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旅の体験談

岡山・道通神社は蛇神信仰の総本宮、笠岡にて瀬戸内海地方に根付く道通様を祀る

「道通神社」の紹介サムネ

岡山県の南西部、広島県福山市に隣接する瀬戸内の港町・笠岡市。この地には、蛇神信仰の総本宮的な地位を占める「道通神社(どうつうじんじゃ)」が鎮座しています。

蛇と聞くと、人によっては苦手意識を持ったりしますが、蛇神信仰は古くから世界各地で行われてきました。エジプト神話やケルト神話などでは、重要な役割を果たしているのは、多くの人が知るところでしょう。

もちろん日本神話も例にもれず、豊かな恵みをもたらす一方で、暴風雨や洪水を象徴して敬まれていますね。特に中国・四国地方では「道通様(蛇神)」がメジャーな存在ですよ。

道通神社の境内には、蛇に関するものが多い。特にズラリと並ぶ「蛇の家」や蛇の像にて独特の景観を醸し出しているので、お見逃しなく。また、豪華メンバーがそろう切り絵御朱印をゲットしよう。

本記事では、道通様の名を冠にする「道通神社」を紹介します。

本記事は、以下に該当する人向けです。

  • 岡山県笠岡市へ観光する予定がある
  • 神社仏閣やパワースポット、蛇神信仰に興味がある
  • 道通神社の見どころを知りたい

道通神社のご祭神・ご利益・所要時間

道通神社の境内

道通神社は、道開きの神様で知られる「猿田彦大神(さるたひこのおおかみ)」を主祭神にする神社です。

創建は古く、永禄年間(1558年~1580年)までさかのぼります。能島村上水軍で活躍した村上隆重(むらかみ たかしげ)が笠岡城主の頃、当時の笠岡村道通谷に祀られていた御神霊(猿田彦大神)を、現在地(笠岡市横島)にお祀りし始まりました。

ご利益には、「商売繁盛・出世海運・交通安全」などがあり、広く信仰を集めています。

その昔、横島は島であったそうで、船を使わなければいけない場所だったとか。けれど、熱心にお詣りにくる参拝者が多かったそうですよ。このエピソードだけでも、とてもご利益があることを伺い知れます。

また、道通様をお祀りしており、金運・財運・病気平癒などのご利益あり。特に腹痛や神経痛の痛みを和らげる霊験あらたかなこと。

所要時間は30~60分ほど。境内は結構広いのですが、コンパクトにまとまっているので、境内を一通り見て回るのに時間が短く感じられると思います。

瀬戸内海地方に根付く道通様とは

道通様として白蛇の像を祀る
道通様として白蛇の像を祀る

道通様は蛇神ですが、人に取り付いて災いをもたらしたり、身体に痛みをもたらす「憑き物(呪詛神)」としても恐れられていました。別名で「トウビョウ(刀祢)」とも呼ばれています。

昔は漁師の漁場を巡る縄張り争いの喧嘩に「道通様の祟りで海に鎮めてくれる」といったような、謳い文句で使われていたそうです。

また、横島と寄島などのように争いが激しかった地域では、実際に人を呪う儀式を行っていたという。それだけ道通様の祟りを信じられていた訳ですね。

そもそも蛇神と聞くと、大抵は大蛇や水神のような巨体を想像する人が多いだろう。しかし、道通様は10~30cmていどの大きさしかない小さな神様。特徴的なのは、首を一周する黄色い輪っかがあることです。

現代でも粗末に扱うと強烈な「祟り」をもたらすと信じられており、畏怖の対象となっています。

ちなみに、岡山県内で道通神社以外にも道通様を祀るのが「沖田神社・道通宮(岡山市)」ですね。くわしくは、下記関連記事で紹介します。

天狗のような猿田彦大神の像や三面大黒天に注目

道通神社(拝殿)
道通神社(拝殿)

拝殿前へ足を運ぶと、正面の両端に立つ高さ約2mほどの大きな像に驚きます。パッと見た目には、特徴的な長い鼻により天狗にしかみえませんが、実はこれ天狗ではありません。主祭神の猿田彦大神の像ですよ。

日本最古の歴史書である日本書紀では、猿田彦大神の身長は七尺(約210cm)あり、鼻の長さは七咫(「ななあと」と読む、約126cmのこと)もあったと記されています。

また、目は八咫鏡(やたのかがみ)のように、丸くて大きかったそうですね。そのような異形の外見は、天狗の原型になりました。

剣を抜いて構える猿田彦大神
剣を抜いて構える猿田彦大神
槍を持つ凛々しい姿が誇らしい
槍を持つ凛々しい姿が誇らしい

天狗のトレードマークといえば「うちわ」でしょう。しかし、よく見ると手に持っているのは、剣または槍ですよ。それに加え、法螺貝(ほらがい)を携えていないとは。そもそも下駄や結袈裟といった、山伏的な姿ではありません。

猿田彦大神をモチーフにした天狗との相違点でしょうかね。個人的にやはり天狗は、山伏的な姿で手に羽団扇(はうちわ)や金剛杖を持つ方が似合っていると思います。

そういえば、あの有名な鞍馬天狗は、牛若丸に剣術を教えたのだから普通に剣を携えているだろうな。それに剣術の達人だそうで、剣は武芸や神通力の象徴なんだそうです。

三面大黒天を祀る
三面大黒天を祀る

さて話は変わりますが、猿田彦大神の像以外にも驚いたのは、こちらの三面大黒天です。

大黒天自体はメジャーな神様なので知っている人も多いでしょう。しかし、阿修羅のように三面あるのは珍しいですね。正面が大黒天、右面が毘沙門天、左面が弁財天の顔となっています。

三面大黒天
三面大黒天を撫でよう

一般の大黒天よりも強力なご利益を期待できて、触れると福が授かるそうな。商売繁盛や開運のパワースポットとして、多くの参拝者に親しまれているそうですよ。

ということで、一目散に願いを込めながら優しく触れました。(笑)

天下人となった豊臣秀吉が常に肌身離さず持っていた話を知っていると、たとえ天下人になる気はなくても、触りたくなる衝動を抑えられませんね。

神馬像の台座の根元を見てみよう
神馬像の台座の根元を見てみよう

個人的に猿田彦大神の巨像と三面大黒天だけでなく、不意打ちに驚かされた像がありました。それが何かというと・・・

カエルを発見
カエルを発見

こちらのカエル像です。カエル像自体は、神社で見かける機会が多いので、それほど不思議ではありませんが、見つけた場所が台座の根元とは。

これ、スルーしてしまう人も多いのではないでしょうかね。まるで「無事に帰る(カエル)」と言っているように感じました。

神使の山の「蛇の家」や蛇神像は必見

神使の山に並ぶ「蛇の家」
神使の山に並ぶ「蛇の家」

境内の奥へ歩いて行くと、神使の山が現れます。山の周囲には、小さな瓦製の祠がたくさん並んでいるのを見て取れますね。

その独特の景観は、他の神社では中々見られないだろう。昼間であれば気にしない人でも、夜に訪れると少し不気味に感じるかも知れません。これらの全ての祠には、道通様として白蛇が祀られています。

そもそも神社では、神様の使い(神使)として様々な動物が神意を代行しているとのこと。たとえば、稲荷大神の「狐(キツネ)」や天満宮の「牛(ウシ)」は知名度が抜群ですね。道通神社の神使は、もちろん「蛇(ヘビ)」ですよ。

この蛇の家は、「ゲゲゲの鬼太郎」の作者で知られる漫画家・水木しげる氏により、全国に紹介されました。

龍王社
龍王社

こちらは、龍王社。神使の山にて、一段高い場所に鎮座しています。社の正面には、小さな双頭蛇の白蛇が奉納されているぞ。

双頭蛇の像
双頭蛇の像

また、龍王社の裏側へ目を向けると、なんと大きな双頭蛇の像があるではないですか。

双頭蛇はその名の通り、一つの体に頭が二つある状態で生まれた当然変異の蛇。非常に珍しいですが、実在するみたい。江戸時代には、見世物として人気を集めたそうです。

その物珍しさから、古くから吉祥のシンボルだそうですが、突然目の前に現れると、絶対にビックリして固まるか逃げ出す自信があります。(笑)

二つの頭がそれぞれ独立した意思を持つことが多いらしく、エサの取り合いをすることもあるという。う~む、やはり一つの身体に頭が二つあるのは、色々と弊害がありますね。

祠一つ一つに白蛇がいる
祠一つ一つに白蛇がいる

せっかくなので、祠の中の白蛇を見てみよう。すぐ近くで見みると、愛嬌があって可愛い。おや、白蛇の中には口に巻物をくわえているぞ。どうやら神様の言葉を伝えているためのようだ。

また、蛇の好物は生卵ということで、お賽銭と共によくお供えされます。ただし、神社内では生卵は販売されていないので、近くのスーパーやコンビニなどで買って下さいね。

お供えする際には、カラスに荒らされないようにパックにままが無難かも。神社の指示に従いましょう。

蛇神の像
蛇神の像

神使の山の周囲にて、大きな蛇神の像を発見。こちらの蛇神像は、21世紀を祝って奉納されたそうです。

竹をくわえた表情がコミカルで、個人的に愛着がわきました。

赤丸の社に蛇の石像が奉納されている
赤丸の社に蛇の石像が奉納されている

神使の山や蛇神像は分かりやすい場所にありますが、普通に参拝していると見逃してしまう蛇の石像があるのでお気をつけて。

それは、摂社・末社に奉納されている物です。境内には、足腰の神様を祀る「足王神社」や学問の神様を祀る「菅原天満宮」など多くの摂社・末社があり、その中の一つには、とぐろを巻いた蛇の石像が2体と蛇瓦が奉納されています。こっそりと覗いて拝観して下さいね。

絆の宮には可愛らしい技芸上達の神様がいる

絆の宮
絆の宮

摂社・末社の中には、天鈿女命(あめのうずめのみこと)をお祀りする「絆の宮」があります。

彼女は猿田彦大神の妻であり、歌舞・演技・技芸全般の神様。岩戸の中にお隠れになった天照大御神(あまてらすおおみかみ)を外へ出すために、岩戸の前で楽しい踊りを披露した日本最古の踊り子として有名ですね。

絆の宮の両端には、可愛らしい姿の天鈿女命と猿田彦大神が置かれています。

天鈿女命
天鈿女命
猿田彦大神
猿田彦大神

ほのぼのとした姿に癒される。特に天鈿女命は、リズミカルに踊っているように見えるかな。そんな可愛らしい姿に、そっと手を合わせたくなりますね。

ダンスや音楽、演技、お笑いなどを上達したい方は、しっかりとお詣りしていきましょう。

豪華メンバーがそろう切り絵御朱印

切り絵御朱印
切り絵御朱印

道通神社の御朱印の中でもひと際目を引くのが、切り絵御朱印です。

主祭神・猿田彦大神と共に道通様(白蛇)がいて、笠岡で保護に力を入れているカブトガニの姿もあります。豪華メンバーが一堂にそろうデザインは、とても美しく魅力的。

これは御朱印に興味ある人はもちろん、そうでなくても手に入れたくなりますね。

切り絵御朱印以外にも一般的な神社名のみの御朱印や、刺繍(ししゅう)御朱印、月替わりの御朱印など色々な御朱印があるので、気に入ったものを頂きましょう。

ジャンボお守り
ジャンボお守り

また、社務所には蛇の形をしたおみくじやお守りなどがいっぱい。その中の一つにジャンボお守りがあります。

朱色のお守り袋に描かれた猿田彦大神と道通様(白蛇)のデザインがいい感じ。授与品かは分かりませんが、個人的に大層気に入りました。

道通神社の基本情報とアクセス

住所岡山県笠岡市横島1389
電話番号0865-67-0007

【アクセス】

  • JR笠岡駅から笠岡線のバス(約15分)に乗って「道通下」で下車後、徒歩約5分
  • 山陽自動車道「笠岡IC」から車で約20分

道通神社の駐車場

道通神社には、無料駐車場があります。(普通車300台)

まとめ

道通神社の絵馬

人によっては苦手意識を持つ蛇ですが、蛇神信仰は古くから世界各地で行わており、決して怖い存在ではありません。

たしかに、一度怒らせると祟りをもたらす存在ですが、繁栄・成長・知恵・富など様々な恩恵を与えてくれるありがたい神様ですね。

道通神社の境内には、小さな瓦製の祠(蛇の家)がたくさん並び、白蛇の像が安置されています。蛇に関するものが多く奉納されていることから、蛇神信仰の根付きを肌で感じ取れるでしょう。



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この記事を書いた人

年齢:40代。
職業:旅人兼ブロガー。

私にとって自転車旅が一番の楽しみであり、知らない土地、景色、一期一会の出会いなど様々な体験をしました。当ブログでは、自転車旅などを通じて体験した事や訪れた絶景・観光スポットについて紹介します。また、自転車全般に役立つ情報を発信しています。

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