今ロードバイクを購入しようとすると、ディスクブレーキが使われていることが多いです。
ディスクブレーキが主流になってから久しく時が経ち、従来のリムブレーキモデルの販売はめっきり少なくなりました。
けれどリムブレーキを扱ったロードバイクは今でも現役として、多くのサイクリストに利用されています。
それぞれのブレーキにはメリットとデメリットがあり、ロードバイクを使う目的や用途によっては、必ずしも主流のディスクブレーキを選ぶ必要はありません。
なので、それぞれのブレーキの違いをしっかりと見極めるのが大事ですよ。
本記事では、これからロードバイクを購入する際、リムブレーキとディスクブレーキのどっちを使えばよいのか説明します。
今やディスクブレーキが主流である
今のロードバイクは、ディスクブレーキが主流のため、最初からリムブレーキを選べないというのは、それほど珍しくありません。
それでもリムブレーキにこだわる人も多く、一定数の需要は見込めます。
では、リムブレーキとディスクブレーキでは何が違うのだろうか。それを説明する前に、両者のブレーキについて簡単に触れますね。
リムブレーキは、ホイールのリムをブレーキパッドで挟むことで、制動力を生み出す仕組みのブレーキです。ロードバイク以外の自転車にも広く使用されています。
リムの形状や材質により制動力に違いが生じることも。
一方、ディスクブレーキは、主に航空機・鉄道・自動車・バイクなどに使われており、それが近年自転車にも使われました。
ホイールと共に回転する金属の円盤(ローター)に対して、パッドなどで両側から挟み込むことで制動力を生み出す仕組みだ。
どちらも「挟み込む」という構造自体は同じですが、挟み込む仕組みが違っており、制動力に明らかな違いがでてくる。
たしかに航空機・鉄道などに使われていることを考えれば、「ディスクブレーキの方が凄くない?」と思う人が多いかも。
実際、リムブレーキは必ずしもディスクブレーキよりも劣っている訳ではなくて、制動力はブレーキ自体のグレードや品質、セッティングなどに影響されます。
リムブレーキとディスクブレーキでは何が違うのか
リムブレーキとディスクブレーキの違いは、ずばり「制動力」です。
これはよく聞く話なので知っている人も多いのではないだろうか。特に油圧ディスクブレーキは、リムブレーキよりも細かなブレーキングできて、強い制動力があります。
もちろんリムブレーキの中にもクロスバイクによく使われるVブレーキは、かなり強力な制動力があるし、ロードバイクで使うキャリパーブレーキも上位グレードであれば、十分すぎる制動力を発揮するものだ。
違いといえば、油圧ディスクブレーキは、ブレーキのかけ始めからしっかり制動されるということ。それに対して、Vブレーキやキャリパーブレーキでは、レバーを6~8割くらい引かなれけばしっかりと制動がかからないですね。
そのため、ディスクブレーキの方が制動力が高いといわれています。
特に雨天時に両者の違いがハッキリと分かる。というのは、ディスクブレーキは水や砂などの異物にすこぶる強いですよ。
リムブレーキは構造上、リムに水や砂などが付着するとブレーキシューとリムの摩擦係数が下がってしまうため、どうしても制動力が落ちてしまいます。
なので、雨天時にロードバイクへ乗るのであれば、ディスクブレーキの方が安全であり安心感がありますね。
また、制動力以外にも色々と違いがあるので、以下にまとめました。
比較項目 | ディスクブレーキ | リムブレーキ |
---|---|---|
雨天時の制動力 | 高い | 低い |
重量 | 比較的重い | 軽い |
価格 | 高価 | 比較的安価(グレードによる) |
メンテナンスのしやすさ | 複雑 | 簡単 |
ホイールへの影響 | リムに対する負荷は小さい | 比較的影響あり(リムの摩耗次第) |
リムブレーキとディスクブレーキのメリット・デメリット
先ほどリムブレーキとディスクブレーキの違いについて説明しました。
このことから、両ブレーキのメリットとデメリットが自ずと分かりますが、より分かりやすくするために以下にまとめます。
両ブレーキのメリットとデメリットを並べてみると、それぞれが反目しているのがよく分かる。
リムブレーキとディスクブレーキでは、使用する部品点数が違うし構造も違うため、価格や車重に影響が出てきます。
扱いやすいという一点をとれば、100年以上かけて進化を続けてきたリムブレーキに軍配が上がるだろう。すでにあらゆるトラブルが洗い出されており、さらに単純な構造のためメンテナンスもしやすいのは魅力的ですね。
一方、油圧式のディスクブレーキのトラブルというのは、その道のプロでなければ扱うのは難しいレベルです。
リムブレーキの今後の展開
今の主流はディスクブレーキであり、いずれディスクブレーキ一辺倒になるものではないかと予想しています。
「このままではリムブレーキは廃れてしまうのか?」と心配しているサイクリストも多いのではないでしょうか。
個人的な感触ですが、まだまだリムブレーキのモデルは完全になくならないと思います。
実際、2024年も一部の大手メーカーではリムブレーキのモデルを販売しており、リムブレーキを愛用するサイクリストの需要があるのが分かりますね。
たとえば、イタリアのブランド「COLNAGO(コルナゴ)」から新モデル「C68 Rim」が登場しました。
また、中古市場をみてもディスクブレーキのロードバイクを購入したサイクリストが、リムブレーキモデルを手放すようになるため、今後数年はリムブレーキモデルは在庫に余裕があるでしょう。
しかし、業界全体がディスクブレーキに全面移行を進めているのは確実です。そうなると、リムブレーキのパーツ供給が少なくなり、いずれ修理ができなくなる。
保守面を考えれば、今新しくロードバイクを購入するならば、ディスクブレーキモデルを選ぶのが無難です。
もし今リムブレーキモデルを使用しており、今後も使い続けるのであれば、状態の良いリムブレーキのコンポや対応するホイールを前もって入手しておくのが良いかも知れないですね。
リムブレーキからディスクブレーキに交換できません
今リムブレーキのロードバイクに乗っているのであれば、ディスクブレーキの交換を考える人もいるのではないだろうか。
残念ながら基本的にリムブレーキからディスクブレーキへの交換はできません。というのは、ディスクブレーキを取り付けるには、以下の条件が必要になるからだ。
- フレームやフロントフォークにディスクブレーキの取り付けが可能である
- ホイールがディスクブレーキ対応モデルである
- フレームやフロントフォークにディスクブレーキ対応ホイールを取り付けられる(主な固定方法はスルーアクスル)
リムブレーキモデルのリアエンドは、130mmか135mmのエンド幅であり、クイックリリース式がほとんどです。
これがディスクブレーキになると、ほとんど142mmのスルーアクスルのため、物理的に取り付けがNGということ。
つまり、フレームやフロントフォーク、ホイールを買い換えない限り、ブレーキシステムのみの交換ができないです。
結局どっちを選べばよいのか?
先ほども触れましたが、新しくロードバイクを購入するならば、ディスクブレーキモデルが無難です。
雨天時にも乗り続けるのであれば、天候に関係なく安定した制動力を発揮するディスクブレーキを選ばない理由がありません。
晴れた日にしか乗らないのであれば、あえてリムブレーキモデルを購入してもよいかも。
リムブレーキモデルは、重量が比較的軽くなりメンテナンス性の高さから人気があります。特にヒルクライムなどでは、車重の影響が大きいため、あえて選ぶのもアリですね。
さらに輪行などを多用するのであれば、ディスクブレーキモデルと比べて手間が少ないのがありがたいかな。
油圧ディスクブレーキというのは、パッドが閉じてしまうと元に戻すのが難しく、ホイールが固定できなくなってしまう。なので「パッドスペーサーを挟むのをつい忘れてしまった」なんて洒落になりません。
そういうのを気にしなくても良いのがリムブレーキの良いところ。
これは、うっかりミスをしないかぎり、作業自体に慣れてしまえば解決できると思うので、ディスクブレーキモデルでも普通に輪行ができます。
まとめ
今やロードバイクのブレーキは、ディスクブレーキが主流ですが、リムブレーキもまだままだ現役で使えます。
なので、ロードバイクを使う目的や用途によって選ぶのが大事ですよ。そのためにもそれぞれのブレーキのメリットとデメリットをしっかりと理解して下さいね。
ブレーキは、自転車のパーツの中でも特に安全性に関わるので、納得いくまで考えて欲しいです。
将来的にリムブレーキのパーツ供給が少なくなるのは予想できますが、それはまだまだ先の話でしょう。今リムブレーキのロードバイクに乗っているのであれば、そこまで深刻になる必要はないと思います。