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旅の体験談

香川・栗林公園の見どころ紹介、黒松が織りなす庭園で掬月亭や飛来峰を満喫

栗林公園の北門

日本国内の庭園の中でも、最大の広さを誇る特別名勝が「栗林公園(りつりんこうえん)」です。

ミシュラン三つ星を獲得した美しい庭園として知られ、魅力的な見どころが多い大名庭園。高松市街にあることからアクセスが非常に良く、園内で1日のんびり過ごせます。

黒松が織りなす庭園を歩きながら、掬月亭(きくげつてい)でお茶やお菓子を頂き、飛来峰と芙蓉峰からの絶景に感動しよう。

本記事では、香川の名園に数えられる「栗林公園」の見どころを紹介します。

本記事は、以下に該当する人向けです。

  • 日本庭園に興味がある
  • 栗林公園の見どころを知りたい

特別名勝「栗林公園」とは

栗林公園の風景

栗林公園は、香川県高松市に位置する国の特別名勝に指定された回遊式大名庭園です。

400年近い歴史を有し、県立の都市公園として運営されています。室町時代に生駒家に仕えた佐藤志摩介道益が隠居して築庭したのが発祥といわれている。

その後、讃岐藩主となった松平家の別邸(栗林荘)として拡大整備された歴史があります。明治維新後、1875年(明治8年)に県立公園として一般公開され、今の「栗林公園」になりました。

優れた地割と石組があり、木石の雅趣に富んでいる庭園として、6つの池と13の築山があります。また、四季折々の風物に恵まれ、一歩歩くごとに風景が変わる「一歩一景」の魅力がある文化遺産ですね。

栗林公園のマップと所要時間

栗林公園のマップ
栗林公園のマップ

栗林公園は、平庭部のみでも約16haという広大な敷地面積を誇ります。これは東京ドーム3.5個分の広さですよ。なので、効率的に見て回りたい。

そのためには、入園時にもらうマップを手に取り、記載されている回遊コース通りに歩くのが無難です。主なコースは、以下の通り。

  • 南庭回遊コース(約60分)
  • 北庭回遊コース(約40分)

2つのコースを合わせると、約120分ほどの所要時間がかかります。

東門
東門

南庭回遊コースは、観光事務所や販売券のある東門から入り、南側を巡るメインコースとなっている。栗林公園の多くの見どころが集中しているので、こちらのコースを回るだけでも満足度が非常に高いです。

北庭回遊コースでは、東門または北門から入り北側のコースを巡る。花菖蒲園があるので、5月下旬から6月中旬にかけて見頃を迎える時期には訪れたい。

時間に余裕があるならば、両方のコースを歩き、栗林公園を隅々まで満喫しよう。

また、9:00~16:00の間は、無料の観光ボランティアガイドのサービスが行われています。モデルコースの所要時間は約60分。一週間前から予約ができる。当日の状況次第では、当日受付にも対応可能ですね。

1,000本以上の見事な黒松が織りなす庭園を歩く

栗林公園の案内板

栗林公園内を歩いていると、至るどころで手入れの行き届いた松の木が見られます。

午前中の早い時間帯に訪れると、庭師の方々が木々を手入れされている様子を見物できるそうですよ。また、特徴的な松の木には、それぞれ名前が付けられており、松の木の前にはネームプレートが立てられている。なぜ、そのような名前なのか、その背景を考えて眺めてみるのも面白い。

箱松
箱松

たとえば、こちらの松の木は「箱松」と呼ばれている。その名が示すように箱の形が印象的ですね。この樹形は本園独特なもので、300年以上も手入れを積み重ねた見事な枝ぶりに拍手喝采を贈りたい。

根上がりの樫
根上がりの樫

こちらは「根上がりの樫」という。一見普通の樫の木に見えるけど、実に不思議なドラマがあります。

もともと明治末期に、今の位置に幹が二股に分かれた老松があったそうな。その老松の分かれた部分に生えていたのがこちらの樫の木。老松の空洞化した幹の中を通り、地中まで根を下ろしていたという。その後、老松が枯れてなくなると、今の「根上がりの樫」が出来上がりました。

そんな話を聞くと、不思議な気持ちになりませんか。生長を共にしていた老松と樫の共存関係。こんなこともあり得るのですね。

栗林公園内の通路

そのほかにも、鶴亀松、屏風松、根上がり五葉松など名前付きの松が見られるで、ぜひ探し出してみよう。

敷地が広いからといって、せかせか歩くのは実にもったいない。なので、ゆっくり歩きながら、周囲を見物するのが栗林公園を楽しむ秘訣だ。

栗林公園の風景

園内は、古い石組みで水に映る丘の石が美しい。遠くには背の高いビルが見えたすると「本当にこの公園は、都市部にあるんだ」という不思議な気持ちになるだろう。

吹上亭
右側に見えるお店が「吹上亭」
掬月亭
掬月亭

休憩や食事できる場所も多く、花園亭で名物の朝がゆを食べたり、吹上亭や小松亭で讃岐うどんやお団子を頂いたり、皐月亭ではアイスクリームを食べられる。

その他にもガーデンカフェ栗林、日暮亭、掬月亭があり、のんびり過ごすのに適しています。

そんな園内の様子をダイジェストで紹介。

栗林公園内の風景(その1)
栗林公園内の風景(その3)
栗林公園内の風景(その2)
桶樋滝
桶樋滝
古里兵衛九重塔
古里兵衛九重塔

松に囲まれ、小川の畔に見える自然石は「ぼたん石と見返り獅子」というそうです。

ぼたん石と見返り獅子がある風景
ぼたん石と見返り獅子
ぼたん石と見返り獅子

奥の石が「ぼたん」で手間の石が振り返った獅子ですよ。どうですか、見えますか。

おっ、池の中にはたくさんの鯉が元気に泳いでいるじゃないですか。

たくさんの鯉
鯉の御三家

御三家と呼ばれる錦鯉がいるそうですよ。見つけられるかな?

偃月橋
偃月橋

そんな感じで園内を見物していると、偃月橋(えんげつきょう)前へ到着。

偃月橋と周辺の景色
偃月橋と周辺の風景

偃月橋は、園内にある14橋の中で最も大きな橋。弓張り月が湖面に影を映す姿に似ていることから、この名前が付きました。栗林公園のパンフレットなどの表紙によく使われているので、知っている人も多い思う。

恋ツツジ
恋ツツジ

この橋がある辺りから、池に浮かぶ島へ目を向けると、ハート形のツツジが目に飛び込んできた。

実はこれは「恋ツツジ」と名付けられており、長年の剪定作業で偶然ハート型になったそうですよ。カップルに人気の撮影スポットとして知られています。珍しいものなので、カメラで撮影していくのをお忘れなく。

園内は、美しい写真が撮れるフォトジェニックスポットが多いので、足をとめて記憶に残る1枚を撮っていこう。

【日本庭園の紹介】

栗林公園のような日本庭園を見て回ると、心穏やかになるものですね。下記記事では、そのような日本庭園を紹介します。

栗林公園の見どころ紹介

栗林公園内には、数多くの見どころがありますが、その中でもぜひ足を運びたいおすすめスポットを紹介します。

「飛来峰」と「芙蓉峰」から見る絵画のような美しい景色

飛来峰の眺望
飛来峰の眺望

栗林公園で一番の眺めが楽しめるのは、小高い丘の「飛来峰(ひらいほう)」です。

富士山に見立てて造られ、山頂近くにある珪化木(けいかぼく)の石組みは、富士山の雪を表したものだとか。山頂から見下ろすと、息を飲むほど美しい景色が広がっています。

背景には紫雲山を配し、南湖にかかる偃月橋の優美な姿や、南湖の西に配された掬月亭など全体的に絵画を思わせる景観が素晴らしい。

栗林公園を代表する景観として人気の高い撮影スポットですよ。そのため、季節や時間帯によっては混み合うこともあります。

芙蓉峰の眺望
芙蓉峰の眺望

飛来峰から北へ向かうと、「芙蓉峰(ふようほう)」と呼ばれる築山があるので、こちらも足を運ぼう。

飛来峰は南湖を一望できていたが、芙蓉峰では北湖を一望できる。全体的に開放感のある景観は、見ていて気持ちが良い。特に遠く見える朱色の「梅林橋(ばいりんきょう)」が印象的ですね。

梅林橋
梅林橋

この梅林橋辺りから見ると富士山の形をしていることから、富士の別名である「芙蓉」の名前がつきました。

飛来峰と芙蓉峰から見る景色は、栗林公園へ訪れたら必見です。

【双眼鏡やカメラに関する話】

飛来峰と芙蓉峰のような高台からは、双眼鏡を使えばより楽しめる。また、カメラで記憶に残る1枚を撮りたいものですね。下記記事では、双眼鏡やカメラに関する話を紹介します。

「掬月亭」でお茶とお菓子を頂き邸内を見学

掬月亭
掬月亭

掬月亭(きくげつてい)は、江戸初期に建てられた数寄屋造りの建物で、「四方正面」という珍しい造りになっています。

園内にある茶屋風の建物の中で一番の規模を誇り、自然と一体感を感じるその外観が実によい。歴代藩主が「大茶屋」と呼び、こよなく愛した建物といわれています。

ここでは、お菓子付きのお茶をいただけるので、一服していこう。ちなみに、抹茶と煎茶を選べたので、私は煎茶を頼みました。

掬月亭のメニュー
掬月亭のメニュー
煎茶とお菓子
煎茶とお菓子

この亭内でお茶を飲みながらくつろぐ時間がたまりません。

また、せっかくなので亭内を見学していこう。奥の部屋では、床を低くし池に面しており、大きな船をイメージして建てられたそうです。

掬月の間はビュースポットなのでカメラで記念撮影に持って来いですよ。部屋には、あらかじめ座布団が敷かれており、大名気分を味わえます。

掬月の間
掬月の間
掬月亭からの眺め
掬月亭からの眺め
  • 営業時間 9:00~16:30
  • 定休日 年末(12/30、12/31)
  • 入亭料
    • 抹茶付き 700円
    • 煎茶付き 500円

「和船」による優雅な舟遊びを楽しめる

和船で南湖を一周
和船で南湖を一周

南湖では、和船に乗って舟遊びを楽しめます。約30分かけて南湖を一周し、船からでないと近づけないスポットや見物できないところもある。

飛来峰から少し歩いたところには、北湖と南湖の境があり、そこに和船乗場があります。和船のチケットは、入場券売り場で購入しよう。栗林公園の公式ホームページや電話(087-833-7413)からでも予約が可能です。

船頭さんの解説に耳を傾けながら、つかの間の舟遊びを楽しんで下さいね。

  • 運行時間 9:00~16:30(11月から1月は9:00~16:00)
  • 料金 大人1回:620円、小・中学生1回:310円
  • 定員 6名

風流な茶室「旧日暮亭」と「日暮亭」

旧日暮亭
旧日暮亭

旧日暮亭は、江戸時代初期の入母屋茅葺き屋根の大名茶室であり、かつては吹上げの水流沿いに建てた「考槃亭(こうはんてい)」が、西湖に移築されて改称された建物です。

ひなびた感じが「わびさび」を強く感じます。茶室の内部は、3畳の畳と土間があるという珍しい造り。大名などの身分の高い人が、頭を下げずに出入りできるように工夫されている。

江戸時代初期の伝統的な大名茶屋を、今に伝える貴重な建物なのでお見逃しなく。

日暮亭
日暮亭
日暮亭のランチ
日暮亭のランチ

また、日暮亭では冷たいスイーツや料亭料理が食べられる。美しい景色を眺めながら、特別な時間を過ごそう。

  • 日暮亭
    • 営業時間 10:00~16:00(1、2、7、8、12月は、土・日・祝日のみ営業)
    • 入亭料 500円(抹茶付き)

園内を見て回る前に「商工奨励館」で予習しよう

商工奨励館
商工奨励館

栗林公園の真ん中辺りには、明治建築の趣を残す「商工奨励館」があります。

この奨励館では、栗林公園の見どころや歴史をビデオやパネルを使って紹介されており、園内を見て回る前に立ち寄りたい。

また、東館には香川の伝統工芸品の展示や実演コーナーがある。興味がある方は、ぜひ立ち寄っていこう。

ガーデンカフェ栗林
ガーデンカフェ栗林

さらに隣には、「ガーデンカフェ栗林」というレストランがあります。地元の食材をふんだんに使ったイタリアン料理をいただけますね。

帰路で立ち寄りたいところが「かがわ物産・栗林庵」だ。ここでは、香川の食品・お菓子・オリーブ製品・地酒や雑貨など取りそろえていますので、お土産にいかがですか。

【伝統工芸品の紹介】

旅先では、その土地の伝統工芸品を見学する機会が多いので、下記記事で紹介します。

栗林公園の基本情報とアクセス

住所香川県高松市栗林町1-20-16
電話番号087-833-7411(栗林公園観光事務所)
開園時間ほぼ日の出から日没まで(月毎に異なる)
たとえば
4月  5:30~18:30
12月 7:00~17:00
休園日無休
入園料大人 410円(330円)
小人(小学生・中学生) 170円(140円)
未就学児は無料
※20人以上で団体割引きあり、( )内の金額は割引き後の料金
※元日(1/1)と開園記念日(3/16)は入園料が無料

【アクセス】

  • JR栗林公園北口から徒歩約3分
  • ことでん栗林公園駅から徒歩約7分
  • 栗林公園前バス停から徒歩約1分
  • JR高松駅からタクシーで約7分
  • 高松自動車道「高松中央IC」から車で約15分

栗林公園の駐車場

栗林公園のすぐ近くには、有料の県営駐車場があります。

  • 栗林公園 東門駐車場:乗用車30台、バス13台
  • 栗林公園 北門前駐車場:乗用車32台

駐車場料金は、「乗用車等の小型車:25分毎100円、バス等の大型車:30分毎510円」です。

夜間駐車も可能ですが、料金体系が異なるため、くわしくは栗林公園観光事務所(TEL 087-833-7411)へご連絡ください。

ちなみに、栗林公園の周辺には、民営駐車場も多数あります。

まとめ

栗林公園の文字を刻んだ石柱

栗林公園は、四季折々の美しい自然を楽しめる大名庭園です。

高松市中心部の都会らしい風景の中に、突如現る広大な緑豊かな庭園へ足を踏み入れると、別世界のような気持ちを感じてしまいます。

1,000本以上の美しい黒松が織りなす庭園をゆっくり歩きながら、思い思いの時間を過ごそう。また、掬月亭や花園亭、吹上亭などで足を休み、飲食しながら風情ある園内を眺めて過ごすのもよいものですね。

飛来峰や芙蓉峰へ登り、そこからの景色に感動したり、和船に乗って優雅な舟遊びを楽しめる。春と秋には、ライトアップも行なわれます。

様々な楽しみ方ができる栗林公園へぜひ一度足を運び、その素晴らしさを体感してみて下さいね。



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この記事を書いた人

年齢:40代。
職業:旅人兼ブロガー。

私にとって自転車旅が一番の楽しみであり、知らない土地、景色、一期一会の出会いなど様々な体験をしました。当ブログでは、自転車旅などを通じて体験した事や訪れた絶景・観光スポットについて紹介します。また、自転車全般に役立つ情報を発信しています。

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