容器の中に入っている砂の落下量で時間の経過を計る砂時計。
カップラーメンを作る時に、お世話になっている方も多いのではないでしょうか。
普段私たちが目にする砂時計と比べて、スケールアップした物が島根県大田市にあります。
それが、世界最大の砂時計「砂暦(すなごよみ)」。
ギネス認定された紛れもない本物。
仁摩サンドミュージアムでは、砂暦を始め多くの砂時計や砂のアート作品を楽しめるのです。
また、日本や世界中にある砂をまとめて見学できますよ。
本記事では、仁摩サンドミュージアムの楽しみ方について紹介します。
仁摩サンドミュージアムとは
仁摩(にま)サンドミュージアムは、島根県大田市仁摩町に位置し、全国でも珍しい砂の博物館です。
当時の仁摩町民や多くの関係者の情熱とロマンを原動力に、1991年(平成3年)3月3日にオープンしました。
施設の外観は、特徴的な6基の総ガラス張りのピラミッド。
初めて目にする巨大なガラスのピラミッドに驚く人も多いでしょう。
この博物館の目玉は、何と言っても世界最大の砂時計。
この砂時計は、「砂暦(すなごよみ)」と名付けられ、365日をかけて砂が流れ落ちる1年計です。
その他にも砂を使ったアート作品や体験コーナーもあり、見て触れて楽しめるスポットが目白押し。
一人でも家族連れでも楽しめますね。
館内へ入る前に、少し敷地内を散策してみては如何でしょうか。
綺麗な花時計が見られたりしますよ。
館内の入口前には、虹色の椅子が設置されているのも印象的です。
また、是非カップルや夫婦で渡って欲しい「ラテの橋」がありました。(詳しくは後述します)
それでは、仁摩サンドミュージアムへのアクセスや楽しみ方について紹介していきます。
【博物館の紹介】
仁摩サンドミュージアムのような博物館へは、旅の道中で良く足を運びますので、下記記事で紹介します。
仁摩サンドミュージアムのアクセス
仁摩サンドミュージアムの最寄り駅は、JR仁万駅(にまえき)です。
仁万駅から徒歩で約10分程度のところに、仁摩サンドミュージアムが建っています。
出雲市から仁万駅までは、電車で約60分ほどかかり、電車の本数も少ないため、時刻表など運行状況を良く確かめておかないと、思わぬ足止めをくらう羽目に陥るかも知れません。
仁万駅の近くには、潮川が流れており、川を眺めながら国道9号を目指して下さい。
仁万の交差点から少し南へ進めば、仁摩サンドミュージアムの特徴的な外観が見えてきます。
尚、車やバイクなどで訪れる場合は、国道9号沿いにガラスのピラミッドが見えてくるので直ぐに分かりますよ。
以下に、仁摩サンドミュージアムのアクセスをまとめました。
- 【車で向かう場合】
- 大朝ICから約80分
- 江津ICから約40分
- 三次ICから約120分(細道注意)
- 出雲ICから約50分
- 【飛行機で向かう場合】
- 出雲空港より東京、大阪(伊丹)、福岡、札幌、隠岐便が就航しています。
- 【電車で向かう場合】
- JR仁万駅から徒歩約10分
【周辺の見どころ】
仁摩サンドミュージアム周辺の見どころを、下記記事で紹介します。
仁摩サンドミュージアムの楽しみ方
ギネスブックに掲載される世界一の砂時計
館内に入り、中央ホールへ辿り着いたら、まずは頭の上を見上げて下さい。
館内上部には、高さ5.2m、直径1mもある巨大な砂時計「砂暦」が、ガラス張りのピラミッドと共にその姿が見て取れます。
感じ方は人それぞれですが、ホール中央の地上8mの高さにある砂時計は、想像した物より小さく見えました。
この砂暦を見ていると、1年の短さが図りしれ、1日1日を大事に過さなければならないと感じた次第です。
砂暦はそもそも、仁摩サンドミュージアムから約3kmほど離れた所にある琴ヶ浜の鳴り砂の保全と環境保護を願って設置されたもの。
1トンの鳴り砂が、1年かけて落ちるようコンピュータ制御されているとか。
ギネス世界記録によると、6,291億の粒が砂時計に入っているという。
余りの数の多さにピンときませんが、凄いことだけは伝わります。
尚、使われている砂は、粒の大きさの関係で他県の鳴り砂が使われているそうですよ。
もちろん砂時計ですがら、毎年ひっくり返さなければいけません。
このひっくり返す作業が儀式となり、年末の恒例行事になっています。
毎年12月31日大晦日の21:00から、仁摩サンドミュージアムに隣接する仁摩健康公園にて「時の祭典」が開催されていますね。
23:55から5分間かけて、翌年の歳男と歳女108人で紅白の大綱引きにより、この巨大な砂時計を180度回転されるイベント。
イベントには、ライブやビンゴ大会、フリーステージなども開催しています。
また、約1,000発の打ち上げ花火も楽しみ。
冬の花火なんて普段見かけることがないため、寒空に咲く花を堪能しましょう。
気になる方は、「時の祭典」へ参加してみては如何でしょうか。
仁摩サンドミュージアムの公式ホームページにおいて、毎年11月1日より歳男と歳女の募集をしています。(専用申し込みフォーム又はFAXにて受付)
【博物館の紹介】
日本全国にある博物館には、その博物館でしか見られない唯一無二の物があったりしますね。下記記事では、日本で唯一の博物館を紹介します。
砂時計や鳴り砂について学ぶ
そもそも砂時計は、いつからあった物なのでしょうか。
残念ながらその起源は、はっきりしていません。
古代エジプトや古代ギリシャ、ローマ、中国とも言われ定かではないのです。
11世紀頃には、航海用の時計として使わていたと言われていますが、信憑性は乏しいですね。
時刻は計れないため、使い方が限定されますが、測定開始から一定の時間を計測するタイマーとして使えます。
例えば、カップラーメンが出来るまでの時間を計れたり、一定の時間内で話すことが多い、プレゼンテーションやスピーチの練習にも使えそう。
どんな砂時計が展示されているのか、ワクワクしますね。
こちらは、先ほど紹介した「砂暦」。
近くで見てみると、その大きさに驚きます。
尚、机の上には砂暦の1/13のミニチュアが展示されており、手に触れて、実際に回転させたりできますよ。
その他にも1日計や10日計、12時間計の砂時計が展示されており、普段見かけない砂時計が盛り沢山。
また、パネルで「砂暦」が出来るまでを紹介していたり、砂時計について良く質問されることをQ&A方式で説明していました。
小鉢に入っている「鳴り砂」も用意されており、押し棒で軽く突くと「キュッ」と音が鳴りますよ。
この音は、綺麗な表面を有した砂が擦れ合うことで、摩擦音として発生しているそうです。
身近な例えで言うと、ガラスコップをきれいに洗った後で、指で擦ったときに出るあの音ですね。
科学的には、静的な摩擦と動的な摩擦が繰り返されることで音が出る仕組みです。
珍しい様々な砂時計が展示されていますので、見て回ったりしながら、砂時計や鳴き砂について学びましょう。
砂のアート作品を鑑賞
館内には、数多くの砂を使ったアート作品がありました。個人的に気に入ったのがこちらの砂絵。
額を360度回転させると、ゆっくり流れ落ちる砂により、また違った風景が描かれる仕組みです。
その独特で美しい風景が作られ行く様子をじっと見ていると、心が落ち着きますよ。
ちなみに、こちらが反転させた砂絵。
このような砂絵が沢山用意されているので、実際に触れて遊んでみましょう。
こちらは、決まった時間に回転を始める砂のオブジェです。
「砂の記憶」と呼ばれており、回転により上部で作られていた三角形が崩れ落ち、下部に溜まっていた砂が上部へ運ばれ、再び三角形を作り出してしまいます。
その他にもユニークな作品が展示されていますので、足を運んで鑑賞してみると楽しいですよ。
【アート作品の紹介】
旅を続けていると、様々なユニークなアート作品を目撃しますね。下記記事では、そんなアート作品を紹介します。
日本や世界の砂を観察
砂に関する特設コーナーが設けられており、そこでは日本や世界各地から集められた貴重な砂のサンプルが観察できます。
世界中は海でつながっていますが、同じ海でも地域によって砂の形や色はまちまち。
一つ一つの砂の違いを探しながら観察するのは面白いかも。
また、顕微鏡が用意されているので、石英砂や微小貝の観察は、子供でも楽しめますね。
砂はどこにで見られるあり触れた物ですが、世界中では砂不足が問題になっているとか。
私たちが使っている素材で重要な物の一つに、コンクリートがあります。
砂は、コンクリートの材料になっていることを知っていますか。
そのため、一部の国では建設ラッシュが起こっているため、コンクリートの需要は益々大きくなっているいう。
水に次ぐ天然資源の砂が、今では世界中で奪い合いが起きているのです。
すると「砂漠には大量の砂があるだろう」と思われるかも知れませんが、一般的に砂漠の砂はコンクリートの材料に適しません。
個人的には、人類全体が今の世界の在りようを見直さない限り、今後も砂を始めとする天然資源の問題が後を絶たないと思いますね。
様々な体験ができるワークショプコーナー
館内の地下1回には、様々な体験ができるワークショプコーナーがあります。
ここでは、無料で砂絵カードやしおりを1人1枚作れますよ。(2枚目からは1枚100円)
その他にも仁摩サンドミュージアムの周辺にある浜辺で取れた砂を使って標本を作ったり、サンドフラワーや砂時計などあなただけのオリジナル作品を作れます。
また、日本でも数少ないサンドアート台が設置されていました。
このサンドアート台で、自分の感性に従って描いてみるのは楽しいかも。
更に地元に伝わる「琴姫伝説」のサンドアートを上映していますよ。
一部有料の体験がありますが、無料体験でも十分楽しめました。
カップル必見、ラテの橋を渡ろう
仁摩サンドミュージアムの敷地内には、「テラ(永遠)の橋」と呼ばれる全長14mしかない短い橋があります。
実はこのテラの橋、カップルで歩くと二人の願いが叶うという。
また、夫婦で歩けば二人の幸せは永遠(とわ)に途切れないと密かに語り継がれているとか。
カップルや夫婦で訪れた場合は、是非二人でテラの橋を渡ってみませんか。
橋の上からは、ハートマークが彫られた石が見えますよ。
ちなみに、テラの橋を渡った先にある階段を降りると、仁摩サンドミュージアムの別館「ふれあい交流館」の2階へつながっています。
【カップルご用達の観光スポットを紹介】
日本全国には、カップルご用達の観光スポットが点在していますね。下記記事では、旅先で訪れたそんな観光スポットを紹介します。
別館「ふれあい交流館」でガラス工芸体験やお土産物を探す
仁摩サンドミュージアムには、別館の「ふれあい交流館」があります。
この交流館では、1階がガラス工芸体験ができるフロアになっており、2階には、お土産物が買えるショップがありました。
ガラス工芸体験は有料であり、小物入れを作るサンドブラストを始め、砂を使ってオリジナルキャンドルやガスバーナーを使ってアクセサリーなどが作れますね。
作る工芸品により、料金や所要時間、定員が違っています。
詳しくは、仁摩サンドミュージアムの公式ホームページでご確認下さい。
特にガスバーナーを使うアクセサリー作りは、現在コロナの影響で休止中でした。
本来は、決まった開始時刻(10:00、13:00、15:00)で作業を行なうそうです。
旅の思い出に何か一品作ってみるのも良いでしょう。
ショップには、砂時計やお洒落なガラス細工が売られています。
普通の砂時計もありますが、こちらのようなキーホルダーやネックレスの砂時計もありますよ。
その他にも沢山の商品がおいてあり、目移りしてしまいますね。
ちなみ、先ほど紹介した砂絵も売られていました。
やはり、アート作品は、そこそこの値段がしますが、お部屋のインテリアに良いかも。
土産物を見て回り、日頃からお世話になっている家族や友人・知人へプレゼントしてみては如何でしょうか。
仁摩サンドミュージアムの基本情報
住所 | 島根県大田市仁摩町天河内975 |
電話番号 | 0854-88-3776 |
営業時間 | 9:00~17:00(受付終了16:30) 1/2~1/5の営業時間は、10:00~16:00になります。 |
休館日 | 水曜日(祝日の場合は翌平日) 年末年始(12/29~1/1、1/6、1/7 変更あり) |
入館料 | 大人(高校生以上)730円 小人(小中学生)360円 20人以上で団体割引有り、障害者割引有り、外国人割引有り |
仁摩サンドミュージアムの駐車場
仁摩サンドミュージアムには、3つの無料駐車場(普通車170台、バス10台)があります。
第1駐車場と第2駐車場は、仁摩サンドミュージアムから約160~250mほど離れているので、注意が必要です。
障害者用の駐車場は、仁摩サンドミュージアムの敷地内にありました。
また、隣接する仁摩健康公園の駐車場も利用可能ですね。
まとめ
仁摩サンドミュージアムには、世界最大の砂時計「砂暦」を始め、普段見かけることがない珍しい砂時計が沢山ありました。
また、砂のアート作品の鑑賞やガラス工芸体験ができたりして、楽しみ方は様々です。
毎年大晦日には、翌年の歳男と歳女108人の大綱引きによる、巨大な砂時計を180度回転されるイベントがありますね。
一人で訪れてもカップルや家族連れで訪れても楽しめる、仁摩サンドミュージアムへ是非、足を運んでみて下さい。
周辺には、鳴り砂で有名な琴ヶ浜や世界遺産の石見銀山がありますので、合わせて訪れることをお勧めします。