますよ。
残念ながら、木々に囲まれているため、景色はよくありません。
【神社仏閣の紹介】
旅先で訪れた神社仏閣を下記記事で紹介します。
馬島はサイクリングしながら過ごすのがお勧め
馬島は、0.5キロ平方メートルの面積しかない小さな島です。
自転車で見て回るだけならば、30~40分もあれば十分でしょう。
とても静かな島であり、波の音がここちよい。
自転車で移動しながら、島の景色を楽しもう。
こちらは馬島広場。目の前には、馬島定期船乗り場があり、ここから旅客船が往来している。
また、馬島観光休憩所もある。
少し離れた所には、お堂がありました。
更に南へ向かえば宿泊施設「GLAMPROOKしまなみ」や馬島神社へ辿り着きます。
馬島神社へ向かう途中で、堤防の上に氷が置かれているのを発見。
何となくパシリと1枚撮ってみた。遠くには来島海峡大橋が映っており、中々よいかも。
馬島神社へ向かっていると、ウヅ鼻灯台が見えてきます。
うん、灯台は、近くで見るより遠くから見た方が絵になるかな。
尚、サイクリストならば、相棒(自転車)と一緒に記念撮影を忘れずに。思い出の1枚が撮れますよ。
馬島へ上陸する際の注意点
馬島へ上陸する際、以下の内容に気を付けて下さい。
- 島民以外の進入禁止エリアへ入らない
- 周辺の海域、島内では釣りなどを含む動植物の採取禁止
- 激しい潮流のため遊泳禁止
尚、進入禁止エリアには、こちらのような表記がありました。
また、馬島にはお店や自動販売機が見当たりません。
必用な飲み物は持参し、ゴミを出したら持ち帰りましょう。
馬島の基本情報
住所 | 愛媛県今治市馬島 |
電話番号 | 0898-36-1541(今治市役所 観光課) |
まとめ
馬島は、来島海峡大橋の中間地点から、エレベーターを使って上陸できる珍しい島です。
綺麗な砂浜で瀬戸内海を眺めたり、橋梁と船舶が織りなす景色を眺めていると、いつのまにか心が穏やかになっていることに気付かされます。
何もないように見えるけど、決してそんなことはなく、馬島には馬島しかない魅力がありますね。
「安穏」と呼べる風景は、こころ休まる時間を過ごすのにピッタリではないでしょうか。