日本武尊(やまとたける)の魂が、白鳥になって降り立ったと言われている白鳥神社(しろとりじんじゃ)。
この神社の境内の奥には、松原が広がっており、そこには日本一低い山があるという。
その山の名は「御山(みやま)」と言って、標高わずか3.6mしかありません。無事登頂を果たせば、登山証明書をもらえますよ。
その他にもインスタ映えする色とりどりの風車や鶴の随神門など見どころ盛り沢山。また、ハマチみくじで幸運を釣り上げてみませんか。
本記事では、香川県東かがわ市に鎮座する白鳥神社の見どころを御山を中心に紹介します。
武運長久の御利益がある「白鳥神社」とは
白鳥神社は、武運長久の御利益があることで知られています。
有名な話としては、源平合戦で知られている源義経が屋島の戦いへ赴く際、白鳥神社に戦勝祈願を行ない劣勢をはねのけ見事勝利したことですね。
このような歴史があるため、武家の守護神として崇敬されていました。
白鳥神社の創建は、神話の時代までさかのぼるという。東国の征伐で名を馳せた日本神話の英雄「日本武尊」。第12代景行天皇の子であり、14代仲哀天皇の父にあたる4世紀前半に活躍した人物です。
戦で亡くなった日本武尊の魂が、白鳥となって最期に訪れた地に武鼓王(日本武尊の子)が白鳥を手厚くほうむり、廟を建てたことが白鳥神社の始りになります。
天正年間(1573年~1592年)には、長宗我部元親の兵火によって焼失してしまいましたが、1664年(寛文4年)に初代高松藩主の松平頼重公により再興され、天領として保護されました。
御利益には、武運長久の他に身体壮健や開運、厄除けなどがありますよ。
また、さぬき十五社第1番、新四国曼荼羅霊場第7番、さぬき七福神・恵比須神と様々な霊場で札所としても知られているパワースポットです。
こちらの可愛いキャラクターが、白鳥神社の公認キャラクター「みゃ~まる」ですね。Twitter(ツイッター)に公式アカウントが開設されています。
みゃ~まるは、白鳥神社の挟み紙から生まれた猫ではないもちもちの何か。(外見は猫そのもの)
神社や周辺地域の情報を発信しています。
社務所には、みゃ~まるの名刺があるので良かったらもらっておきましょう。
【周辺の見どころ】
白鳥神社周辺の見どころを、下記記事で紹介します。
日本一の低い山「御山」へ登山
日本一低い山と言われているのは、1つだけではありません。
その称号を主張している山には、以下のような山がありますね。
本記事では、白鳥神社にある御山(みやま)について紹介します。
松原に囲まれた御山へ向かう
白鳥神社の奥にある門をくぐり抜けた先(裏参道)には、約40,000坪の「白鳥の松原」が広がっていました。
この松原には、約1,500本も松が自生する白砂青松が美しい。
この松原のどこかに「御山」がある訳です。
お目当ての御山へ向かう前に森林浴を楽しむのも良いでしょう。
松原の中には、東洋手袋株式会社の門柱がありました。
白鳥神社のある東かがわ市と言えば、やはり手袋の町をイメージしますね。
手袋の生産量は日本一であり、全国シェア約90%を占めています。
門柱以外にも歌碑やオブジェなどが点在されており、歩いて見て回るのは楽しいですよ。
ちなみに御山へ向かうための案内板もありますのでご安心下さい。
尚、この白鳥の松原の入口は、複数ありますので、必ずしも神社側から訪れる必要はありません。
個人的には、神社でお詣りをした後で、御山へ登山するのがお勧め。
神社の神聖な雰囲気に触れた後で、ゆっくり御山へ向かいましょう。
御山を発見!これ本当に山?
白鳥神社の裏門から案内板を頼りに平坦な道を約200mほど歩くと、松のそばに石柱を発見。
その石柱には、「御山 日本一低い山 三・六メートル」の文字が刻まれていました。
当初「なるほど、この辺りに御山があるのか」と思い、この石柱の周辺を隈なく探したのですが山らしき物が全くありません。
周辺は常に平地であり、松しか見えないのです。
また、御山の説明板が見つかったので確認してみると、平地に立っている石柱が御山の山頂であることが分かりました。
そのことに「えっ!これは山ではないのでは?」と疑問を思い浮かべるのは絶対に私だけではないでしょう。
何故ならただの平地にしか見えないからです。(登った実感は全くなし)
これは、どういう事なのか宮司さんに話を聞かなくてはなりませんね。(笑)
この山?でしたら、足腰が弱いお年寄りや、車いすの方でも無理なく登山ができますよ。
御山の真相とは
無事登山?を達成した後は白鳥神社へ戻り、社務所にいた宮司さんに御山について話を伺いました。
日本一低い山「御山」は、町おこしに一役買えればと思ったのがきっかけだという。
2004年に発生した大型台風の影響で松原付近が床上、床下浸水の災害に遭ったそうです。
それをきっかけにして、平坦な松原地区の中で最も高い場所はどこなのか調査しました。
白鳥町都市計画図の中で一番高いのは、神社の鎮守の森である松原にあることを発見。
そこは、昔から地元の人々の間では「御山」という地名で呼ばれていました。
なんとも有難い地名ですね。また、地名に「山」の文字が入っています。
それに白鳥神社は、日本武尊の魂が、白鳥になって降り立った由緒ある場所です。
そんなことで日本一低い山「御山」が誕生しました。
2005年8月7日にボランティアの人たちと協力して、山開きを行ない今に至ります。
話を聞いている内に、御山は「山」で良いのではないかと思った次第です。
個人的には、このような発想は結構好きですね。
しかし、残念ながら怒られることもあるとか。
そんなことにもめげず、今後も「御山」は、日本一低い山の一つとして、多くの人々に笑顔を届けて欲しいです。
正式に日本一低い山と認められるには、国土地理院が発行する2万5千分の1の地図に掲載されなければなりません。
登山証明書をもらおう
白鳥神社では、御山を登った証として登山証明書を頂けます。
しかし、この証明書は頂いただけでは完成しません。
一度神社の表参道から出て、直ぐ近くにある和菓子屋の「みなとや」へ向かいましょう。
こちらのお店で証明書にハンコを押してもらおう。
また、ぶどう餅も頂けますので、有難く美味しく頂きました。甘さ控えめの素朴な味がGoodですね。
これにて、御山の登山証明が完全にできた次第です。
インスタ映えする色とりどりの風車の景色
白鳥神社には、絶好のインスタ映えスポットがあります。それがこちらの色取りどりの風車(かざくるま)。
「いい風」が吹いて、物事が「よく回る」という意味が込められているとか。
風が吹き抜けると、カタカタと一斉に回り出す風車は、見ていて壮観でした。
色鮮やかな風車も良いですが、白色に統一された風車も神聖な感じを醸し出していて素晴らしい。
展示されていた絵手紙の言葉に「ハッ!」となることも。
例えば「一枚一枚にその日がある」「歳を重ねて自分色に」「一つずつ前に進む」など意味深ですね。
こちらの風車は、ボランティアの方々によって模様替えされているという。
季節ごとの替わりゆく風車の風景を是非、堪能しましょう。
【インスタ映えスポットの紹介】
旅を続けていると、白鳥神社の風車のようなインスタ映えするスポットへ巡り合いますね。下記記事では、そんなインスタスポットを紹介します。
ハマチみくじで幸運を釣りあげてみよう
こちらの箱の中には、ギッシリ詰まったハマチにビックリ!
実はこれ、ハマチにおみくじを挟んでいるのです。
東かがわ市は、手袋の町だけでなく、ハマチ養殖発祥の地でもあります。そんなハマチにちなんで、白鳥神社では「開運出世ハマチみくじ」を釣れる。
おみくじで良くない結果が出たら、えべっさんの釣り竿におみくじを紐付けましょう。
小さなハマチがずらりと並ぶ景観は可愛いのひとこと。
ハマチは、成長と共に名前が変わり「出世魚」と呼ばれるおめでたい魚。
縁起の良いハマチにあやかり、幸運を釣り上げてみませんか。
初穂料は、1匹300円から。
あくまでおみくじなので、沢山釣っても意味はないので悪しからず。
日本武尊が舞い降りた御神木
境内には、樹齢800年の御神木がありますので、是非足を運んでみて下さい。
幹回り7.6m、高さ30mの巨大な楠であり、香川県の保存木に指定されています。
神社には、大きな楠が良く似合いますね。
この楠に日本武尊の魂が舞い降りたという。
「えっ!樹齢800年では、日本武尊がいた時代と合わないのでは?」と思われたあなた。
細かい事を気にしてはいけません。(笑)
歴史にロマンは付き物です。
【御神木の紹介】
巨大な御神木には、畏怖と敬意を感じずにいられません。下記記事では、そんな御神木が見られる神社仏閣を紹介します。
鶴の随神門、珍しい阿吽の鶴のお出迎え
白鳥神社の随神門は、とても珍しいです。
通常、随神門には神様が安置されており、神域に邪悪な物を入るのを防いでくれていますね。
しかし、こちらでは鶴が安置されていました。
そのため、通称「御鶴門(おつるもん)」と呼ばれているとか。
初代高松藩主である松平頼重公が寄進した珍しい阿吽の鶴。
その横顔も凛々しい限りです。
また、随神門の瓦にも注目。
瓦には「丸に白」の文字が刻まれており、こんな随神門を見られるのも白鳥神社だけではないでしょうか。
絵馬殿で見る干支恵方盤と奉納絵馬
拝殿の奥には、絵馬殿があります。
この絵馬殿には、神様が描かれている絵馬が沢山奉納されていました。
その他には、鵺(ぬえ)退治が描かれていたり。
鵺の絵は、私が思っているイメージと比べて小さすぎると思いましたが、鵺の子供は小さいのかも知れませんね。
こちらの絵馬を見て下さい。迫力ある大きな龍は見事です。
色々な絵馬が奉納されていますので、是非見て回って下さい。
天井に目を向けると、絵馬の他に大きな恵方盤がありました。
残念ながらボロボロの状態ですが、かつては貴重な物だったことが伺い知れます。
【神社仏閣の紹介】
旅先では、様々な神社仏閣へ訪れ色々な発見をしたりすることも。下記記事では、そんな神社仏閣を紹介します。
白鳥神社の基本情報とアクセス
住所 | 香川県東かがわ市松原69 |
電話番号 | 0879-25-3922 |
【アクセス】
- JR讃岐白鳥駅から徒歩約4分
- 白鳥大内ICから車で約10分
白鳥神社の駐車場
白鳥神社には、無料駐車場があります。
鳥居からは駐車場へ入れないため、国道11号方面から訪れた場合は、鳥居の右側にある入口から駐車場へ入りましょう。
また、白鳥の松原のある裏参道にも駐車場があります。
境内と松原の駐車場を合わせて約300台は駐車可能です。
まとめ
白鳥神社は、広大な敷地の中に歴代藩主が奉納した灯籠を始め、珍しい随神門や絵馬殿など見所が沢山ありました。
特に裏参道となっている白鳥の松原では、日本一低い山「御山」がありますので、是非登山して登山証明書を頂いてみて下さい。
きっと旅の良い思い出に残りますね。
また、色鮮やかな風車やハマチみくじは見ているだけでも楽しいですよ。
東かがわ市へ訪れる機会があれば、白鳥神社へ足を運ぶことをお勧めします。