京都府の北東に位置し、日本海に向けて突き出ている丹後半島。
この丹後半島を一周した後で舞鶴市を経由し、兵庫県へ入り南下する京都兵庫旅を3泊4日で行います。
まず初日は、電車による移動に時間がかかったため、旅のスタートは午後からとなりましたが、素晴らしい海の絶景に心が終始躍りました。
道中では、ビーチブランコのある夕日ヶ浦海岸や鳴き砂で有名な琴引浜へ立ち寄りながら、山陰海岸ジオパークの絶景を堪能した次第です。
本記事では、丹後半島を自転車で巡る旅の様子をお届けします。
電車「丹後の海」に乗って丹後半島を目指す
岡山から丹後半島のある京都府京丹後市までは、直線距離で約200kmほどあるため、移動するだけでもかなりの時間を要します。
ということで、朝早くJR岡山駅から山陽本線を使って兵庫県の姫路駅へ向かい、その後は特急はまかぜに乗り換えると、豊岡駅へ向かいしました。
豊岡駅からは、京都丹後鉄道「丹後の海」に乗って本日のスタート駅となる夕日ヶ浦木津温泉駅へ向かった次第です。
丹後の海は、丹後の美しい海を想起させる濃いブルーの車体。それにデザインもよいですね。
車内へ入ると、木に囲まれた心地よい空間に安らぎを感じるぞ。さらに、和のテイストというのもGood。
おっ、これはひょっとして由良川に架かる由良川橋梁を通過している様子なのでしょうかね。この構図は、雑誌などでよく見かけた記憶がある。
何気にそんな感想を抱いただけでしたが、翌日、この構図を本当に見かける機会に恵まれるとは、この時は思いもしませんでした。
しばらくして、丹後の海が動き出し、車窓を眺めているとかぶと山が見えてきた。
2年前に豊岡市から天橋立へ向かう自転車旅の際中に、かぶと山を見かけたことを思い出しますね。(その時の自転車旅の様子は、こちらの記事で紹介)
豊岡市から出発して約25分ほどで、夕日ヶ浦木津温泉駅に到着。輪行袋からロードバイクを取り出し、テキパキと準備を整えた頃には、11時30分頃になっていたので、昼食にすることに。
駅から少し離れたところで見つけたラーメン屋へ入り、お腹を満たした次第です。
さて、本日最初の目的地「夕日ヶ浦海岸」へ向かってレッツゴー。
【輪行に関する話】
輪行に役立つ様々な話を、下記記事で紹介します。
夕日ヶ浦海岸へ行こう
夕日ヶ浦木津温泉駅から夕日ヶ浦海岸までは、約2kmほど。国道178号線を北上して向かいます。
夕日ヶ浦海岸は、その名前が示す通り、丹後地方を代表する美しい夕景が見られる場所ですよ。別名で「常世の浜」と呼ばれています。また、美人の湯として知られる「夕日ヶ浦温泉」もあるという。
う~む、そんな話を知ると1泊していきたくなりますが、まだ旅は始まったばかり。ここでリタイヤしていい訳がないですね。(笑)
しばらくすると、遠くに海が見えてきました。この瞬間は、毎回テンションが上がります。
私が夕日ヶ浦海岸へ訪れた目的は、こちらのビーチブランコ「ゆらり」ですよ。
私が訪れた時には数人の先客がいまして、皆さん楽しそうにブランコに乗りながらポーズを決め、写真を撮っていましたね。
今はオフシーズンのため、人出は少ないですが、夏になればきっと多くの人が詰めかけるの必至だと思う。
それにしても、このブランコは絵になるな~。白い砂浜に立つ、木でできたブランコそのものがいい感じ。
日によって変わる青空を始め、雲の下から注ぎだす陽光など、その時々で様々な景色を楽しめます。特に夕景の時間帯が凄そう。まさにフォトジェニックな1枚を撮れますね。
旅の思い出として、ブランコに揺られながらひと時を過ごすのも面白いです。
しばらく浜辺を散策しながらくつろいでいると、芝生広場が広がっている浜詰夕日の丘に「YUHIGAURA」の文字モニュメントを発見。
このような文字モニュメントを見かけると、サイクリストとして愛車と記念撮影をしない訳にはいかないぞ。(笑)
その後、夕日ヶ浦海岸を後にしました。次に向かうのは、鳴き砂で有名な「琴引浜」です。さて、どのような鳴き声が聞こえるのか興味津々ですよ。
【浜辺の紹介】
旅先で訪れた美しい浜辺を、下記記事で紹介します。
琴引浜で「鳴き砂」を楽しむ
夕日ヶ浦海岸から琴引浜へ向かうには、国道178号線で向かうルートと、木津網野線(府道665号)を北上して向かうルートの2つがあります。
どちらもアップダウンはありますが、地図で見た限り国道178号線の方が楽そうですね。
距離はほとんどかわらないため、どちらも約13kmほど。(若干、木津網野線ルートの方が距離が長い)
普段なら迷わず海沿いの木津網野線を選んでいた訳ですが、本日は午後からスタートいうこともあり、少しでも早く琴引浜へ向かいたいということで、国道178号を選択した次第です。
ということで、スピードを上げて琴引浜を目指して駆け抜けていました。
道なりに突き進んでいると、目の前にはたくさんの「琴引浜」の道案内を発見。ここまで案内板や案内標識があれば、見逃す恐れは皆無だろう。
電信柱の低い位置や、遠くから見やすい高い位置にも設置してある。よくよく考えれば、多かれ少なかれ観光地の案内とはこういうものですね。
琴引浜は、日本全国に20数か所しかない鳴き砂の名所の中でも、「三大鳴き砂」の1つに数えられています。
また、全長約1.8kmの浜辺は、自然のままの状態で保たれており、白砂青松の景勝地として有名。
琴引浜へ辿り着くと、早速浜辺へ向かいました。
浜辺を歩くと、「キュッ!」と足元から音が聞こえてくる。リズムよく歩けば「キュッ、キュッ、キュッ!!」と鳴り響き、これは面白い。それに鳴き砂の音色は心地よいですね。
また、浜辺を散策していると、高台にある松林の中でキャンプ場を発見。ここでキャンプすれば、最高のロケーションを楽しめるのは見るからに間違いないだろう。
それにこの場所から琴引浜を眺めていると、朝の寝起きには、コーヒーを1杯飲みながら、朝焼けを楽しみたいと思いました。
こちらは、キャンプ場入口付近で見つけた白瀧神社へ向かう鳥居。
近くにあった案内板を読むと「青松の山地より湧き出る一条の白瀧、此の尽きない清流を神徳として社号にしています」と書かれていました。
興味がわいたので、足を運びお詣りした次第です。ちなみに、ご祭神は「大物主神(おおものぬしのかみ)」。これは大国主命(おおくにぬしのみこと)の別名ですよ。
また、琴引浜と一緒におすすめしたいのが琴引浜鳴き砂文化館です。ここでは、鳴き砂の仕組みをくわしく説明しています。特に体験型の展示品が面白かったのでおすすめ。
琴引浜のくわしい紹介と共に、下記関連記事で体験型の展示品を紹介します。
山陰海岸ジオパークの絶景・絶景・また絶景
丹後半島を一周するには、主に国道178号線を走ればよいので分かりやすいですね。
その道中では、山陰海岸ジオパークの地質がのこる海岸線を楽しめる。ジオパークの壮大な景観は、感動ものですよ。
琴引浜を後にしてしばらくすると、自然が造り上げた入り江を目撃。「ワニガブチ」という丹後町間人にある地磯です。
その名前の通り、ワニのような形をしていますね。うん、面白い。この周辺は、有名な釣り場なんだそうな。
カレイやカサゴ、アイナメ、チヌ、マダイなど多くの魚が釣れるそうですよ。私は釣りはしませんが、「自転車+釣り」の趣味の組み合わせは「アリ」と思う。
走る度に海側には、ジオパークの景観がずっと続くので、全然見飽ないないそ。
私なんて何度足を停めたことか。少なくとも両指では、数えられないくらい停車しましたね。そのため、欠点は絶景すぎて中々前へ進めないことかな。(笑)
日本海の透き通ったエメラルドグリーンの海には癒される。それが海に浮かぶ大小様々な奇岩とみごとに調和が取れているので眼福ものですよ。
そのせいか行く先々で何度も「うぉー!」と声を上げていました。いや~、さすがはジオパーク、拍手喝采を贈りたい。
岩礁の中には、たくさんの鳥が羽を休めていたものがあったので、カメラのズーム機能を使って撮影。
うん、これはウミネコだ。しばらく見ていましたが、一行に飛び去る姿を見せてくれない。(残念)
そんな感じで景色を楽しみながら、国道178号線を疾走していると、海に向かって棚田が広がっているのに気が付きます。
日本海の海風があれる厳しい環境で開拓したことを想像すると、並々ならぬ努力があったのだろうな。そういう人たちがいて、今の景観が見られるのですから感謝しかありません。
しばらくすると、国道178号線を離れ、間人(たいざ)地区の市街地へ向かう。
この辺りの海岸線も見応えがありますね。特に間人展望台から見渡す一帯がいい感じ。
ダイジェストでその景観を紹介します。
このような景色を眺めていると、散策したくなりましたが、グッと我慢して本日どうしても訪れたかった「立岩」へ向かいました。
【ジオパークの紹介】
旅先で訪れたジオパークを楽しめる観光スポットを、下記記事で紹介します。
圧倒的な存在感を放つ「立岩」は見逃せない
丹後半島に横たわる山陰海岸ジオパークを代表するものの1つに「立岩」があります。この立岩は、海に浮かぶ巨大な一枚岩ですね。
丹後半島の旅を計画した時に、この立岩の存在を知ったので、どうしても現地で見たかった。
間人展望台から東へ向かい、間人港大橋を渡る。住宅街を抜けた先には、京丹後市役所が見えてきました。
この市役所のてっぺんには、灯台らしきものがのっかているではないですか。思わず「何だあれは~」と思い、その面白いデザインに興味を持つことに。
丹後半島の灯台といえば、経ケ岬灯台を思いつくかな。おそらくその灯台をイメージしているのではないでしょうかね。明日訪れる予定なので、答え合わせといきましょう。
遠くには、浜辺の先に強大な岩が見て取れる。絶対にあれが「立岩」に違いないと確信しました。
はやる気持ちを抑えながら、立岩へ向けて自転車を走らせると、立岩へ向かう案内標識を目撃し進路を変更。その後は、あっという間に立岩のもとへ辿り着いた次第です。
立岩へ近付くにつれ、その存在感をヒシヒシと感じます。
立岩は、安山岩の直線的な荒々しい岩肌が特徴的。高さが20mもあり、1,500万年前に地下から噴出したマグマが冷えて固まって造られた自然の芸術品ですよ。
インターネットの画像でどのような形をしているのかは事前に知ってはいましたが、やはり現物は写真とは別物だ。生の迫力は、その場所にいなければ感じ取れませんね。
いや~、これは見に来て正解でした。私以外にも多くの観光客が入れ代わり立ち代わりやってきては、記念撮影を楽しんでいました。
【自転車旅に役立つアイテムやサービスの紹介】
自転車旅で役立つ様々なアイテムやサービスを、下記記事で紹介します。
国道178号線を疾走し夕日のフィナーレ
立岩を後にすると、道の駅「てんきてんき丹後」へ向かいます。立岩のある場所からこの道の駅までは、徒歩約10分ほどなので、自転車では直ぐに辿り着く。
本日のお宿は、京丹後市丹後町中浜地区にあるので、この道の駅からだと残り約10kmぐらい。
余裕で暗くなるまでに到着できるでしょう。その油断がダメだったのか、気付いたときには長い時間休憩していましたね。
う~む、電子書籍を読んでいると時間が経つのが早すぎる。時計を見ればすでに17:00をとっくに過ぎている。お宿へは18:00にチェックインすると伝えていたので、時間的には微妙かも知れません。
道の駅「てんきてんき丹後」を後にして、国道178号線を疾走。少し時間に追われていても、道中足を停めながら景色を眺めてしまうのは、まだ心に余裕のある証拠。
おっ、住宅が密集する先に日本海が広がる景色は乙なものだ。
また、道中では屏風岩展望台や丹後松島展望所など眺望スポットを発見したので、見物しない訳にはいかない。
そんな感じで突き進んでいると、周囲はオレンジ色に包まれてきました。
けれど、何とかお宿へは18:00頃にチェックイン。結果よければすべて良しです。
その後、完全に暗くなるまでには少し時間があったので、周辺を見て回りながら過ごしていると、よいよ夕日が沈んでいく時間帯へ突入。
一日の締めくくりとして最高のシーンの1つでしょう。沈みゆく夕日を眺めながら、本日の旅の様子を思い出していました。
まとめ
本日は、ほぼ丹後半島を半周しましたが、想像以上の絶景ロードに驚きました。確か数年前に訪れた時は、曇り空だったこともあり、青空の下で走る丹後半島は最高に気持ちがよかったですね。
1日で急いで丹後半島を走り切るのも良いものですが、個人的には、絶対にゆっくり巡った方が良いと思う。それほど丹後半島には見て回りたい、絶景・観光スポットが目白押しですよ。
本日訪れた琴引浜は、浜辺を歩くと「キュッ、キュッ」と音が鳴る鳴き砂が面白かったですね。また、奇岩が織りなす山陰海岸ジオパークのフォトジェニックな景色に大満足です。
さて、2日目は丹後半島に点在する様々な観光スポット(経ケ岬灯台や伊根の舟屋、天橋立など)へ立ち寄りながら、最終的に舞鶴市へ向かいます。
2日目の自転車旅については、下記関連記事で紹介します。