香川県さぬき市には、知る人ぞ知る自然が生み出した絶景スポットがあります。それが、大串半島にある広大な自然を満喫できる「大串自然公園」ですね。
美しい瀬戸内海を見下ろす芝生広場の展望スポットや、ギリシャ神殿を彷彿させる建物、そして透明度の高いエメラルドグリーンの海など、思わずカメラのシャッターを切ってしまうフォトジェニックスポットばかり。
また、大串半島には、さぬきワイナリーや長ぞわい観音など足を運びたいところが目白押しなので、合わせて訪れてみよう。
本記事では、大串半島を巡りながら、大串自然公園の絶景スポットを中心に見どころを紹介します。
大串自然公園とは
大串自然公園は、香川県さぬき市志度に位置し、瀬戸内海に突き出した大串半島にある総面積100haの広大な自然公園です。
敷地内には、眺望が素晴らしい芝生広場や野外音楽広場、キャンプ場、四国唯一のワイン工場「さぬきワイナリー」などの施設が点在しています。
大串半島は、江戸時代に高松藩が所有する馬の放牧地でした。その後、明治以降になると国有地として開拓・居住が禁じられたため、今も豊かな自然が残されている。
そのため、空と美しい瀬戸内海の広さを感じられる、開放感たっぷりの絶景スポットです。
【周辺の見どころ】
大串自然公園周辺の見どころを、下記記事で紹介します。
【絶景スポット①】芝生広場に広がる雄大な自然
大串自然公園の芝生広場は、小さな子供たちが思わず走り出したくなるほど広々としており、ごろんと寝転んだり、お弁当を食べたり、読書したりしながら心地よい風を感じられます。
駐車場から1分も歩かない内に芝生広場へ到着するのもGood。ちなみに駐車場には、トイレや自動販売機がありますね。
芝生広場へ向かって歩けば、大きな建物が見えてくる。
この建物は、2024年6月にオープンした「時の納屋」という地上一階・地下一階の木造建築のカフェスペースですよ。建築家の堀部安嗣さんが設計しました。
かつて大串半島には温泉施設がありましたが、老朽化などのため2015年に閉鎖。そこで、さぬき市が地域活性化のために新たな施設を整備して誕生した次第です。
時の納屋では、軽食なども提供しており、大きな窓から自慢のオーシャンビューが楽しめるという。
私が大串自然公園へ訪れた日は、建屋自体は完成していましたが、まだオープン前でしたので、利用できませんでした。なので、またの機会に訪れたいと思います。
青々とした芝生を歩き、奥にある展望スポットへ辿り着けば、青空の下、瀬戸内海の美しい海に大きく横たわる小豆島が目に飛び込んでくる。
小豆島の三都半島の中腹に立つのは、白い地蔵崎灯台ではないですか。数日前に行ったばかりなのでよく覚えてるぞ。(三都半島については、こちらの記事で紹介します。)
また、展望スポットに立てられた「大串半島」と描かれたパネルがいい感じ。うん、実に撮影スポットとしておあつらえ向きですね。
周囲を見渡せば、芝生広場から海に向かって延びる遊歩道があり、見るからに最高のロケーションだ。
遊歩道を降りた先には、古墳みたいな石が積まれた場所があり、それが大串狼煙場跡ですよ。(後で紹介します。)
数年前にこの芝生広場へ訪れた時は、スクールチェアを再利用したカラフルなベンチがあったのですが、どこにも見当たらないではありませんか。
とても可愛くて周囲と調和していたのに「なぜだ~!」と思っていたら駐車場にて発見。う~む、色がはげ落ちているので、再度塗り替えてもとに戻すのだろうか。私気になります。
芝生広場から約2kmほど離れたところには、「シーサイドコリドールオートキャンプ場」がありますね。
コテージ4棟(バス・トイレ・キッチン・ロフト・テレビ・冷蔵庫完備)が完備されており、最高のロケーションでキャンプが楽しめるのは素晴らしい。
大串自然公園は、イベント時にはたくさんの人が訪れたりしますが、そうでなければ訪れる人もまばらな穴場の絶景スポットです。つまり、この絶景をほぼ独り占めできるというわけだ。
瀬戸内海を行き交う船を眺めながら、のんびりと過ごしましょう。
【双眼鏡に関する話】
大串自然公園へ訪れる際、双眼鏡を持参すると便利です。下記記事では、双眼鏡に関する話を紹介します。
【絶景スポット②】ギリシャ神殿を彷彿させる「テアトロン」
芝生広場から少し北へ歩いたところには、野外音楽広場「テアトロン」があります。
瀬戸内海をバックにして、まるでギリシャ神殿のような柱が並ぶ姿は圧巻ですよ。
斜面を利用したすり鉢状の形状は、古代の遺跡や闘技場にも見えるかも。周囲の風景と相まって、日本にいることを忘れそうになる。
観客席は5,000人、芝生席に5,000人の計10,000人を収容できるほどの規模をもちますが、イベントが開催されていない日は、ほとんど人がこないので静かなものです。
それにイベントが開催されていなければ、自由に出入りできるので、実際にステージ場へ上がってみよう。そこから客席を眺めれば、アーティストの気分を味わえるというものだ。
ステージ場で手を叩いたり足踏みすれば、まるでスピーカーがついているかのように音が鳴り響くのは面白い。
さすがは音楽広場。よく考えられて音響効果が抜群の設計がされています。
おっ、これは出番を待つアーティストたちの待機場所でしょうかね。
中へ入ると通路となっており、壁には有名なアーティストたちのサインが飾ってある。通路を抜けると、外へ出ますよ。
テアトロンは、写真映えする建築物なので、様々な角度で記念撮影を楽しんで下さいね。
【西洋風の巨大建築物】
旅先で訪れた西洋風の巨大建築物を、下記記事で紹介します。
【絶景スポット③】海釣り公園跡地の透明度の高い海
大串自然公園の中でも、さらに存在を知る人が少ない絶景スポットが「海釣り公園跡地」です。
良く晴れた日には、透明度の高いエメラルドグリーンの海が広がります。
私がこの公園へ足を運んだのは偶然なのですが、その透明度の高さに思わず「うぉ~!」と叫んでしまいましたね。(笑)
そもそも海釣り公園跡地は、設備の老朽化により2001年(平成13年)に閉園されて、その後は無料開放されました。
後から知った話では、アジやイワシ、サバ、キスなどが釣れる釣り人には知られているスポットなんだとか。確かに私が訪れた日も釣りを楽しんでいる人がいましたね。
海釣り公園跡地へ向かうのは、初見では分かりずらいと思う。まずは、こちらの車が停められるほどの広さがある空き地へ向かおう。もとは駐車場だったと思います。
こちらが、海釣り公園跡地の周辺地図ですよ。道路に囲まれた中にポッカリ広場がみえるでしょう。
この広場の奥には、コンクリートでできたトンネルがあり、トンネルの向こう側には、海が見えるのが気になります。
というわけで、トンネルをくぐり抜けると、海釣り公園跡地へ辿り着きました。
綺麗な砂浜の周囲には、遊歩道が延びていますので石波止まで行ってみよう。その際、遊歩道や石波止にある手すりは、腐食して脆くなっているので持たない方が無難です。
大串自然公園へ訪れた際には、忘れずにぜひ足を運んでみて下さいね。
【知る人ぞ知る絶景スポット】
旅先で訪れた知る人ぞ知る絶景スポットを、下記記事で紹介します。
大串半島で巡りたい見どころを紹介
大串自然公園は絶景スポットの宝庫ですが、それ以外にも見どころが多いので紹介します。
さぬきワイナリー
さぬきワイナリーは、四国で最初にできたワイン工場です。地元で収穫されたブドウをもとに、本格的な「さぬきワイン」を楽しめます。
デラウェアやベリーAなど種類も豊富。それぞれのブドウそのものの良さを引き出す醸造方法をへて、香り高い濃厚なワインになるわけだ。
また、ブドウ以外の果物を使ったフルーツワインも販売していたり、製造工程の見学や、無料の試飲コーナーもあるのは嬉しいですね。
- 住所 香川県さぬき市小田2671番地13
- 電話番号 087-895-1133
- 営業時間 9:00~17:00
- 定休日
- 毎週火曜日(祝日は営業)
- 年末年始(12/29~1/3)
長ぞわい観音
大串半島の先端付近には、海上交通の安全と大漁を願って庵治石で作られた観世音菩薩があります。それが「長ぞわい観音」ですね。
半島の周回道路には、「長ぞわい観音」と書かれた案内板があり、観音様へ向かう道は車両禁止なので気を付けよう。
海に向かって坂道を下っていくと、草がボーボーに生えた円形の広場へ辿り着く。そのほぼ中央には、観音様が静かに佇んでいるではないですか。
台座を含めて高さは約7.2mほど。柔和な表情と眼差しが実にいい。
周囲には、砲台跡の説明板があることから、観音様がいらっしゃるこの敷地は、かつて砲台跡であったことが伺い知れますね。
さらに海岸線の方向へ向かう道を見つけたのですが、残念ながらロープが張られていて立入禁止でした。
大串狼煙場跡
昔から島や船との連絡用や海上警備のため「狼煙台(のろしだい)」が築かれてきました。
大串半島にある大串狼煙場跡は、江戸時代に高松藩が築いたもの。外国船の接近を高松城へ知らせる役目を負っていました。
狼煙場跡は、直径約5m、高さ4mの石積みで造られているため、狼煙台と知らなければ古墳のように見えます。
こちらのように完全な状態で残っているのは非常に珍しい。完全に石積みに囲われているのではなく、燃料の搬入や人の出入りのため、東西に切断されているので、中へ入りやすいですよ。
かつて狼煙をあげていた辺りをじっくり見物していると、思わず「狼煙をあげろ~」とか言ってみたくなる。(笑)
もともとは岬の頂上にあったものを、1984年(昭和59年)に約100mほど離れた今の場所へ移転修復しました。
大串石切場跡
大串石切場跡は、高さ数メートルの岸壁に、地覆石や板石と思われる剥ぎ取り跡が一面に残る中世の凝灰岩採石場遺構です。
採石場の規模から推測すると、中世は相当広い範囲に搬出されたのだろう。
石清水八幡宮文書によれば、1339年(暦応2年)に京の石清水八幡宮護国寺へ石が運ばれた記述が残されています。
この石切場跡の入口は、大串半島の周回道路で長ぞわい観音へ向かう入口から少し東へ向かったところにあり、沿岸に「大串石切場跡 約200m」と書かれた案内板があるので見つけやすいですね。
最初の内は歩きやすいのですが、再び案内板があった先は完全な獣道。
私なんて「本当にこんなところを歩くのか」と思ってしまったほどですよ。
たまたま近くにおられた人に話を聞いてみると、間違いなさそう。意を決して足を運びました。歩くならば、虫よけを持参するのをおすすめします。
尚、先ほど話を聞いた人によれば、夜間にはイノシシがでるという。そもそも明かりのない獣道を夜間歩くのは危ないので、昼間限定で訪れるのが無難です。
大串自然公園の基本情報とアクセス
住所 | 香川県さぬき市志度5385番地8 |
電話番号 | 087-894-1114(さぬき市商工観光課) |
【アクセス】
- JR志度駅からタクシーで約20分
- 高松自動車道「志度IC」から車で約20分
大串自然公園の駐車場
大串自然公園の芝生広場入口前には、無料駐車場があります。(普通車 約40台)
まとめ
大串自然公園は、穴場な絶景スポットのため、イベントがなければそれほど人が多くはありません。
しかし、一度訪れてその魅力に触れると何度でも足を運びたくなる。ポテンシャルは非常に高い公園ですね。
芝生広場の展望スポットを始め、ギリシャ神殿を彷彿させる「テアトロン」、海釣り公園跡地から眺める透明度の高いエメラルドグリーンの海は魅力的。
豊かな自然を満喫できる大串自然公園へ足を運んでみよう。アクセスはよくはないので、自家用車がないのであれば、JR志度駅からタクシーまたは、レンタカーを利用するのがおすすめです。