出雲地方に広がる「稲佐の浜(いなさのはま)」は、神無月(旧暦の10月)に八百万の神様が集まるパワースポットとして知られています。
縁結びの聖地で有名な出雲大社の西方に位置する神聖な海岸で、白砂青松が美しい景勝地です。
弧を描く海岸は美しく、一際目を引く弁天島は、昔は海に浮かんでいました。
今では、砂の上に浮かんでいるので簡単に近づけて、パワーを授かることも。
周辺には、神様たちが国譲りの話し合いをした屏風岩や神様たちが毎年会議を開く「上宮(かみのみや)」と呼ばれる出雲大社の末社がありますよ。
神秘的な弁天島を眺めながら、稲佐の浜を歩いてみませんか。
本記事では、八百万の神様が集まる際、始めに足を踏み入れる「稲佐の浜」の魅力について紹介します。
全国の神様が集まる「稲佐の浜」とは
稲佐の浜は、島根県出雲市の西方に位置する風光明媚な浜辺です。
神話の舞台になっていますが、日本のなぎさ100選にも選ばれており、多くの人々が訪れる景勝地になっています。
出雲では、他の地方と違い10月の旧暦を特別に神在月(かみありづき)と呼んでいますね。
これは、全国の神様が一堂に出雲へ集まって、「神議り(かみはかり)」という会議を開くからです。
この会議では、男女の縁を始め、仕事の縁やお金の縁を決めるという。
こんな事を聞かされると「それってかなり重要な会議では」と思うもの。
日頃から神様に感謝を捧げていれば、良い一年が過ごせるかも知れませんね。
また、稲佐の浜は、綺麗な夕日が見られるスポットとして有名ですよ。
神様が集う地で、是非パワーを感じてみて下さい。
【石見銀山の観光】
稲佐の浜の周辺には、世界遺産で知られている石見銀山がありますね。下記記事では、石見銀山とその周辺の観光スポットを紹介します。是非、足を運んでみて下さい。
神秘的なパワースポット「弁天島」
稲佐の浜へ足を運ぶと、一番最初に目に付くのは砂浜に浮かぶ巨大な岩です。
実はこの岩、かつて海に浮かんでいた「島」でした。
以下に、弁天島と呼ばれるこの島について紹介します。
砂に埋まってしまった島
1965年頃まで弁天島は、海に浮かんでおり、臨時に架けた橋を使わないと渡れませんでした。
しかし、潮流の変化や川の環境の変化により、島の周りに砂が溜まってしまい、今では陸続きになってしまった訳です。
地元では「べんてんさん」と呼ばれ親しまれているという。
かつては、稲佐湾のはるか沖にあったそうですが、それも今は昔。
陸続きとなった今は、簡単に島へ辿り着けますね。
そのため、よりパワーが授かりやすくなったに違いありません。
周辺には、一部砂の上に多くのテトラポットが並べられており、ある意味珍しい。
テトラポットの役割うんぬんは、右において置いて、景観的には少しマイナスかも。
それでも全体的に見てみれば、美しい砂浜には違いないので、波打ち際の散策を楽しみましょう。
【パワースポットの紹介】
稲佐の浜のようなパワースポットへ訪れるのも旅の醍醐味の一つですね。旅先で訪れたパワースポットを下記記事で紹介します。
弁天島は海の安全を守る神様が祀られている
弁天島の上部には、鳥居と小さいな社があります。
私が訪れた日は、多くの観光客が社の前に列を作っており、順番に参拝していました。
もちろん私も参拝し、日頃の感謝をお伝えすると共にパワーを授かった次第です。
この社は、沖御前神社(おきのごぜんじんじゃ)であり、江戸時代までは弁財天が祀られていたいう。
明治時代になると、豊玉毘古命(とよたまひこのみこと)が祀られ、地元では漁業が盛んなことから、漁業の神として信仰も深そう。
尚、出雲大社の拝殿は、弁天島に向かって建てられているそうですよ。
【神社仏閣の紹介】
旅先では、多くの神社仏閣へお詣りしますので、下記記事で紹介します。
弁天島へは登れない
弁天島の岩肌は、ゴツゴツしていて簡単に崩れなさそうな力強さを感じますね。
すると、島の頂上へ登ってみたいかも。
しかし、弁天島へ登るの禁止されています。
また、弁天島の回りには、砂で円が描かれていましたが、恐らく内側へは入るなと言うことでしょう。
その証拠に、落石注意の立札が立てられていました。
稲佐の浜の楽しみ方
稲佐の浜の砂を集めよう
出雲大社へお詣りに行く際には、稲佐の浜へ立ち寄ってから向かうのがおすすめ。
稲佐の浜で採取した砂をビニール袋に入れて、出雲大社へ向かい、境内にある素鵞社(そがのやしろ)に供えます。
すると、代わりに御砂と交換してもらえるよ。この御砂は「清めの砂」として、様々な効力があるという。清めの砂を持ち歩いたり、玄関先にまいたり、家の敷地内にまくことで清められ、厄除けや魔除けに効力があるそうです。
また、田畑にまけば、よく作物が育つと言われています。特に戸建てならば敷地の四隅に御砂をまいたり、アパートやマンションならば部屋の四隅に御砂を入れた小袋や小箱を置くと効果があるそうです。
尚、稲佐の浜で砂を採取する際、気を付けて欲しいのは、砂を取った場所は平らにならしましょう。
そうすることで、他の人が気持ち良く砂を採取できますね。
【出雲大社と一畑電車】
出雲大社とその最寄り駅(出雲大社前駅)で運行している一畑電車について下記記事で紹介します。
稲佐の浜で夕日スポットをみよう
稲佐の浜は、有名な夕日スポットとして知られており、2017年には「日が沈む聖地出雲」の構成文化財の一つとして日本遺産に認定されました。
聞くところによると、弁天島越しに日が沈む姿が、とても神々しく見えるとか。
真っ赤な夕日がキラキラ光る海辺で、一日の最後を過ごしたい物です。
出雲観光協会の公式ホームぺージでは、夕日が見える度合いを夕日指数として公開しています。
その日の夕日指数のパーセンテージが高ければ、最高の夕日を見れること間違いなし。
夕日を鑑賞する際は、チェックを忘れずに。
【夕日スポットの紹介】
稲佐の浜のように夕日が美しく見える場所は、日本全国に数多く点在していますね。下記記事では、旅先で訪れた夕日スポットを紹介します。
夏は海水浴場として楽しむ
稲作の浜は、夏は人気の海水浴場として賑わいます。
夏の期間だけですが、9:00~18:00までは監視員が常駐しているのは心強いですね。
休憩所やシャワー、トイレも完備されており、キャンプもできるという。
美しい砂浜や海を眺めながら、リフレッシュするだけでなく、神話の物語を偲んでみませんか。
国譲りの伝説の舞台「屏風岩」
稲佐の浜から約5分ほど歩いた所にある「屏風岩(びょうぶいわ)」。
かつてこの屏風岩のある所が、神様たちの国譲りの話し合いが行われた場所と言われています。
国譲り神話とは、地上を統治していた大国主命(おおくにぬしのみこと)が最終的に天照大御神(あまてらすおおみかみ)へ国を献上した顛末(てんまつ)を語る神話です。
戦うことなく国を譲った大国主命の決断は、賛否両論があったと思いますが、それにより多くの神様や人々が戦火にさらされることが無かったのは良かったかも。
屏風岩の見た目は、名前の通り屏風を立てたように見える奇岩でした。
今は屏風岩の付近が民家となっているため、奥へは入れませんが、外から眺めることはできますよ。
是非、国譲りの話し合いが行われたパワースポットをこの目で確かめてみて下さい。
神様が一堂に会する「上宮」
稲佐の浜から約6分ほど歩けば、出雲大社の末社「上宮(かみのみや)」へ辿り着きました。
この上宮は、神様たちが一堂に会し、神議り(かみはかり)という会議が行われる重要な場所です。
この会議では、生けるものの幸福と社会の繁栄の「縁(えにし)」を結ばれる話し合いを行われるという。
具体的には、男女の縁や仕事の縁、お金の縁などが決められるとか。
例年旧暦10月11日から17日までの7日間は、稲佐の浜に集まる神様たちを迎える神在祭が執り行われており、集まった神様たちは、上宮で会議が終わると、出雲大社の本殿東西に位置する十九社に戻って休みます。
尚、神在祭の期間のみ上宮の扉が開かれるそうです。
神迎えが行われた後は、神様が集まっているため、立ち寄るのは失礼な行為とも言われていますので、気を付けましょう。
上宮から徒歩約1分ほど離れた所には、天照大御神を祀る「下の宮(しものみや)」があり、合わせてお詣りするのが正式な参拝方法ですよ。
余談ですが、上宮の近くには、大歳社(おおとしのやしろ)もありました。
大歳社では、大国主命に力を貸した須佐之男命(すさのおのみこと)の子供である大歳神(おおとしのかみ)が祀られています。
穀物の豊かな実りをもたらす有難い神様であり、家の安泰や繁栄を見守って下さる神様でもありますので、合わせて参拝へ訪れましょう。
神迎え神事へ参加してみよう
旧暦10月10日の夜、稲佐の浜にかがり火をたいて神様をお迎えする儀式を執り行います。
近年では、多くの参拝者や観光客が訪れるという。
多くの人々に見守られながら、儀式は厳かに進んでいくそうです。
派手な盛り上がりはないそうですが、日本人として1度は見ておきたいですね。
稲佐の浜の基本情報とアクセス
住所 | 島根県出雲市大社町杵築北 |
電話番号 | 0853-31-9466(出雲観光協会) |
【アクセス】
- JR出雲市駅から路線バスに乗り「稲佐の浜」で下車後直ぐ(バスの乗車時間約40分)
- 出雲大社前駅から路線バスに乗り「稲佐の浜」で下車後直ぐ(バスの乗車時間約8分)
- 出雲大社前駅から徒歩約30分
- 出雲ICより国道431号を経由して車で約15分
稲佐の浜の駐車場
稲佐の浜には、無料駐車場が2箇所あります。
一つ目は弁天島の正面にある駐車場。(普通車25台)
駐車場内は、入口と出口が別々であり、一方通行なので注意しましょう。
二つの目の駐車場は、弁天島の正面にある駐車場から北へ約200m程進んだ先にある、海水浴場の駐車場。(普通車20台)
弁天島に近くて便利ですが、年末年始などには、閉鎖になることもあるため、注意が必要です。
その他には、稲佐の浜から南へ少し離れた所にある「きづき海浜公園」の無料駐車場が利用できます。(普通車30台)
尚、きづき海浜公園から稲佐の浜までの距離は、約1kmほど離れていますので、徒歩約15分程度はかかるでしょう。
まとめ
稲佐の浜は、旧暦の10月に全国から神様が集まる際、始めに足を踏み入れる特別な場所です。
老若男女問わず誰でも楽しめる風光明媚な景色が広がり、美しい日本海を眺めていると、時間が経つのも忘れますよ。
シンボルの弁天島に参拝して、パワーを授かってみて下さい。
神様が集うパワースポットの地を存分に漫喫しましょう。